インサイドセールス内製化のメリット7選・デメリット15選・外注と分ける7つの判断基準

インサイドセールスの内製化について、判断の軸を整理して解説します。
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・内製化で得られる7つのメリットと限界(インサイドセールス・内製化・メリット)
・見落としやすい15のデメリットと避け方(内製化・デメリット・リスク)
・内製と外注を分ける判断基準と戻し方(外注・代行・判断基準)
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インサイドセールスの内製化とは・外注と分ける3つの境界
内製化と外注の違いは、作業量の多さではなく責任の持ち先で決まります。
誰が電話をかけ、誰が顧客情報を持ち、誰が数字に責任を負うかが分かれ目です。
この3点で線を引くと、自社が選ぶべき形が具体的に見えてきます。
内製化は自社人員で回す体制
内製化と外注の境目は、どこにあるのでしょうか。
内製化とは、インサイドセールス(電話やメールで見込み客と接点を作る営業手法)を自社の社員だけで運営する体制です。
判断の分かれ目は、雇用と教育と数値管理の3つを自社が抱えるかどうかにあります。
外注との違いを人数や予算の大小で考えている企業は少なくありません。
・雇用:架電を担当する社員を自社で採用し、給与を毎月支払う
・教育:トークや商品知識の指導を自社の社員が行う
・数値管理:架電数や商談数の目標を自社で決め、達成責任も負う
目標未達の説明責任まで自社に残るため、成果が出ない月も固定費だけは動きません。
対する外注は、この重さをどこまで手放せるかが焦点になります。
外注は代行会社に業務を渡す
外注で渡しているのは、工数ではなく顧客との最初の接点です。
代行会社は自社の名前で架電し、見込み客の反応を集めて商談だけを返します。
人手が足りないから頼むという理解の企業は多く、実際に渡るのは断りの理由や競合名といった一次情報です。
この情報は代行会社の担当者の手元にたまります。
契約が終われば、自社には何も残りません。
一方で、立ち上げの速さと人員の調達力は代行会社が明確に上回り、採用も教育もせずに初月から架電できます。
手法そのものの解説は別記事に譲ります。
(参考:インサイドセールス導入の判断基準と成果を出す5つの手順)
外注は速さを買う契約であり、情報の蓄積は契約期間の外に置かれます。
両方の弱点を埋める形として選ばれるのが、次に挙げる併用型です。
併用型は役割を分けて配置する
併用型は折衷案ではありません。
新規開拓と既存深耕を別々の担当に振り分け、弱い領域だけを外注に出すやり方です。
全部か無かで考えると、判断が極端に振れます。
分ける基準は業務の難しさではなく、その情報を社内に残す必要があるかどうかであり、判断は情報の側から下します。
実務でよく使われる分け方は下記の3通りです。
・新規開拓を外注に出し、既存顧客の掘り起こしを自社が担当する
・立ち上げの半年だけ外注に頼り、その後に自社へ移管する
・架電を外注に任せ、商談化した後の追客を自社が引き取る
役割の分割は、撤退時に社内へ戻す範囲を小さく抑える保険です。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
では、なぜ今この内製化の検討が増えているのかを整理します。
インサイドセールスの内製化が増えている3つの背景
代行費用が年々上がっている
代行費用は、なぜ上がり続けているのでしょうか。
理由は、固定費と成果報酬の両方が同時に押し上げられているためです。
人材の採用単価が上がって代行会社側の人件費が先に増え、契約更新のたびに予算の見通しが立てにくくなります。
値上げは一度では終わりません。
特に成果報酬型は、商談が増えるほど支払いも比例して増える設計です。
成果が出るほど費用が膨らむため、目標を達成しても予算超過が起きます。
固定費型に切り替えても、単価の改定交渉は毎年発生します。
そのため、費用を自社の人件費として抱え直す判断が増えました。
費用相場の詳しい比較は別記事にまとめています。
(参考:インサイドセールス代行の外注費用相場・質を高めるための7つの基準)
費用の上昇は単価ではなく、成果に連動して膨らむ支払い方そのものが原因です。
もう1つの背景として、商材の側でも変化が起きています。
商材の説明が複雑になっている
商材の説明が難しくなるほど、外部の担当者では対応しきれなくなります。
SaaS(インターネット経由で使うソフトウェア)の多機能化がその代表です。
初回の電話で細かな機能の違いを聞かれ、答えに詰まったまま商談の機会を落とす場面が増えています。
説明の難所は料金です。
・料金プランが利用人数と機能の両方で二重に分岐する
・業種ごとに使い方の説明を変える必要がある
・競合との違いが機能単位でしか説明できない
外部の担当者は複数の会社を掛け持ちするため、商材更新の頻度に追いつけません。
3つ目の背景は、顧客データの扱いに関する制約です。
顧客データを外に出しにくい
顧客データを外部に渡す判断は、以前より慎重になっています。
個人データの取り扱いを外部へ委託した時点で、委託元には監督義務が生じるためです。
具体的には、委託先の選定、契約の締結、取扱状況の把握の3つが求められます。
(参考:個人情報保護委員会)
名簿を渡すだけでは済みません。
監督の実務は契約を結んで終わりではなく、委託先が実際にどう扱っているかを定期的に確認する必要があります。
再委託まで発生すると、確認の範囲は委託先のさらに先へ広がる点も見過ごせません。
顧客接点を社内に閉じる判断は、この負担そのものを避けるためです。
情報管理の手間は、外注の見積書に現れない隠れたコストとして残ります。
ここからは、内製化で実際に何が手に入るのかを7つ挙げます。
インサイドセールス内製化のメリット7選
メリット①:断られた言葉を翌日に生かす
断られた一言は、翌日の商談を変えられるのでしょうか。
断りの言葉は、翌日の切り返しを作る一次情報です。
自社で架電していればその日の会話が当日中に共有され、報告書の1行に丸められる前の細部が残ります。
細部にこそ次の一手があります。
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断り文句 |
翌日に変える内容 |
反映までの時間 |
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今は予算がない |
次年度の予算時期を先に聞く質問へ変更 |
当日中 |
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すでに他社を使っている |
乗り換え理由ではなく不満点を聞く形へ変更 |
当日中 |
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担当ではないのでわからない |
決裁者の役職名を確認する一言を追加 |
翌朝の朝礼 |
落とし穴は言葉を書き残す担当を決めていない場合で、記録の習慣がなければ内製にしても改善の材料は増えません。
次に挙げるのは、その情報を社外に出さずに済むという利点です。
メリット②:顧客情報を外部に渡さない
自社だけで架電すれば個人データを社外に持ち出す場面が発生せず、外部委託にともなう監督義務そのものが不要になります。
守る対象は社内だけです。
委託先の管理を毎年の業務として抱えている担当者もいます。
・委託先の選定:安全管理の水準を事前に確認する作業がなくなる
・契約の締結:個人データの取り扱い条項を交わす手間がなくなる
・取扱状況の把握:定期的な監査や報告の受領が不要になる
(参考:個人情報保護委員会)
削減できるのは費用ではなく、管理部門の工数と説明責任です。
情報が社内にとどまることで、商談後の動きも自社で追えるようになります。
メリット③:商談後の追客を自社で続ける
内製化の効果は、商談を作る場面よりも失注した後に強く出ます。
外注では、商談を渡した時点で代行会社の役割が終わるためです。
失注した見込み客をそのまま放置している企業は珍しくありません。
放置は最大の取りこぼしです。
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失注理由 |
再接触の時期 |
担当 |
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予算が確保できなかった |
次年度の予算編成期 |
架電担当 |
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競合を先に導入した |
契約更新の3か月前 |
架電担当 |
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社内の合意が取れなかった |
組織変更や人事異動の直後 |
営業と共同 |
連絡を入れる間隔は失注の理由ごとに変える必要があり、一律で3か月後に架電する運用では相手の状況が動いていません。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
自社で追える体制は、トークの修正速度にも直結します。
メリット④:トーク修正を即日反映できる
トークの変更が当日中に反映できる点は内製化の実利であり、外注では依頼から架電に反映されるまで数日かかります。
決裁の行数が長いほど、改善は止まりがちです。
修正の速さは、変更に必要な承認者の数で決まります。
・朝の架電で反応が悪い一言を特定する
・昼までに言い回しを差し替え、担当者へ口頭で共有する
・午後の架電で反応を比べ、良い方を翌日の標準にする
承認者が1人であれば改善は1日単位で回せますが、反映の速さが効くのは商材の変更が多い企業に限られます。
人員の融通が利く点も、社内に体制を持つ利点です。
メリット⑤:他部門から人員を動かせる
急な増員は社内の異動で賄えます。
外注では契約人数の変更に交渉と期間が必要なため、繁忙期だけ増やしたいという現場の要望に即答できません。
異動で見るべきは人数ではなく、不足する技能をどう補うかです。
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異動元 |
持ち込める強み |
不足しやすい技能 |
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カスタマーサポート |
商材知識と質問への即答力 |
断られた後に会話を続ける粘り |
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フィールドセールス |
商談化の基準の理解 |
短時間で用件を伝える簡潔さ |
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マーケティング |
見込み客の温度感の見立て |
電話での対人コミュニケーション |
技能の差を埋める教育がなければ、異動者の成果は数週間で頭打ちになり、人を動かした意味がなくなります。
費用面では、成果報酬という変動要素から離れられる意味も大きくなります。
メリット⑥:成果報酬の単価上昇を受けない
内製化すれば、支払額は商談数で変動しません。
人件費は月額で固定されるため、成果と費用が切り離されるからです。
成果が出るほど請求が膨らむ状態に、違和感を持つ責任者は多く見られます。
成果報酬型は、初期の少ない商談数であれば割安です。
しかし商談数が伸びた局面では、1件あたりの単価が交渉の対象になります。
翌年度の単価改定を見越した予算組みも必要です。
内製であれば商談が2倍になっても人件費は変わらず、逆に半分へ落ちた月も同じ額を支払い続けます。
固定費に変えるとは、上振れの利益と下振れのリスクを同時に取ることです。
費用の形と同じく、人の育て方も自社で設計できるようになります。
メリット⑦:担当者の育成を自社で設計する
育成の順番を自社で決められる点は長期の投資として効き、外注では担当者が育っても契約終了とともに社外へ戻ります。
投資先が社内に残る点が違いです。
人を育てたはずが手元に残らない、という経験を持つ企業もあります。
設計の前提は、教える人を社内から出せるかどうかです。
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時期 |
到達させたい状態 |
教える人 |
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入社1か月目 |
商材の料金体系を自分の言葉で説明できる |
商品企画の担当者 |
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入社3か月目 |
断られた後に次の質問へつなげられる |
インサイドセールスの管理者 |
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入社6か月目 |
商談化の基準を自分で判断できる |
フィールドセールスの責任者 |
指導役を確保できなければ育成計画は表の上だけの絵で終わり、育った人材が次の担当を教える循環も生まれません。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
ここまでが内製化で得られるものであり、次は失うものを15項目で示します。
インサイドセールス内製化のデメリット15選
内製化の判断で重くのしかかるのは、得られる成果より手放しにくくなる負担です。
デメリットは着手期、運用期、組織と撤退の3つの局面で性質が変わります。
局面ごとに分けて見ると、自社が耐えられる範囲かどうかを見極められます。
【着手期に生じるデメリット5】
デメリット①:立ち上げに3〜6か月かかる
内製に切り替えると、成果が出るまでにどれくらいかかるのでしょうか。
架電が始まるまでの準備だけで、3か月から6か月を見込む必要があります。
採用、教育、リスト整備、ツール設定を順に終えなければ、1本目の電話をかける段階に進めません。
代行なら翌月から架電が始まります。
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準備工程 |
目安期間 |
遅れやすい理由 |
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人員の確保 |
1〜2か月 |
求人の応募が集まらない |
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教育と練習 |
1〜2か月 |
教える社員の時間が取れない |
|
リストとツール整備 |
1〜2か月 |
既存の顧客データの重複整理に手間取る |
期首に合わせて動き出しても、数字が読めるのは下期に入ってからになります。
この期間を支えるのは、成果が出る前に発生する採用の費用です。
デメリット②:採用コストが先に発生する
支出は、成果より先に始まります。
求人広告や人材紹介の費用は1人目が架電を始める前に確定し、代行契約なら支払いが動くのは稼働した月からです。
採用単価は年ごとに変動するため、事前の見積もりが立てにくくなっています。
・求人広告:掲載しても応募がなければ費用だけが残る
・人材紹介:入社時に年収の3割前後とされる手数料を一括で支払う
・面接工数:現場の管理者が選考に時間を割く
採用費は商談が1件も生まれない段階で消える先行投資です。
支出はここで終わらず、入社後の育成期間にも人件費が積み上がります。
デメリット③:育成期間の人件費が重い
戦力になるまでの給与は、成果ゼロのまま毎月発生します。
インサイドセールスは商材理解と会話の訓練が同時に必要なため、独り立ちまで3か月前後かかります。
その間も給与と社会保険料は満額の負担です。
育成中の担当者を戦力として数えた計画は、初月から崩れます。
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時期 |
担当者の状態 |
会社が負担するもの |
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1か月目 |
商材と業界の学習が中心 |
給与と教育担当の時間 |
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2か月目 |
練習と同席で会話に慣れる |
給与と架電先リストの消費 |
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3か月目 |
単独で架電し数字が出始める |
給与と改善のための工数 |
育成の3か月は、人件費と教える側の時間が二重に出る期間です。
費用が先に動く点では、通話環境の準備も同じ性質を持ちます。
デメリット④:電話とCTIを自社で用意する
架電の環境は、電話機を並べれば整うわけではありません。
CTI(電話と顧客管理システムをつなぐ仕組み)を入れなければ、通話履歴が記録として残りません。
代行会社は、この環境を最初から持っています。
携帯電話で始めて記録が散らばった現場もあります。
・回線:同時に架電する人数分の番号を用意する
・CTI:通話履歴を顧客情報に自動でひもづける
・録音:会話を聞き直してトークの改善に使う
環境の不備は、担当者の成果ではなく記録の欠落として表れます。
設備をそろえる前に、社内で越えるべき合意の壁もあります。
デメリット⑤:経営合意に時間がかかる
内製化は、営業部門だけで決められません。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
人を採る判断には、人事と経理と経営の承認が必要になるためです。
代行の契約であれば既存の予算枠で決裁が下りる場合もあり、営業部門の判断だけで着手できます。
現場が疲弊するのは、稟議が2か月止まる間も採用計画だけが先に進む場面です。
合意が遅れる原因は、費用の大きさよりも撤退時の説明のしにくさにあります。
人を採った後で方針を戻す判断は、誰も引き受けたがりません。
そのため決裁者が先に求めるのは、成功時の絵ではなく撤退の条件です。
経営合意の遅れは、着手期そのものを半年単位で後ろへずらします。
立ち上げを越えても、負担は運用が始まってから形を変えて続きます。
【運用期に生じるデメリット6】
デメリット⑥:見込み客リストを自前で作る
架電先の名簿は、契約書の中に入っていません。
内製にすると、誰に電話をかけるかを決める作業から自社の仕事になります。
代行会社は自社が保有する名簿から架電先を出せるため、依頼した翌月には対象企業がそろいます。
リストは買えば済むという理解は、よくある誤解です。
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調達方法 |
費用の目安 |
注意点 |
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名簿の購入 |
1件あたり数円から数十円 |
部署や役職が古いまま残る |
|
自社サイトの問い合わせ |
追加費用なし |
件数が月ごとに大きく振れる |
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展示会やセミナー |
出展料と運営工数 |
名刺の情報整理に時間がかかる |
名簿の鮮度が落ちると、架電数を増やしても接触できる相手が減ります。
リストがそろっても、かけ方を教える人が社内にいるとは限りません。
デメリット⑦:教える立場の社員がいない
内製化でつまずく最大の壁は、指導役の不在です。
インサイドセールスの経験者が社内にいる企業は限られます。
訪問営業の手法をそのまま持ち込んでも、短い電話では通用しません。
訪問営業で成果を出した社員ほど自分の型を言葉にできず、教える側に回った途端に指導が止まります。
・言語化:成果を出す社員ほど自分の型を説明できない
・時間:指導役が自分の数字を持つと教える時間が消える
・基準:良いトークの判断が人によって変わる
指導役を置かない立ち上げは、担当者の自己流を早い段階で固定させます。
基準が人任せになると、目標の決め方そのものも定まりません。
デメリット⑧:目標値の決め方がわからない
最初の目標は、他社の数字を借りても機能しません。
商材の単価と検討期間が違えば、1日の架電数も商談化率も変わるためです。
初月から代行会社と同じ水準を求める計画も見られます。
自社の実績がないまま高い目標を置くと、担当者は達成を諦めたまま動き、報告の数字だけが整えられます。
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指標 |
最初に置く水準 |
見直す時期 |
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1日の架電数 |
30件から始める |
2か月目に実績値で更新 |
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商談化率 |
数値を置かず実績を記録 |
3か月分たまった時点 |
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接触率 |
曜日と時間帯で分けて記録 |
毎週の振り返り |
最初の3か月は、目標を決める時期ではなく実績を測る時期です。
数値が固まっても、必要な人数を月ごとに合わせる難しさが残ります。
デメリット⑨:繁閑差に人数を合わせにくい
社員は、忙しい月だけ増やせません。
代行なら契約席数の増減で対応できる部分が、内製では採用と異動でしか動かせず、閑散期も給与は同じ額のままです。
繁忙期だけ人を借りたいという要望は、現場から必ず出ます。
・繁忙期:架電が追いつかず見込み客の反応が冷める
・閑散期:架電先が尽きて活動量だけが記録される
・年度末:他部門の応援に人を取られて体制が崩れる
人数を固定する運用は、季節で動く商材ほど無駄と取りこぼしを同時に生みます。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
人が余る月に生まれるのが、兼務という一見合理的な判断です。
デメリット⑩:兼務にすると活動が止まる
兼務は、コストを抑える工夫のように見えます。
実際には他部門の業務が忙しくなった瞬間に架電が止まり、電話は後回しにしても誰からも困られません。
片手間で始めた体制が半年で自然消滅した例もあります。
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兼務の組み合わせ |
止まる時期 |
起きること |
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営業と兼務 |
自分の商談が重なる週 |
架電が翌週へ繰り越される |
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マーケティングと兼務 |
展示会やイベントの直前 |
準備を優先し架電が止まる |
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事務と兼務 |
月末の締め処理 |
数日単位で活動が空く |
兼務の体制は、忙しい時期ほど架電が減るという逆の動きを生みます。
活動量が読めない状態では、成果の良し悪しを判断する物差しも持てません。
デメリット⑪:成果を比べる相手がいない
内製の数字は、良いのか悪いのか自社では判断できません。
代行会社は複数の企業を支援しているため、同じ商材の相場感を持っています。
自社だけで運用すると、比べる対象は先月の自分たちだけになります。
基準がなければ改善は遅れる一方です。
商談化率が3%と出たときに、それが低いのか妥当なのかを判断できず、改善すべき工程を絞り込めません。
業界の平均値を探しても、商材や単価が違えば参考になりません。
そのため内製では、自社の中に比較の軸を作る作業が別に発生します。
比較対象の不在は、改善の打ち手を勘に頼らせる原因です。
判断の難しさは数字だけでなく、人の配置にも同じように現れます。
【組織と撤退に生じるデメリット4】
デメリット⑫:1人に頼ると退職で振り出し
1人体制の内製は、退職ひとつで止まります。
トークも顧客の反応も、その人の頭の中にしか残っていないためです。
引き継ぎ資料を作る時間は、日々の架電の後には残りません。
成果を出す担当者ほど本人にしか回せない業務が増えるため、代わりを立てられない状態が静かに進みます。
・トーク:反応の良い言い回しが本人の記憶だけに残る
・顧客情報:入力の粒度が担当者ごとに違う
・関係性:担当が代わると相手の反応が元へ戻る
1人に依存した体制は、退職の1か月後に架電数がゼロへ落ちます。
人が増えれば増えるほど、勤怠と労務の管理が新しく発生します。
デメリット⑬:労務と勤怠の管理が増える
内製化で増える仕事は、営業部門の中だけに収まりません。
勤怠、評価、休職対応といった管理業務が管理者と人事の側に積み上がり、代行ならこれらは契約先の担当領域です。
管理の手間を見積もりに入れていない計画は多く見られます。
|
増える管理 |
担当する部署 |
見落とされやすい点 |
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勤怠の確認 |
現場の管理者 |
架電時間の偏りが把握できない |
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労務の手続き |
人事 |
入退社のたびに工数が発生する |
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健康と離職の対応 |
人事と管理者 |
断られ続ける負荷が表に出にくい |
管理の手間は費用に現れないぶん、見積もりの段階で抜け落ちます。
次に必要になるのは、成果をどう評価するかの新しい物差しです。
デメリット⑭:評価制度を新しく作り直す
既存の営業評価は、インサイドセールスには当てはまりません。
受注金額で測ると、商談を渡すまでが役割の担当者は毎月低い評価になります。
制度の設計には人事と経営の合意が必要で、運用開始までに半年ほどかかる例も珍しくありません。
評価を後回しにしたまま離職が続いた現場もありました。
・商談数:質を問わず件数だけを追う動きが出る
・商談の質:受注率で測ると結果が出るまで数か月かかる
・行動量:架電数だけでは成果と結びつかない
評価の基準が決まらない期間は、担当者が何を頑張ればよいか分かりません。
制度を整えても、撤退を選んだときに雇用だけが手元に残ります。
デメリット⑮:撤退しても雇用は残る
内製化の最も重い点は、やめる判断が自由にできないところです。
代行は契約期間の満了で終わりますが、社員の雇用は方針の変更だけでは終わりません。
会社都合で人員を減らす場合、労働契約法は客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性を求めます。
(参考:厚生労働省)
異動先がなければ、給与だけが出続ける状態です。
戻す判断ができないまま体制だけが残る例もあります。
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撤退時に残るもの |
内製 |
外注 |
|
人員 |
雇用契約が続く |
契約満了で終了 |
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費用 |
給与と社会保険料が継続 |
支払いが停止 |
|
情報 |
社内に残る |
代行会社側に残る |
内製化は、始める判断より戻す判断のほうが高くつきます。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
だからこそ着手前に、どちらを選ぶかの基準を決めておく必要があります。
内製化と外注を分ける7つの判断基準
商材の説明難易度で決める
最初に見るのは、電話の数分で伝えきれる商材かどうかです。
前提知識が要る商材ほど説明は止まります。
自社の技術者がすぐ補える体制であれば、内製の利点が大きくなります。
商材が伝わらないまま架電だけが積み上がった、という相談は多いです。
手法ごとの向き不向きは、インサイドセールス自体の特性からも整理できます。
(参考:インサイドセールス導入の判断基準と成果を出す5つの手順)
・専門用語が多い:仕様の説明で相手の理解が止まりやすい
・導入事例が業界に固有:他社の事例を言い換えても通じない
・料金体系が複数ある:条件によって案内する内容が変わる
説明の難しい商材を外部に任せると、断られた理由が商材にあるのか話し方にあるのか切り分けられません。
説明のしやすさで内製に傾いても、立ち上げの期限が近ければ判断は変わります。
立ち上げ期限の近さで決める
期限が3か月以内なら、内製は選べません。
採用と教育に必要な期間を逆算すると着手から架電まで時間が足りず、最初の四半期は外注に頼る形が現実的です。
半年先の数字より、来月の商談数を求められる現場は多くあります。
|
立ち上げ期限 |
現実的な選択 |
理由 |
|
1〜3か月 |
外注 |
採用と教育が間に合わない |
|
4〜6か月 |
外注と内製の併用 |
数字を作りながら採用を進められる |
|
7か月以上 |
内製 |
育成の時間を確保できる |
期限の近さは内製の可否ではなく、どちらを先に置くかという順番を決める条件です。
時間の条件が整っても、必要な商談数が少なければ内製は割高になります。
想定商談数の規模で決める
判断を分けるのは、月に必要な商談の件数です。
人件費は商談が0件の月も同額のため、1件あたりの費用は件数で割った瞬間に跳ね上がるからです。
月30件を下回る規模であれば、外注のほうが安く収まります。
商談数の見込みを立てないまま人を採る判断も見かけます。
・月10件以下:外注の成果報酬型が費用を抑えやすい
・月10〜30件:外注の固定費型と内製の総額が近づく
・月30件超:内製の1件あたり費用が下がり始める
損益が分かれる点は月30件前後にあり、そこを超える見込みがなければ内製の投資は回収できません。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
件数の条件を満たしたうえで、次に問われるのは教える人の有無です。
社内に指導者がいるかで決める
指導役の有無は、他の条件を上回る判断材料です。
教える人がいなければ、採用しても担当者は自己流のまま固まります。
経験者を1人採って任せる案は危険です。
その人が辞めた時点で、教える機能ごと社内から消えるからです。
社内にインサイドセールスの経験者がいる企業は、そもそも多くありません。
指導役に求められるのは成果を出した経験ではなく、良い会話を言葉にして人に伝える力です。
自分の型を説明できない人を指導役に置くと、担当者は何を直せばよいか分からないまま架電を続けます。
現実的なのは、外注を1年使いながら自社の管理者を育てる進め方です。
代行会社の定例会議に自社の担当者を同席させれば、判断の基準を持ち帰れます。
指導役を先に決めない内製化は、採用の数だけを増やして成果が出ません。
人の条件が整った次に確認するのは、顧客情報をどこまで社外に出せるかです。
顧客情報の扱いで決める
顧客リストを社外に出せない事情があるなら、内製が前提になります。
委託そのものが禁じられるわけではありませんが、委託元には委託先を適切に監督する義務が続けて生じます。
金融や医療では、そもそも選択の余地がありません。
情報を出す前提で進めた契約が、法務の確認で止まる場面もあります。
(参考:個人情報保護委員会)
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情報の種類 |
外注時に必要な対応 |
内製での扱い |
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顧客の氏名と連絡先 |
委託契約と監督体制の整備 |
社内の権限設定のみで済む |
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商談で得た内容 |
共有範囲の取り決め |
自社のシステムに蓄積される |
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業法で制限のある情報 |
委託自体が難しい |
内製以外の選択肢がない |
情報を外に出さない判断は、7つの中で最も動かしにくい条件です。
情報の条件が内製に傾いても、費用の形が固定費に耐えられるかは別の話です。
予算の固定費比率で決める
費用を変動費のままにするか、固定費に変えるかで結論が分かれます。
内製は、人件費という固定費に置き換える判断です。
業績の波が大きい企業ほど、固定費の増加は経営会議で止まります。
固定費に振り替える前に、外注を続けた場合の相場と並べて比べる必要があります。
(参考:インサイドセールス代行の外注費用相場・質を高めるための7つの基準)
・売上の変動が大きい:固定費を増やすと落ち込んだ月に耐えられない
・単月の予算枠が決まっている:成果報酬型は上振れの請求が読めない
・投資回収を3年で見る:内製の人件費を投資として扱える
固定費に変える判断が効くのは商談数が伸びる局面だけで、縮む局面では同じ額が損失として残ります。
費用の形を決めたら、最後に残るのはやめる可能性をどう見るかです。
撤退の可能性で決める
最後の基準は、やめる可能性です。
3年後も同じ体制を続ける確信がなければ、雇用という戻しにくい形で費用を固定する判断は重くなります。
撤退の条件を先に決めていない内製化は、成果が出ない期間を引き延ばします。
やめ方を決めずに始めた体制ほど、判断は先送りになりがちです。
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撤退の見通し |
向く選択 |
事前に決めておくこと |
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3年は続ける |
内製 |
撤退時の異動先と判断の期限 |
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1〜2年で見直す |
外注と内製の併用 |
内製側に置く人数の上限 |
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数か月で判断する |
外注 |
契約の解約条件 |
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判断の軸が定まったら、次は内製を立ち上げる手順を7つの段階で追います。
インサイドセールス内製化の立ち上げ手順7ステップ
対象顧客と商材を絞り込む
どこから手をつければ、立ち上げは早く進むのでしょうか。
答えは、架電する相手と売る商材を最初に狭めることです。
対象を広く取ると断られた理由が商材のせいか相手選びのせいか切り分けられず、改善の手がかりが残りません。
全業種に当てる計画で始まった立ち上げは、3か月目に止まります。
・業種:既存顧客の受注率が高い業種を2つまでに絞る
・企業規模:従業員数の幅を決め、対象となる件数を数える
・商材:説明が短く済む1つに限り、他は当面外す
絞り込みで減るのは架電の母数だけで、1か月で集まる改善材料はむしろ増えます。
対象が決まった次の作業は、何をもって商談と呼ぶかの統一です。
商談化の定義をそろえる
商談の定義がずれたまま架電を始めると、数字が使えなくなります。
担当者が商談と数えた案件を営業側が認めなければ、目標の達成度そのものが人によって揺れます。
定義に必要なのは、言葉ではなく条件です。
興味がありそうという印象のまま商談に計上した記録も残っています。
|
条件 |
商談とみなす基準 |
確認の方法 |
|
相手の役職 |
決裁者か、決裁者へ話を上げられる人 |
名刺と会話の内容で確かめる |
|
課題の有無 |
現状の困りごとを具体的に話している |
相手の言葉のまま記録に残す |
|
次回の約束 |
日程がすでに入っている |
カレンダーの登録で確かめる |
定義を条件で固めると、担当者が変わっても数字の意味が動きません。
数え方がそろった次は、その数字を作る人数と役割を決めます。
必要な人数と役割を決める
人数の根拠は、目標商談数です。
1人あたりの1日の架電数と接触率、商談化率を置けば必要な人数は逆算でき、採用計画もそこから固まります。
役割を分けないまま3人を置くと、リスト整備も記録整理も全員が中途半端に触ります。
最初は1人で始めて増やす計画が、実際には最も破綻しにくい形です。
・架電担当:1日の目標件数を決めて電話をかけ、会話の内容を記録する
・リスト担当:架電先の名簿を作り、重複と古い情報を整理する
・管理者:目標の設定と週次の振り返り、教育を受け持つ
役割を書き出すと、1人分の仕事だと思っていた業務が3人分に膨らみます。
必要な人数が見えたら、その頭数をどこから連れてくるかを決めます。
採用と社内異動を組み合わせる
全員を採用で埋める計画は、立ち上げを遅らせます。
求人の応募が集まるまでの時間は読めないため、社内から1人動かせば商材知識のある戦力を初月から置けます。
採用と異動は、埋められる穴が別物です。
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調達の方法 |
着任までの早さ |
補える強み |
弱点 |
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中途採用 |
2〜3か月 |
架電の経験と断られる耐性 |
商材知識をゼロから教える |
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社内異動 |
2週間〜1か月 |
商材知識と社内の人脈 |
電話での初対面に慣れていない |
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派遣の活用 |
1か月前後 |
繁忙期だけ人数を足せる |
記録や改善が社内に残りにくい |
2つを組み合わせると、初月から動ける人と半年後に伸びる人を同時に確保できます。
人がそろった状態から次に必要なことは、活動の記録を残す道具の設定です。
MAとSFAの設定を整える
道具の設定は、架電を始める前に終わらせます。
MAは、見込み客の反応を自動で記録して通知する仕組みです。
SFAは、営業活動を記録して進捗を管理するシステムです。
後から入れると、初期の架電記録だけが手元の表計算ソフトに取り残されます。
高機能な設定を最初から狙うと運用が回らないため、記録する項目を絞って始めるほうが定着します。
①架電の結果を残す項目を5つまでに決める
②担当者ごとの活動が一覧で見える画面を作る
③商談化した案件を営業側の画面へ渡す流れを設定する
④週次で集計する数値を先に決めておく
道具を先に整えると、担当者が入った初日から記録が数字として積み上がります。
記録の器ができたら、そこに入れる会話の中身を用意します。
トークと資料の型を作る
型がなければ、担当者の成果は本人の話し方次第で決まります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
会話の順番と使う資料をそろえて初めて、断られた理由が担当者の差なのか商材の差なのか比べられます。
台本を渡すだけでは足りません。
効き目を左右するのは用意する順番です。
まず冒頭30秒の名乗りと電話の目的を1つの言い回しに決め、担当者が誰でも同じ入口から話せる状態を作ります。
次に課題を聞く質問を業種ごとに3つ用意し、相手が話した言葉をそのまま記録させます。
言い換えて記録すると、後から断られた理由をたどれなくなるからです。
最後に、予算がない、担当が違うといった頻度の高い断り文句5つへの返しを決めます。
読み上げる文章より、この返しを先に用意するほうが商談化率は上がります。
型は担当者を縛る道具ではなく、成果の差がどこから出たかを見るための物差しです。
型ができたら、それが機能しているかを毎週の数字で確かめます。
週次で数値を振り返る
振り返りの間隔は、1週間が上限です。
商談化率が落ちた原因をたどれるのは記憶が残っているうちなので、振り返りは月次では遅すぎます。
全項目を並べた資料を毎週作り、読み合わせだけで終わる会議も見受けられます。
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見る数字 |
落ちたときに疑う場所 |
翌週に打つ手 |
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接触率 |
架電する時間帯と相手の役職 |
時間帯を変えて比べる |
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商談化率 |
課題を聞く質問と断り対応 |
返しの言い回しを差し替える |
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記録の入力率 |
架電後の入力にかかる時間 |
入力する項目をさらに減らす |
数字を毎週見る体制があると、立ち上げの遅れを2週間以内に手当てできます。
手順をひととおり踏めても、担う人が要件を満たさなければ成果は出ません。
インサイドセールス内製化に必要な人材要件5つ
要件①:商材の仕組みを説明できる
最初の要件は、商材を自分の言葉で説明できることです。
暗記量では差がつきません。
資料を読み上げるだけの説明では、相手が質問を挟んだ瞬間に原稿から離れた返答が出てきません。
商材研修を受けた翌週には、説明が資料の丸暗記に戻りがちです。
・仕組み:何がどう動いて成果が出るかを1分で話せる
・比較:競合との違いを、機能名ではなく用途の差で言える
・限界:向かない使い方を先に伝え、相手の期待をそろえる
説明できる担当者ほど、断られた理由を商材の課題として持ち帰れます。
商材を語れる力の次に問われるのは、断られてからの粘りです。
要件②:断られてから会話を続ける
2つ目は、断られた後に一言を返せることです。
電話の大半は、断りの言葉から始まります。
最初の断りは相手の反射的な反応であり、そこで引き下がる担当者は接触数だけを積み上げてしまいます。
粘りを根性の問題として片づける現場は少なくありません。
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断りの言葉 |
相手の本音 |
次に返す一言 |
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間に合っています |
現状の不満を言葉にしていない |
今の運用で困る場面はないか聞く |
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予算がありません |
費用対効果が見えていない |
費用ではなく回収の話に切り替える |
|
担当が違います |
話す相手が合っていない |
誰に聞けばよいかだけ確かめる |
断りを言葉の種類で分けて覚えると、粘りは根性ではなく手順に変わります。
会話を続けられる人でも、記録を残せなければ改善は始まりません。
要件③:数値の記録を毎日残せる
3つ目の要件は、記録を毎日残す習慣です。
記録が翌週にまとめて入力されると、断られた理由の記憶が薄れ、改善の材料としては使えなくなります。
記録の丁寧さは、成果の伸びと重なります。
入力が滞る担当者ほど、翌月の数字も動きません。
・当日中:架電の結果と相手の反応を、その日のうちに入れる
・言葉のまま:要約せず、相手が使った表現を残す
・5項目まで:入力の負担を増やさず、続けられる量に抑える
毎日の記録がそろうと、翌月の打ち手を勘ではなく数字で選べます。
手元に数字を残せたら、次はそれを営業へ渡す姿勢が問われます。
要件④:営業と情報を共有できる
4つ目は、営業へ情報を渡せることです。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
インサイドセールスの成果は、渡した先の商談が進んで初めて数字になります。
商談化した件数を追うだけの担当者は、渡した後の結果を見に行きません。
受注に至らなかった商談の理由を営業から聞き取れば、次に狙う相手の条件が絞れます。
共有は個人の善意に頼れません。
週1回の合同会議に出る、商談の同席を月2件入れるなど、接点を予定に組み込むだけで会話は増えます。
担当者が渡すこと自体をためらうのは、聞いていないと営業側から言われた経験があるからです。
情報が往復する体制ができると、断られた理由まで営業の知見として蓄積されます。
共有の土台が整った先に必要なのは、自分から改善を持ち出す動きです。
要件⑤:改善案を自分から出せる
最後の要件は、改善案を自分から出せることです。
現場で最初に変化に気づくのは毎日電話をかけている本人であり、決められた通りに架電するだけでは数字が伸びません。
改善案を出す文化は、放っておいては育ちません。
・提案の場:週次の会議に、担当者が話す時間を5分置く
・試す権限:トークの一部を自分の判断で変えてよい範囲を決める
・振り返り:試した結果を数字で持ち寄り、良かった案を全員に配る
自分の案が採用された経験を持つ担当者は、離職の理由から仕事の単調さが消えます。
人の要件が固まったら、次はその体制にかかる費用を項目ごとに見ます。
インサイドセールス内製化にかかる費用の内訳5項目
担当者の人件費と採用費
費用の中心は、担当者1人あたりの人件費です。
給与そのものより、周辺で発生する費用のほうが見落とされます。
社会保険料や賞与、採用にかかる手数料まで含めると、求人票の年収を基準にした試算より総額は膨らみます。
年収だけで予算を組んだ計画は、初年度に超過しがちです。
|
費用の種類 |
数え方 |
見落としやすい点 |
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基本給と賞与 |
求人票の想定年収から積む |
昇給分を2年目以降に足し忘れる |
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社会保険料 |
会社負担分を給与に上乗せする |
労働保険も別に発生する |
|
採用費 |
媒体費か紹介手数料を1件分見る |
早期離職での再採用が二重にかかる |
1人分の予算を年収だけで置くと、実際の支出とは1年で大きな差がつきます。
担当者の費用を積んだら、次はそれを見る管理者の分が乗ります。
管理者の配置にかかる費用
2つ目は、管理者を置く費用です。
担当者だけを採用して管理を兼務でしのぐ計画は、教育と振り返りが止まった時点で成果ごと崩れます。
兼務であれば人件費は増えません。
営業部長が片手間で見る前提の体制は、3か月で形だけになります。
・専任を置く:人件費が1人分そのまま増える
・兼務でまかなう:既存業務の何を削るかを先に決める
・外部に頼る:代行会社の管理者を定例会議に入れる
管理者の費用を計上しない試算は、実際より安く見えるだけで意味を持ちません。
人にかかる分を数えたら、次は道具の月額が積み上がります。
MAとSFAの月額利用料
3つ目は、道具の月額利用料です。
利用料は人数で決まる形が多いため担当者を増やすたびに固定費が上がり、初期設定を外部に頼めば初月だけ別の費用もかかります。
無料の範囲で始め、記録が増えた時点で有料へ移る進め方もあります。
|
費用の項目 |
発生の仕方 |
抑えるための判断 |
|
月額の利用料 |
使う人数分が毎月かかる |
機能を絞った下位プランから始める |
|
初期設定の支援 |
導入時に一度だけかかる |
自社で設定できる範囲を切り分ける |
|
追加の連携費 |
他システムとつなぐたびに増える |
成果に直結する1つだけに絞る |
道具の費用は、使う人数が増えるほど毎月の負担として重くなります。
システムの費用の次に見落とされるのが、架電先の名簿にかかる分です。
見込み客リストの調達費
4つ目は、架電先の名簿にかかる費用です。
リストは無料で手に入るものと考えられがちです。
自社の名刺や問い合わせだけでは母数が足りず、購入や作成を外部に頼る場面が早い段階で出てきます。
名簿の質が低いまま架電を続けると、担当者の時間そのものが費用になります。
・購入する:件数に応じて費用がかかり、情報の鮮度は読めない
・自社で作る:担当者の時間を使う分、人件費に置き換わる
・既存を掘り起こす:費用は最も低いが、対象の数に限りがある
名簿にかける費用を削ると、その分が担当者の架電時間として跳ね返ります。
材料をそろえた最後に残るのが、人を育てる費用です。
研修と教育にかかる費用
最後は、教育にかかる費用です。
研修の受講料だけを見て、教える側の時間を数えない試算が目立ちます。
管理者が1日教えれば、その日の管理業務は止まったままです。
外部研修に出しても、自社の商材で使える形に直す作業は社内に残り、時間の費用は社内で発生します。
|
教育の方法 |
かかる費用 |
効果が出るまで |
|
外部研修に出す |
受講料と移動の時間 |
1〜2か月で基礎が入る |
|
管理者が教える |
管理者の業務時間 |
3か月ほどで型がそろう |
|
代行会社に同席する |
契約期間中の費用に含まれる |
初月から判断の基準を持ち帰れる |
教育の費用を予算に載せない体制では、担当者の成長は本人の努力に任されます。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
費用の全体が見えたら、次は投じた分が回収できたかを測る指標に移ります。
インサイドセールス内製化の成果を測るKPI5選
架電数と接触数の比率
最初に見るKPI(成果を測る指標)は、かけた数のうち何件が会話に至ったかです。
接触率が低いまま架電数を増やしても担当者の時間が減るだけで、原因は名簿か、かける時間帯のどちらかにあります。
増やす前に疑うのは、当たる先です。
架電数だけを週報に載せる運用は、今も広く残っています。
・接触率:会話できた件数を架電数で割る
・時間帯別:午前と午後で接触率を分けて数える
・名簿別:購入した名簿と既存顧客で分けて比べる
接触率を分けて数えると、成果の伸びない原因が人ではなく名簿にあると分かります。
会話までたどり着けたら、次に見るのはそこから商談へ進んだ割合です。
商談化率の月ごとの推移
商談化率はどの水準を目指せばよいのでしょうか。
答えは絶対値ではなく、自社の前月と比べた動きにあります。
商材も名簿も違う他社の数字を目標に置けば、達成できない月が続き、現場は数字そのものを信じなくなります。
業界平均を掲げた目標は、3か月で形だけの数字です。
|
見る単位 |
わかること |
判断の目安 |
|
前月との差 |
打ち手が効いたかどうか |
2か月続けて下がったら型を見直す |
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名簿の種類別 |
どの層に効いているか |
差が2倍あれば対象を絞り直す |
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担当者別 |
教育で埋められる差か |
差が続けば同席して原因を探す |
商談化率は、他社と比べるより自社の前月と比べたほうが打ち手につながります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
商談の数が見えても、そこから受注に届いたかは別の指標で測ります。
商談から受注に至る率
3つ目は、渡した商談のうち何件が受注に届いたかです。
数だけでは足りません。
商談化率だけを追うと質の低い商談が量産され、受注率が落ちているのに商談数が増える月が出てきます。
数字は良いのに営業から不満が出る状態は、この指標を見ていない証拠です。
・受注率:受注件数を渡した商談数で割る
・失注理由:予算、時期、競合のどれで落ちたかを分ける
・差し戻し数:営業が商談として認めなかった件数を数える
受注率まで見る担当者は、断られない相手ではなく決められる相手を選び始めます。
率で質を測れたら、次は1件にいくらかかったかを金額で確かめます。
1商談あたりの獲得費用
4つ目は、商談1件にいくらかかったかです。
内製の費用は月ごとに同じ額が出るため、商談数が減った月には1件あたりの費用が跳ね上がります。
比べる単位は、1件あたりです。
総額だけを見て高い安いを話す会議も、まだ多くあります。
|
計算に含めるもの |
内製の場合 |
外注の場合 |
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人にかかる費用 |
担当者と管理者の人件費 |
契約の月額に含まれる |
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道具の費用 |
月額利用料と初期設定費 |
代行会社側が負担する |
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名簿の費用 |
購入費または作成の時間 |
契約の内容によって分かれる |
同じ計算式で並べて初めて、内製と外注のどちらが安いかを金額で言えます。
全体の費用が見えたら、最後は担当者ごとのばらつきに目を向けます。
担当者ごとの活動量の差
最後は、担当者の間にどれだけ差があるかです。
見るのは、平均ではありません。
平均値だけを見ていると1人の高い成果が全体の不振を隠し、伸び悩む担当者への手当てが遅れます。
差が2倍を超えたら、教育で埋まる差か適性の差かを分けて見ます。
・架電数の差:働く時間の使い方に原因がある 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
・接触率の差:かける時間帯と名簿の割り当てを疑う
・商談化率の差:会話の型そのものに差がある
差を分けて見ると、全員に同じ研修を当てる無駄がなくなります。
指標がそろっても、内製化そのものが失敗する型はいくつかあります。
インサイドセールスの内製化が失敗する5つの原因
原因①:目的が数値になっていない
最も多い失敗は、内製化の目的が言葉のまま止まっていることです。
ノウハウを社内に貯めるという目的は数字に置き換えないと達成も未達も判定できず、撤退の判断も先送りになります。
判定できないものは、改善もできません。
目的を掲げただけで会議が終わる例も見受けられます。
|
目的の言葉 |
数値への置き換え |
判定する時期 |
|
ノウハウを貯める |
断り文句への返しを50件記録する |
6か月後 |
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費用を下げる |
商談1件あたりの費用を外注比で下回る |
12か月後 |
|
対応を速くする |
問い合わせから初回架電まで1営業日 |
3か月後 |
数字と時期をセットで置くと、続けるか戻すかを感情ではなく記録で決められます。
目的が定まっても、営業との線引きが曖昧なままでは動きが重なります。
原因②:営業と役割が重なっている
2つ目は、営業部門との境界が引かれていない状態です。
どこまでを内製の担当が追い、どこから営業が引き取るかを決めないまま走ると、同じ相手に両方から電話がかかります。
対立の火種は、電話の重複にとどまりません。
成果の取り合いが起きると、協力そのものが止まります。
・担当範囲:どの企業規模まで内製が追うかを線で決める
・引き渡しの条件:商談の定義を満たした時点で営業へ渡す
・成果の数え方:受注は営業、商談は内製と数える先を分ける
線を引いた組織ほど、内製と営業の間で情報が戻ってくる回数が増えます。
役割を分けても、追う数字を間違えれば現場は疲れるだけです。
原因③:架電数だけを追ってしまう
3つ目は、追う指標を架電数に寄せてしまうことです。
数えやすい数字だけが目標になると、担当者は会話の質より件数を優先し、断られる前提の電話が増えます。
件数は、努力の量でしかありません。
100件かけた日と30件で3件の商談を取った日を同じ物差しで測る運用も残っています。
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追う数字 |
現場に起きること |
併せて見る数字 |
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架電数だけ |
短い会話で切り上げ、件数を稼ぐ |
1件あたりの通話時間 |
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接触数だけ |
話しやすい相手ばかりにかける |
対象企業の規模の内訳 |
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商談数だけ |
基準を下げて商談に計上する |
営業からの差し戻し数 |
単独の数字を目標に置くたび、現場はその数字を最短で満たす動きに寄ります。
指標を組み合わせても、教える人がいなければ担当者は伸びません。
原因④:教育を担当者任せにする
4つ目の原因は、教育を担当者の自習に任せてしまうことです。
自習は教育ではありません。
資料と台本を渡せば独力で伸びると考える体制では、覚えの早い1人だけが成果を出して残りが停滞します。
伸びない担当者は、何が悪いのかを自分では特定できません。
断られた電話を録音して聞き返す時間は、日々の予定から真っ先に削られます。
週に30分でも管理者と一緒に会話を聞き直せば、直す場所は具体的に見つかります。
教育の時間を予定表に置かない限り、指導は誰かの善意で不定期に起きるだけです。
指導の時間を先に確保した組織では、2人目以降の立ち上がりが目に見えて速くなります。
教育の型ができても、成果を待つ期間を誤れば体制そのものが解散します。
原因⑤:3か月で結果を求めすぎる
最後の原因は、成果を求める時期が早すぎることです。
内製の立ち上げは担当者の慣れと名簿の精度が同時に上がって初めて数字が動くため、3か月では材料がそろいません。
早すぎる判定は、体制ごと壊します。
半年目に伸び始めた例は、打ち切られた後では確かめられません。
|
経過 |
この時期に見る指標 |
見てはいけない指標 |
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1〜3か月 |
架電数と記録の入力率 |
受注件数 |
|
4〜6か月 |
接触率と商談化率 |
投資回収の達成度 |
|
7〜12か月 |
受注率と1商談あたりの費用 |
担当者ごとの受注額 |
時期ごとに見る指標を決めておくと、早すぎる判定で体制を畳む事故を防げます。
原因がわかっても、そもそも自社が内製に向いているかは別に確かめます。
インサイドセールスの内製化に向く企業・向かない企業の5条件
商談単価が高い企業は向く
内製が生きるのは、1件の受注額が大きい企業です。
商談単価が高いほど、月の商談数が少なくても人件費を回収でき、担当者を長く育てる余裕が生まれます。
逆の条件では、内製は重荷です。
単価の低い商材を大量に売る体制では、件数を追う速度そのものが成果を決めます。
・受注1件が数百万円規模:担当者1人でも投資を回収しやすい
・検討期間が長い:断られてからの追いかけが成果になる
・決裁者が複数いる:会話の記録が社内に残る価値が大きい
単価の高い商材ほど、会話の中身を社内に残した効果が翌年の受注に表れます。
単価の次に効くのは、商材そのものが変わる速さです。
商材更新が早い企業は向く
2つ目の条件は、商材の中身が頻繁に変わることです。
更新のたびに外部へ説明し直す手間を考えると、社内に担当者を置いたほうが伝達は速く済みます。
差が出るのは、変更の翌日です。
機能追加が月単位で入るサービスでは、説明の遅れが失注に直結します。
|
更新の頻度 |
外注での伝達 |
内製での伝達 |
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月に1回以上 |
資料の共有と勉強会に2週間 |
朝の連絡で当日から反映 |
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半年に1回 |
定例の更新で間に合う |
差はほとんど出ない |
|
年に1回 |
契約更新時の説明で足りる |
内製にする理由にならない |
更新が速い商材ほど、説明する人が社内にいるだけで機会損失が減ります。
商材の速さが合っても、教えられる人がいなければ体制は動きません。
指導できる社員がいる企業は向く
3つ目は、教えられる社員が社内にいることです。
架電の経験を持つ社員が社内に1人でもいれば、新しい担当者の立ち上がりは3か月ほど早まります。
指導者は、役職では決まりません。
電話で断られた経験を言葉にできる社員が、最も早く型を作ります。
・過去に架電の経験がある:断られる場面を具体的に教えられる
・商材を売った実績がある:どこで相手が迷うかを知っている
・時間を割ける立場にある:週に数時間を指導に充てられる
指導できる社員が1人いる企業は、外注に頼らず2人目、3人目を育てられます。
条件がそろっていても、時間の制約がある企業は判断が変わります。
立ち上げを急ぐ企業は向かない
ここからは、内製に向かない企業です。
最初の条件は、成果を急いでいることです。
採用から教育までを踏むと最初の商談が出るまでに半年前後かかるため、来期の数字を今から埋めたい企業には合いません。
期末までに商談数を倍にする計画は、内製では届きません。
|
求める時期 |
内製の可否 |
現実的な選択 |
|
1〜2か月以内 |
間に合わない |
代行会社に依頼する |
|
半年以内 |
立ち上げのみ可能 |
外注と並行して育てる |
|
1年以上先 |
十分に間に合う |
内製で計画を組む |
急ぎの数字は外注で作り、内製はその裏側で育てると両方が成立します。
時間の余裕があっても、仕事量の波が大きい企業には別の壁があります。
繁閑差が大きい企業は向かない
もう1つ向かないのは、時期で仕事量が大きく変わる企業です。
内製の人件費は暇な月も同じ額が出るため、閑散期に担当者の手が空くほど1件あたりの費用が跳ね上がります。
波は、採用では吸収できません。
繁忙期に合わせて人を採ると、閑散期に仕事のない担当者が残ります。
・季節で需要が動く:年末や年度末に問い合わせが集中する 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
・案件が単発で終わる:継続契約が少なく毎月ゼロから積む
・営業日が読めない:業界の商習慣で動ける時期が限られる
波の大きい事業では、繁忙期だけ外注を足す形が費用の面でも負担が軽くなります。
向き不向きが分かれても、片方を選ぶ以外の組み方があります。
内製と外注を組み合わせるハイブリッド型の3パターン
新規開拓だけ外注に出す
最も採られている組み合わせは、新規の開拓だけを外に出す形です。
断られる回数が最も多い新規開拓を外注に任せれば、社内の担当者は反応のあった相手に時間を使えます。
分ける基準は、相手の温度です。
断られ続ける負担を離職の理由に挙げる担当者もいます。
|
担当 |
受け持つ範囲 |
判断の基準 |
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外注 |
接点のない企業への初回架電 |
名簿の量をこなす作業 |
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内製 |
資料請求や展示会で接点のある相手 |
商材の理解が必要な会話 |
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共通 |
断られた理由の記録 |
月1回の共有会で突き合わせる |
負担の重い工程を外に出すと、社内の担当者が辞めにくくなります。
範囲で分ける以外に、期間で分ける組み方もあります。
立ち上げ期だけ外注に頼る
2つ目は、最初の半年だけ外注を使う形です。
立ち上げの遅さが内製の弱点なので、その期間だけ代行会社に任せて数字を止めずに社内の準備を進めます。
期間の終わりは、契約時の取り決めです。
終わりを決めずに始めた併用は、そのまま外注だけが残ります。
・0〜3か月:外注が架電し、社内は記録の仕組みと名簿を整える
・4〜6か月:社内の担当者が同席し、断り対応の型を持ち帰る
・7か月以降:架電を社内へ移し、外注は繁忙期の応援に回す
期間と引き継ぐ中身を先に決めた併用だけが、外注費の削減につながります。
期間で分ける形の次は、相手の古さで分ける組み方です。
掘り起こしを外注に任せる
3つ目は、過去に断られた相手への再架電を外に出す形です。
名簿の掘り起こしは1件あたりの成果が読みにくく社内では後回しになるため、外注へ切り出すと着手そのものが進みます。
眠っている名簿は、資産です。
2年前の失注先が、担当者の交代で検討を再開している場合もあります。
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掘り起こす相手 |
外注に渡す情報 |
戻してもらう記録 |
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1年以上前の失注先 |
当時の断り理由と提案内容 |
現在の担当者名と状況 |
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資料請求のみの相手 |
請求日と請求した資料 |
検討が止まった理由 |
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取引が途切れた既存客 |
最後の取引日と担当者 |
他社へ移った理由 |
手が回らない名簿を外に預けると、社内では出会えない再検討の相手が見つかります。
組み合わせても合わなければ、内製をたたむ判断が必要になります。
インサイドセールスを内製から外注に戻す3つの手順
撤退の判断基準を決める
最初に決めるのは、どの状態になったら外注へ戻すかです。
基準を決めずに走ると撤退の議論は感情論になり、費やした時間を惜しむ気持ちが判断を先送りにします。
先送りは、損を大きくするだけです。
半年の時点で決めた基準は、1年後の会議でも効きます。
・商談数:6か月時点で目標の半分に届かない
・費用:1商談あたりの費用が外注の見積もりを上回る
・人:担当者が2人続けて退職した
基準を先に置くと、撤退の議論を担当者個人の評価から切り離せます。
戻すと決めたら、次に用意するのは引き継ぐ材料です。
引き継ぎ資料を先に作る
2つ目は、外注へ渡す材料を戻す前にそろえることです。
社内に残った記録は担当者の頭の中に散らばっているため、退職や異動が起きる前に形にしないと再現できません。
消えるのは、名簿ではありません。
断られた理由の一覧が、代行会社の初月の成果を左右します。
|
渡す材料 |
中身 |
まとめる時期 |
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名簿 |
架電済みと未架電の区分 |
撤退を決めた月 |
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会話の記録 |
断り文句とその返し |
担当者が在籍するうち |
|
商談の条件 |
営業へ渡す基準 |
契約前の打ち合わせまで |
記録を形にして渡した企業ほど、代行会社の立ち上がりが速くなります。
材料がそろっても、担当していた社員の行き先は別に決めます。
担当者の異動先を用意する
最後は、内製をたたんだあとの担当者の配置です。
撤退の判断が鈍る最大の理由は数字ではなく、採用した社員の行き先が決まっていない点にあります。
人は、契約のように解約できません。
異動先を用意しない撤退は、退職という形で実現します。
・営業部門へ:商談の経験をそのまま生かせる
・カスタマーサクセスへ:既存顧客への連絡が近い業務になる
・代行会社の窓口へ:外注の管理役として記録を引き継ぐ
行き先を先に決めておくと、撤退そのものの判断が速くなります。 30商材以上支援事例に学ぶ! SaaS/IT/BtoB営業の手引き ▼今すぐBtoB営業の勝ちパターンを見る!
内製と外注の話がひと通り出そろったところで、よくある質問に答えます。
インサイドセールスの内製化に関するよくある質問
インサイドセールスは1日に何件電話しますか?
件数の正解は商材と相手によって変わるため、他社の数字を目標に置いても意味がありません。
自社の1件あたりの通話時間と準備時間を測り、架電に使える時間から割り戻して決めるのが確実です。
置くべき基準は自社の中にあります。
新規の名簿と失注先では、1件にかける時間がそもそも違います。
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かける相手 |
1件に必要な準備 |
件数が変わる理由 |
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接点のない新規 |
名簿の確認だけ |
短い会話で終わりやすい |
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資料請求のあった相手 |
請求内容の読み込み |
商材の説明に時間を使う |
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過去の失注先 |
当時の記録の確認 |
経緯を踏まえた会話になる |
自社の時間から逆算した件数なら、担当者が達成できない目標に追われずに済みます。
件数の次に多い質問は、どんな人が向いているかです。
インサイドセールスに向いている人は?
向いているのは、断られても記録を残せる人です。
話し方のうまさより、相手の反応を言葉にして残す習慣があるかどうかが、半年後の成果を分けます。
必要なのは、度胸ではありません。
経験の有無は、採用の決め手になりません。
・相手の話を要約できる:聞いた内容を短く言い直せる
・記録を面倒がらない:断り文句をその場で書き残せる
・数字の変化に気づける:先週との差を自分で見つけられる
社内から異動させる場合も、この3点を面談で確かめると人選の失敗が減ります。
最後は、内製にかかる費用についての質問です。
内製化にかかる費用はいくらですか?
費用は人件費と道具代と名簿代の3つで決まり、規模によって開きが大きくなります。
金額そのものより、外注の見積もりと同じ項目で並べて比べられる形に整えておくほうが判断に役立ちます。
金額の大小だけでは、優劣を決められません。
1商談あたりの費用でそろえると、判断がぶれません。
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費用の種類 |
内製で発生するもの |
見落としやすい点 |
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人にかかる費用 |
給与と社会保険料と採用費 |
管理者の時間が抜けやすい |
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道具の費用 |
電話とツールの月額と初期費用 |
設定にかかる工数が乗る |
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名簿の費用 |
購入費または作成の時間 |
作成を人件費に含め忘れる |
3つを同じ物差しで積み上げると、外注の見積もりと同じ条件で比べられます。
代行に出した場合の費用相場は、次の記事で項目ごとに確認できます。
(参考:インサイドセールス代行の外注費用相場・質を高めるための7つの基準)
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インサイドセールスとフィールドセールスの7つの違い・営業体制の構築で活かす15のポイント
インサイドセールス代行の外注費用相場・質を高めるための7つの基準・8視点徹底比較
インサイドセールスやめとけの真実?7つの理由とうまくいかない時の3つの対処法・7つの成功手順
インサイドセールスとインバウンド営業13の違い・組織の営業力を最適化する7つの手順
インサイドセールス・トークスクリプト例文集・うまくいかない理由とアポ率を高める21のコツ
目的別21の技法 インサイドセールスとカスタマーサクセスの違い・役割・KPI・連携を強化完全ガイド
21の思考法インサイドセールス楽しい楽しくない真実?3つの理由と成果を出すための成功法・5つの手順
15のメリット/11のデメリットインサイドセールス導入の判断基準と成果を出す5つの手順徹底解説
21選インサイドセールスのスキル不足を解消する5つの方法・テクニック徹底解説
7つの手順 SDR(インサイドセールス)の立ち上げ方・成果を最大化する21のコツと7つのツール徹底解説
15選インサイドセールスの費用対効果を最大化する成功法・7つの算出手順・徹底解説
なぜインサイドセールス=病む辛い?裏の真実10の原因と13の工夫徹底解説
SaaS業界営業がきつい理由10選・市場価値が急上昇 転職前4つの判断基準 徹底解説
場面別59選 営業あるあるネタ完全版・現場の課題を解決し成果を出す11の対処法
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優秀な営業マンの特徴21選・9つの提案テクニック・5つの自己管理術 徹底解説
SaaSインサイドセールスの質を高める15のコツ・成果を妨げる7つの課題と解決策
7視点×11手法 チャレンジャーセールスモデルの要約・営業の質を高める組織構築7つの手順
目的別15選 ハイタッチセールス営業の質を高めるコツ・導入7つの手順・完全版
エンタープライズ営業の始め方・大手を攻略する4つのコツと5つの基礎 9つの手順 完全ガイド
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15の解決策営業代行セールスアウトソーシングとは・メリットと失敗を防ぐ9つのデメリット対策
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目的別21選 営業トークスクリプトの雛形テンプレート集・5つの作成手順・成果を出す運用法
17選無料トークスクリプト作成ツールの活用法・営業効率を高める9つの手順・失敗しない5つの選び方
目的別21選インサイドセールスKPIツリー指標・目標設定の9つの手順と成功法 徹底解説
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デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの違いと進め方
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