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パイプラインとはビジネスで何を指すのか・営業とマーケティングにおける15の手順

ビジネスで使うパイプラインの意味と、営業とマーケティングでの組み立て方を徹底解説します。

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本記事を読むと分かること

・パイプラインの意味と組み立てる15の手順(目的・フェーズ・指標)
・部署をつなぐ5つのルールと責任の線引き(連携・リード・追客)
・詰まりを防ぐ設計と測る数字、使うツール(通過率・SFA・CRM)

現場の営業担当者だけでなく、営業責任者必見の内容です。
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パイプラインをビジネスで組み立てる15の手順

パイプラインとは、見込み客が商談を経て受注に至るまでの流れを、段に分けて管理する仕組みです。
ここでは、その流れをゼロから組み立てる15の手順を、入口から検証まで順に紹介します。
各手順で決めることを押さえておけば、営業とマーケティングが同じ流れの上で動けるようになります。

【入口を決める】

手順①:見込み客に入れる条件を決める

最初に決めるのは、どんな相手を見込み客として流れに入れるかという条件です。
業種・規模・役職・抱えている課題の4つの軸で条件を書き、担当者ごとの判断のぶれを抑えます。
入口の条件があいまいなまま集客を始めると、商談にならない相手ばかりが後ろの段にたまりがちです。
反対に、条件を細かくしすぎると対象の企業がほとんど残りません。
4つの軸ごとに、入れる相手と外す相手を書き分けた例を示します。

軸

入れる相手の書き方

外す相手の書き方

業種

製造業・物流業

個人向けの小売店

規模

従業員50〜300人

従業員10人未満

役職

営業部長・営業企画の責任者

決裁に関わらない一般社員

課題

案件の進み具合が見えていない

管理の仕組みがすでに整っている

外す相手まで書いておくと、条件に合わない相手を営業へ渡す手前で止められます。
条件が固まったら、次はその相手とどこで出会うかという経路を選ぶ段階です。

手順②:見込み客を集める経路を選ぶ

見込み客を集める経路は、条件に合う相手が多くいる場所から選びます。
経路ごとに集まる相手の関心の強さが違うため、1つに頼らず2〜3本を組み合わせるのが基本です。
手当たり次第に広告や展示会へ予算を回すと、どこから受注が生まれたのか後から追えません。
主な経路の向き不向きを並べました。

・展示会:課題を持つ担当者と直接話せる一方、出展の準備に数か月かかる
・自社サイトの資料請求:関心の高い相手が集まるが、件数が増えるまで時間がかかる
・既存顧客からの紹介:信頼が前提にあり商談に進みやすいが、件数は読みにくい
・電話やメールでの接触:狙った企業に自ら届けられるが、断られる件数も多い

経路を案件ごとに記録しておけば、受注までの進み方を経路別に比べられます。
経路が決まったら、相手と最初に接点を持つためのきっかけを用意しましょう。

手順③:最初の接触のきっかけを作る

最初の接触では、売り込みよりも相手の関心に沿った情報を渡すほうが反応を得やすくなります。
経路によって相手が知りたいことは違うので、送る内容も経路ごとに分けて用意するのが近道です。
どの相手にも同じ案内文を送ると、開かれないまま受信箱に埋もれてしまいます。

経路ごとに、最初に送る内容と手段を1枚の表にまとめておきます
。

経路

最初に送る内容

接触の手段

送るまでの目安

展示会

ブースで聞いた課題に合う事例資料

お礼のメール

翌営業日

資料請求

請求された資料に近い活用例

メールと電話

当日中

紹介

紹介者との関係にふれたあいさつ

電話

紹介を受けた週

電話やメール

相手の業界に多い課題の短い説明

メール

初回の電話の直後

送る期限を先にそろえておくと、相手の関心が冷める前に次の会話へつなげられます。
やり取りが始まった相手のうち、誰を営業に渡すのかは次の手順で基準を決めます。

手順④:営業に渡す基準を文で決める

いい見込み客の条件を、チームの全員が同じ言葉で言えますか?
営業に渡す基準は、点数ではなく、どうなったら渡すのかを文で書いておくのが確実です。
点数だけで決めると、同じ80点でも中身の受け取り方が人によって変わってしまいます。
マーケティングが渡した相手を営業がまだ早いと送り返すのは、渡す条件が文で書かれていないためです。
たとえば次のような1文があれば、判断は人によってぶれにくくなります。
「従業員50人以上の企業で、課題の相談を受け、3か月以内に導入を検討している相手を渡す」
文で書いた基準は、新しく入った担当者にもそのまま引き継がれるのが利点です。

基準を文にしておくと、渡した後に話が違うともめる時間が減ります。
基準を満たした相手と営業が初めて話す前に用意したいのが、会話の型です。

【商談に進める】

手順⑤:初回接触で話す会話の型を作る

初回の会話は聞く順番を型として決めておき、担当者が変わっても同じ質で商談に進めます。
型は、あいさつ・接触のきっかけ・相手の現状・次の約束の4段で組むと、話が脇道にそれにくくなります。
初回で製品の説明に時間を使い切り、次の約束を取れないまま電話を終える例は後を絶ちません。
4段それぞれの目的と、話す例を表にしました。

段

目的

話す例

あいさつ

時間をもらう理由を伝える

資料をご請求いただいた件で、5分ほどお時間をいただけますと幸いです

きっかけ

関心の中身を確かめる

どのあたりが気になって資料をご覧になったのか、お聞かせください

現状

課題の大きさを知る

今は案件の進み具合を、どのように管理されていますか

次の約束

次の接点を日時で決める

詳しい事例をお見せしたいので、来週30分ほどお時間をください

最後の段で日時まで決めて電話を切れば、案件は迷わず次の段へ進みます。
次の約束を取れた相手とは、予算と決裁者を早めに確かめるのが鉄則です。

手順⑥:予算と決裁者を確かめる

商談を深める前に、予算・決裁者・導入の時期の3点を確かめておくと、見込みの薄い案件に時間を使わずに済みます。
営業の現場では、BANT(予算・決裁者・必要性・時期の頭文字)という確認項目がよく知られています。
ただし初対面でいきなり予算を尋ねると、相手に警戒されやすいのも事実です。
聞き方を少し変えるだけで、答えやすい形のまま同じ情報を得られます。

・予算:これまで同じ取り組みにかけた費用を、過去の実績として聞く
・決裁者:導入を決めるまでの流れを尋ね、最終的に判断する人を確かめる
・時期:いつまでに形にしたいかを、相手の社内の予定として聞く

3点のうち1つでもわからないまま提案に進むと、見積もりを出した後に話が止まりやすくなります。
予算と決裁者が見えたら、次は相手が本当に困っていることを聞き出す段階です。

手順⑦:顧客の課題を聞き出す

顧客が口にする要望は、課題の表面にすぎない場合が多くあります。
管理ツールがほしいという声の奥には、月末まで売上が読めないといった困りごとが隠れているものです。
要望にそのまま応えた提案は、価格の比べ合いで終わりがちです。
要望を聞いたら、それで何が困っているのかを1段深く尋ねます。

顧客が口にした要望

奥にある課題

深掘りの問いかけ

案件を一覧で見たい

会議のたびに部下へ状況を聞き直している

状況の確認に毎週どのくらい時間を使っているか

営業の数字を集計したい

月末にならないと目標に届くかわからない

目標に届かないとわかるのは月のいつごろか

入力の手間を減らしたい

担当者が休むと案件が止まる

担当者が休んだ日に案件がどうなっているか

奥の課題を言葉にできると、提案を価格ではなく効果で比べてもらえるようになります。この聞き出す手法の有無で結果にも大きく影響します。
聞き出した課題を材料にして、提案の中身を組み立てましょう。

手順⑧:商談での提案の中身を組み立てる

提案は課題・解決策・効果の順に組み立てると、相手が社内で説明しやすい形になります。
担当者が納得していても、決裁者へ説明する材料がなければ、提案は社内の検討で止まります。
製品の機能を並べただけの資料では、相手の課題とどうつながるのかが伝わらず、比べる材料になりません。
組み立てに入れたい要素は4つあります。

・課題:前の手順で聞き出した困りごとを、相手の言葉のまま書く
・解決策:課題1つに対して、打つ手を1つずつ対応させる
・効果:解決した後の状態を、時間や件数などの数字で示す
・進め方:効果が出るまでの期間と、相手に頼む作業を書く

相手に頼む作業まで書いておけば、導入後に聞いていないと言われる事態を防げます。
中身が固まったら、見積もりに書く条件を詰めて提示する番です。

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【受注まで運ぶ】

手順⑨:見積もりに書く条件を出す

見積もりには金額だけでなく、何をどこまで行うのかという条件を書き添えます。
条件の書かれていない見積もりは、受注の後に作業範囲の食い違いを生む原因です。
この作業も含まれていると思っていたという行き違いは、値引きより解決に手間がかかります。

書く条件

書く内容の例

書き漏れたときに起きること

作業の範囲

初期設定と操作説明会2回まで

追加の説明会を無償で求められる

期間

契約から3か月で導入を完了

終わりが決まらず作業が続く

支払い

契約月の翌月末に一括

入金の時期が読めず売上の計上がずれる

有効期限

提出から30日間

半年後に古い金額のまま発注される

条件がそろった見積もりは、相手が稟議(決裁を得るための社内申請)を回すときの資料にもなります。
見積もりを出したら、その稟議がどの順番で進むのかを確かめておきましょう。

手順⑩:社内決裁までの道筋を確かめる

見積もりを出した後に案件が止まる原因の多くは、相手の社内で決裁がどう進むのかを知らない点にあります。
順番を聞いておけば、どこで待てばよく、何を用意すればよいかがわかります。
検討しますという返事のまま連絡が途絶える案件は、どの営業チームにもあるものです。
道筋は、次の順番で確かめると抜けがありません。

①決裁までに誰の確認を通るのかを、担当者に順番で聞く
②各段階で必要な資料と、確認にかかる期間を聞く
③役員会など、決裁が行われる日を確かめる
④その日から逆算して、資料を渡す期日を担当者と決める

期日を担当者と一緒に決めておくと、待っている時間も案件が前に進む時間に変わります。
決裁の見通しが立ったら、最後にもめやすい契約の条件を詰める段階です。

手順⑪:契約の条件を詰め切る

契約の直前は、開始日や解約の扱いといった細かな点でもめやすい段階です。
提案や見積もりで合意したつもりでも、書面にすると解釈が分かれる点が出てきます。
受注が見えた安心から確認を後回しにし、契約書の段階で相手の法務担当から差し戻される例は少なくありません。
もめやすい条件は、契約書を作る前に先に決めてしまいます。

もめやすい条件

起きがちな食い違い

先に決めておく内容

開始日

契約日と利用開始日のどちらを起点にするか

請求が始まる日を日付で書く

解約

途中で解約したときの費用の扱い

申し出の期限と返金の有無

追加費用

利用人数が増えたときの料金

1人増えるごとの金額と請求の時期

条件を先に決めた案件は、契約書の往復が減るぶん受注の日を読みやすくなります。
ここまでで受注までの流れができたので、残るのは流れが機能しているかを数字で確かめる作業です。

【流れを検証する】

手順⑫:フェーズ通過率を測る

流れを組み立てたら、段ごとに次へ進んだ割合を測ります。
この割合をフェーズ通過率と呼び、次の段へ進んだ件数をその段に入った件数で割って求めます。
全体の受注率だけを見ていても、どの段で案件が落ちているのかまではわからず、手の打ちようがありません。
測る前に決めておきたいのは、次の3つです。

・測る単位:段ごとに1つずつ出し、全体の受注率とは分けて持つ
・測る期間:月ごとに区切り、3か月分がそろってから比べる
・数える時点:段を移った日を記録し、その日が属する月で数える

数える時点を決めておかないと、月をまたいだ案件が二重に数えられてしまいます。
通過率が出たら、次は案件が止まったまま動かない場所を探しましょう。

手順⑬:滞っている場所を見つける

案件の滞りは、段ごとの件数のたまり方と、その段にとどまっている日数から見つけます。
通過率が同じでも、ある段に案件が長くとどまっていれば、そこが流れの詰まりです。
チーム全体が忙しいのに受注が増えないときほど、どこかの段で案件が次へ進まずに積み上がっています。
滞りのサインと、確かめる場所をまとめました。

滞りのサイン

確かめる場所

見る目安

特定の段だけ件数が増え続けている

段ごとの件数の月別の推移

2か月続けて増えている

1つの段にいる日数が長い

案件ごとに段を移った日

同じ段の平均日数の2倍を超える

次の行動が空欄の案件が多い

一覧表の次の行動の列

期日を過ぎたまま残っている

見る順番を先に決めておけば、会議のたびに全案件を読み上げずに済みます。
ただ、案件がたまって見える原因が、段の定義のずれにある場合もあります。

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手順⑭:フェーズ定義のずれを直す

段ごとの数字を正しく使う前提は、担当者全員が同じ意味で段の名前を使っていることです。
よくあるのは、資料を送っただけで提案済みにする人と、見積もりまで出して初めて提案済みにする人が混ざる状態です。
このずれがあると、提案の通過率は計算できても、その数字が何を表すのか誰も説明できません。
直し方は、段ごとに次へ進めてよい状態を1文で書き、全員で読み合わせることです。
たとえば提案の段なら、見積もりを添えた提案書を相手の決裁者に渡した時点で完了とします。
書いた条件は一覧表のすぐ近くに置き、迷ったときに確かめられるようにしておきましょう。
定義がそろえば、段ごとの数字を来期の計画づくりにそのまま使えます。
最後の手順は、今期の数字から次の期に必要な件数を逆算する作業です。

手順⑮:次の期の計画に反映する

来期の計画づくりでは、目標の売上から逆算して、入口に必要な案件の件数を決めます。
今期に測った通過率と平均金額があれば、何件の見込み客を集めればよいかが計算で出せます。
前年の実績に一律で1割を上乗せしただけの計画では、どの段の件数を何件増やすべきかが見えません。
今期の数字から、来期に必要な件数を逆算した例です。

項目

今期の実績

来期の計画

計算の仕方

受注金額の合計

3,000万円

3,600万円

目標として決める

1件あたりの平均金額

150万円

150万円

今期の実績を使う

受注件数

20件

24件

金額の合計÷平均金額

提案から受注への通過率

40%

40%

今期の実績を使う

必要な提案件数

50件

60件

受注件数÷通過率

提案の件数まで逆算できれば、マーケティングに頼む見込み客の数も同じ式で決まります。
こうして組み上がった流れこそ、ビジネスの場でパイプラインと呼ばれるものの中身です。

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パイプラインとはビジネスで何を指すのか3つの意味

ビジネスの会話でパイプラインと言うときは、営業・マーケティング・事業全体の3つの意味のどれかを指しています。
配管や製造工程、IT開発で使う同じ言葉の意味は、この記事では扱いません。

意味①:営業で追う案件の流れ

上司の言う「パイプライン」は、何を指しているのでしょうか?
営業の場では、案件が段を追って受注へ進む流れと、その流れを1枚に並べた一覧の両方を指します。
「パイプラインが細い」と言われたら、受注につながりそうな案件の数や金額が足りないという意味です。
言葉だけ覚えても、一覧で何を管理しているのかがわからなければ会議の話についていけません。

・件数:いま流れの中にある案件が、全部で何件あるか
・金額:案件ごとの見込み金額と、その合計がいくらになるか
・段:それぞれの案件が、接触から受注までのどこにいるか

3つを同じ一覧で見ると、今月の数字が足りるかを会議の前に自分で判断できます。
営業の流れの手前にあるのが、見込み客を集めて育てるもう1つの流れです。

意味②:見込み客を集めて育てる流れ

マーケティングでパイプラインと言う場合は、見込み客を集めてから商談に進めるまでの流れを指します。
サイトの訪問、資料請求、条件を満たした見込み客、商談化という順に人数が絞られる道筋です。
ここで扱う見込み客は、リード(自社に関心を示し、連絡先がわかっている相手)とも呼ばれます。
営業のパイプラインが案件と金額を追うのに対し、マーケティングは人数と、次へ進んだ割合を追う点が違います。
2つは別々の流れではなく、マーケティングの出口が営業の入口につながる1本の道です。
そのため、マーケティングの流れだけを太くしても、営業が受け止められる件数を超えれば案件はたまります。
反対に営業の一覧が空いているときは、マーケティングの流れを見れば数か月先の不足を早めに察知できるのが利点です。
2つの流れを別の言葉で呼んでいても、つながりを意識すれば数字の話がかみ合います。
経営の話では、パイプラインがさらに大きな事業の形を指すこともあるため注意が必要です。

意味③:作ったものを届ける事業の形

事業全体の話では、パイプラインは作ったものを顧客へ一方向に届ける事業の形を指します。
経営論の用語で、人と人をつなぐ場を提供するプラットフォーム型と対比して語られるのが一般的です。
経営会議の資料で急に出てきても、営業の一覧とは別の話だとわかれば混乱せずに済みます。
2つの事業の形の違いを並べると、次の表のとおりです。

比べる点

パイプライン型

プラットフォーム型

価値の流れ

作る側から買う側へ一方向に流れる

利用者どうしをつなぎ双方向に生まれる

事業の例

製品を作って販売する製造業

売り手と買い手を結ぶ通販モール

伸ばす方法

作る量と販路を増やす

参加する利用者を増やす

管理の中心

仕入れから販売までの工程

利用者どうしの取引の場

経営会議で出てくる言葉と営業会議で出てくる言葉は、同じ響きでも話の大きさがまったく違います。
言葉の意味を押さえたところで、次はパイプラインを使って何を実現できるのかを紹介します。

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パイプラインをビジネスで使う5つの目的

目的①:売上の着地を先に読む

月末の売上は、月の半ばで読めていますか?
パイプラインを使う最初の目的は、月末や期末の売上がどこに着地するかを、締める前に見通すことです。
着地が早くわかれば、足りない分を埋める手を打つ時間が残ります。
締めてから目標に届かなかったと知っても、打てる手はほとんどありません
読み方の基本は、段ごとの金額に受注の見込みを掛けて足し合わせる考え方です。

・段ごとに、案件の金額の合計を出す
・段ごとに、過去の実績から受注に至る割合を決めておく
・金額の合計に割合を掛け、全段の分を足して着地の目安にする
・目標との差を月の半ばに確かめ、足りない金額を担当者と共有する

たとえば提案の段に1,000万円あり、この段の受注の割合が40%なら、見込みは400万円と読めます。
着地が足りないと読めたら、次に知りたいのはどの段で手が足りていないかです。

目的②:人手が足りない工程を特定する

段ごとの件数のたまり方を見ると、どの工程で人手が足りていないのかがわかります。
全員が忙しいと感じていても、実際に手が足りないのは特定の段だけ、というのはよくある話です。
やみくもに人を増やすより、たまっている段に人を寄せるほうが、少ない費用で流れを戻せます。
たまり方の形から、人手を足す場所を決めます。

件数のたまり方

足りていない人手

寄せる手の例

接触前の見込み客が増え続ける

最初の連絡をする人

電話やメールでの接触を担う人を増やす

商談の段で日数が延びる

課題を聞き出す人

経験のある営業が同行する

見積もり後に止まる案件が多い

条件を詰める人

見積もり作成を事務担当が引き受ける

足りない場所がわかると、採用や外部への依頼も、どの段の仕事を任せるかまで具体的に決められます。
場所が見えたら、次に考え直したいのが、今いる担当者をどの段に置くかです。

目的③:担当者の配置を決める

担当者の配置は、段ごとの成績を見て、得意な段に人を置く考え方で決めます。
同じ営業でも、初対面の相手と話すのが得意な人と、条件を詰めるのが得意な人がいるためです。
全員に最初から最後まで任せる形はわかりやすい一方で、苦手な段で案件が止まりやすくなります。
配置を感覚ではなく実績で話し合えるのが、パイプラインの数字を使う利点です。

・担当者ごとに、段ごとの通過率を並べて得意な段を見つける
・通過率の高い段に、その人の時間を多く割り当てる
・苦手な段は、得意な人に同行してもらい進め方を学ぶ
・配置を変えたら、3か月後に段ごとの数字で結果を確かめる

配置を数字で決めると、評価への不満も「なぜその段なのか」を説明できるぶん小さくなります。
人の配置と同じように、お金をかけた施策が効いたかどうかも流れの上で確かめられます。

目的④:打った施策の効果を測る

展示会や広告の費用が受注につながったかを測るには、施策ごとに見る段と数字を先に決めておくのが確実です。
集まった人数だけで効果を判断すると、商談にならない相手ばかりの施策に予算を回し続けてしまいます。
施策の狙いによって結果が表れる段は違うため、段ごとに分けて見ることが欠かせません。

施策

見る段

見る数字

展示会

商談

名刺交換から商談に進んだ件数

Web広告

資料請求

1件の請求にかかった広告費

セミナー

見込みの見極め

条件を満たした参加者の割合

既存顧客への案内

受注

追加の契約に至った件数と金額

効果が出るまでの期間も施策ごとに違い、展示会は受注までに数か月以上かかることもあります。
施策ごとの数字がそろうと、来期にどこへ予算と人を回すかを決める材料になります。

目的⑤:来期の計画を立てる

来期の計画を根拠のある数字で立てることも、パイプラインを使う大事な目的の1つです。
目標の金額だけを決めて、そこへ届く道筋が描けていない計画は、期の途中で見直しを迫られます。
計画の土台になるのは、段ごとに集めた次の数字です。

・件数:入口に入ってくる案件が、月に何件あるか
・通過率:段ごとに、次へ進む案件の割合がどれくらいか
・日数:入口から受注までに、平均で何日かかるか

中でも日数を押さえておくと、来期の前半に受注したい案件を今期のうちに仕込む必要があるとわかります。
3つの数字は流れの段ごとに集めるので、次は営業の流れを7つの段に分けて説明します。

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営業のパイプラインを構成する7つのフェーズ

段階①:見込み客の一覧表を準備する

最初の段では、接触する相手を決めて一覧にまとめることが出発点です。
段の数は業種や商材で変わりますが、ここでは多くの企業に当てはまる7段で紹介します。
一覧に入れる相手を決めずに連絡を始めると、同じ会社に2人が別々に電話するような重複が起きがちです。
一覧に持たせる項目と、入れる条件を示します。

一覧の項目

記入する内容

一覧に入れる条件

会社名

正式な社名

見込み客の条件に合う業種と規模

担当者

部署・役職・氏名

決裁に関わる部署の人がわかる

接点

展示会・資料請求などの経路

連絡してよい経路で得た情報

次の行動

連絡する日と方法

連絡する日が決まっている

次の段へ進む条件は、一覧に入った相手へ最初の連絡を入れた時点とします。
一覧ができたら、次は実際に連絡を入れて相手の反応を確かめる番です。

段階②:最初の接触と反応を記録する

2つ目の段では、最初の連絡を入れ、相手からどんな反応が返ってきたかを記録します。
反応の種類によって、次に取る行動も、案件の見込みの高さも変わるためです。
連絡したことだけを記録して反応の中身を残さないと、次の段へ進めてよいのかをチームの誰も判断できません。

・返信があった:内容を読み、課題や関心にふれていれば次の段へ進める
・資料を閲覧した:閲覧した資料のテーマを記録し、関連する情報を送る
・面談を希望した:日時を決め、見込みの見極めの段へすぐ進める
・反応がない:2週間後にもう一度連絡し、それでも反応がなければ一覧に戻す

次の段へ進む条件は、返信か面談の希望など、相手から何らかの意思表示があった時点です。
反応があった相手の中から、時間をかけるべき相手を見分ける段が続きます。

段階③:案件の見込みがあるか見極める

時間をかけるべき相手を、どう見分けていますか?
3つ目の段では、予算・時期・決裁者・課題の4つの観点から、案件として追う価値があるかを見極めます。
反応が良い相手ほど期待してしまいますが、関心が高いことと買える状態にあることは別の話です。

4つの観点からそれぞれの確かめ方をまとめます。

観点

確かめる内容

確かめ方

予算

使える費用の枠があるか

同じ取り組みに過去いくら使ったかを聞く

時期

いつまでに決めたいか

社内の予定や期の区切りを聞く

決裁者

誰が最終的に決めるか

導入を決めるまでの流れを聞く

課題

解決したい困りごとがあるか

今のやり方で困っている場面を聞く

4つのうち3つ以上が確かめられた時点を、次の段へ進む条件にすると判断がそろいます。
見込みがあると判断できた案件だけを、課題をさらに深く聞き取る段へ進めるのが基本です。

段階④:顧客が抱える課題を聞き取る

4つ目の段では、ヒアリング(相手の状況や困りごとを聞き取ること)を通じて、提案の材料を集めます。
この段で聞き漏らした情報は、提案を出した後に「うちの状況と合わない」という断りの理由になって返ってくるのが典型です。
聞く項目を先に決めておけば、担当者の経験に関係なく必要な情報を集められます。

・今のやり方:課題の場面で、誰が何をしているか
・困っている量:その課題に、毎月どれくらいの時間や費用を使っているか
・試したこと:これまでに試して、うまくいかなかった方法
・理想の状態:課題が解決したら、何がどう変わっていてほしいか
・判断の基準:導入先を選ぶときに重視する点

次の段へ進む条件は、5つの項目がそろい、相手と課題の中身を確認し合えた時点です。
聞き取った内容がそろったら、提案と見積もりにまとめて相手に渡します。

段階⑤:提案書と見積書を相手に提示する

5つ目の段は、提案書と見積もりを相手に渡し、検討に入ってもらう段階です。
パイプラインの中で案件を失いやすいのもこの段で、失注の理由には一定の傾向があります。
提案書の出来だけに気を取られていると、価格以外の理由で止まっている案件を見逃したまま月末を迎えます。
出す資料ごとに、起きやすい失注の理由と打つ手を先に書き出しておきましょう
。

出す資料

役割

この段で起きやすい失注の理由

提案書

課題と解決策の対応を示す

課題とのつながりが伝わらない

見積書

金額と作業の範囲を示す

予算を超えている

導入の予定表

効果が出るまでの期間を示す

相手の社内の予定と合わない

事例資料

似た企業での結果を示す

自社に当てはまるか不安が残る

次の段へ進む条件は、相手から具体的な条件の相談や修正の依頼が来た時点とします。
条件の相談が始まった時点が、契約に向けたすり合わせの入り口です。

段階⑥:契約に書く条件をすり合わせる

6つ目の段では、開始日や支払い方法など、契約に書く条件を相手とすり合わせます。
この段は、営業が思っている以上に時間がかかります。
理由は、相手の社内で法務の確認や稟議が順番に進むためで、営業側から急がせることはできません。
担当者が前向きでも、決裁者の承認が出るまで契約書に判を押せないのが企業の実情です。
待つ間にできることは、相手の手続きが止まらないように材料を先回りして渡すことです。
たとえば法務の確認で聞かれそうな解約の条件や情報の扱いを、1枚の資料にまとめて担当者に預けておきます。
担当者が社内で質問に答えられれば、確認が1往復で済み、戻ってくるまでの日数を縮められます。
次の段へ進む条件は、契約書の内容に双方が合意し、相手の決裁が下りた時点です。
すり合わせを待つ時間を材料の準備に使えば、この段の日数は目に見えて縮みます。
決裁が下りたら、残るのは受注の確定と社内の担当者への引き渡しです。

段階⑦:受注後に社内の担当へ引き渡す

最後の段では、契約を結んで受注を確定させ、導入や納品を担う社内の担当者へ案件を引き渡します。
営業が約束した内容が伝わっていなければ、受注の後で顧客の不満が出るのは避けられません。
引き渡しを口頭で済ませると、商談中に話した細かな約束ほど抜け落ちてしまいます。

引き渡す情報

書く内容の例

抜けたときに起きること

約束した内容

操作説明会を2回行う

顧客から聞いていた話と違うと言われる

顧客の担当者

窓口と決裁者の名前と役職

誰に連絡すればよいかわからない

期日

利用開始日と初回の打ち合わせ日

準備が間に合わず開始が遅れる

商談の経緯

導入を決めた理由と懸念点

顧客が気にしている点を見落とす

受注の後に起きる行き違いを防ぐためにも、引き渡しまでを営業の段に含めておくのが得策です。
ここまでが営業の流れで、その手前にはマーケティングが追うもう1つの流れがあります。

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マーケティングのパイプラインで追う5つの指標

指標①:サイトを訪れた人の数

マーケティングの流れの最初に置く指標が、自社サイトを訪れた人の数です。
入口の広さを知るには欠かせない数字ですが、この数だけで良し悪しを決めると判断を誤ります。
訪問者が倍になったのに資料請求が増えない、という悩みを抱える担当者は多いものです。
訪問者の数が実態よりふくらんで見える理由には、次のようなものがあります。

・採用情報を探す求職者や、取引先の担当者も訪問者に含まれる
・自社の社員が確認のために開いたページも数えられている
・課題とは関係のない言葉で検索して、たまたま訪れた人がいる
・同じ人が別の端末から訪れると、2人として数えられる場合がある

訪問者の数を見るときは、製品やサービスのページを見た人に絞って数えると、次の段とのつながりが読めます。
関心の度合いがもう1段はっきり表れるのが、資料を請求した人の数です。

指標②:資料を請求した人の数

資料を請求した人は、連絡先を渡してでも情報がほしいと考えた相手で、訪問者より関心がはっきりした相手です。
ただし、請求された資料の種類によって、相手の検討の進み具合は大きく違います。
請求の件数をひとまとめに数えて営業へ渡せば、まだ情報を集めている段階の相手にまで電話をかけかねません。

請求の種類

相手の検討の進み具合

営業からの連絡の目安

業界の動向をまとめた資料

情報を集め始めた段階

すぐには連絡せず関連情報を送る

導入事例の資料

自社に合うかを考えている段階

事例に近い悩みがあるかを聞く

料金表や見積もりの依頼

比べて選ぶ段階

当日中に連絡する

資料の中身ごとに分けて数えておけば、営業がすぐに動くべき相手を毎朝の一覧から迷わず選べます。
請求した人の中から、営業へ渡す条件を満たした人を数えるのが次の指標です。

指標③:条件を満たした人の数

条件を満たした人の数は、営業に渡してよいと判断できる見込み客が何人いるかを表します。
この数字の意味は、先に紹介した見込み客の条件と、営業に渡す基準の文にどれだけ一致しているかで決まります。
マーケティングが独自の条件で数えると、数字は増えても営業から「使えない」と言われる相手が増えるだけです。
数え方をそろえるときに押さえたい点は、次のとおりです。

・業種・規模・役職・課題の4つの軸は、営業と同じ言葉で書く
・点数で判定する場合も、何点で渡すかを営業に渡す基準の文と結び付ける
・条件を変えたら、変えた日を記録して前後の数字を分けて比べる

条件の変更日を残しておくと、数字が急に増えたときに、集客がうまくいったのか条件が緩んだのかを見分けられます。
条件を満たした相手が営業と話し始めると、次の指標である商談の数に移ります。

指標④:商談に進んだ人の数

商談に進んだ人の数は、マーケティングの流れが営業の流れへ受け渡された量を示す指標です。
数えるのは簡単に見えますが、どの時点を商談とするかで数字は大きく変わります。
面談の日が決まった時点で数える人と、初回の面談を終えた時点で数える人が混ざると、月ごとの比較に意味がなくなります。
そこで、数える時点を1つに決め、営業とマーケティングの両方で同じ時点を使いましょう。

数える時点

数字の特徴

向いている使い方

面談の日が決まった時点

早く数えられるが、日程変更で消える分も含む

集客施策の反応を早く知りたいとき

初回の面談を終えた時点

実際に話した件数なので実態に近い

営業の手の空き具合を知りたいとき

どちらを選んでも構いませんが、途中で数え方を変えると前年の数字と比べられなくなる点に注意が必要です。
商談の数までを追ったうえで、マーケティングは最後の受注の数にも目を向けます。

指標⑤:受注に至った人の数

マーケティングの担当者にとっても、集めた見込み客のうち何人が受注に至ったかは追うべき数字です。
受注は営業の成果であり、マーケティングには関係がないと考える人もいます。
しかし商談の数だけを見ていると、話は進むのに買わない相手ばかり集めていても気付く手段がない状態です。
受注の数まで追えば、どの経路やどの施策で集めた相手が実際に買っているのかがわかります。
たとえば展示会は商談が多いのに受注が少なく、紹介は商談が少なくても受注が多い、といった差です。
この差がわかれば、次の期は集める人数ではなく、受注につながる相手の割合で予算を配分できます。
問題は、受注の結果が営業の手元にあり、マーケティングからは見えにくい点です。
受注までを自分の指標として持つと、マーケティングの仕事は人を集める作業から売上を作る仕事に変わります。
集めた相手のその後を知るために欠かせないのが、2つの部署の流れをつなぐ5つのルールです。

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営業とマーケティングのパイプラインをつなぐ5つのルール

ルール①:渡す相手の条件をそろえる

2つの流れをつなぐ最初のルールは、渡す相手の条件を部署の間で1つの文面にそろえることです。
マーケティングと営業が別々に条件を持っていると、渡した相手が送り返される往復が続きます。
どちらの条件も間違ってはいないのに、言葉の粒度が違うだけでもめる場面は珍しくありません。

項目

マーケティングの条件

営業の条件

そろえた文面

規模

中堅企業

従業員100人以上

従業員100人以上の企業

関心

資料を2つ以上請求

課題を話してくれた

資料を請求し、電話で課題を確認できた

時期

検討中と回答

半年以内に決める

半年以内に導入を決める予定がある

合意した文面は、両部署の責任者が同じ場で読み合わせて決めると、後から「聞いていない」が起きにくくなります。
渡す相手の条件がそろったら、次にそろえたいのが、渡すときに添える情報です。

ルール②:渡すときの情報をそろえる

見込み客を営業へ渡すときは、名前と連絡先だけでなく、相手を理解するための情報を必ず添えます。
情報がないまま電話をかけた営業は、相手がすでにマーケティングに話した内容をもう一度聞くことになります。
同じ質問を2度された相手は、社内で話が共有されていない会社だと感じ、関心を失ってしまいがちです。

・きっかけ:どの経路で、いつ最初の接点を持ったか
・関心:請求した資料や参加したセミナーのテーマ
・接触の履歴:これまでに送ったメールや、電話で話した内容
・相手の言葉:課題について相手が実際に口にした表現

中でも相手の言葉をそのまま残しておくと、営業は最初の電話で相手の課題にすぐふれられます。
渡す情報がそろっても、その後どうなったかがマーケティングに返らなければ流れは片道で終わります。

ルール③:渡した後の反応を返す

渡した見込み客のその後を、マーケティングは知っていますか?
3つ目のルールは、営業が商談の結果をマーケティングへ決まった頻度で返すことです。
結果が返ってこなければ、マーケティングはどの相手が商談になり、どの相手が断ったのかを知らないまま集客を続けます。
忙しい営業に毎回の報告を求めると続かないため、返す内容と頻度を絞るのが長続きのこつです。

返す内容

返す頻度

マーケティングでの使い道

商談に進んだかどうか

渡してから2週間以内に1回

渡す条件が合っているかを確かめる

進まなかった理由

週に1回まとめて

条件の見直しや育て直しの材料にする

受注と失注の結果

月に1回まとめて

経路ごとの受注の割合を出す

営業が一覧の項目を選ぶだけで返せる形にしておけば、報告の手間はほとんどかかりません。
返す内容が決まっても、部署ごとに数え方が違えば、その数字は会議で使えなくなります。

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ルール④:数え方の基準を1つにする

4つ目のルールは、商談や受注といった数字の数え方を、2つの部署で1つの基準にそろえることです。
よく起きるのが、マーケティングは面談の予約を商談と数え、営業は提案まで進んだ案件だけを商談と数える状態です。
この状態で会議を開くと、マーケティングは今月30件の商談を作ったと言い、営業は10件しか来ていないと答えます。
どちらも嘘はついていないのに、会議の時間は数字の食い違いを確かめるだけで終わってしまいます。
解決の手順は難しくありません。
商談・受注・失注など会議で使う言葉ごとに、どの時点で1件と数えるかを1文で書き、両部署で合意するのが出発点です。
合意した基準は、パイプラインを管理する一覧やツールの入力項目に組み込み、人の判断で数え方が変わらないようにします。
基準を1つにすると、会議の時間を数字の確認ではなく、次に打つ手を話し合う時間に使えるのが大きな違いです。
数え方がそろったら、その数字を2つの部署が同じ画面で見られるようにします。

ルール⑤:確認する画面を1枚に集約する

最後のルールは、営業とマーケティングが同じ1枚の画面で、流れ全体の数字を見られるようにすることです。
部署ごとに別の資料を作っていると、同じ数字でも更新した日が違い、どちらが正しいのかで話が止まります。
画面に置く数字を増やしすぎると、見るべき数字が埋もれて誰も開かなくなるのも実情です。
段ごとの件数と通過率だけを、流れの順に並べます。

段

件数(例)

次の段への通過率(例)

サイトの訪問

5,000人

2%

資料請求

100人

40%

条件を満たした人

40人

50%

商談

20件

30%

受注

6件

最後の段のため対象外

1枚の画面で流れを見ると、自部署の数字だけでなく、前後の段で何が起きているかにも目が向くようになります。
画面を共有できたら、次は営業とマーケティングの責任をどこで分けるかを決めておきます。

営業とマーケティングの責任を分ける5つの線引き

線引き①:渡す条件を文章にする

責任を分ける最初の線は、マーケティングと営業の仕事の境目を、渡す条件の文章で引くことです。
条件を口頭の約束だけで済ませていると、案件がうまく進まなかったときに責任の押し付け合いが起きます。
担当者が入れ替わった途端に、前任者との約束が消えてしまうのも口頭の弱点です。

・営業が「質の低い相手ばかり渡される」とマーケティングを責める
・マーケティングが「渡した相手に営業が連絡していない」と言い返す
・どちらの主張が正しいかを確かめる材料がなく、話し合いが感情の対立になる
・結局、渡す件数を減らすか増やすかだけが決まり、原因は残る

条件を文章にしておけば、もめたときは人ではなく文章に照らして、どちらの段の問題かを判断できます。
渡す条件の線が引けたら、次は見込み客の数を誰が担うかを決めます。

線引き②:リードの数の担当を決める

リード(見込み客)の数・質・商談化は、それぞれ主担当を決めたうえで、一部を共同で持つ形が現実的です。
すべてをマーケティングの責任にすると、営業は渡された相手への連絡を後回しにしても困りません。
反対にすべてを営業に負わせると、マーケティングは件数を集めること以外に関心を持たなくなります。

項目

主担当

共同で持つ部分

リードの数

マーケティング

集める経路の選び方に営業の意見を反映する

リードの質

マーケティング

質の基準は営業と一緒に決める

商談化の割合

営業

渡してからの連絡の早さを両部署で確かめる

主担当を決めると、数字が目標に届かなかったときに、まず誰が原因を調べるかがはっきりします。
表のうち質の基準だけは、どちらか一方に任せず、決める役割そのものを分けて考えるべき項目です。

線引き③:質の基準を決める役を決める

リードの質の基準は、マーケティングだけでも営業だけでもなく、両部署が一緒に決める役割として置きます。
質の良し悪しは、集める側の手応えと、商談で相手と話す側の実感の両方がそろって初めて判断できるためです。
片方だけで決めた基準は、もう片方にとって納得できない理由を必ず含みます。

・マーケティングは、どんな相手なら集められるかという現実を知っている
・営業は、どんな相手なら受注に至るかという結果を知っている
・一緒に決めれば、集められて受注もできる相手という現実的な基準になる
・基準を変えるときも、両部署の合意が必要になり勝手な変更を防げる

決める場は四半期に1回など定期的に設け、市場の変化に合わせて基準を見直す機会にするのが効果的です。
基準を一緒に決めると、基準に合わない相手を差し戻すときの線も引きやすくなります。

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線引き④:差し戻しの条件を決める

営業がマーケティングへ見込み客を差し戻してよい条件と、差し戻してはいけない条件は、先に決めておくのが鉄則です。
差し戻しの条件がないと、営業は少し話しにくい相手をすぐに返し、マーケティングの手元に同じ相手が積み上がります。
差し戻しを禁止すると、今度は見込みのない相手に営業の時間を奪われ、どちらに振れても困るのは同じです。
差し戻しの可否を条件で分け、理由を必ず添えて返す決まりにします。

区分

条件の例

差し戻した後の扱い

差し戻してよい

渡す条件の規模や業種を満たしていない

条件の確認漏れとして記録する

差し戻してよい

1年以上導入の予定がないと明言された

育て直しの対象に移す

差し戻してはいけない

1回電話がつながらなかった

営業が接触を続ける

差し戻してはいけない

担当者の反応が薄かった

決裁者に別の経路で接触する

差し戻しの理由がたまると、どの条件の確認が甘いのかが見え、渡す条件の文章を直す材料になります。
差し戻した相手も含め、すぐには買わない相手を誰が追い続けるかが最後の線引きです。

線引き⑤:渡した後の追客役を決める

すぐには買わない相手を追う追客(継続して連絡を取ること)の役割は、共同で持つ部分を含めて決めておきます。
商談を経て今は導入しないと答えた相手も、半年後や1年後には検討を再開する場合があります。
誰も追わないまま放置すれば、次に検討を始めたその相手が選ぶのは、連絡をくれた他社です。

・マーケティングの役割:定期的なメールや事例の案内で、関心を保ち続ける
・営業の役割:相手が再び検討を始めた兆しがあれば、すぐに連絡を入れる
・共同で持つ部分:再開の兆しを何で判断するかを一緒に決め、月に1回見直す

追客を共同の仕事と決めておけば、失注した相手も流れの外に捨てず、将来の案件として一覧に残せます。
責任の線が引けたら、次の課題は、設計の段階で詰まりを先回りして防ぐことです。

パイプラインの設計で先回りしたい7つの詰まり

詰まり①:入口の条件が広すぎる

パイプラインが詰まる最初の原因は、一覧に入れる案件の条件を広く取りすぎる設計にあります。
名刺を交換しただけの相手まで案件として登録すると、件数は増えても、次の段へ進む案件はほとんど増えません。
一覧が長くなるほど、本当に追うべき案件が埋もれるのが困った点です。

入口の条件の例

起きること

設計で決めておくこと

名刺交換をした相手はすべて登録

動きのない案件が一覧の大半を占める

課題を聞けた相手だけを登録する

資料を請求した相手はすべて登録

情報収集だけの相手に営業が時間を使う

導入時期を確認できた相手に絞る

担当者が有望と感じた相手を登録

登録するかどうかが人の感覚で変わる

登録の条件を文章で決めて共有する

入口を絞ると一時的に件数は減りますが、残った案件の動きが見やすくなり、打つ手の優先順位を付けられます。
入口の条件と並んで詰まりを生みやすいのが、段を進める基準が担当者ごとに違う状態です。

詰まり②:案件を渡す基準が人で異なる

次の段へ案件を進める基準が担当者ごとに違うと、同じ一覧を見ても案件の状態が正しく読めません。
慎重な担当者は提案書を出すまで商談の段に進めず、楽観的な担当者は初回の電話で進めてしまいがちです。
その結果、チーム全体の数字を集計しても、実際の進み具合とかけ離れた見通しが出てきます。

・ある担当者の案件は、どの段にあっても受注に近いと周りに思われる
・別の担当者の案件は、早い段に止まって見えるのに突然受注になる
・上司が段ごとの件数から売上を予測しても、毎月大きく外れる
・担当が替わると、同じ案件の段が引き継ぎの時点で書き換えられる

段を進める条件を「何が起きたら次へ」という出来事で決めておくと、誰が入力しても同じ段に案件が並びます。
基準をそろえても、段の数そのものが多すぎれば、入力の負担で流れが止まる点も見落とせません。

詰まり③:フェーズの数が多すぎる

案件の段を細かく分けすぎると、担当者が更新を後回しにし、一覧の中身が実際の状況より古くなります。
正確に管理したい気持ちから段を増やした結果、どの段に置くか迷う時間のほうが長くなるのが典型です。
段の数が適切かどうかは、数そのものより、次の表の症状が出ているかで判断できます。

現場で出ている症状

背景にある設計の問題

見直しの方向

2つの段の違いを担当者が説明できない

段の区切りが出来事ではなく感覚で決まっている

違いを説明できない段を1つにまとめる

1日で複数の段を飛び越える案件が多い

実際の商談の進み方より段が細かい

同時に起きやすい出来事の段を統合する

ほとんど案件が置かれない段がある

自社の売り方で使わない段が残っている

使われていない段を外す

段をまとめて減らすと、担当者は入力の手間が減り、一覧を最新の状態に保ちやすくなります。
段を整理したうえで、残る問題は各段で進んだと判断する中身の曖昧さです。

詰まり④:進んだ判断が曖昧になる

段の数を整えても、案件が進んだと判断する中身が曖昧なままでは、一覧の数字は信用されません。
よくあるのが、「前向きな反応をもらった」という担当者の手応えだけで、提案の段に進めてしまうケースです。
相手が社交辞令で答えただけの場合もあり、手応えは同じ言葉でも人によって重さが違います。
この曖昧さは、段ごとに「相手が何をしたら進んだとみなすか」を相手側の行動で決めると解消できます。
たとえば提案の段なら、予算の枠を聞けた、次回の打ち合わせに決裁者が同席すると決まった、といった出来事です。
相手の行動で判断する形にしておけば、担当者の性格や経験に左右されず、同じ基準で案件を比べられます。
上司が案件の状態を確認するときも、手応えを聞くのではなく、決めた出来事が起きたかを確かめるだけで済むのも利点です。
進んだ判断を相手の行動で決めておくと、一覧の数字を売上の予測に使っても大きく外れにくくなります。
一方で、進まないまま時間だけが過ぎた案件をどう扱うかも、設計の段階で決めておく必要があります。

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詰まり⑤:古い案件が残り続ける

半年動いていない案件が、一覧に残っていませんか?
動きのない案件を一覧に残し続けると、パイプラインの総額がふくらみ、売上の見通しを実態より明るく見せます。
担当者にとっては、失注と書くのは負けを認めるようで、つい「検討中」のまま残したくなるのが本音です。
一定の期間動きがない案件を自動で見直しに回す決まりを、設計の段階で入れておきます。

決めておく項目

決め方の例

一覧への反映

見直しに回す期間

段ごとに、通常の滞在日数を超えたら回す

期間を超えた案件に印を付ける

見直す人

担当者と上司が月に1回一緒に確認する

確認した日を案件ごとに残す

見直した後の行き先

再度連絡する/育て直しに移す/失注にする

3つのどれかを必ず選んで一覧を更新する

見直しの期間を段ごとに決めておくと、担当者の気持ちに頼らず、動きのない案件を定期的に一覧から外せます。
古い案件を整理しても、案件ごとの金額が抜けていれば、総額の数字は正しく出せません。

詰まり⑥:案件の金額の入力が抜ける

案件に金額が入っていないと、パイプライン全体でいくらの売上が見込めるかを計算できなくなります。
初回の商談では予算がわからないことも多く、担当者が金額の欄を空けたまま先へ進めてしまうのはよく見る光景です。
空欄のまま放置される理由を見ると、設計で防げるものがほとんどです。

・金額がわからない段階で入力すると、後で間違いを指摘されそうで怖い
・概算の金額を入れるときの計算の目安が、チームで決まっていない
・入力しなくても次の段へ進められる仕組みになっている
・途中で金額が変わっても、更新する時期が決まっていない

商談の段へ進める条件に概算の金額の入力を加え、自社の平均単価を仮の値にしてよいと決めれば空欄は減ります。
金額と並んで入力が抜けやすく、次の改善に響くのが、失注した案件の記録です。

詰まり⑦:失注の記録が残らない

失注した案件の記録を残さない設計では、同じ理由で負け続けていても、チームはその理由に気付けません。
担当者にとって失注は思い出したくない出来事で、一覧から消すだけで終わらせてしまうのも無理はありません。
失注の理由を選択肢で残せるようにしておくと、入力の負担を抑えながら、理由ごとの件数を集計できます。

失注の理由の選択肢

集計してわかること

次の手の例

価格が合わなかった

提案の段で価格の話が遅すぎる

早い段で予算の枠を確認する

他社に決まった

どの段で他社と比べられていたか

比べられやすい点を提案資料に入れる

導入の時期を見送った

検討の時期を見誤っていた

育て直しに回し、時期を決めて連絡する

連絡が取れなくなった

接触の間隔が空きすぎていた

段ごとに連絡する間隔を決める

数か月分たまった失注の理由は、どの段の設計を直せば受注が増えるのかを数字で話し合う材料です。
設計で詰まりを防いだら、次はパイプラインの状態を測る数字をどう決めて集めるかを押さえます。

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パイプラインの状態を測る5つの数字

数字①:入ってくる案件の件数

最初に決めて集める数字は、一定の期間にパイプラインへ新しく入ってくる案件の件数です。
入口の件数が足りなければ、どの段の通過率を上げても、受注の件数は増えません。
件数を数えるときは、次の点を先に決めておくと、月ごとに比べられる数字になります。

・何をもって1件とするか:先に決めた入口の条件を満たした時点で数える
・どの期間で数えるか:週と月の両方で数え、月の途中でも不足に気付けるようにする
・どこから来たか:問い合わせ・紹介・展示会など、入ってきた経路を必ず残す
・誰が入力するか:マーケティングが渡した案件と営業が見つけた案件を分けて記録する

経路ごとに件数を分けておく目的は、入口が減ったときに、不足している経路をすぐに特定することです。
入口の件数を押さえたら、入った案件がどの段でどれだけ残るかを表す通過率に進みます。

数字②:フェーズごとの通過率

どの段で案件が落ちているか、数字で言えますか?
フェーズごとの通過率は、ある段にあった案件のうち、次の段へ進んだ案件の割合を表します。
受注の件数だけを見ていると、不足の原因が入口にあるのか、提案の段にあるのかがわかりません。
通過率は段ごとに同じ計算方法で出し、同じ期間で比べます。

決めておく項目

決め方の例

決めないと起きること

計算の分母

その月にその段へ入った案件の数

月をまたぐ案件の扱いで割合が毎回変わる

数える期間

段ごとの平均的な滞在日数に合わせて3か月など

期間が短すぎて割合が大きくぶれる

飛び越えた案件の扱い

飛ばした段も通過したとみなす

途中の段の割合が実際より低く出る

計算方法をそろえて数か月分並べると、ある段だけ割合が下がった時期が見え、原因を探す範囲を狭められます。
全体から細かい段ごとの経過を見ることで、本質の課題に気付くことが容易に可能です。
通過率で件数の流れをつかんだら、1件あたりの金額にも目を向けます。

数字③:1件あたりの平均金額

1件あたりの平均金額は、受注した案件の金額の合計を件数で割って出す数字です。
件数と通過率が同じでも、平均金額が下がれば売上は減るため、件数の数字だけでは見通しを誤ります。
平均を出すときに気を付けたい点は、次の4つです。

・受注した案件だけで計算し、見込みの金額は混ぜない
・極端に大きな案件が1件あると平均が引き上がるため、別に分けて見る
・新規の顧客と既存の顧客の追加注文では金額が違うので、分けて出す
・毎月の利用料がかかる商材は、1年分など期間をそろえた金額で比べる

平均金額を顧客の種類ごとに分けて出しておくと、どの相手に時間を使えば売上が伸びるかを判断する材料になります。
金額の大きさと並んで、受注までの時間の長さも売上の見通しを左右します。

数字④:受注までにかかる日数

受注までにかかる日数は、案件がパイプラインに入ってから受注になるまでの平均の期間です。
この日数がわからないと、今月の活動がいつの売上になるのかを見通せず、目標に届かないと気付くのが遅れます。
数え始める日をどこに置くかで数字の意味が変わるため、終わりを契約書を受け取った日にそろえ、起点を選ぶのが基本です。

数え始める日

わかること

使い道

初めて接点を持った日

集客から受注までの全体の長さ

集客の活動が売上になる時期を読む

商談に進んだ日

営業が動き始めてからの長さ

締め日までに間に合う案件を見極める

あわせて各段に入った日と出た日も残せば、日数が延びたときに止まっている段を特定できます。
件数・通過率・金額・日数がそろうと、今パイプラインに残っている案件の総額を読めるようになります。

数字⑤:残っている案件の総額

残っている案件の総額は、まだ受注にも失注にもなっていない案件の金額を合計した数字です。
これは売上目標に対して、手元にどれだけの見込みがあるかを示す数字として、会議でよく使われます。
ただし、総額をそのまま売上の見込みとして扱うと、ほぼ確実に見通しが甘くなります。
理由は単純です。
初回の商談を終えたばかりの案件と、契約書の確認中の案件が、同じ重さで合計されているためです。
そこで段ごとの通過率を案件の金額に掛け、受注に至る見込みを反映した総額もあわせて出しておきます。
たとえば提案の段から受注に至る割合が3割なら、その段にある100万円の案件は30万円分の見込みとして数えます。
この計算を続けるには、先に決めた金額の入力と通過率の数え方が、一覧の上でそろっていることが前提です。
残っている総額を2通りで出して並べると、目標までにあといくら案件を積み上げればよいかが具体的な金額で見えてきます。
こうした数字を毎月手作業で集めるのは負担が大きいため、次に集計を助けるツールを選びます。

パイプラインの組み立てに使う5つのツール

ツール①:表計算ソフトの管理表

表計算ソフトは、パイプラインの管理を始める段階で、最も手軽に使える道具です。
新しい仕組みを入れる前に、まず自社の段や数え方が現場で回るかを試したいという会社は少なくありません。
費用をかけずに始められる反面、案件が増えると手作業の限界が見えてきます。

観点

向いている点

限界が出る場面

始めやすさ

社内にある道具ですぐに作れる

入力のルールを守るかが人任せになる

自由度

段や項目を思いどおりに作り変えられる

人ごとに列を足し、表の形が崩れる

集計

関数で通過率や総額を計算できる

案件が数百件を超えると更新に時間がかかる

共有

共有設定でチームが同時に見られる

誰がいつ書き換えたかを追いにくい


段や数え方を固める試しの期間に使い、ルールが定まってから専用の仕組みへ移すと、移行の手戻りを減らせます。
案件の数や担当者が増えて手作業が回らなくなったときに検討するのが、営業の活動を記録する仕組みです。

ツール②:SFA(営業支援システム)

SFA(営業支援システム)は、営業担当者の商談の進み具合や活動の記録を1か所で管理するための仕組みです。
案件の段や金額、次に会う予定を一覧で持てるため、パイプラインの管理に最も直接つながります。
導入の効果が出るかどうかを分けるのは、入れる前に次の点を決めてあるかどうかです。

・段の区切りと、次の段へ進める条件を文章で決めてある
・入力を必須にする項目を、金額や次の予定など最低限に絞ってある
・入力した内容を会議や案件の確認でそのまま使う流れができている
・入力の手間が営業の成果に返ってくると、担当者が納得している

入力した情報が会議で使われるとわかれば担当者は入力を続け、一覧の数字は常に最新の状態に保たれます。
営業の活動を記録する仕組みと役割が近く、あわせて検討されるのが顧客の情報を管理する仕組みです。

ツール③:CRM(顧客管理システム)

CRM(顧客管理システム)は、顧客の会社情報や過去の取引、問い合わせの履歴を管理するための仕組みです。
営業支援システムが商談の進み具合を見るのに対し、こちらは受注の前後を通して顧客との関係全体を記録します。
両者の機能は重なる部分も多く、どちらを中心に据えるかで迷う担当者は多くいます。

比べる点

SFA(営業支援システム)

CRM(顧客管理システム)

主に記録するもの

商談の段・金額・営業の活動

顧客の基本情報・取引の履歴・問い合わせ

主に使う人

営業担当者と営業の上司

営業・マーケティング・サポートの担当者

パイプラインでの役割

案件の進み具合と見込みの総額を出す

受注後の追加の注文や再検討の兆しをつかむ

商談の管理が課題ならSFAから、受注後の関係まで追いたいならCRMから入ると、導入の目的がぶれません。
顧客の情報がそろったら、受注の手前にあるマーケティングの流れを助ける仕組みも視野に入ります。

ツール④:MA(マーケティング自動化ツール)

MA(マーケティング活動を自動化するツール)は、見込み客へのメール配信や行動の記録を自動で進める仕組みです。
資料を請求した相手がどのページを見たか、どのメールを開いたかを記録し、関心の高さを点数で表せます。
パイプラインの入口を整えるうえで、次のような場面に役立ちます。

・資料請求やセミナーの申し込みを、自動で見込み客の一覧に登録する
・関心の点数が決めた基準を超えた相手を、営業へ知らせる
・すぐには買わない相手に、事例や案内のメールを定期的に届ける
・どの経路から来た相手が商談に進んだかを、営業の記録と結び付けて見る

営業へ知らせる点数の基準は、先に営業と合意した渡す条件と結び付けて設定し、ツール任せにしないことが大切です。
ここまでの仕組みにたまった数字は、最後に紹介するデータを見やすくする道具で1枚の画面にまとめます。

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ツール⑤:BI(データ可視化ツール)

BI(データをグラフや表で見やすくするツール)は、複数の仕組みにたまった数字を集めて、1つの画面に並べるための道具です。
営業支援システムとマーケティングのツールが別々だと、段ごとの件数を1本の流れで見るには手作業の集計が欠かせません。
BIを使うと、この集計を自動にでき、営業とマーケティングが同じ画面を見て話せるようになります。

画面に置く内容

つなぐ元のデータ

会議での使い方

段ごとの件数と通過率

営業支援システムとマーケティングのツール

案件が落ちている段を特定する

残っている案件の総額

営業支援システムの金額と段

目標までの不足額を確認する

経路ごとの受注の割合

マーケティングのツールと受注の記録

次の期の予算の配分を話し合う

BIは元のデータがそろっていて初めて役に立つため、入力のルールと数え方を固めてからの導入が安全です。
道具の役割を押さえたところで、最後にパイプラインのビジネス活用でよく寄せられる質問に答えます。

パイプラインのビジネス活用に関するよくある質問

Q1:パイプラインとファネルは何が違うのか

パイプラインとファネルは、同じ流れを別の角度から見た考え方です。
ファネルは、見込み客が段を進むにつれて数が減る様子を、漏斗の形で表します。
パイプラインは、案件ごとに今どの段にあり、いくらの見込みかを管理する一覧です。

・見る単位:ファネルは段ごとの人数の割合、パイプラインは案件ごとの状態と金額
・主な目的:ファネルは流れのどこで人が減るかを知る、パイプラインは売上の見込みを管理する
・よく使う部署:ファネルはマーケティング、パイプラインは営業
・使う場面:ファネルは施策の見直し、パイプラインは毎週の案件の確認

ファネルで減る段を見つけ、パイプラインで個別の案件に手を打つという組み合わせで使うと、2つの考え方が補い合います。
2つの違いがわかると、次に気になるのが段をいくつに分けるかという点です。

Q2:フェーズは何段に分けるのがよいのか

フェーズの数に全社共通の正解はなく、自社の商談の進み方に合わせて決めるのが基本です。
売る商品の価格や、相手の社内で決裁が下りるまでの手順によって、必要な段の数は変わります。
決めるときの手がかりは、各段の区切りを「相手が何をしたか」という出来事で説明できるかどうかです。
区切りを出来事で説明できない段は、担当者によって判断がぶれるため、前後の段とまとめる候補になります。
反対に、1つの段の中で案件が長く止まり、止まる理由が複数あるなら、分けて管理する意味がある段です。
まずは少なめの段で始め、数か月運用して通過率と滞在日数を見ながら足したり減らしたりすると、現場に合った形に近づきます。
段の数は一度決めたら終わりではなく、売り方の変化に合わせて見直す前提です。
こうした見直しの手間を考えると、規模の小さな会社で本当に必要なのかと感じる人もいます。

Q3:小さな会社でもパイプラインは必要か

担当者が数人の小さな会社にとっても、パイプラインを持つ意味は十分です。
案件の数が少ないうちは頭の中で覚えていられますが、1人の担当者が休んだり辞めたりすると、案件の状況が一緒に失われます。

・社長や上司が、担当者に聞かなくても案件の状況を把握できる
・来月の売上がどのくらいになりそうかを、数字で見通せる
・担当者が替わっても、案件の履歴と次の予定を引き継げる
・入口の件数が足りないと早めに気付き、集客の手を打てる

小さな会社なら、表計算ソフトで段と金額だけを管理するところから始めても、十分に効果を感じられます。
自社に合うパイプラインの形に迷ったときは、外部の専門家に相談するのも1つの方法です。

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23の実践例・営業研修おすすめネタ・7つの役職別設計ポイント
24選オンラインセールス代行会社一覧・選び方8つの判断基準・メリット外注費用相場
27選・外壁塗装業界に強い営業代行会社一覧7つの判断基準・料金費用相場
インサイドセールスの質を高めるインバウンド戦略 含めたい7つの要素・作り方・21の手順
AI×インサイドセールスで成果を出す15のポイント・従来の営業がうまくいかない7つの課題
15の特徴・インサイドセールスに向いている人の適性・未経験から成果を出す7つの手順
目的別15・インサイドセールスは将来性高い7つの理由・営業必須スキル完全版
目的別15選インサイドセールス効率化の成功法・7つの必須ツールと導入手順
21の手順 インサイドセールスのやり方・立ち上げ方法・成果を最大化する7つのコツ・完全解説
インサイドセールスとフィールドセールスの7つの違い・営業体制の構築で活かす15のポイント
インサイドセールス代行の外注費用相場・質を高めるための7つの基準・8視点徹底比較
インサイドセールスやめとけの真実?7つの理由とうまくいかない時の3つの対処法・7つの成功手順
インサイドセールスとインバウンド営業13の違い・組織の営業力を最適化する7つの手順
インサイドセールス・トークスクリプト例文集・うまくいかない理由とアポ率を高める21のコツ
目的別21の技法 インサイドセールスとカスタマーサクセスの違い・役割・KPI・連携を強化完全ガイド
21の思考法インサイドセールス楽しい楽しくない真実?3つの理由と成果を出すための成功法・5つの手順
15のメリット/11のデメリットインサイドセールス導入の判断基準と成果を出す5つの手順徹底解説
21選インサイドセールスのスキル不足を解消する5つの方法・テクニック徹底解説
7つの手順 SDR(インサイドセールス)の立ち上げ方・成果を最大化する21のコツと7つのツール徹底解説
15選インサイドセールスの費用対効果を最大化する成功法・7つの算出手順・徹底解説
なぜインサイドセールス=病む辛い?裏の真実10の原因と13の工夫徹底解説
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場面別59選 営業あるあるネタ完全版・現場の課題を解決し成果を出す11の対処法
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21の手順営業トークスクリプトとは?作り方・成約率を高める5つの本質。徹底解説
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違い17選・法人営業と個人営業どっちがいい?向き不向きと転職での選び方を徹底比較 
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21選・決裁者アプローチの方法・キーマンの見極め方・商談を成功させる7つのポイント 
理由11・最新の方法13選・オンライン営業の新規開拓が難しい時に成果を出すアプローチ 
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【27選】アウトバウンドに強い電話代行会社を提供形態別に比較・選び方や料金相場も解説 
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テンプレ33選・心に響く営業メールの例文・書き方・返信率を上げるコツを徹底解説 
デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの違いと進め方 
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カスタマーサクセスBtoBの立ち上げ15の手順・着手期から定着期までの進め方
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無形商材の営業代行会社一覧27選・選び方と売りにくさの型別に見る比較ポイント
営業代行の導入事例31選・課題と支援内容・成果・体制人数の増減まで業種別に解説

フィールドセールス外注のメリット13選・会社一覧21選・費用相場と選び方
準委任契約とは・営業代行で使う3種類と契約書の作り方13項目・トラブル対策
システム開発の営業代行会社一覧25選・受託開発の商流別に選ぶ基準と費用相場

商談数を増やす方法17選・目標から必要な人数と費用を逆算する3つの計算式
営業の人件費に含まれる17の費目・4つの計算式・外注費と比べる5つの軸
営業代行の初期費用17項目の内訳・削ってはいけない4項目・回収する5つの手順
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休眠顧客の掘り起こし11の手法・7つの手順と5つのメリット・メール文面と架電トーク
大阪に強い営業代行会社一覧29選・選び方と料金体系4種の費用相場・早見表
無形商材とは 有形商材との違い13選・25の業界一覧
新規顧客開拓 成功事例33選・困りごと別に見る打ち手と共通する3つの要素
商談管理とは・エクセル活用方法11選と基本の9項目・フェーズ5段階の作り方 

最終更新日

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