営業予算とは・立て方11の手順と3つの方法・高すぎる予算を上司と話し合う5つの型
営業予算の意味から立て方、上司との話し合い方まで徹底解説します。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
・営業予算の立て方11の手順(粗利・既存と新規・商談数の逆算)
・営業予算の3つの立て方の方法(トップダウン・ボトムアップ・折衷型)
・高すぎる予算を上司と話し合う5つの型(逆算表・届かない差・下振れ)
現場の営業担当者だけでなく、営業責任者必見の内容です。
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営業予算とは?3つの基本
売上予算と費用予算の2つがある
営業予算とは、いったい何の数字を決めるものなのか。
営業部門が来期に上げる売上と、そのために使う費用を数字で決めた計画が、営業予算です。
売上の数字だけを指すと思われがちですが、使うお金の側も含めて1組で考えます。
費用も、予算の一部です。
初めて予算を任された課長が、何から手を付けるかで迷うのは自然なことです。
売上だけを決めて費用を決めずにおくと、商談を増やすための人や広告の手当てが後回しになりやすくなります。
売上予算を決めたら、同じ場で「その売上に要る費用」も書き出しておきましょう。
・売上予算:来期にどの顧客から、いくらの売上を上げるかを決めた数字
・費用予算:人の採用や広告、展示会、外注などに、いくら使うかを決めた数字
2つをそろえて立てれば、上司に「この売上にはこの費用が要る」と筋道を立てて説明できます。
ただし売上予算は、現場でよく聞くノルマと混同されやすいため、違いを先に押さえておくと安心です。
売上目標とノルマの違いを知る
予算として置く売上目標は、過去の実績や必要な利益から組んだ計画の数字です。
一方のノルマは、担当者に課された「必ず達成する数」を指す場面が多く見られます。
上から渡された数字が計画なのか義務なのか、あいまいなまま走り出すのは、多くの課長が通る道です。
言葉の使い分けは会社ごとに違うため、自社でどちらの意味で使っているかを確かめておくと話がずれません。
ノルマという言葉そのものが悪いわけではなく、分かれ目は数字の裏に筋道があるかどうかです。
部下に数字を渡すときは「この数字はこう組んだ」と、組み立ての説明を1行添えましょう。
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比べる点 |
売上目標(予算) |
ノルマ |
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決め方 |
過去の実績や必要な利益から逆算して決める |
上から割り当てられた数として示されることが多い |
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誰の数字か |
部門やチームの計画として持つ |
担当者個人に課される |
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届かなかったときの扱い |
どこでずれたかを調べ、次の手を考える材料にする |
達成できなかった事実そのものが問われやすい |
組み立てが見える数字なら、届かなかったときも責め合いではなく原因の話から始められます。
数字の出どころをたどった先にあるのが、自社全体の予算です。
会社全体の予算とつなげて考える
営業予算は、営業部門の中だけで決める数字ではありません。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
自社が来期に必要とする利益を出発点にして考えると、売上の数字に筋が通ります。
営業の売上は、会社の人件費や家賃、ほかの部門の費用をまかなう元手になるからです。
現場の感覚だけで数字を置き、経営から「それでは利益が足りない」と押し戻されるのは、つらい経験です。
たとえば全社で来期の利益を増やす方針が出れば、営業が上げるべき売上もそれに合わせて上がります。
営業の数字が足りなければ、採用や設備などほかの部門の計画まで組み直しになります。
営業予算は、全社の計画の土台です。
予算を組む前に、上司や経営企画に「全社で来期にいくらの利益を見込んでいるか」を聞いておきましょう。
全社の利益を起点にした数字なら、営業の予算が会社の計画のどこを支えているのかを示せます。
全社とつながった予算を持てば、営業の現場で変わるのは日々の動き方の中身です。
営業予算を立てる5つの目的
目的①:やるべき行動が決まる
予算の数字があると、来期に誰へ何を売り込むかを、月の単位まで落とし込んで考えられます。
年間の売上だけを掲げても、明日の訪問先は決まりません。
部下に「今月は何をすればいいですか」と聞かれて答えに詰まるのは、よくある場面です。
行動まで決まっていれば、部下は訪問先を探して迷う時間を減らし、そのぶん商談の準備に手を回せます。
予算を受け取ったら、まず「今月の商談数」まで数字を落とし込んでチームに伝えましょう。
・狙う顧客:既存のどの顧客との取引を深め、どんな業種の新規を取りにいくか
・必要な商談数:売上を上げるために、月に何件の商談をつくる必要があるか
・力を入れる商品:利益の取れる商品と、売上の柱になる商品のどちらに時間を割くか
毎月の動きが数字で見えると、人手が足りるかどうかも判断しやすくなります。
そこから先に控えるのが、誰をどこに置き、いくら使うかという配分の決め方です。
目的②:人と費用の配分を決める
来期の売上の見込みが数字で見えると、誰をどの顧客に付け、いくら使うかを根拠を持って決められます。
見込みがないまま配分を決めると、声の大きい担当者や前年の慣例に引っ張られがちです。
割り振りは予算から逆算して決まります。
人も費用も足りないと感じながら何を削るか決めきれないのは、判断の物差しを持っていないからです。
配分を数字で決めておけば、期の途中で「なぜあの人だけ」と不満が出たときにも理由を説明できます。
割り振りが固まったら、担当ごとの売上の見込みと使う費用を1枚の表に並べておきましょう。
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決まること |
具体例 |
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人の配置 |
大口の既存顧客に経験の長い担当者を付け、新規の開拓に若手を回す |
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広告や展示会の費用 |
新規の商談が多く要る時期に合わせて、展示会への出展を決める |
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外注の使い方 |
社内の人手で回せない商談の数だけ、外部に任せる範囲を決める |
並べた表が手元にあれば、期の途中で人や予算を付け替える判断も早くなります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
見直すべきかどうかを見極めるには、進み具合を早くつかめていることが前提です。
目的③:進み具合を早く測れる
月や週の単位まで予算を割っておくと、期末を待たずに、その月のうちに遅れに気づけます。
年間の数字だけを追っていると、ずれが目に見えるのは期の後半になりがちです。
四半期の締めで初めて大きな未達に気づき、慌てて打ち手を探す状況は誰でも避けたいところです。
差が小さいうちに気づければ、打ち手を試して結果を確かめるまでの時間が、期の中にまだ残っています。
月の予算は、担当者ごとに週の数字まで割って共有しておきましょう。
・未達の月がわかる:どの月から予算とのずれが始まったかを追える
・遅れている担当がわかる:チームの中で、誰の数字が予算に届いていないかが見える
・足りない商談数がわかる:売上の差を、あと何件の商談で埋めるべきかに置き換えられる
早く気づくほど、取り返すために要る商談の数も少なくて済みます。
進み具合をつかむ月ごとの数字は、担当者を公平に評価する場面でも役立つ材料です。
目的④:評価の基準をそろえる
予算があると、担当者の働きぶりを、上司の印象ではなく同じ数字の物差しで見られます。
基準が人によって違えば、同じ成果でも評価はばらばらです。
「自分のほうが頑張ったのに」という部下の不満にうまく答えられないもどかしさを、多くの課長が抱えています。
結果の数字だけで見ると、大口の顧客を持つ担当者が有利になり、新規に挑んだ人が報われにくくなります。
売上が届かなかった月に、怠けていたのかまだ実っていないだけなのかを見分ける手がかりが、商談の数です。
評価に使う数字は、期の初めに担当者と確かめ合っておくのが確実です。
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決まること |
具体例 |
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達成率 |
予算に対して実績が何%まで届いたかで、担当者を比べる |
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商談数などの行動量 |
売上がまだ出ていない若手も、つくった商談の数で努力を見る |
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新規と既存の内訳 |
既存顧客の売上が大きい担当と、新規を取った担当を分けて見る |
物差しを先に共有しておけば、部下は何を伸ばせば評価されるかを自分で判断できます。
こうした数字の基準は、部下との間だけでなく、経営と現場が話すときにも通じる共通の言葉です。
目的⑤:経営と現場の話が通じる
予算の数字と、その数字を出した根拠を共有しておくと、経営と現場が同じ前提で話せます。
経営は会社全体の利益を見て、現場は目の前の顧客を見ているため、話がすれ違いやすいのは当然です。
「現場の事情をわかってもらえない」と感じながら、数字だけを受け取るのはやりきれません。
共通の言葉があれば、経営が数字を上げたいときも「それなら人が1人要る」と条件で返せます。
上司に予算を出すときは、数字と一緒にその根拠も1枚にまとめて渡しましょう。
・売上の見込み:どの顧客からいくら入りそうかという、積み上げの数字
・必要な人と費用:見込みの売上を上げるのに、何人といくらの費用が要るか
・達成の条件:商談数や受注率(商談のうち受注できた割合)がどこまで届けば、予算に届くか
条件で話せる関係ができると、無理な数字を押し付けられる場面も減ります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
では予算そのものをどう決めるかというと、決め方には大きく3つの方法があります。
営業予算の3つの立て方の方法
トップダウン:経営が先に数字を決める
会社として達成したい売上を経営陣が示し、営業部門がそれを受け取って割り振る形がトップダウンです。
決まるまでが早いのが、この方法の強みです。
渡された数字が現場の手応えとかけ離れていて、受け取った瞬間に頭を抱えるのも、この方法でよく起きます。
現場の側から見ると、受け取った数字の根拠を自分で組み立て直す手間が残るのが難点です。
高すぎると感じても、ただ「無理です」と返すより、届く数字との差を示すほうが話は前に進みます。
数字を受け取ったら、まず過去の実績と並べてどこが離れているかを確かめましょう。
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項目 |
やり方の例 |
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進め方 |
経営が全社の利益の目標から営業の売上を決め、部門と担当者に割り振る |
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向く場面 |
新しい市場に打って出るときや、短い期間で方針を切り替えたいとき |
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良い点 |
決めるまでの時間が短く、会社の方針がそのまま数字に表れる |
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気をつける点 |
現場の顧客の事情が入りにくく、実感とかけ離れた数字になりやすい |
離れている幅をつかんでおくことが、後で上司と話し合うときの出発点になります。
トップダウンとは逆に、現場の数字を下から積み上げて決める方法もあります。
ボトムアップ:現場の積み上げで決める
担当者が自分の顧客ごとに来期の見込みを出し、それを足し合わせて営業全体の数字にする方法がボトムアップです。
1社ずつの事情を知る人が数字を出すため、根拠がはっきりしています。
自分で出した数字なので、担当者が納得して追いかけやすい点も見逃せません。
ただし、未達を恐れて控えめな数字を出したくなるのも自然な気持ちです。
たとえば全員の見込みを足したら前年と同じ水準にとどまり、経営が求める伸びに届かないのはよくある話です。
積み上げた数字は、どうしても今ある顧客の延長に偏ります。
新規の顧客や新しい商品の売上はまだ誰の手元にもないため、合計から抜け落ちやすくなります。
担当者の見込みを集めたら、新規で取る売上を別の行に足して見比べましょう。
現場の根拠と会社の目標の差が見えれば、どこを伸ばす必要があるのかを話し合うことができます。
その差を最初から並べて決めるのが、トップダウンとボトムアップを組み合わせた折衷型です。
折衷型:両方の数字をすり合わせる
経営の目標と現場の積み上げを横に並べ、その差を話し合いで埋めながら決めるのが折衷型です。
上からの数字と下からの数字のどちらか一方に寄せないため、根拠と方針の両方が残ります。
とはいえ、話し合いの場で上司と意見がぶつかるのは、誰にとっても気が重いものです。
差を埋める手は、新規の商談を増やす、人や費用を足す、達成の時期をずらすなど、いくつかの組み合わせで考えます。
話し合いの前に、差の金額と、それを埋めるのに要る商談の数を手元に用意しておきましょう。
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項目 |
やり方の例 |
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進め方 |
経営の目標と担当者の積み上げを並べ、差の理由と埋め方を話し合う |
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向く場面 |
既存の顧客が売上の多くを占め、新しい伸びも求められているとき |
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良い点 |
現場の納得と会社の方針の両方を、数字に反映させやすい |
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気をつける点 |
話し合いに時間がかかるため、早めに始める必要がある |
差を商談の数に置き換えておくことが、上司との場を条件のすり合わせに変える第一歩です。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
次は折衷型を前提に、材料を集めてから承認を得るまでの立て方を、11の手順で示します。
営業予算の立て方11の手順
材料を集める
過去3年の売上実績を集める
予算の材料づくりは、過去3年の売上を月ごとに並べ、増え方と波をつかむところから始まります。
1年分だけでは、たまたまの上下と毎年くり返す傾向を見分けにくいからです。
集計表が部署ごとにばらばらで、集めるだけで一苦労です。
J-Net21では、前年度比や過去3期の比較が示され、目標は過去の業績をもとに作られることも多いとされています。
(参考:財務の基礎知識|J-Net21)
まずは年・月・商品の3つの切り口で、3年分を1枚の表に並べましょう。
・年ごと:3年分を並べ、前の年からの増減を見る
・月ごと:毎年同じ時期に増える月、落ち込む月を確かめる
・商品ごと:伸びている商品と、縮んでいる商品を分ける
過去の流れが見えれば、来期を前年並みに置くか上乗せするかを、根拠を持って選べます。
ただし同じ売上の額でも、どの顧客から入っているかで中身は大きく違います。
顧客ごとの売上を分けて見る
売上を顧客ごとに分けて並べると見えてくるのが、自社の売上を支えている取引先の顔ぶれです。
合計だけを見ていては、伸びた理由も落ちた理由もつかめません。
本当に見るべきは、その内訳です。
毎年の予算の数字は届いていたのに、実は1社の大口注文に助けられていただけだと後から気づくのは怖いことです。
一部の大口顧客に頼っていると、その1社が取引を減らしただけで、予算の前提が大きく崩れます。
顧客別の表には、売上全体に占める割合の列も足しておきましょう。
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分け方 |
見えること |
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売上の大きい順に並べる |
上位の数社に売上がどれだけ集まっているか |
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新規と既存に分ける |
今ある取引の延長と、新しく取った売上の割合 |
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業種や会社の規模で分ける |
伸びている業種と、落ち込んでいる業種の違い |
1社への頼り具合がわかれば、来期に新規をどれだけ取りにいくべきかの目安も見えてきます。
自社の中の数字がそろったら、次に目を向ける先は外、つまり市場と競合の動きです。
市場と競合の動きを調べる
自社の実績だけで決めると、市場が縮む年にも例年どおりの伸びを見込んでしまいます。
外の動きも見て、数字を上下に調整するのがこの段の作業です。
業界の動きまで調べる時間はない、というのが現場の本音です。
政府の統計は、各省庁の統計を1か所で探せるe-Statを使うと、分野や組織から絞り込めます。
(参考:e-Stat 政府統計の総合窓口)
業界平均と比べる見方は、先のJ-Net21でも示されています。
調べた結果は「追い風」「向かい風」に分けて、1行ずつメモに残しましょう。
・政府の統計:業界の売上や出荷の年ごとの流れを確かめる
・競合の動き:新商品の発売や値下げなど、顧客を取りに来る動きを追う
・顧客の業界の景気:主な顧客の業界が伸びているか、落ちているかを見る
外の動きを書き添えておけば、上司に数字の上げ下げを聞かれても理由を示せます。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
材料がそろったら、最初に決めるのは売上ではなく、会社に必要な粗利の額です。
数字を組み立てる
粗利の目標から売上を決める
売上の目標は、会社に要る粗利を粗利率で割って逆算します。
粗利とは、売上から仕入れなどの原価を引いた残りのお金のことです。
売上が同じでも、利益の薄い商品ばかりが売れれば、会社に残るお金は足りなくなってしまいます。
「売上さえ上げればいい」と言われてきた現場ほど、この考え方に戸惑うのは自然です。
表の数字は、考え方を示すための例です。
利益の割合が下がる年は、同じ額をもうけるのに必要な売上が増えるため、予算はそのぶん重くなります。
売上予算を出すときは、必要な粗利と粗利率を先に上司とそろえておきましょう。
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項目 |
例の数字 |
求め方 |
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必要な粗利 |
1億2,000万円 |
全社で来期に要る利益から、営業が稼ぐ分を上司に聞く |
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粗利率 |
40% |
過去3年の実績から、売上に占める粗利の割合を出す |
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必要な売上 |
3億円 |
必要な粗利÷粗利率で求める |
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前年との差 |
3,000万円の上積み |
前年の売上2億7,000万円と比べる |
粗利から逆算した売上なら、「なぜこの額なのか」を会社の利益の側から説明できます。
必要な売上が決まったら、そのうち既存の顧客からどれだけ入るかを見積もる番です。
既存顧客の見込みを積み上げる
既存の顧客については、来期も取引が続く前提で、1社ずつ売上を見積もります。
過去の実績があるぶん、新規よりも見込みの精度を高めやすい部分です。
とはいえ担当者に聞くと、どの顧客も「今年並み」という答えが返ってきがちです。
減る側を書き出さずに積み上げると、見込みは実際より膨らみ、期の途中になって大きな穴が見つかります。
顧客ごとの見込みには、「増える」「減る」の理由を一言ずつ書き添えてもらいましょう。
・続く取引の額:毎月や毎年決まって入る売上を、前年の実績をもとに置く
・増えそうな取引:顧客の事業拡大や、追加の注文が見えている分を足す
・減りそう・止まりそうな取引:先方の担当者の交代や競合の売り込みで、危うい取引を差し引く
理由が書いてあれば、見込みが外れたときに、どの顧客の読みがずれたかをすぐに追えます。
既存の見込みを足し終えたあと、必要な売上との間に残る差こそが、新規で取るべき売上です。
新規で取る売上を分けて置く
必要な売上から既存の見込みを引いた残りは、新規で取る売上として別の行に置きます。
例の数字では、必要な売上3億円に対して既存の見込みが2億4,000万円なら、新規で取る分は6,000万円です。
既存と新規を分けるのは、売上が立つまでの道のりがまるで違うからです。
新規は初めての接触から受注まで時間がかかり、打つ手も既存の深掘りとは別物になります。
合計の数字が届いていれば安心したくなるのは、誰しも同じです。
既存の追加注文で合計が予定どおりに見え、新規の遅れに気づいたのは期の後半だった、という場面は珍しくありません。
予算表では、既存と新規の売上を別の行に分けて、それぞれの達成率を追いましょう。
新規を分けて置けば、足りない分を「あと何社取ればいいか」という具体的な数に置き換えられます。
その数を商談の件数に換算するには、受注率などを使った逆算が欠かせません。
必要な商談数を逆算する
新規で取る売上を、毎月の商談数に落とし込むには、どう計算すればよいのか。
答えは、受注件数、商談数、接触数の順に割り算でさかのぼる方法です。
計算と聞くと身構えがちですが、使うのは割り算だけです。
受注から逆算しておけば、日々の行動目標も同じ計算で決められます。
割合の数字は、自社の過去の実績から出して使いましょう。
①新規の売上÷平均単価(1件あたりの売上)=受注件数(例:6,000万円÷300万円=20件)
②受注件数÷受注率=必要な商談数(例:20件÷25%=80件)
③商談数÷商談になる割合(接触のうち商談に進んだ割合)=必要な接触数(例:80件÷20%=400件)
④年間の件数を12か月で割る(例:商談は月に約7件、接触は月に約33件)
月の商談数が見えれば、それを1人あたりの件数に直して、今の人数で回せるかどうかも確かめられます。
年間の件数が出たら、次の仕事は売上の波に合わせた、月ごとの数字の割り振りです。
計画に落とす
月ごとの数字に割り振る
年間の数字を単純に12で割ると、売上が落ちる月にも同じ額が並び、毎年同じ月に未達が出ます。
月ごとの予算は、過去3年の売上の波に合わせて配るのが基本です。
12で割った表を出したせいで、決まった月だけ毎年責められるのは、課長にも担当者にもつらいだけです。
特に新規は、期の初めに動き出しても売上になるのは数か月後のため、前半から均等に置くと序盤の未達が続きます。
月の数字を決めたら、四半期ごとの合計が年間の数字と合っているかを確かめましょう。
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割り振り方 |
やり方の例 |
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過去の月別の割合で分ける |
過去3年の月ごとの売上の割合を出し、年間の数字に掛ける |
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繁忙月を厚くする |
例年、注文が集まる月には、平均より多めに数字を置く |
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受注までの日数で後ろにずらす |
商談から受注まで2か月かかるなら、新規の数字は期の後半に寄せる |
波に沿った月の数字なら、未達が出ても「例年の落ち込みか、本当の遅れか」をすぐに切り分けられます。
月の数字がそろえば、あとはチームの数字を担当者ごとにどう分けるかを決める段階です。
担当者ごとに数字を分ける
チームの数字は、人数で均等に割らず、担当者が持つ顧客と経験に合わせて分けます。
同じ額を全員に渡すと、大口の顧客を持つ人は楽になり、新規を任された人ほど苦しくなります。
誰にどの数字を渡すかは、課長にとって最も気をつかう仕事の1つです。
数字を渡す前に本人と15分でも話し、見込みと余力を聞いておくと、納得して追いかけてもらえます。
担当者ごとの数字は、既存と新規に分けて渡し、それぞれの根拠を一言添えましょう。
・担当する既存顧客の見込み:その人が持つ顧客から、来期に入りそうな売上
・新規に使える時間:既存の対応に追われず、新しい顧客に会いに行ける余力
・経験と育成の段階:入社1年目の若手か、大口を任せられる中堅か
根拠つきで分けた数字なら、担当者はそれを押し付けられたものではなく、自分の計画として持てます。
担当者ごとの商談数がわかれば、次はチームに必要な人と費用を見積もる番です。
必要な人と費用を見積もる
逆算で出した商談数を回すのに、何人の担当者と、いくらの費用が要るかを見積もります。
この見積もりが、売上予算と対になる費用予算になります。
売上の数字だけが先に決まり、人や費用は後回しにされやすいのが現場の悩みです。
人数を出すときは、既存顧客の対応にかかる時間を先に差し引き、残った時間で割るのがコツです。
かけた費用が売上に見合っているかは、営業費率という数字で後から確かめられます。
見積もった人と費用は、売上予算と同じ表の隣の列に書き込みましょう。
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見積もるもの |
見積もり方の例 |
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人の数 |
月の商談数を、1人が月にこなせる商談数で割る |
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広告・展示会 |
新規の接触数のうち、広告や展示会で集める分の費用を出す |
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外注 |
社内で回しきれない接触や商談の件数を、外部に任せる費用を出す |
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ツール |
商談の記録や数字の集計に使う道具の利用料を入れる |
売上と費用が並んでいれば、上司は「この売上を取るにはこれだけ要る」と一目でつかめます。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
売上の数字と人・費用の見積もりがそろったら、最後は上司に見せて承認を得る手順です。
上司の承認を得て確定する
数字の根拠と、必要な人と費用をそろえて上司に見せ、承認を得たところで予算は確定します。
承認を経ない数字は、期の途中で書き換えられやすく、追いかける側も腰が据わりません。
上司の前で数字の説明に詰まり、その場で上乗せを言い渡されるのは、多くの課長が恐れる場面です。
逆算の表と割り振り、人と費用の3つがそろっていれば、上司は数字だけでなく、それを支える条件まで含めて判断できます。
承認の場では、まず逆算の表から見せ、数字の出どころを先に伝えましょう。
・逆算の表:必要な粗利から売上、受注件数、商談数までの計算
・月と担当者の割り振り:誰がいつ、いくら上げるかの一覧
・必要な人と費用:売上を取るために要る人数と、費用予算の内訳
出どころが伝われば、話し合いは「高い・低い」の言い合いではなく、条件の確認に進みます。
予算を立てる途中で確かめておきたい数字は、売上と商談数のほかにも5つあります。
営業予算を立てるときに見る5つの数字
月別:月ごとの売上の波を見る
月ごとの売上を3年分重ねて浮かぶのは、毎年ほぼ同じ形をくり返す波です。
波の形は、業界の一般論ではなく自社の過去の数字から読むのが確実です。
年間の合計ばかり追ってきた人ほど、月の上下には目が届きにくくなります。
表の中身は、考え方を示すための例です。
波の山と谷の差が大きい会社ほど、年間を12で割った予算とのずれも大きくなります。
波を知らずに予算を置くと、毎年同じ月の未達を新しい問題として扱い、同じ対策会議をくり返します。
過去3年の月別の売上を重ねたグラフを、1枚作っておきましょう。
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月の動き |
例 |
予算への生かし方 |
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売上が増えやすい月 |
毎年同じ月に、前の月の1.5倍前後の注文が入る |
増える月に向けて、商談を2〜3か月前から仕込む |
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売上が減りやすい月 |
毎年同じ月に、前の月の7割ほどまで落ちる |
落ちる月の数字を低めに置き、ほかの月で取り返す計画にする |
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年によってずれる月 |
大型案件の受注月が、年によって前後する |
1つの月に決め打ちせず、前後の月に分けて置く |
波の形がつかめれば、商談を仕込む時期を、増える月から逆にたどって決められます。
月の波と並んで見ておきたいのが、売上を取るためにかけた費用の割合です。
営業費率:売上に対する営業費を見る
営業費率とは、売上のうち営業にかかった費用がどれだけの割合かを示す数字です。
求め方は営業費÷売上で、たとえば営業費3,000万円・売上3億円なら10%になります。
売上の数字ばかり問われるため、費用の割合まで見る余裕がないまま期末を迎えるのが、多くの現場の実情です。
何%なら適正という決まった物差しはなく、自社の過去と比べて読むのが現実的です。
営業費率は、売上予算と費用予算を並べた表に、毎月の数字として書き込みましょう。
・前年より上がっている:売上の伸び以上に費用が増えているため、使い方を見直す
・下がりすぎている:費用を絞りすぎて、新しい商談を作る打ち手が足りていないおそれがある
・前年と比べて見る:1年分の割合だけでは良し悪しを決めにくいため、過去の数字と並べる
費用の割合が見えていれば、人や広告を増やす相談も、売上との釣り合いで話せます。
費用の次に見ておきたいのは、既存の顧客がどれだけ取引を続けてくれているかです。
継続率:既存顧客が続く割合を見る
継続率は、前の期に取引のあった顧客のうち、今期も取引が続いた顧客の割合です。
既存顧客の見込みを積み上げるとき、この割合で見込みの甘さを確かめられます。
「うちの顧客は離れない」と思っていても、数字で確かめる機会は意外とありません。
表の数字は例です。
1社ずつの見込みは楽観に寄りやすいため、継続率で全体を掛け直すと、見込みの膨らみを抑えられます。
継続率が下がっている年は、新規で埋める額がそのぶん増えます。
既存の見込みを出したら、過去の継続率を掛けた額とも比べておきましょう。
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項目 |
見方の例 |
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求め方 |
前の期の顧客100社のうち、今期も取引が続いたのが85社なら、継続率は85% |
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下がったときに見る点 |
離れた顧客の業種や担当者、取引の長さに共通点がないかを見る |
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予算への入れ方 |
既存の見込みを、過去の継続率を掛けた額で置き直す |
2つの額に大きな開きがあれば、どの顧客の読みが甘いかを担当者と話す糸口になります。
続く顧客の数がわかったら、1社あたりの取引の大きさにも目を向けます。
取引規模:平均単価と取引回数を見る
売上を平均単価×取引回数×顧客数に分けて見るのが、どこに手を打つかを見極めるための入り口です。
合計が同じでも、単価が下がったのか、回数が減ったのかで、打つ手はまるで違います。
売上が減った理由を聞かれ、「市場が厳しくて」としか答えられないのは悔しいことです。
平均単価は、商談数を逆算するときに使った数字と同じです。
単価が下がれば、同じ売上を取るのに必要な受注件数も商談数も増えるため、予算全体の重さが変わります。
3つの数字を前年と並べて、どれが動いたかを先に確かめましょう。
・平均単価が下がっている:安い商品の比率が増えていないか、提案する範囲が狭まっていないかを見る
・取引回数が減っている:追加注文や更新の声かけが、後回しになっていないかを見る
・顧客数が減っている:離れた顧客の数と、新しく取れた顧客の数を比べる
動いた数字がわかれば、打ち手の向け先も決まります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
最後の1つは、売上がいつ立つかを左右する、受注までの日数です。
受注期間:受注までの日数を見る
最初の商談から受注までの日数を見ると、売上が期のどの時期に立つかを前もって読めます。
日数が長い商品ほど、商談を早く作らなければ、期の中で売上にならないからです。
たとえば受注まで平均4か月かかる商品なら、期末の3か月前に始めた商談は、その期の売上に間に合いません。
期の後半に商談を増やしたのに、受注は翌期にずれこんだ、という声は現場でよく聞く話です。
日数は一般的な目安をあてにせず、自社の実績から測るのが基本です。
過去に受注した案件の、初回の商談日と受注日の差を数えて平均を出し、商品や顧客の規模ごとに分けると精度が上がります。
受注までの日数の平均を商品ごとに出し、商談を作り始める月を逆算しましょう。
日数がわかれば、月ごとの数字を割り振るときも、新規の売上をどの月に置くかに根拠が持てます。
ただ、こうした数字をそろえても、上から渡された予算が高すぎると感じる場面は残ります。
高すぎる営業予算を上司と話し合う5つの型
根拠の逆算表を先に見せる
上から渡された予算が高すぎるとき、何から話せばいいのか。
答えは、「無理です」と口にする前に、予算から商談数までをさかのぼった表を見せることです。
数字の言い合いを避け、どの段が重いのかを表の上で示せます。
「高すぎます」と言ったとたん、やる気の問題にすり替えられる怖さを、多くの課長が味わってきました。
次の表は、渡された予算を3億6,000万円とした例です。
表は上から順に読み、どの段で数字が急に膨らむかを指でたどります。
粗利から逆算した3億円の場合と比べると、月の商談は約7件から約13件へ、ほぼ倍に増えています。
話し合いの最初に、渡された予算で逆算した表を上司と一緒に読みましょう。
|
段 |
例の数字 |
根拠 |
|
売上予算 |
3億6,000万円 |
上司から渡された数字 |
|
既存の見込み |
2億4,000万円 |
顧客ごとに積み上げた額 |
|
新規で要る売上 |
1億2,000万円 |
売上予算から既存の見込みを引いた額 |
|
受注件数 |
40件 |
1億2,000万円÷平均単価300万円 |
|
必要な商談数 |
160件(月に約13件) |
40件÷受注率25% |
表を挟めば、話は「できる・できない」から、月13件の商談をどう生むかに移ります。
そのうえで示すのが、今の体制で届く数字と、届かない差の切り分けです。
届く数字と届かない差を分ける
今の人と費用で届く数字と、届かない差は、分けて上司に見せます。
2つを混ぜたまま「足りません」と伝えると、全部が努力不足に聞こえるからです。
差を正直に言うほど評価が下がりそうで、口が重くなるのも無理はありません。
届く数字は過去の実績から出すため、上司も頭から否定しにくい土台です。
差の金額がはっきりすれば、上司と向き合う問いは「渡された予算との差をどう埋めるか」の1つだけ。
届く数字の根拠は、過去の受注率と1人あたりの商談数で示しましょう。
・今の体制で届く数字:今の人数と過去の受注率で回したときの売上(例:3億1,000万円)
・届かない差の金額:渡された予算と、届く数字との差(例:5,000万円)
・差を埋める手の候補:人を増やす、商談を作る手を足す、単価の高い商品を売るなど
届く分と差を切り分けておけば、未達になっても約束の範囲がぶれません。
差の金額を伝えるときは、見通しが外れた場合の幅もあわせて示すのが効果的です。
下振れの幅も添えて伝える
見通しは1つの数字で言い切らず、うまくいった場合と下振れした場合の幅で伝えます。
1つの数字だけを出すと、それがそのまま約束として受け取られやすいためです。
上司の側も、外れたときにどこまで下がるかを知っておきたいと考えています。
例として、渡された予算3億6,000万円に対する3つの見通しを並べたのが次の表です。
幅を出すと弱気に見えると心配する人もいますが、前提が書いてあれば根拠のある見通しとして受け取られます。
強気の数字でさえ予算に届かないなら、それ自体が話し合いの大事な材料です。
3つの見通しには、何が起きたらその数字になるかを1行ずつ添えましょう。
|
見通し |
例の数字 |
前提 |
|
強気 |
3億4,000万円 |
新規の受注率が25%から30%に上がり、大口の追加注文も入る |
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標準 |
3億1,000万円 |
過去3年と同じ受注率と商談数で進む |
|
下振れ |
2億8,000万円 |
既存の大口1社が取引を減らし、新規の商談も1割減る |
3つが並んでいれば、上司は強気の見通しをかなえるのに何が要るかを考え始めます。
そこで出てくるのが、人や費用を足す相談です。
人や費用の追加を相談する
差を埋める人や費用は、金額と見込まれる効果をそろえて相談します。
「人が足りない」だけでは、上司は何人いれば足りるのかを判断できません。
予算の引き下げは言い出しにくく、黙って抱え込んでしまう課長が多いのも事実です。
今の体制で届く数字まで添えておくと、追加を断られたときに、予算と届く数字のどちらに合わせるかの判断を上司に委ねられます。
相談の形は、人を足せばいくら増え、足さなければいくらで止まるかの2択です。
追加の相談は、足す場合と足さない場合の数字を並べて出しましょう。
・足りない商談数:差を埋めるのに、月にあと何件の商談が要るか(例:約6件)
・要る人や費用:その商談を作る人数や広告費(例:担当者1人、年600万円)
・追加しない場合に届く数字:今の体制のままで届く売上(例:3億1,000万円)
2択で示せば決めるのは上司になり、課長が1人で数字の重さを背負わずに済みます。
どちらに決まっても、中身は口約束で終わらせず、書き残しておくことが大切です。
達成に要る条件を書面に残す
話し合いで決まった予算と条件は、短い文書やメールで残します。
口頭の約束は、期の途中で上司が替わったり、お互いの記憶がずれたりすると、あっけなく消えてしまいます。
「言った・言わない」で揉めるのは、誰にとっても避けたい展開です。
契約書のような堅い書き方は要らず、会議のあとの議事録程度で足ります。
条件が書いてあれば、人の追加が遅れたときに、予算の数字を見直す話を正面から切り出せます。
見直す時期まで書けば、四半期の話し合いを責め合いでなく条件の確かめ合いにできるのも、書面の効き目です。
話し合いの当日中に4つの項目をメールで送り、上司から返信をもらっておきましょう。
|
残す項目 |
書き方の例 |
|
合意した予算の数字 |
来期の売上予算は3億6,000万円(うち新規1億2,000万円) |
|
前提にした条件 |
新規の受注率25%、平均単価300万円を前提とする |
|
追加される人や費用 |
第2四半期から担当者を1人増やし、広告費を年600万円足す |
|
見直す時期 |
四半期ごとに見通しを直し、条件が崩れたら数字を話し合う |
文書は相手を縛るためではなく、同じ前提で1年を走るための目印です。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
決まった予算は、日々の予実管理で達成に近づけます。
営業予算の達成に向けた予実管理の5つのコツ
週ごとに予算と実績を比べる
予実管理とは、予算と実績を並べて比べ、差を見つけて手を打つことです。
J-Net21も、計画や目標を数値で決めておき、結果を測って計画と並べて比べる進め方を示しています。
(参考:財務諸表の分析結果を経営改善活動に活用するには|J-Net21)
おすすめは、月末を待たず週ごとに比べることです。
月末の会議で初めて遅れに気づき、慌てた課長は少なくありません。
受注から逆算した目標と見込みのずれを週ごとに洗い出せば、遅れが小さいうちに打ち手を選べます。
毎週決まった曜日に、予算と実績を並べた表を10分で確かめましょう。
・遅れに早く気づく:月の途中で、商談数や受注の遅れが見える
・手を打つ時間が残る:月の残りで、連絡先を増やすなどの手が打てる
・担当者が自分の数字を意識する:月末だけ追い込む動きが減る
週ごとに差を見ていれば、月末の未達は突然の知らせではなくなります。
差が見つかったら、それが接触・商談・提案・受注のどの段階で生じたかを確かめる番です。
差が出た段階を特定する
予算に届かないとき、どこから手を付ければいいのか。
まずは売上の差だけを見ず、接触・商談・提案・受注のどの段階で差が出たかを特定します。
段階がわかれば、打つ手もその段階に絞れます。
「とにかく数字を上げろ」と言われても、担当者は何を変えればいいのか迷うだけです。
段階ごとの止まり方と、担当者への声かけの例を表にしました。
声かけを段階に合わせると、担当者は責められたと感じにくくなり、起きている事実をそのまま答えてくれます。
受注から逆算した目標と並べれば、どの段階の数字が足りないかは表の上で一目瞭然です。
差が出た段階を1つ特定してから、担当者と次の手を話しましょう。
|
差が出た段階 |
声かけの例文 |
|
接触が少ない |
「今週、新しく連絡できた会社は何社でしたか。来週は何社に連絡できそうですか」 |
|
商談にならない |
「連絡はできていますね。会う約束につながらなかった会社は、どんな反応でしたか」 |
|
提案で止まる |
「提案のあと、返事が止まっている案件はどれですか。次に確かめることは何ですか」 |
|
受注で負ける |
「最後に選ばれなかった理由を、先方に聞けた案件はありますか」 |
段階が1つに絞れれば、会議の時間を原因探しではなく、次の手を決めることに使えます。
ただし手を打つときも、一度に変えるのは1つだけにとどめるのが原則です。
打ち手を1つに絞って試す
差が出た段階がわかったら、打ち手は1つに絞って試します。
いくつも同時に変えると、数字が動いても、どの手が効いたのかがわからないからです。
焦るほど、あれこれ手を出したくなる気持ちは誰にでもあります。
たとえば、接触から商談に進む割合が低いなら、変えるのは商談日程の打診の仕方だけにします。
「ご都合のよい日はありますか」という聞き方を、「来週の火曜か木曜の午後はいかがですか」に変える形です。
ほかのやり方はそのまま続け、2週間ほどたったら、商談に進んだ割合を前の2週間と比べます。
割合が上がればその聞き方をチームに広げ、変わらなければ次の1手に移るのが手順です。
1回に変える打ち手は1つだけにし、試す期間と比べる数字を先に決めましょう。
1つずつ試せば効いた手が記録に残り、翌期の予算を立てるときの根拠にもなります。
こうした試みを続ける土台は、担当者が本音を話しやすい予実の会議です。
数字を責める場にしない
予実の会議は、未達を責める場ではなく、次の手を決める場にします。
数字が足りないと、つい語気が強くなるのは、課長自身も追い込まれているからです。
厚生労働省の指針は「過大な要求」の例に、新卒者へ教育なしに届かない業績目標を課し、厳しく叱る言動を挙げます。
一方で、業務上必要かつ相当な範囲の適正な指導は、パワハラには当たらないとの立場です。
(参考:パワーハラスメント防止のための指針(令和2年厚生労働省告示第5号)|厚生労働省)
数字を追うこと自体は問題ではなく、責め方しだいで当たるおそれがある点を押さえておけば十分です。
会議では、未達の理由を問いただす前に、止まっている段階と次の手を聞きましょう。
|
責める言い方 |
言い換えの例 |
|
「なぜこんなに足りないのか」 |
「どの段階で止まっている案件が多いですか」 |
|
「やる気があるのか」 |
「今月、手が回っていないことはありますか」 |
|
「来週までに何とかしろ」 |
「来週、まず1つ試すとしたら何にしますか」 |
話しやすい会議なら悪い知らせが早く上がり、手を打つ時間も期の中に残ります。
早く上がった知らせは、四半期ごとに見通しを直すときの大事な材料です。
四半期ごとに見通しを直す
四半期ごとに、売上がどこまで届くかの見通しを直しますが、直すのは予算ではなく見込みの数字です。
予算は上司と合意した約束なので、勝手に書き換えず、直した見通しを上司と共有します。
期の初めの見通しのまま走り、最後の四半期で差に青ざめる課長は少なくありません。
確度に合わせて置き直した見通しは、担当者の希望ではなく商談の進み具合にもとづく数字です。
四半期の終わりには、直した見通しと予算の差を、上司に数字で伝えましょう。
・受注の確度で見込みを直す:「ほぼ決まり」「五分五分」など、商談ごとの確度で見込みの額を置き直す
・止まっている商談を洗い出す:1か月以上動きのない商談は、見込みから外すか次の手を決める
・次の四半期の打ち手を決める:見通しと予算の差を見て、打つ手を1つ選ぶ
差を早めに伝えれば、人の追加や予算の見直しを話し合う時間が残ります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
一方で、予算を立てる段階でつまずけば、管理の工夫だけで差を埋めるのは困難です。
営業予算の立て方でよくある5つの失敗
失敗①:前年の数字に上乗せするだけ
前年より少し上の数字を置くのは、なぜまずいのか。
前年に一定の割合を足しただけの数字には、そうなる根拠がどこにもありません。
「去年が2億7,000万円だから、今年は1割増し」という決め方は手軽で、つい選びたくなります。
ただし手軽なぶん、期の途中で数字がずれたとき、どこを直せばいいのかが見えない点が弱みです。
市場が縮む年の1割増しは、担当者にとって最初から届かない数字です。
前年の数字は出発点として使い、そこに市場と顧客の変化を足し引きする順番にすれば、根拠のある数字に変わります。
前年比で数字を置いたら、その伸び率を支える理由を3つ書き出しましょう。
|
起きること |
対処法 |
|
市場の伸びや縮みが数字に入らない |
市場と競合の動きを調べ、伸びる分野と縮む分野を分けて置く |
|
顧客の増減が数字に入らない |
既存顧客を1社ずつ見て、増える取引と減る取引を書き出す |
|
上司に「なぜこの数字か」を説明できない |
粗利の目標から売上を出し、計算の筋道を1枚にまとめる |
理由が書けない伸び率は、立て直しの合図です。
ただ、理由のつもりで「行けそうだ」という手応えを書くと、次の失敗に陥ります。
失敗②:根拠のない数字を置く
「このくらいは行けそう」という手応えで置いた数字は、未達になったときに原因を追えません。
どの段階の何が足りなかったのかを、あとから確かめる手がかりが残らないからです。
経験のある課長ほど、勘を信じたくなります。
立て直す近道は、新規の売上を平均単価と受注率で割り、必要な商談数を割り出す逆算に戻ることです。
勘で置いた数字も式に通すと、見込んだ受注率が何%なのかが表に出ます。
手応えで置いた数字は、逆算の式に当てはめて、受注率と商談数を書き添えましょう。
・未達の理由が「がんばりが足りない」の一言で終わる
・どの担当者の、どの顧客の読みがずれたのかがわからない
・翌年も同じ勘で数字を置き、同じ外れ方をくり返す
割合が書き添えてあれば、未達のときも、どの段階が読みと違ったかを数字で示せます。
ただし逆算が正しくても、新規と既存を1つの数字にまとめると、遅れは見えにくくなります。
失敗③:新規と既存を分けない
新規と既存を1つの売上にまとめたときの落とし穴は、新規の遅れが既存の売上の陰に隠れることです。
既存の大口顧客から追加の注文が入れば、合計の達成率は一気に上がります。
順調に見えれば、チームの空気がゆるむのも人の常です。
合計しか見ていない会議では、新規の商談が2か月続けて減っていても、誰も口にしないまま期が進みます。
既存の売上は顧客側の事情で動きやすい一方、新規は打ち手しだいで増減するため、管理の手間をかける価値が大きい部分です。
月次の会議では、合計の達成率より先に、新規の商談数と受注件数を確かめましょう。
|
起きること |
対処法 |
|
新規の商談の減りに、合計の数字では気づけない |
新規だけの商談数を週ごとに数え、合計とは別に追う |
|
翌年の既存の売上が細る |
新規で取った顧客の数を、翌年の土台として年ごとに記録する |
|
担当者の評価がずれる |
大口の既存を持つ人と、新規を担う人を別の基準で見る |
新規の数字を先に見る習慣があれば、既存の好調に油断して手が止まることはありません。
数字の分け方と同じくらい大事なのが、その数字を誰と決めるかという点です。
失敗④:担当者に相談せず決める
担当者に相談せず課長だけで決めた数字は、現場が動く理由になりません。
担当者は、自分の顧客の来期の事情を、誰よりもよく知っているからです。
締め切りが迫ると、全員の話を聞く時間を惜しみたくなるのは当然です。
たとえば、担当する大口顧客が来期に発注を絞ると聞いていた担当者に、前年並みの数字を渡したとします。
担当者は最初から届かないとわかっているため、期の早い段階で数字を追うのをやめてしまいがちです。
本人と事前に話していれば、減る分を新規で埋める相談が期の初めにできました。
数字を決めるのは、あくまで課長です。
全体の数字を示したうえで、担当者から顧客の事情を聞き、配分を調整する形です。
数字を渡す前に、担当者ごとに顧客の来期の事情を聞く時間を取りましょう。
自分の話が反映された数字なら、担当者は未達の兆しが見えた段階で早めに声を上げます。
人の側の話と並んで見落とされやすいのが、売上を取るためのお金、つまり費用予算です。
失敗⑤:費用予算を立てずに進める
売上予算だけを立てて費用予算がないと、期の途中で人や広告のお金が足りなくなります。
売上が決まれば、それを取る費用も決まるのが本来の姿です。
費用の話は経理に任せたいと考え、つい後回しにする課長は少なくありません。
対処法は、逆算した商談数から人数と広告や外注の費用を見積もる手順に戻ることです。
費用も同じ表に並べておけば、期の途中で足りなくなったときに、何をいくら足すかをすぐ相談できます。
売上予算を出したら、同じ週のうちに費用予算の見積もりまで済ませましょう。
・人が足りない:商談数を回す担当者がいないまま、期の途中で採用を急ぐ
・集客が止まる:展示会や広告の費用が取れず、新規の接触数が予定より減る
・追加の相談が通らない:根拠がないため、上司に増額を頼んでも説明できない
売上と費用がそろった予算は、上司にとっても判断しやすい材料です。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
こうして立てた予算は、日々の数字を記録する道具があってこそ、管理の場で生きてきます。
営業予算の管理に役立つ3つの道具
表計算ソフトで予実表を作る
予実管理を始めるなら、まずは表計算ソフトで月ごとの予算と実績を並べる表を作れば足ります。
新しい道具を入れる前に、手元の表で数字を追う習慣をつけるほうが先です。
立派な仕組みを先に整えようとして、肝心の記録が始まらない例は珍しくありません。
次の表は、月ごとの予算を過去の売上の波に合わせて配った例です。
差は実績から予算を引いた額で、達成率は実績を予算で割った割合です。
列を足すなら、新規と既存の実績を分ける2列と、月末までの見込みの列を加えると、遅れの出どころが見えます。
まずは予算・実績・差・達成率の4列で表を作り、毎週同じ日に実績を書き込みましょう。
|
月(例) |
予算 |
実績 |
差 |
達成率 |
|
4月 |
2,200万円 |
2,050万円 |
−150万円 |
93% |
|
5月 |
2,400万円 |
2,520万円 |
+120万円 |
105% |
|
6月 |
2,600万円 |
2,340万円 |
−260万円 |
90% |
手で書き込む作業そのものが、担当者が自分の数字を見るきっかけになります。
ただ、表には結果しか残らないため、受注までの途中の動きは別の道具で追うのが近道です。
営業支援ツールで商談を追う
営業支援ツールとは、商談ごとの進み具合や金額を記録し、チームで共有するための仕組みです。
表計算ソフトとの違いは、予算との差を受注前の段階から追える点。
記録の手間が増えて担当者が嫌がる、と心配する課長は多くいます。
記録がそろえば、売上の見込みや停滞の理由、先々の売上予測まで同じ画面で追えます。
担当者の手間を小さく抑える鍵は、入力する項目を絞ることです。
入れる前に、記録する項目を段階・金額・次の予定の3つに絞り、全員が毎日入れる約束を決めましょう。
・商談ごとの段階と金額がわかる:提案中の商談と見込みの額を一覧で見られる
・受注の確度から見込みを出せる:確度ごとに金額を足し、期末の売上の見通しを置ける
・止まっている商談に気づける:長く動いていない商談を拾い、次の手を話し合える
記録が続けば、月末を待たずに予算との差を商談の単位で説明できます。
一方、部門が増えて予算の表が手に負えなくなれば、専用の道具を考える時期です。
予実管理の専用ツールを使う
部門や担当者が増え、表計算ソフトで追いきれなくなったら、専用ツールに切り替える時期です。
担当者が数人のうちは、1枚の表を全員で見られるため、表計算ソフトのままでも数字の管理は十分に回ります。
とはいえ、毎月の集計に半日かかるようになったら、それは道具を見直す合図です。
切り替えの目安は、集計にかかる時間と、数字の食い違いを直す回数です。
専用ツールは便利ですが、入れたあとに数字の決め方が変わるわけではありません。
集計に毎月かかる時間を記録し、費用と比べてから切り替えを決めましょう。
|
比べる点 |
表計算ソフト |
専用ツール |
|
集計の手間 |
部門ごとの表を手で集めて合計する |
入力した数字が自動で全社の表にまとまる |
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複数人での更新 |
同時に直すと数字の食い違いが起きやすい |
担当者ごとに入力でき、更新の履歴も残る |
|
費用 |
手元のソフトで始められ、追加の費用はほぼない |
利用料がかかるため、人数と使う期間で見積もる |
道具は記録を楽にするだけで、届かない差を埋めるのは別の打ち手です。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
自社の人手だけで差が埋まらないときは、外部の営業支援を使う手もあります。
営業予算の達成を外部の営業支援で補う3つの方法
足りない商談数を外部で補う
逆算で出した商談数のうち、自社の人手で届かない分は、外部の営業支援で補う手があります。
例の数字なら月に約7件の商談が要るため、社内で5件しか作れないなら、残る2件分が任せる範囲です。
任せると決めた途端、成果の測り方が曖昧になりがちです。
アポの数だけを追うと、受注につながらない商談が増え、費用ばかりかさみます。
任せる前に、受注1件あたりにかけてよい費用の上限を決めましょう。
・任せる商談数:逆算で足りない分だけを、月ごとの件数で決める
・狙う顧客:業種や会社の規模など、自社の受注率が高い顧客にそろえる
・成果の見方:会う約束(アポ)の件数だけでなく、受注と費用対効果で判断する
上限があれば、外部の成果を自社の営業と同じ基準で比べられます。
とはいえ、いきなり大きく任せるより、範囲を絞って試すほうが安全です。
新規開拓だけを任せて試す
まずは新規開拓だけを期間を区切って外部に任せ、自社に合うかを数字で確かめます。
最初から営業の全部を任せると、うまくいかなかったときに原因を切り分けられないのが難点です。
頼むなら一気に広く任せて早く差を埋めたい、と考える課長もいます。
ただ、合わなかったときに失う費用と時間を考えれば、小さく始めるほうが損は少なく済むのが現実です。
試す期間に数字にもとづく報告を受け取れば、外部の成果だけでなく、自社の営業の課題も見えてきます。
試す前に、続けるか止めるかを決める数字の基準を置きましょう。
|
項目 |
やり方の例 |
|
任せる範囲 |
新規の顧客への連絡から、会う約束を取るところまでに絞る |
|
期間 |
3か月などの区切りを決め、延ばすかどうかを期間の終わりに判断する |
|
判断に使う数字 |
接触数・商談数・受注件数を、自社の担当者の数字と並べて比べる |
基準を先に置けば、期間の終わりに感覚で続けてしまう事態を防げます。
任せたあとの進み具合は、週ごとの報告で追うのが基本です。
週次の報告で進み具合を見る
外部に任せた分の商談も、自社の分と同じく週ごとの報告で予算との差を確かめるのが原則です。
任せた分を月末まで見ないと、差に気づいたときには打つ手が残っていません。
任せた以上は口を出しにくい、と遠慮する気持ちもわかります。
急ぎの変化をその日のうちに受け取るには、週の報告とは別に、日々の情報共有の場も決めておくことが大切です。
報告の形を最初に決め、自社の予実表と同じ列で数字を受け取りましょう。
・接触数と商談数:その週に連絡した会社の数と、会う約束につながった数
・止まっている段階:接触・商談・提案のどこで進みが止まっているか
・次の週の打ち手:止まった段階に合わせて、翌週に変えることを1つ決める
同じ列で受け取れば、外部の分と自社の分を1枚の表で合わせて見られます。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
一方、過去の実績がない新規事業では、そもそも予算の立て方から迷う課長が多いのも実情です。
営業予算に関するよくある質問
新規事業の営業予算はどう立てる?
新規事業の営業予算は、小さく試した結果から数字を作り、短い間隔で見直す形で立てます。
過去の実績がないため、前年の数字や過去の受注率を使った逆算がそのままでは使えないからです。
はっきりした数値目標がないまま走り出し、何をもって順調とするかが決まらない例もあります。
まずは2〜3か月ほど、狙う顧客を絞って接触と商談を重ね、受注率と平均単価の手がかりをつかみます。
手がかりが出たら、既存事業と同じ逆算の式に当てはめ、残りの期の商談数を置く流れです。
最初の数字は外れる前提で置き、月ごとに実績と比べて率を直す進め方が現実的です。
新規事業では、四半期ではなく月ごとに、受注率と単価の見込みを直しましょう。
試した結果から作った数字なら、外れても次に何を直せばいいかがはっきりします。
新規でも既存でも、予算づくりは期首から逆算して早めに動き出すことが欠かせません。
営業予算はいつ立てる?
営業予算は、期首から逆算して作業の日程を決め、早めに動き出すのが安全です。
材料集めから承認までは、上司との調整も挟むため、思った以上に日数がかかります。
締め切り間際にあわてて前年の数字を上乗せするのは、失敗①で見た形とまったく同じです。
期首を4月とした場合の日程を、例として次の表に並べました。
承認にかかる日数は会社ごとに違うため、前年に承認までかかった日数を確かめてから日程を引くのが確実です。
期首から逆算し、材料集め・組み立て・承認の3つの区切りに期日を入れましょう。
|
時期の例 |
やること |
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1月 |
過去3年の売上実績と顧客ごとの売上を集め、市場の動きを調べる |
|
2月 |
粗利の目標から売上を決め、既存と新規に分けて商談数まで逆算する |
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3月 |
上司と根拠をすり合わせて承認を得て、月ごと・担当者ごとに割り振る |
期日が決まっていれば、承認が遅れても残りの作業を詰めて間に合わせられます。
それでも期の途中で未達が見えたときの動き方は、事前に押さえておくと安心です。
営業予算が未達のときはどうする?
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