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【17業界×13の技法】営業クロージングで成果の出た例文集

「クロージングで“あと一歩”が届かない…」──そんな悩み、ありませんか?
提案は刺さったのに契約に至らない。その原因、実は「クロージング前の準備」と「技法の選び方」にあるかもしれません。
本記事では、成果を生む営業クロージングの極意を体系的に解説します。
本記事を読むと分かること
・営業クロージング13の技法(例文付き)(沈黙・BANT・2択)
・【17の業界別】営業クロージングで成果の出た例文集(SaaS・広告系・人材系)
・営業でクロージングする前にすること3つ(決裁者・予算感・現場不安)
現場の営業担当者だけでなく、営業責任者必見の内容です。
「もっと詳しく教えて欲しい」「これ、うちにも当てはまるかも」と思った方は、ぜひ営業のプロ集団「スタジアム」に無料で相談してみましょう!
営業におけるクロージングとは
クロージングの目的と重要性
クロージングとは、「相手の意思を行動に変える瞬間をつくること」です。
つまり、検討中の相手に「よし、進めよう」と決断してもらうための一押しです。
でも実際は、最後の一言が言えずに終わってしまう営業も多いです。
実は、クロージングは“押すこと”ではなく、“背中を支えること”です。
たとえば、
・「稟議の通し方を一緒に整理する」
・「最終意思決定者との場をセットする」
・「導入後の初月運用まで段取りを引く」
など、 ポイントは、不安を先回りしてつぶしておくことです。
迷っていた相手が、安心して「お願いします」と言える流れを整えていきましょう。
相手の抱えている課題が明確化されていること、その課題を解決するアイディアを対話の中で検討、「良さそうだ」となっていることが前提でなぜ・いまやるべきなのかを相手の目線で整理しサポートすることが本質です。
その状況の中でのサポートも、一辺倒に「やりましょう」だけでは解決しない不安や手間がかくれていることも多く、正しくクロージングする(≒無理にやります、と相手に言わせるのではなく行動に移すための問題を解決すること)は営業マンの礼儀と言っても過言ではありません。
クロージングで有効なタイミング
クロージングのタイミングの見極めとは、「相手が決断できる状態になった瞬間」を見極めることです。
つまり、提案内容と相手の温度感が一致した“今だ”という一瞬を逃さないことです。
けれども実際には、「まだ早いかも」と様子を見て、商機を逃すケースが少なくありません。
実は、タイミングは“相手の反応”の中に必ずヒントがあります。
たとえば、
・「導入後の話を自分ごとで語り始めたとき」
・「比較対象が明確になってきたタイミング」
・「社内の稟議フローが整理された瞬間」等
ポイントは、質問よりも“相づちの質”が変わった瞬間を逃さないことです。
相手の「それ、いいですね」に熱がこもったときが、一番のサインかもしれません。
営業クロージング13の技法(例文付き)
「沈黙」であえて間を取り、決断を促す
言い切ったあと、あえて沈黙することで「決める空気」をつくり出せます。
この時、商談相手は「気まずいから返事をしよう」と思っているのではなく「しっかり考えよう」としているのです。
つまり、このタイミングでの沈黙はこちらが語り説得するのではなく、相手が自分の中で答えを出す時間をつくるのが目的です。
電話でのアポイント調整での例文
今回ご提案の〇〇、実は御社と同じ業界の△△社でも使われていて、「〇〇の無駄工数」が月●時間減ったそうなんです。
↓(ここで一呼吸、沈黙)
……〇〇様の現場でも、同じような場面ってありますか?
↓(相手が考える時間)
ありがとうございます。もし近いお悩みがあるようでしたら、〇〇の使い方を10分ほどでお見せできます。〇日か〇日、ご都合いかがでしょうか?
この「沈黙」は、言葉ではなく“間”で背中を押すクロージング技法です。特に「〇〇の効果」など、相手の意思決定に直結する情報を伝えたあとに静けさをつくることで、相手の頭の中で「自分ゴト化」が自然と始まります。
営業が黙ることで、相手が考え、相手の中から答えが出てくる。だからこそ、この“間”が武器になるのです。
BANT条件の確認を行う
BANT(予算・決裁者・ニーズ・導入時期)の4要素は、アポイントや提案の精度を高めるうえで欠かせません。質問の順番や切り出し方を工夫すると、違和感なく本音を引き出せます。
サービスの導入商談での例文
今回の〇〇ですが、仮に導入いただく場合、社内でのご決裁って〇〇様がご担当ですか?
↓(決裁者確認)
ありがとうございます。ちなみにご予算感としては、毎月〇万円前後で検討されていたりしますか?
↓(予算確認)
かしこまりました。実際に〇〇のような課題が起きたのは、どのあたりからでしょうか?
↓(ニーズ確認)
ちなみにご導入のタイミングとして、〇月頃をお考えだったりしますか?
↓(導入時期確認)
このように「もし導入いただくとしたら…」と仮定形で投げかけることで、ガードを下げながらBANTの4項目を自然にヒアリングできます。
特に〇〇のように複数の部署が関わるサービスは、誰が決めるか・いつ決まるか・何に困っているかを把握することで、その後の提案やクロージングの的中率が大きく変わってきます。
ヒアリングの目的は情報収集ではなく、「お客さまの意思決定を前に進めるための準備」です。
ポイント「BANT情報とは」
- B (Budget):予算
顧客が自社の製品やサービスを導入するために、どれくらいの予算を確保しているか、あるいは確保できる見込みがあるかを確認します。
- 確認する目的
- 提案する製品・サービスの価格帯が顧客の予算と合っているか。
- 予算が確保できていない場合、受注までのハードルが高い可能性がある。
- ヒアリングのポイントと質問例
- 直接的に聞くだけでなく、費用対効果の観点から質問すると、顧客も答えやすくなります。
- 「今回のプロジェクトのご予算は、どのくらいでお考えでしょうか?」
- 「もし弊社のサービスで〇〇という課題が解決できるとしたら、年間でどれくらいの投資価値があるとお考えですか?」
- 「類似のシステムを導入される場合、一般的にどれくらいの費用感で検討されることが多いですか?」
- A (Authority):決裁権
商談の相手に、製品やサービスの導入を決定する権限(決裁権)があるか、また、最終的な意思決定者は誰なのかを確認します。
- 確認する目的
- 決裁権のない担当者と話を進めていると、最終段階で覆る可能性がある。
- 真の決裁者や意思決定プロセスに関わる人物を把握し、適切なアプローチを行う。
- ヒアリングのポイントと質問例
- 相手の役職だけで判断せず、組織の意思決定プロセスを具体的に確認することが重要です。
- 「最終的に導入を決定されるのは、どなたになりますでしょうか?」
- 「今回の導入にあたり、他にご関係される部署や、ご意見を伺うべき方はいらっしゃいますか?」
- 「皆様のご意見を取りまとめる役割の方は、どなたでいらっしゃいますか?」
- N (Needs):ニーズ
顧客が抱えている課題や要望(ニーズ)は何か、そしてそのニーズに対して自社の製品やサービスがどのように貢献できるかを深く理解します。
- 確認する目的
- 顧客の課題を正確に把握し、最適な提案を行う。
- 自社製品で解決できない場合は、正直に伝え、無駄な営業活動を避ける。
- ヒアリングのポイントと質問例
- 顧客自身が気づいていない「潜在的なニーズ」を引き出すことが、価値ある提案につながります。
- 「現在、どのような点に最も課題を感じていらっしゃいますか?」
- 「その課題が解決されることで、どのような状態になるのが理想ですか?」
- 「なぜ、今その課題を解決する必要があるのでしょうか?」
- T (Timeframe):導入時期
顧客がいつまでに製品やサービスを導入したいと考えているか、その具体的なスケジュールを確認します。
- 確認する目的
- 案件の緊急度を把握し、優先順位を判断する。
- 導入時期から逆算して、提案や準備のスケジュールを立てる。
- ヒアリングのポイントと質問例
- 具体的な時期だけでなく、その背景にある理由(プロジェクトの開始、新年度など)を確認することで、提案の説得力が増します。
- 「いつ頃までに導入されるのがご希望でしょうか?」
- 「その時期までに導入が必要な、何か特別なご事情(イベントや事業計画など)はございますか?」
- 「導入に向けて、いつ頃からご検討を開始されましたか?」
あえて引く「余白」で相手に主導権を意識してもらう
営業活動の中で常に意識したいのは、あなたの営業活動の先で「判断は常に顧客が行うべきである」という点です。
クロージングという印象が一人歩きすることも多い営業シーンですが、本来は「判断基準を一緒に作り」、「判断すべき課題の整理とソリューションの整理を行い」、「判断の時間を作る」ことが大事なのです。
意思決定の瞬間もこの構造を意識して、一方的に押すのではなく、あえて一歩引いて“考える余白”を作ることで、相手に主導権があるように意識させながらこちらの意図に近づけていくことも重要です。
例文
〇〇を使っていただくと、今ネックになっている「〇〇の手間」を減らせる可能性が高いと感じています。
……ただ、当然どんな選択肢がベストかは、〇〇様ご自身でご判断いただくものだと思っております。
↓(ここで静かに引く)
正直なところ、今お聞きした中で〇〇を導入する選択肢、どのようにお感じになりましたか?
この「引きの余白」は、あえて“決めてください”とは言わずに、判断の手綱を相手に渡すことで信頼感を生みます。
押されると抵抗が生まれやすい決裁シーンでも、〇〇のように選択肢を提示しながら一度引くことで、相手の中に「自分の意志で選んだ感覚」が芽生えやすくなります。
結果として、納得感を持って前向きな返答が返ってくる確率がぐっと高まります。
「2択」で迷いを整理し、背中を押す
判断の仕方や意思決定のプロセスは相手によって十人十色。
迷っている相手に対して、「どちらかを選ぶだけ」という気軽な一歩を用意することで、前に進むきっかけを作るクロージング例です。
この会話は、あなたの投げかけるテーマを身近なものにする役割がメインです。
「今日、何食べる?」よりも「今日はハンバーグかコロッケどっちがいい?」と聞かれた方がより答えやすいと感じる人も多いのではないでしょうか?
もし両方の選択肢が少しズレていても、本音で考えるきっかけになっていきます。
例文
〇〇の導入についてですが、実際に効果を確かめながら進めたい企業様もいれば、最初から全体で成果を出したい企業様もいらっしゃいます。
〇〇様の場合、「まずは1部門だけで〇〇を試してみる」のと、「全体で一気に〇〇を導入して結果を早く出す」のと、どちらの方が今の方針に合っていますか?
↓(1部門だけ)
ありがとうございます。スモールスタートであれば、現場の反応や成果も見ながら進められるので、社内にも説明しやすくなると思います。
↓(全体導入)
すばらしいですね。全体で導入いただければ、初月からしっかり成果が出やすくなりますので、立ち上げのサポートも全力で入らせていただきます。
このトークのカギは、“迷わせる”のではなく、“選ばせる”こと。
最初から決断を迫るのではなく、比較しながら選べる状態をつくることで、相手の心理的ハードルを下げつつ、行動を促せる流れを生み出しています。
どちらの選択肢にもメリットを用意しておくことで、相手が安心して「進める理由」を持てるようになります。
買う理由を探る「軽めの確認」で温度を測る
お客さまの検討温度を見極めるには、プレッシャーを感じないように自然に“買う前提”で話すことが効果的です。買う前提、仮に買うとした場合に、ということを意識しながら判断基準に影響のないシンプルな確認を挟むことで、相手の本音や検討段階を引き出すトーク例です。
例文
〇〇について、実際にご活用いただくとしたら「いつ頃からスタートされるイメージ」が近いですか?
↓(来月から)
ありがとうございます。来月スタートでしたら、〇〇の初期設定を今月中に進めておくとスムーズですね。準備に必要なこと、こちらで全部サポートいたします。
↓(まだ未定)
承知しました。まだご検討段階ということでしたら、社内でご判断しやすいように、導入企業様の事例などもあらためてご共有いたしますね。
このトークの狙いは、「買うかどうか」ではなく「いつから使うか」という未来ベースの問いを使うこと。
断らせる圧をかけずに、相手の温度感を自然と浮き彫りにすることができます。
温度が高ければそのまま具体化、低ければ資料フォローや事例提供など、次の一手を打ちやすくなります。
ドア・イン・ザ・フェイス法を活用する
最初にあえて“少しハードルの高い提案”を出し、相手が断ったあとに“現実的で受け入れやすい提案”を差し出すことで、承諾率を上げるクロージング手法です。
例文
〇〇様の規模感でしたら、本来は全営業部門に一括導入される企業様が多いのですが、
まず「全チームで〇〇を同時にスタートする形」はご検討いただけそうでしょうか?
↓(うーん、ちょっと難しいですね)
ありがとうございます。そうですよね。では、「まずは営業1チームで〇〇を試験導入する」という形なら、ご無理なく始めていただけそうですか?
↓(それならやってみようかな)
ありがとうございます。1チームでスタートいただければ、他チームへの展開判断もしやすくなりますし、サポートも重点的に入れますね。
この手法のポイントは、最初の「大きなな提案」によって、その後の「現実的な提案」が相手にとって“受け入れやすく感じる”心理の流れをつくることです。
断る会話をしながら相手の中では“そこまではできないが、やる理由はあるかも”という考えが生まれ、その直後の提案には前向きになりやすくなります。
大きな提案→小さな提案という順で、自然と「YES」を引き出す構造が特徴です。
バンドワゴン効果を用いる
「他社も使ってる」という事実を具体的に伝えることで、“うちだけ遅れてる?”という感情を自然に引き出し、前のめりな姿勢を作るものとしてバンドワゴン効果をつかったものもあります。
(補足)「バンドワゴン」とは、パレードの先頭で楽隊(バンド)が乗っている車のことです。その周りに多くの人が集まり、楽しそうな様子を見て、さらに多くの人が「自分も参加したい!」と後からついていく様子から、「時流に乗る」「勝ち馬に乗る」といった意味で使われるようになりました。
会話の流れは以下の通りです。
例文
○○の導入支援をしている□□株式会社の△△と申します。最近、同じ〇〇業界で「〇〇」を導入される企業がかなり増えてまして——
↓(へえ、そうなんですね)
たとえば、△△社や〇〇ホールディングスさんでも「人手不足の解消」で〇〇をご活用いただいて、3か月で成果が出ています。
↓(そんなに早く?)
実際、御社と似た規模の〇〇社さんでも、「ずっと悩んでたのがようやく動き出した」とおっしゃってました。
↓(ちょっと気になる)
他社さんの取り組み方や成果事例も交えて、5分ほどご紹介できますが、明日か明後日でお時間いただけそうなタイミングありますか?
このトークの核心は、「他社も動いてる」という共通認識を具体的な社名と成果で伝え、“自分たちも乗り遅れたくない”という心理を刺激する点です。
抽象的な流行ではなく、「誰が・なぜ・どう良くなったか」を一言で添えることで、お客さまの関心を一気に引き上げることができます。
最後は、事例の共有というライトな提案で、心理的ハードルを下げつつアポへ自然に接続します。
「導入後」を語ってもらい「腹落ち」を自分で作る
営業シーンでは、メリットやベネフィットなど最終的な効果・変化をイメージして会話することが先行し、具体性を欠いた机上の空論になることもあります。そのためには「うちが使うとどうなる?」をお客さま自身で想像してもらうことが重要です。
お客さま自身に「導入後の姿」を具体的に思い描いてもらうことで、納得感と前向きな判断を引き出すトークの流れは以下の通りです。
例文
〇〇のサポートをしている□□株式会社の△△と申します。もし〇〇を導入されたとしたら、まず最初に「〇〇の手間が減った」という実感が出てくると思います。
↓(へえ、どういう感じですか?)
たとえば「毎週かかっていた〇〇業務が自動化された」とか、「問い合わせ対応の件数が3割減った」といった変化を感じていただくケースが多いです。
↓(それは助かりますね)
仮に来月から導入されたとしたら、〇月の繁忙期にはどの業務が一番ラクになっていそうですか?
↓(たぶん〇〇ですね)
ありがとうございます。まさにその〇〇を効率化できる機能がありまして、実際に〇〇社さんも「現場の残業が減った」と言われてました。
このトークのポイントは、「こうなりますよ」と伝えるのではなく、お客さま自身に「どんな未来が現実的か」を語っていただくことです。
想像から言葉に変わることで、「あ、確かにそれなら…」と腹落ちしやすくなります。
とくに“時期”や“場面”を限定して尋ねると、よりリアルに導入後を描いてもらえるので、判断の後押しにつながります。
沈黙のゴールデンタイムを妨げない
クロージング直前、お客さまが考え込んだ「沈黙」の時間こそが、最も判断が動く瞬間です。この時間を遮らず、信頼を深めて決断を引き出す流れは以下の通りです。
例文
ありがとうございます、〇〇の内容については以上になります。……(このあと5〜7秒、静かに相手の表情や姿勢を見守る)
↓(お客さまが沈黙)
……(相手が考えている間は一切しゃべらず、表情だけはやわらかくうなずく)
↓(お客さまが「うーん…」と口を開きかける)
……(それでも遮らず、最後まで相手の言葉を待つ)
↓(お客さまが「ちょっと迷ってて…」と発言)
ありがとうございます。もしご不安な点があれば、率直に教えていただけるとうれしいです。無理に決めなくて大丈夫なので。
このトークの肝は、「話す」のではなく「黙る」ことです。
沈黙は不安ではなく、相手が本気で考え始めたサイン。ここで焦ってしゃべってしまうと、せっかくの“納得の前兆”を遮ってしまいます。
大事なのは、“静かに、でも見守っている”という安心感を表情や姿勢で伝えることです。
相手が自ら言葉にするまで、信じて待つ姿勢が、最後のひと押しになります。
イエスセット話法を取り入れる
アポイント獲得のためのクロージングでは、短い時間で相手の意思決定が必要になるシーンもよくあります。小さな「はい」を積み重ねて、気づいたら自然に「会ってみようかな」と思わせるイエスセット話法。心理的ハードルを下げながら提案できる実践的な例文がこちらです。
例文
〇〇の資料をお送りした○○株式会社の△△です。先日〇〇をダウンロードいただいたのは○○様でお間違いないでしょうか?
↓(はい)
ありがとうございます。実際に〇〇をご覧になって、少しでも気になる点や「ちょっと良さそうかも」と思われた部分はありましたか?
↓(はい)
そう感じていただけて嬉しいです。実は、同じような課題を感じていた企業様も、〇〇を使ってかなり状況が変わったという声を多くいただいてまして。
↓(はい)
もしご興味ありましたら、5分だけお時間いただければ、〇〇で実際にどんな変化があったのか、事例を交えてご説明できればと思います。いかがでしょうか?
このテンプレートのポイントは、あくまで相手の温度感に合わせつつ、共通点や小さな興味から入り、「断る理由がない流れ」を丁寧に作っている点です。
最初から売り込むのではなく、共感をベースにしながら、気づけば自然と会話がアポイントへと進んでいる──それがイエスセットの強みです。
イエスバット法で反論を和らげる
相手の懸念を真正面から否定せず、まず共感で受け止めた上で、自然な流れで提案へつなげる「イエスバット法」。拒否感を最小限に抑えながら、前向きな対話へ導く例文がこちらです。
例文
〇〇の導入って、ちょっとコストが気になりますよね。
↓(はい)
おっしゃる通りです。実際に最初は同じご不安を感じていた企業様もいらっしゃいました。
↓(バット)
ただ、「今のやり方で月に〇〇時間も無駄が出ていた」と気づいて、〇〇を使うことで逆にコスト削減につながったケースも多いんです。
↓
実際の事例なども含めて、5分だけご紹介できればと思うのですが、少しだけお時間いただけますか?
このテンプレートの肝は、「相手の不安=否定せずにいったん受け止める」こと。
それによって“理解してくれている”という安心感が生まれ、そのあとに続く提案も自然と耳を傾けてもらいやすくなります。
イエスバット法は、特に検討段階の顧客に対して、無理なく一歩踏み込んでもらうための信頼形成にとても有効です。
損失回避の法則を用いる
人は「得をする」より「損を避けたい」と感じたときの方が、動きやすくなるもの。そんな心理を逆手に取り、「今行動しないと失うかもしれない」と自然に思わせる実践テンプレートがこちらです。
例文
〇〇のご相談、ありがとうございます。実は、〇〇の支援について今月中は初期費用が無料なんです。
↓
来月以降は通常料金に戻ってしまうため、「せっかくなら今のうちに」というご相談がすごく増えてまして。
↓
もちろん無理なご案内はしませんが、タイミングとしては今がいちばん動きやすい時期かなと思いまして。
↓
一度だけ、具体的に〇〇でどんな成果が出ているかご紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
このテンプレートのポイントは、「今動かないと、あとで後悔するかもしれない」という損失回避の感情に、そっと火をつけること。
強く迫るのではなく、「今が一番いい時期なんですよ」と事実ベースで伝えることで、焦らせずに背中を押すことができます。
クロージングの最後の一押しとして、非常に効果的な心理トリガーです。
ベネフィットわかりやすく示す
ベネフィットを伝えるときは、「それがあるとどう楽になるか」「何が減って、何に集中できるか」を、お客様のリアルな日常に落とし込んで伝えることが大切です。
例文
〇〇の導入後、「毎日30分かかっていた〇〇の確認作業が5分で終わるようになった」と、実際に〇〇業界の〇〇社でも実感いただいています。
↓
御社でも、もし〇〇の対応に追われている状況があれば、同じように〇〇が自動化されることで、〇〇に集中する時間が生まれるかもしれません。
↓
たとえば今、営業さんが1日に〇〇件対応されていると伺いましたが、それが〇〇を活用すると、対応スピードが上がり、お客さまとの〇〇の時間を増やせる可能性があります。
↓
実際に触っていただくのが一番早いので、〇〇日の〇〇時に15分だけお時間いただけますか?
ポイントは、「自分たちにも関係ありそう」と思ってもらうこと。
抽象的な言葉ではなく、数字・時間・行動レベルでリアルに伝えると、相手の想像力が一気に動きます。
導入後の“楽になった日常”を、一緒に描いてみせることが、クロージングへの近道です。
【17の業界別】営業クロージングで使いたい例文集
「SaaS」は解約率と成果事例で安心させる
「解約されない理由」と「目に見える成功例」をセットで伝えることで、“このSaaSは外さない”という安心感が生まれ、意思決定が一気に前に進みます。
例文
弊社は、導入企業の【〇〇%】が1年後も継続しているサービスです。たとえば【〇〇業界】の【〇〇社】さまでは、導入3ヶ月で【商談数が2倍】になっています。
↓(それはすごいですね)
ありがとうございます。〇〇さまも、「営業の手応えが減ってきた」と以前おっしゃっていたので、まさにこの成果と重なる部分があるのではと思いまして。
↓(たしかに)
実際にこのSaaSを使っている企業の多くが、「最初の1ヶ月で変化が見えた」とおっしゃっていて、最短2週間で数字に反映されたケースもあります。
↓(興味あります)
では一度、〇〇さまと近い業種の実際の活用画面や、どんな工夫で成果が出たのかをご説明できればと思うのですが、〇日と〇日ならどちらがご都合よろしいでしょうか?
このスクリプトの肝は、「うまくいっている他社の姿」を“お客さま自身の未来”としてイメージさせること。
数字だけでなく“実際に成果が出ているリアル”を会話に織り込むことで、検討段階のお客さまを前のめりにさせる効果があります。
「広告営業」はCV改善の数字を伝える
広告営業でお客さまの関心を動かすには、曖昧な表現ではなく「どれだけCVが改善されたか」をズバッと数字で伝えることが一番響きます。数字は、お客さまの不安を“確信”に変える最強の武器です。
例文
〇〇の施策を入れた結果、【〇〇業界】の【〇〇社】さまで、CVRが【1.8%→3.5%】に改善された事例がありまして、広告費は据え置きで獲得単価が半分以下になっています。
↓(それは気になりますね)
ありがとうございます。〇〇さまも「CPAが高騰している」とおっしゃっていたので、似た構造の課題かと思いました。
↓(そうですね)
実は、成果が出ている企業に共通しているのが、「〇〇の訴求軸」と「〇〇の導線設計」なんですが、〇〇さまの現状に照らし合わせて簡易分析もできます。
↓(お願いしたいです)
では一度、実際の事例と数値をお見せしながら、〇〇さまに最適な改善案をご提案できればと思います。〇日か〇日でお時間いただけそうでしょうか?
このクロージングのポイントは、「CV改善のビフォーアフター」を会話の冒頭に置き、数字で“話を聞く価値”を一瞬で伝えている点です。
また、お客さまの状況に“寄せた一言”を挟むことで、「この人はうちのことを理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。
「人材紹介」は決定スピードと成約数を見せる
人材紹介の提案では、“どれだけ早く・何件決まったか”を具体的に伝えるだけで、話を一歩前に進めやすくなります。
例文
〇〇職種の人材紹介を専門にしている○○株式会社の△△と申します。実は先週も、同じ業界の□□社様で〇〇ポジションが「4日」で決定しまして、ご連絡させていただきました。
↓(おお、それは早いですね)
ありがとうございます。実は今、まさに〇〇の経験者で、御社の要件にかなり近い方が「2名」ご登録されていまして。
↓(ちょっと話を聞いてみようか)
はい、先に御社のご希望を5分だけお聞かせいただければ、今日中に候補をご提案できます。
↓(じゃあ5分なら)
ありがとうございます。ちなみに昨年はこの職種だけで「37名」決定しておりまして、そのうち約4割が1週間以内に内定が出ています。
この例文のポイントは、「具体的な社名や日数、決定数など“リアルな数字”を冒頭に持ってくること」です。数字は、口だけではない“証拠”になります。相手の頭の中で「うちもそれくらい早く決まるのかも」とイメージが湧けば、商談は一歩進みます。
「製造業」は現場の声と導入工数で信頼を勝ち取る
製造業の商談では、「現場の反応」と「導入にかかる手間」をセットで伝えることで、決裁者の安心感につながります。
例文
〇〇の製造現場向けにシステム支援を行っております○○株式会社の△△と申します。実は先月、□□製作所様でも同じような課題があり、「わずか5日」で導入・運用まで完了しました。
↓(そんなに早く?)
はい、現場の方からも「紙での記録が不要になって、1日30分は短縮できた」との声をいただいておりまして。
↓(それは助かるね)
御社でも似た状況とお聞きしておりまして、5分だけお時間いただければ、どの程度フィットするかを一緒に確認できればと思っております。
↓(じゃあ一度聞いてみようか)
ありがとうございます。ちなみに導入時は、現場立ち会い不要で、初期設定も当社が全て代行しますので、ご担当者様の負担は最小限で済みます。
このように「導入スピード+現場の具体的な声+工数の少なさ」の3点を伝えることで、“現場に響いて、手間もかからないならやってみようか”という判断を引き出しやすくなります。技術ではなく、現場の納得を軸に据えるのが鍵です。
「金融系」はリスク低減と法令対応で突破する
金融業界では、リスク管理や法令遵守を前提に話を進めることが、信頼構築の鍵になります。以下のテンプレートは、その前提を踏まえたうえで、商談終盤に信頼をクロージングへとつなげる例です。
例文
〇〇の導入で、リスク対策や〇〇法対応に関する工数を大幅に削減できた金融機関さまが増えております。
↓(興味あり)
ありがとうございます。特に〇〇様が今お話しされていた「〇〇業務の煩雑さ」は、他行でも共通の課題でした。
↓(納得)
実は、〇〇を活用することで、法令対応の抜け漏れを防ぎつつ、内部監査の指摘件数がゼロになった事例もございます。
↓(さらに聞きたい)
一度、実際の画面で〇〇の運用イメージをご確認いただくのが早いかと思います。〇日△時あたり、ご都合いかがでしょうか?
このトークスクリプトのポイントは2つです。
1つ目は、「他行でも同様の課題があった」という共通点を示し、安心感を生むことです。
2つ目は、「法令対応」「内部監査」という金融ならではのキーワードを会話に織り込み、導入後の具体的成果へと導くことです。
このように、リスク低減と法対応の両面から価値を提示することで、金融系のお客さまも納得感をもって前向きな判断がしやすくなります。
「医療業界」は患者の手間削減を一言で伝える
医療現場では、「患者さんがラクになるなら導入したい」という言葉が最後のひと押しになることが多いです。以下は、患者の“手間削減”をたった一言で伝えながら、現場スタッフの負担軽減にもつなげて自然にアポを取るための実践テンプレートです。
例文
〇〇を入れると、患者さんが「え、もう終わりですか?」って驚かれることが増えるんです。
↓(反応あり)
ありがとうございます。実際、〇〇様の受付でも「名前書くだけで自動で案内されるって助かる」といった声が多くなると思います。
↓(共感)
特にご高齢の方は「もう紙書かなくていいの?って言われて、こっちも嬉しくなった」と現場の看護師さんもおっしゃってました。
↓(さらに聞きたい)
もしよければ、実際に画面を動かしながら〇〇の流れをご紹介できればと思います。〇日の△時頃、ご都合いかがでしょうか?
このトークの要は、「患者さんの声」を先に伝えて、想像より“楽になる未来”を一瞬でイメージさせることです。
そして、導入のメリットを“患者→スタッフ→全体最適”の流れで自然につなげることで、押し売り感なく次のステップに進めます。
医療の現場では、感情に寄り添いながら、実際の手間がどう減るかを“目に浮かぶ言葉”で伝えるのが最も効果的です。
「教育系」は合格実績や定着率を伝える
教育業界で成果を出すためには、「〇〇(塾名・講座名)」の合格実績や受講生の定着率といった“数字の根拠”を示しながら、本人の目的に直結する提案をするのがポイントです。以下はその一例です。
例文
〇〇の進路指導でサポートしている○○教育の△△と申します。先日ご相談いただいた「〇〇高校」志望の件、〇〇に在籍している生徒も〇〇高校に毎年〇名以上合格しておりまして、同じカリキュラムでご案内できます。
↓(反応あり)
ありがとうございます。ちなみに〇〇さんと同じ志望校を目指していた方の多くが、○ヶ月後には〇〇点以上成績が上がっており、途中離脱もなく継続できているのが特徴です。
↓(前向きな姿勢)
もし少しでもご興味ありましたら、〇〇の内容を体験できる〇〇日間の無料トライアルがございますので、一度雰囲気を掴んでみていただけませんか?
このテンプレートでは、まず「〇〇高校に〇名合格」「継続率〇%」など、信頼に直結する具体データを先に提示しています。
加えて、無料トライアルという“低リスクな第一歩”を提案することで、相手が前向きになりやすい流れを作っています。
数値×目的直結×安心感、この3つが揃うと、教育系クロージングの成功率は大きく高まります。
「建設業界」はROIと工程短縮を数字で示す
建設業界のクロージングでは、〇〇の導入によって「どれだけ工期が短縮できるか」「どれだけコストが回収できるか」といったROI(投資対効果)を、具体的な数字で明示することが鍵になります。
例文
〇〇の現場効率化をサポートしている○○株式会社の△△です。先日お話に出た「工程管理の属人化」についてですが、〇〇を導入した現場では平均で工期が〇〇%短縮され、結果的に人件費が年間〇〇万円削減されています。
↓(興味を持つ)
ありがとうございます。実際、似た規模感の現場では導入3ヶ月で投資額の〇倍を回収されており、「想像以上に早く元が取れた」との声もいただいております。
↓(前向きな反応)
もしよろしければ、〇〇現場を例にした試算表を〇〇日以内にお送りしますので、ご判断の参考にしていただけませんか?
この例文のポイントは、「導入効果を具体的なパーセンテージや金額で伝えること」です。
数字が入ることで、導入後のイメージが明確になり、現場責任者や経営層も納得しやすくなります。
また「類似現場での実績」や「回収までのスピード感」も織り交ぜると、決断への後押しになります。
「物流」は止めない仕組みとコスト削減を訴える
物流の現場では、「止まった瞬間に損失が発生する」という危機感が常にあります。だからこそ、「絶対に止めない仕組み」と「ムダを削ぎ落とすコスト削減策」の2軸で提案することで、相手の関心を一気に引きつけることができます。以下はその流れを自然につくるためのトーク例です。
例文
〇〇の物流最適化を支援している○○株式会社の△△と申します。実は、〇〇業界で「止めない仕組み」と「固定費の見直し」の2点を強化した事例がありまして、物流効率が大幅に改善されたケースもあります。
↓(興味あり)
ありがとうございます。現場が止まると、ドライバーや倉庫側にも即影響が出てしまうと思いますが、今の体制で「もしトラックが出せない」「在庫が急に切れる」などのとき、どんな対応をされていますか?
↓(明確な対応がない)
なるほど、実は同じような悩みを持っていた〇〇社さんでは、「代替便の自動手配」や「在庫分散」の仕組みを入れて、突発的な停止リスクをゼロに近づけました。
↓(さらに聞きたい)
ぜひ、御社向けにアレンジした形で、一度お話しできればと思うのですが、15分だけお時間いただけませんか?具体的な数値事例もご紹介します。
このトークのポイントは2つです。
1つ目は、「止まると困る具体的なシーン」を相手に思い浮かべさせる質問を入れること。
2つ目は、「他社ではこう対処している」という比較で、話を自分ごとに引き寄せること。
物流は"動いて当たり前"の世界だからこそ、「止まったとき」のリアルを突くことで、相手の意識とアポイント率をグッと引き上げることができます。
「ITコンサル」一枚の全体像で「これなら進める」と確信させる
ITコンサルの初期提案では、細かい機能説明より「全体がどうつながって、どう進むのか」が一目でわかることが決め手になります。経営層が「これなら現場も巻き込める」と判断できる“全体設計の一枚絵”を軸に、自然に初回面談へとつなげる実践トーク例です。
例文
○○のDX支援をしている○○株式会社の△△と申します。これまで「どこから手をつけたらいいか見えない」と止まっていた企業様に、“たった一枚の全体図”をご覧いただいたことで、意思決定が一気に進んだ事例がいくつかございます。
↓(興味あり)
ありがとうございます。御社でも、「現場の声はあるけど、全体像が描ききれずに進まない」ということ、ございませんか?
↓(ある・進んでいない)
まさにその部分、我々は「短期と中長期のステップ」「システム間のつながり」「部門別の役割」などを整理した“見える図”をもとに支援しています。
↓(詳しく聞きたい)
ご興味持っていただきありがとうございます。御社の状況に合わせて描き直した全体像を、15分だけお時間いただければご共有できますが、ご都合いかがでしょうか?
このトークの核は、「図で見せれば一歩踏み出せる」という前提に立つことです。
1つ目は、“判断できない理由は全体が見えないから”という相手の悩みを先回りして言語化すること。
2つ目は、「この図があれば社内稟議も通しやすい」という実感を持ってもらうこと。
ITコンサルの提案は、“難しく話す”より“シンプルに描く”ほうが刺さります。全体が見えた瞬間に、プロジェクトは動き始めます。
「不動産」は利回りと空室率を起点にする
投資判断の軸が明確な不動産業界では、利回りと空室率の“数字勝負”でお客様の関心を一気に引き寄せるクロージングが効果的です。
例文
〇〇エリアで、実際に「利回り〇〇%」「空室率〇〇%以下」の実績が出ている物件が出ました。〇〇様の投資方針にも合う内容かと思い、ぜひ一度ご紹介させていただければとご連絡いたしました。
↓(反応が良ければ)
実は、同じ条件で前回ご案内した際も、2日で完売した物件と似ておりまして、早めのご判断が肝になりそうです。
↓(具体的に聞いてくれたら)
資料もお送りしますが、「〇〇エリア・築年数〇年・実質利回り〇〇%」といったポイントが揃っていて、空室率も過去1年で〇%以下に抑えられています。
↓(興味あり)
ありがとうございます。では、〇〇様のご都合に合わせて、最短でご内覧または詳細ご説明のお時間を調整させていただければと思います。
このトークの要点は、「利回り」「空室率」という投資判断の軸を最初に提示し、具体的な数値と過去事例で説得力を持たせている点です。
さらに、「完売事例」や「早期決断の必要性」を織り交ぜることで、今動く理由を自然に提示しています。
不動産投資において、数字を武器に短期決断を促すクロージングは特に効果を発揮します。
「飲食店営業」は回転率と人件費を即提示する
飲食店オーナーが最も関心を持つのは、収益を左右する「回転率」と「人件費」。だからこそ、この2点を数字で即提示し、導入後の利益改善イメージを明確に伝えるクロージングが効果的です。
例文
〇〇を導入いただいた飲食店様では、「回転率が〇〇%改善」「ピークタイムの人件費が〇人分削減」といった成果が出ています。〇〇様のお店ですと、1日あたり〇万円の利益増も見込めそうです。
↓(興味を示した場合)
特に「ランチ帯の回転率」が課題とのことでしたので、ピーク時間の注文処理が〇〇%短縮される点は大きな強みになるかと思います。
↓(さらに詳しく知りたい場合)
例えば、現状が1時間に〇組だとしたら、〇〇導入後は1.3倍の〇組を回せる試算になります。人件費についても、ホール1名分の稼働をカットできた店舗が多数あります。
↓(前向きな反応)
ありがとうございます。導入前に、〇〇様の実店舗の混雑時間帯をシミュレーションし、最適な設計をご提案させていただきますね。
このクロージングのポイントは、「回転率」「人件費削減効果」という経営直結の数字を即出しし、「〇〇様の店ならではの影響額」を具体的に試算して伝えている点です。
飲食店営業では、“何が・どれだけ・どう変わるか”を最初に明確にすることで、即断即決につながりやすくなります。
「小売」は維持費や人件費等の解消を示す
小売の現場では、「人手不足」と「固定費の圧迫」が常につきまとう悩みです。だからこそ、“何がどれだけラクになるか”を数字と具体例で伝えることが、アポイントに直結します。
例文
〇〇を使ってから、レジ締めや在庫チェックの工数が減って、「月20時間分の残業がゼロになった」という事例が増えてきました。御社も似た課題をお持ちではないでしょうか?
↓(たしかに、残業が多くて…)
実際、□□店では〇〇を導入してから「早番2名で回せるようになった」と話していて、人件費にして月○万円のコスト削減につながっています。
↓(それはすごいですね)
ありがとうございます。特に、ピークタイムの回転率が上がったことで「売上も落とさずに人を減らせた」と喜ばれてまして。
↓(うちも気になります)
ぜひ一度、御社の現場でどこまで活用できそうか、5〜10分で事例ベースの資料をお見せできますが、ご覧になりませんか?
この流れのポイントは、1文目で「削減できた時間と金額」を具体的に提示すること。そして、数字だけでなく“実際の現場の声”を添えることで、リアルさと納得感を一気に高めています。相手が「うちでもできそう」と思えた瞬間が、アポイントの最大のチャンスです。
「サロンや美容室」は業務削減のビフォーアフターで決める
サロンや美容室では、現場オーナーの“手が足りない”という実感に共感しながら、導入前後で「何が・どれだけ変わるか」を明確に伝えると、決裁までのスピードが早くなります。
例文
〇〇を導入いただいた店舗では、予約確認の電話対応が1日15件→2件に減り、「営業時間外の対応がなくなって精神的にラクになった」という声も多いんです。
↓(それめっちゃわかります)
ありがとうございます。□□店のオーナーも「前は閉店後にまとめてLINE返信してたけど、今は自動で完結するから1日30分浮いた」とおっしゃってました。
↓(うちも似た感じですね)
まさに、〇〇様のようにリピーター比率が高い店舗ほど、こうした無駄な業務が多くて…。〇〇なら、予約・カルテ・売上管理が一元化されるので、事務作業が半分以下になることもあります。
↓(興味あります)
ありがとうございます。ではまず、実際に導入前後で「何がどう変わったか」を比較した資料を5分ほどでご紹介してもよろしいでしょうか?
このトークの鍵は、オーナー自身が「確かにうちもムダな作業多いかも…」と気づけるような“ビフォーアフターの可視化”です。数字に頼りすぎず、リアルな日常の変化を伝えることで、共感から関心、そして具体検討へ自然につなげていけます。
「士業営業」は信頼性と顧客満足度を推す
士業の先生方は「信頼性」と「紹介の連鎖」が命です。だからこそ、実績や他の先生からの評価を具体的に示し、安心感と導入後の好影響を同時に伝えることが決め手になります。
例文
〇〇を導入いただいた税理士事務所では、「顧問先の満足度が上がって、紹介件数が前年比130%に増えた」という成果が出ていまして、〇〇先生にもかなり近い規模感かと思います。
↓(紹介増えるのはいいですね)
ありがとうございます。特に「資料の提出が簡単になって、顧問先の離脱率が下がった」という声は多くて、実務面の負担もかなり軽くなったようです。
↓(それなら検討したいですね)
実際、□□先生からも「こういう仕組みがあると、お客さまとの信頼感も保てる」と好評でして。〇〇なら、月次報告や書類管理も一元化できますので、トラブル防止にもつながっています。
↓(詳しく知りたいです)
ありがとうございます。では、他の先生方の活用事例と、導入後の変化をまとめた資料を5分ほどで共有してもよろしいでしょうか?
このトークの核は、「他の士業の信頼できる実例」と「顧客との関係が良くなった事実」の二軸で語ることです。顧客満足が高まり、結果的に紹介が増えるという流れを“自分ごと”に感じてもらえれば、次のステップに自然とつながります。
「官公庁営業」は導入実績で「前例あり」の安心感を与える
官公庁では「前例」が意思決定を左右することが多く、「すでに導入されているかどうか」が非常に重要なキーファクターになります。ここでは、実績を活用して“導入のハードル”を下げるクロージングのトーク例をご紹介します。
例文
〇〇の件でご連絡しております○○株式会社の△△です。実は、〇〇様と同じように〇〇の課題をお持ちだった□□省でも、同じ〇〇をご採用いただきました。
↓(関心を持つ)
□□省では、導入から1か月ほどで〇〇の手間が約◯割削減され、現場のご担当者からも「もっと早く使いたかった」とご好評をいただいております。
↓(前向きな反応)
〇〇様の業務にもかなり近い事例ですので、導入効果のイメージも持っていただきやすいかと思います。一度、□□省で実際に行われている運用内容だけでもご覧になりませんか?来週ですと、◯日や◯日が空いております。
このクロージングで大切なのは、「導入済み=失敗しない安心感」を数字とリアルな声で伝えることです。
また、“他省庁の成功例”を自分ごとに置き換えてもらえるよう、課題や業務内容の共通点をしっかり紐づけると、さらに刺さりやすくなります。
「スタートアップ」はトレンド要素を“未来の伸びしろ”として提示する
スタートアップへの営業では、今すぐのROIよりも「成長角度」や「トレンドの波に乗っているか」が意思決定の後押しになります。ここでは、〇〇というトレンド要素を使いながら、先行者優位や“伸びしろ”を魅力的に伝えるクロージング例をご紹介します。
例文
〇〇に注力されていると伺っておりますが、まさに今、〇〇領域は国内外で急成長しておりまして、既に□□社や△△社でも〇〇導入が進んでいます。
↓(興味を持つ)
〇〇様のようなスピード感あるフェーズの企業こそ、こういった仕組みを先に取り入れることで、伸びしろを最大化できるフェーズにあると思っていまして…。
↓(さらに関心)
実際に、同規模のスタートアップでも〇〇を起点に事業の成長角度が変わった例もありますので、まずは15分ほど、どういう打ち手があるかだけでもお話しできればと思うのですが、ご都合いかがでしょうか?
このトークのコツは、「今やる意味」を“先行者だからこそ得られる成長余地”として提示することです。
また、横並びではなく「御社だからこそ活きる」という熱量で語ると、共感と納得が生まれやすくなります。
営業クロージング用のスクリプトを準備する3つのメリット
「決裁者対応」の台本があるだけで落ち着いて話せる
決裁者対応の台本とは、「経営視点の質問」に即答できるよう準備された受け答えの型です。
つまり、感情ではなく、論点で会話を進めるための“心の土台”です。
けれども現場では、「何を根拠に判断されるのかが掴めない…」と感じる営業も多いのではないでしょうか?
実は、決裁者は“提案の魅力”ではなく“意思決定の負荷”で判断することが多いです。
たとえば、「ROIの試算を1分で伝える」「導入後の運用体制を一言で示す」など
ポイントは、相手の“決める理由”を先回りして言語化しておくことです。
用意された言葉があるだけで、商談は焦らず・崩さず・迷わず進められます。
「よくある不安」に即答できると信頼が一気に高まる
「よくある不安への即答」とは、顧客の口から出る前に、心配ごとに先回りして答えることです。
つまり、質問を待つのではなく、“信頼の先手”を打つことです。
でも実際は、「導入後の不安にどう答えればいいか…」と毎回その場で考えていませんか?
実は、不安への即答は“回答の巧さ”ではなく、“準備の深さ”がすべてです。
たとえば、「サポート対応の流れを図で見せる」「導入事例を1分で紹介する」など
ポイントは、“相手が聞きそうなこと”ではなく“相手が言いにくいこと”に自分から触れることです。
不安を先回りして払うだけで、「この人、わかってるな」と信頼の温度が一気に上がります。
「失注パターン回避」の一言を事前に仕込んでおくことができる
「失注パターン回避の一言」とは、過去の失注理由から逆算して用意しておく“防波堤となるフレーズ”のことです。
つまり、よくあるつまずきポイントに対して、先に布石を打っておくということです。
けれども実際は、「今回の提案も悪くなかったのに…」と同じ理由で断られてしまうこと、ありませんか?
実は、失注の多くは“提案力”ではなく“想定不足の一言”によって引き起こされています。
たとえば、「この部分は御社の業務フローに合わせて調整できます」「実は他社でも●●がネックでしたが…」など
ポイントは、相手が引っかかる“無意識の懸念”を事前に言語化しておくことです。
先回りの一言があるだけで、迷いを断ち切る力を持てるようになります。
営業でクロージングする前にすること3つ
「決裁者の名前と立場」を必ず確認しておく
「決裁者の名前と立場を聞く」とは、商談のキーパーソンを明らかにすることです。
つまり、誰が最終的なOKを出すのかを事前に把握しておく、ということです。
でも実際の現場では、「先方が言わないから聞きづらい…」と感じることもありますよね。
実は、相手に配慮しながらでも自然に確認する方法はあります。
たとえば、「商談途中で”稟議はどなたが通されますか?”と聞く」「”決裁者とご一緒できる日を調整しましょうか?”と提案する」など
ポイントは、あくまで”進行上の確認”としてヒアリングすることです。
名前を聞くのが目的ではなく、誰に届く資料を作るのかをすり合わせておくことが、成果につながります。
「予算感・導入時期」をクロージング前に把握する
「予算感と導入時期を聞く」とは、相手の中で商談が“現実化しているか”を見極めることです。
つまり、提案がまだ“情報収集レベル”か“導入直前”かを見分ける、ということです。
でも実際は、「聞くタイミングを間違えると引かれるかも…」と感じてしまうこともあります。
実は、聞き方を少し変えるだけで、違和感なく本音を引き出すことができます。
たとえば、「“来期と今年度、どちらのご予算を想定されていますか?”と確認する」「“導入は〇月くらいが現実的でしょうか?”と時期を具体化する」など
ポイントは、“判断材料を揃える会話”として自然に入れることです。
温度感のズレに気づけずに走り続けると、あとで「今じゃなかったですね…」と手遅れになることもあります。
「現場の不安」を先につぶして話を進めやすくする
「現場の不安を先につぶす」とは、実際に使う人の声を事前に拾い、壁をなくすことです。
つまり、導入後に出る“想定外のつまずき”を、提案前に先回りしておく、ということです。
けれども実際は、「現場は乗り気だけど、使えるか不安って空気がある…」と感じたまま進めてしまうこともあります。
実は、早い段階で小さな引っかかりを拾うことで、導入ハードルは一気に下がります。
たとえば、「“操作が難しいという声、ありませんか?”とあえて懸念に触れる」「“運用負荷がネックになりそうな点はありますか?”と本音を引き出す」など
ポイントは、説得ではなく“共に確認する姿勢”で不安を拾いにいくことです。
不安に蓋をしたままだと、最後に「現場が反対していて…」と逆戻りすることもあるので、早めの対話が結果を変えてくれます。
営業クロージングの流れ4STEP
「仮クロージング≒テストクロージング」で本音を引き出すタイミングをつかんでおく
クロージング直前の「仮クロージング」は、相手の本音を探るチャンスです。
ここで違和感や迷いが出れば、最終決断前に立て直せます。
「仮クロージング」とは、「もし導入いただくとしたら、いつ頃が理想ですか?」のように、“まだ決まっていない前提”で相手の考えを引き出す質問です。
ポイントは「決断を迫らず」「本音を聞ける空気」をつくることです。
逆に、「ご決断いただけますか?」とストレートに聞くと、相手が身構えてしまいます。
例えば、「社内で誰か確認が必要ですか?」「懸念点が1つでもあれば教えてください」と“相手の段取りに寄り添う”姿勢を見せると、本音が出やすくなります。
このタイミングでの質問が、商談の成功率を左右する分岐点になるかもしれません。
「いま、本音を聞くならどんな聞き方が自然か?」をぜひ意識してみてください。
「決裁者アポ」をとる一言はシンプルに伝える
商談が前向きに進みそうなときは、「次は誰と話すべきか」を早めに明確にしておくのがコツです。
決裁者の同席をお願いする場面では、余計な前置きは逆効果になることがあります。
「決裁者アポ」とは、「実際のご判断って、○○部長がお持ちですか?」のように、“判断構造”を自然に聞き出す一言です。
ポイントは、「誰が決めるのか」を遠回しにせず、会話の流れでポンと投げること。
「上の方にもお話しさせていただくには…」など曖昧にすると、相手が身構えてしまいます。
たとえば、「この内容、上長にも一度だけ情報共有しておきたいのですが、ご一緒できそうな日ってありますか?」と、“共有”を理由にすればぐっと通しやすくなります。
次の打席を自然に作れるかどうかは、この一言で決まることもあります。
「判断する人に届く言葉」を、今すぐ引き出しに入れておきましょう。
「次の一手」を曖昧にせず日程とアクションで約束する
商談の最後に「ではまたご連絡しますね」で終わると、次の展開はほぼ止まります。
動きを止めないためには、「次に何を・いつやるか」をその場で一緒に決めることが大切です。
「次の一手」とは、「具体的な日程」と「次回やること」をセットで言葉にして約束することです。
ポイントは、「予定」ではなく「約束」にしておくこと。
曖昧なまま終わると、優先度がどんどん下がってしまいます。
たとえば、「来週火曜の午前に資料を共有するので、その日の夕方に15分だけお時間いただけますか?」のように、“やること”と“時間”を具体化すると、相手も予定に入れやすくなります。
予定は流れても、約束は守られます。
言葉の重みを意識して、「次の一歩」に繋げていきましょう。
「決まったこと」は即Slack・即メールでズレを防ぐ
商談で「これでいきましょう」となったら、その場で必ず一報入れておきます。
決まった内容をSlackやメールで即共有することは、後日の「言った・言わない」問題を防ぐ基本の一手です。
ポイントは、「いつ・何を・どう進めるか」の3点を、箇条書きで明確に伝えること。
見落としやすいのは、決裁者の合意前に勝手に話を進めてしまうパターン。口頭の了承だけで安心せず、文字に残すことが重要です。
具体的には、商談終了直後に「本日のまとめ」としてSlackに投稿。
「次回〇日、〇〇の資料をベースに進行予定です」など、一歩先を見越した言葉を添えると、相手の信頼感もぐっと増します。
その場で書いて、その場で送る。これだけで商談後のすれ違いがグッと減ります。
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クロージングの段階で相手の反応が鈍くなったり、「検討します」で終わってしまう。どんなに準備しても決まらない。この状況、苦しいですよね。
とはいえ、契約を取るために無理に押し切るのは、逆効果になることもあります。だからこそ、商談の本質や顧客心理を深く理解し、信頼を築くクロージングの技術が求められます。
私たちスタジアムの営業代行サービスでは、商談の設計からクロージングまで、成果に直結する流れを一緒に作ります。特にIT・Web領域の営業に強く、実績あるプロが対応します。
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