BtoB SaaSのKPI一覧71選・部門別の指標と計算式・KPIツリーの作り方3つの手順
BtoB SaaSのKPI一覧を、部門別の計算式とKPIツリーの作り方付きで解説します。
・BtoB SaaSのKPI一覧71選(売上・継続・部門別)
・KPIを段階別に選ぶ基準とKPIツリーの作り方(ARR・MRR・GRR)
・KPI定義書の項目と運用のコツ(計算式・頻度・SFA)
現場の営業担当者だけでなく、営業責任者必見の内容です。
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BtoB SaaSのKPIとは・押さえたい3つの基本
違い:KGIとKPIを分けて考える
会議で追っている数字は、ゴールの数字ですか、それとも途中の数字ですか?
KGI(重要目標達成指標)は、事業が最後にたどり着きたいゴールの数字です。
KPI(重要業績評価指標)は、そのゴールへ向かう途中の進み具合を測る数字を指します。
(参考:今日から始められる販売分析の基本|中小機構 ebiz)
年間の売上目標だけを掲げても、月の途中では何に手を打てばよいかが見えません。
期末の数字は、結果の報告にすぎないからです。
無料登録から商談化まで段階ごとにKPIを置き、KGIとつなげると、どの段で止まったかを月の途中で確かめられます。
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比べる点 |
KGI |
KPI |
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数字が動く時期 |
期末にまとめて動く |
月の途中でも動く |
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見る頻度 |
四半期や年に1回 |
毎週や毎月 |
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SaaSでの例 |
期末のARR(年に直した継続売上) |
新規MRR・NRR |
KGIとKPIを分けておけば、期末を待たずに遅れている段へ人と予算を回せます。
SaaSでこの分け方が特に欠かせないのは、売上が毎月の契約の積み重ねでできているからです。
理由:売上が月ごとに積み上がる
売り切りの商品と違い、SaaSでは1件の契約が、毎月の課金として長く売上を生み続けます。
経済産業省の電子商取引の調査でも、サブスクリプションは一定期間の利用に対して料金を払う仕組みとして扱われています。
(参考:令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書|経済産業省)
毎月の動きが数か月先の売上まで左右するのが、SaaSならではの特徴です。
・解約が1件出ると、翌月以降の売上もまとめて減る
・1社の獲得にかけた費用を、毎月の粗利で少しずつ取り戻す
・既存顧客が上位プランへ移ると、新規がなくても売上が伸びる
売上の動きを月ごとに分けて見ない限り、伸びた理由も落ちた理由も説明できません。
そこで役立つのが、多くの指標を成長・効率・継続の3つの問いに振り分けて見る方法です。
見方:成長・効率・継続の3軸で見る
71個の指標も、この3つの軸に分ければ、どれから見るかで迷わなくなります。
会議のたびに、人によって見ている数字が違っていませんか?
軸が先にあれば、食い違った数字もどの問いへの答えかで仕分けるだけです。
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軸 |
答える問い |
代表のKPI |
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成長 |
売上は伸びているか |
ARR・純新規MRR |
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効率 |
お金をかけすぎていないか |
CAC・LTV/CAC |
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継続 |
顧客は残っているか |
GRR・NRR |
3つの軸のどれか1つだけが良くても、事業が健全に伸びているとは言い切れません。
次の一覧では、この3つの軸を部門別に細かく分けた71個の指標を、計算式とあわせて紹介します。
BtoB SaaSのKPI一覧71選
〈売上・成長のKPI 11選〉
MRR:毎月入る継続売上を見る
MRR(毎月決まって入る継続売上)は、SaaSのすべての売上指標の土台になる数字です。
足し算は簡単でも、何を入れて何を除くかの決め方ひとつで、社内の数字が割れます。
初期費用やコンサルティングのような単発の売上を混ぜると、翌月に同じ額が入る保証のない数字になってしまいます。
・意味:毎月繰り返し入る月額料金の合計
・計算式:MRR=有料契約の月額料金の合計(初期費用と単発の売上は除く)
・使いどころ:毎月の売上の基準にし、ほかの指標の計算にも使う
来月以降の売上を見通す物差しとして使えるのは、単発の売上を外したMRRだけです。
このMRRを1年分に直すと、経営会議で使う次の指標になります。
ARR:年に直した継続売上を見る
ARR(年に直した継続売上)は、MRRを12倍して1年分の継続売上として示した数字です。
年契約は、年額をそのまま足します。
経営会議や投資家への説明では、月の数字より年の数字を求められるのが普通です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
1年分に直した継続売上 |
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計算式 |
ARR=MRR×12(年契約は年額のまま) |
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使いどころ |
年間の売上目標と、KPIツリーの頂点に置く |
年額で目標を立てると、月ごとの小さなぶれに振り回されず、1年の進み具合を落ち着いて追えます。
その年額を伸ばす最初の入り口が、新しく契約した顧客から入る売上です。
新規MRR:新しい契約の売上を見る
新規MRRを追うと、新しく契約した顧客がその月の売上をどれだけ押し上げたかがわかります。
営業とマーケティングの成果が、そのまま金額で表れる指標です。
件数だけを追っていると、小口の契約ばかりが増えても気づけません。
・意味:その月に新しく契約した顧客から生まれたMRR
・計算式:新規MRR=その月に新しく契約した顧客のMRRの合計
・使いどころ:営業とマーケティングの成果を金額で比べる
受注数と並べて見れば、1件あたりの金額が上がったのか下がったのかも読み取れます。
新規の獲得とは別に、すでに契約している顧客の追加購入も、売上を増やす道の1つです。
拡大MRR:既存顧客の売上増を見る
既存顧客の売上増を金額で示すのが、拡大MRRです。
上位プランへの移行のほか、利用人数やオプションの追加購入で増えた月額料金もすべて含めて数えます。
新規の獲得ばかりに目が向き、既存顧客からの伸びを数えていない会社は珍しくありません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
既存顧客の上位プラン移行や追加購入で増えたMRR |
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計算式 |
拡大MRR=既存顧客の増えた月額料金の合計 |
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使いどころ |
既存顧客への提案がどれだけ売上を生んだかを見る |
アップセル率が顧客数の割合を示すのに対し、拡大MRRが示すのは増えた金額そのものです。
反対に、既存顧客の月額料金が下がった分にも、きちんと名前を付けて数える必要があります。
縮小MRR:ダウングレード分を見る
縮小MRRは、解約ではなく下位プランへの移行や利用人数の削減で減った月額料金の合計です。
契約は続くため、解約の件数には表れません。
契約が続いている安心感から、プランの変更を事務手続きとして処理してしまいがちです。
減った理由が人数か機能なのかまで追えるよう、縮小MRRは次の3点で押さえます。
・意味:既存顧客の下位プラン移行や利用人数の削減で減ったMRR
・計算式:縮小MRR=既存顧客の減った月額料金の合計
・使いどころ:解約の手前で起きている利用の縮小を早く見つける
プランを下げた顧客は、使い方のどこかに不満を抱え、解約の一歩手前にいる可能性があります。
その手前の兆しを見逃した先にあるのが、契約そのものが終わって消える売上です。
解約MRR:解約で消えた売上を見る
解約の件数が同じ月でも、失った売上の大きさはまったく違うことがあります。
その差を金額で示すのが、解約MRR(解約で失った継続売上)です。
月に1社の解約でも、相手が大口の顧客なら、小口の10社分の売上が一度に消えます。
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項目 |
内容 |
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意味 |
解約した顧客が払っていた月額料金の合計 |
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計算式 |
解約MRR=その月に解約した顧客のMRRの合計 |
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使いどころ |
解約の痛みを金額で比べ、守る顧客の順番を決める |
金額で並べ直すと、限られたカスタマーサクセスの人手をどの顧客に先に回すべきかが決まります。
新規・拡大・縮小・解約の4つを1本の式にまとめたものが、その月の売上の純増です。
純新規MRR:月の売上の純増を見る
純新規MRR(その月の売上の純増)を見ると、増えた分から減った分を引いて、MRRが実際にどれだけ伸びたかがわかります。
新規MRRだけが大きくても、解約が同じだけ出ていれば売上は1円も増えていません。
毎月の報告で新規の数字だけが強調される会議ほど、この差は見えないままです。
・意味:その月にMRRが実際に増えた金額
・計算式:純新規MRR=新規MRR+拡大MRR−縮小MRR−解約MRR
・使いどころ:月ごとの売上の伸びを1つの数字で比べる
元顧客の再契約分を足す流儀もあるため、どちらを採るかを先に決めないと前の月と比べた伸びが正しく読めません。
月ごとの純増を年単位でつなげた先にあるのが、前年からの伸びを測る指標です。
ARR成長率:前年からの伸びを見る
ARR成長率は、年に直した継続売上が前の年と比べて何%伸びたかを示します。
季節による波を消すため、前の四半期ではなく前年の同じ時期と比べるのが基本です。
月ごとのMRRは上下するため、それだけで成長の速さを説明しても、聞き手はなかなか納得しません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
前年の同じ時期からのARRの伸び |
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計算式 |
ARR成長率=(今期末ARR−前年同期末ARR)÷前年同期末ARR×100 |
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使いどころ |
年単位の成長の速さを社外に示し、Rule of 40の成長率にも使う |
成長率を年で示しておけば、利益率と足し合わせて、成長と利益の釣り合いを判断する材料にもなります。
伸びの速さの次に確かめたいのが、1社あたりの月額料金の大きさです。
ARPA:1社あたりの月額売上を見る
ARPA(1社あたりの月額売上)が上がっていれば、顧客の数を増やさなくても売上は伸ばせます。
MRRを有料の顧客数で割るだけで出せる、扱いやすい指標です。
顧客数が増えているのにMRRの伸びが鈍いとき、原因は1社あたりの単価の低下に隠れています。
・意味:有料の顧客1社あたりの平均の月額料金
・計算式:ARPA=MRR÷有料の顧客数
・使いどころ:値上げや上位プランの効果を測り、LTVの計算にも使う
単価の高い顧客が多い会社ほど、1社の解約で失う売上も大きく、守りの手当てを厚くする必要が出てきます。
月の平均単価を、契約1件ごとの年額に置きかえて見る指標がACVです。
ACV:1契約の年間金額を見る
ACV(1契約の年間金額)は、契約1件が1年でいくらの売上を生むかを表す数字です。
初期費用は除き、3年契約のような複数年の契約は1年あたりに直して数えます。
ARPAが顧客1社の月額の平均なのに対し、ACVは契約1件ごとの年額を見る点が違います。
大口が1件入っただけで平均が跳ね、会議での説明に困る月も出てくるのが実情です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
契約1件あたりの1年分の金額 |
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計算式 |
ACV=契約の年間金額(初期費用を除き、複数年は1年あたりに直す) |
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使いどころ |
大口と小口で営業の進め方や担当を分ける基準にする |
ACVで顧客を分けておけば、単価の高い契約に経験の長い担当を付けるといった配置の判断がしやすくなります。
金額の大きさを見たあとは、増えた売上と減った売上の勢いを比べる視点も欠かせません。
クイックレシオ:増えた分と減った分を比べる
売上は伸びているのに、手元に残る伸びが小さいと感じたことはありませんか?
その違和感の正体は、増えた売上の裏で、同じくらいの売上が解約や縮小で減っていることにあります。
クイックレシオは、増えた分と減った分の比率で、成長の質を1つの数字に表します。
新規が増えた月を素直に喜んでしまう原因は、減った分が見えていないことです。
・意味:増えたMRRと減ったMRRの比率
・計算式:クイックレシオ=(新規MRR+拡大MRR)÷(縮小MRR+解約MRR)
・使いどころ:1を超えると増えた分が減った分を上回り、成長の質を比べられる
同じ純増でも、新規を大量に取って減った分を埋めている会社は、獲得費用がかさみ続けます。
減った分の中身をさらに分けて見るために、ここからは継続と解約の指標を取り上げます。
〈継続・解約のKPI 11選〉
カスタマーチャーンレート:解約した顧客数の割合
カスタマーチャーンレート(顧客数で見た解約率)は、期首にいた顧客のうち何%が解約したかを示す数字です。
式は、カスタマーチャーンレート=解約顧客数÷期首顧客数×100で表せます。
期の途中で新しく契約した顧客は、分母にも分子にも入れないのが決まりです。
新規を混ぜると、解約率は低く出ます。
顧客の数で数えるため、1社の重みは大口でも小口でも同じです。
そのため、大口が1社抜けた痛みは、この数字だけでは伝わりません。
その痛みを売上の側から測るのが、金額で見る解約率です。
レベニューチャーンレート:解約と縮小で失った売上の割合
レベニューチャーンレートは、解約と縮小で失った売上が、期首のMRRの何%にあたるかを表します。
顧客数の解約率が低くても、大口の解約が1件あればこの率は跳ね上がります。
件数だけの報告で安心してしまうと、売上の目減りに気づくのは決まって後になってからです。
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項目 |
内容 |
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意味 |
解約と縮小で失った売上の割合 |
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計算式 |
レベニューチャーンレート=(解約MRR+縮小MRR)÷期首MRR×100 |
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使いどころ |
大口の解約やプランの引き下げが売上に与えた重さを見る |
顧客数の解約率と並べて報告すれば、大口と小口のどちらで解約が起きているかを一目で切り分けられます。
失った売上の反対側から、どれだけの売上を守れたかを見る指標もあります。
GRR:拡大分を除いて守れた売上
GRR(売上維持率)は、期首のMRRのうち、縮小と解約を差し引いてどれだけ守れたかを示す割合です。
既存顧客からの増額は足さないので、100%を超えることはありません。
拡大の数字が大きいと守りの弱さが隠れてしまうため、増えた分を外した物差しが別に必要です。
2025年11月発表のKeyBanc×Sapphireの調査では、GRRは90%近くと報告されています。
2023年に86%まで下がった後、持ち直しつつある流れです。
(参考:2025 KeyBanc Capital Markets and Sapphire Ventures SaaS Survey)
・意味:拡大分を除いて、期首の売上をどれだけ守れたか
・計算式:GRR=(期首MRR−縮小MRR−解約MRR)÷期首MRR×100
・使いどころ:既存顧客の売上を守る力だけを取り出して見る
GRRが下がり始めたら、拡大の数字がどれほど良くても、足元の顧客が離れ始めている合図と受け止めましょう。
守った売上に増額分まで足して、既存顧客全体の伸びを見るのが次のNRRです。
NRR:拡大分を含めた売上の残り具合
新しい契約がゼロの月でも、売上を伸ばせる会社は何が違いますか?
違いは既存顧客の増額が解約と縮小を上回っているかにあり、それを示すのがNRR(売上継続率)です。
NRRは新規の売上を入れずに、既存顧客だけで期首の売上がどれだけ増減したかを表します。
新規の獲得に追われる会社ほど、既存顧客から売上を伸ばす道は後回しになるのが常です。
ChartMogulが2023年11月に公開したレポートは、2022年のデータでNRRを顧客単価の帯ごとに比べています。
上位25%の会社のNRRは、ARPAが月500ドル超で109.3%、10ドル未満で65.1%です。
NRRが100%を超える会社の割合も、500ドル超の41.1%に対し、10ドル未満では2.7%にとどまりました。
(参考:SaaS Retention Report|ChartMogul)
2025年11月発表のKeyBanc×Sapphireの調査でも、NRRは100%超と報告されています。
(参考:2025 KeyBanc Capital Markets and Sapphire Ventures SaaS Survey)
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項目 |
内容 |
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意味 |
拡大分を含めて、期首の売上がどれだけ残り、増えたか |
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計算式 |
NRR=(期首MRR+拡大MRR−縮小MRR−解約MRR)÷期首MRR×100 |
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使いどころ |
新規の契約がなくても売上を伸ばせる力を見る |
単価の高い顧客ほど増額で売上を伸ばしやすいため、NRRを上げる打ち手の中心は上位プランの設計と活用支援です。
ただし増額を語る前に、支払いの失敗で静かに消えている契約がないかも点検しておきましょう。
非自発的解約率:支払い失敗で解約した割合
非自発的解約率は、顧客がやめるつもりがないのに、カードの期限切れや支払いの失敗で契約が切れた割合です。
顧客の不満とは関係がなく、請求の仕組みを直すだけで減らせる種類の解約です。
解約の理由を聞き取っても出てこないので、数字として分けて数えない限り見えません。
・意味:支払いの失敗による、本人の意思ではない解約の割合
・計算式:非自発的解約率=支払い失敗による解約数÷期首顧客数×100
・使いどころ:請求や決済の仕組みの見直しが必要かを判断する
支払いが失敗した顧客へ期限前に案内を送るだけでも、守れる売上は生まれます。
解約の数字を月単位で追ったあとに役立つのが、契約した月ごとに顧客の残り方を比べる見方です。
コホート継続率:契約した月ごとの残り方
同じ月に契約した顧客をひとまとめにして追うと、どの時期の顧客が長く残るかが見えてきます。
そのまとまりをコホート(同じ時期に契約した顧客の集団)と呼び、Nか月後も続いている割合がコホート継続率です。
全体の解約率だけでは、最近の顧客が早くやめているのか、古い顧客がやめているのかを区別できません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
同じ月に契約した顧客が、Nか月後に残っている割合 |
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計算式 |
コホート継続率=Nか月後も契約中の顧客数÷その月に契約した顧客数×100 |
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使いどころ |
料金改定や導入支援の変更が、その後の残り方を変えたかを見る |
導入支援のやり方を変えた月の前後でコホートを比べれば、その変更が効いたかどうかを数字で示せます。
年間契約が多い事業なら、更新の時期にどれだけ残ったかを数えるほうが、実態に近い見方です。
更新率:契約を更新した割合を見る
年契約が中心のSaaSでは、更新率を見ると、1年ごとの節目で顧客をどれだけ引き留められたかがわかります。
月ごとの解約率では、更新月に解約が集中する事業の実態を正しく映せません。
更新の連絡を期限の直前に入れても、相手の社内ではすでに乗り換えが決まっているのが、よくある例です。
・意味:更新期限を迎えた契約のうち、更新された割合
・計算式:更新率=更新した契約数÷更新期限を迎えた契約数×100
・使いどころ:更新月ごとに担当を割り当て、準備を始める時期を決める
更新月から逆算して準備の開始日を決めておくと、利用状況の確認と提案に使える時間が確保できます。
更新された契約の中にも、プランを下げてから続ける顧客が混ざっている点には注意が要ります。
ダウングレード率:下位プランに移った割合
ダウングレード率は、期首にいた顧客のうち、下位プランへ移った顧客が何%いたかを表す数字です。
縮小MRRが減った金額を見るのに対し、ダウングレード率は顧客数の割合で見ます。
金額と顧客数の2つは、必ず並べて読みましょう。
片方だけを見ていると、少数の大口が下げたのか多くの小口が下げたのかを取り違えがちです。
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項目 |
内容 |
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意味 |
下位プランへ移った顧客の割合 |
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計算式 |
ダウングレード率=下位プランへ移った顧客数÷期首顧客数×100 |
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使いどころ |
プランの内容や価格が、顧客の使い方に合っているかを見直す |
特定のプランから下げる顧客が続くなら、そのプランの機能と価格の組み合わせに無理がある合図です。
プランの変更とは別に、解約の数字からは契約が平均でどれだけ続くかも計算できます。
平均顧客寿命:契約が続く平均の期間
平均顧客寿命は、顧客1社が契約を平均で何か月続けるかを表す指標です。
月次の解約率がわかれば、平均顧客寿命=1÷月次解約率で求められます。
仮に月次解約率が2%なら、1÷0.02で平均50か月という計算です。
ただしこの式は、毎月の解約率が同じであることを前提にしています。
実際には契約直後の数か月に解約が集まる事業も多く、平均の数字だけを頼りにすると見通しが甘くなります。
顧客が生涯にもたらす粗利を見積もるLTVも、この寿命の考え方が土台です。
寿命を終えて解約した顧客も、二度と戻らないとは限らないのが法人向けの商売です。
再契約率:一度やめた顧客が戻る割合
再契約率は、一度やめた顧客のうち、どれだけが再び契約したかを示します。
法人の解約は、予算の削減や担当者の異動のように、製品への不満とは別の理由で起きることもあります。
解約は、関係の終わりとは別物です。
解約した時点で連絡を絶ち、戻るきっかけを自分たちで消している会社も少なくありません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
解約した元顧客のうち、再び契約した割合 |
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計算式 |
再契約率=期間中に再契約した元顧客数÷それまでの解約顧客数×100 |
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使いどころ |
解約理由の改善が、離れた顧客に届いたかを確かめる |
解約の理由を記録しておけば、予算が戻る時期や担当が替わる時期に合わせて声をかけ直せます。
戻ってくる顧客を増やすこと以上に、そもそも早い段階での解約を減らすことが大切です。
解約までの日数:使い始めから解約まで
解約までの日数を平均すると、顧客がどの時期につまずきやすいかが見えてきます。
契約から3か月以内のような早い時期の解約が多いなら、原因は導入初期の支援の不足にあると考えるのが自然です。
解約の連絡を受けてから理由を探しても、その時点で打てる手はほとんど残っていません。
・意味:契約開始から解約までにかかった日数の平均
・計算式:解約までの日数=(解約日−契約開始日)の合計÷解約顧客数
・使いどころ:解約が集まる時期を特定し、その前に手を打つ
業種や規模、利用状況ごとに分けて平均を出すと、どの顧客層が早く離れるかまで絞り込めます。
顧客を守る数字の次に論点となるのが、その顧客を獲得するためにかけたお金の効率です。
〈収益性・効率のKPI 11選〉
CAC:1社を獲得する費用を見る
CAC(顧客獲得単価)は、新しい顧客を1社獲得するのにかかった営業とマーケティングの費用です。
計算の前に、営業の人件費を含めるかどうかを社内で決めておく必要があります。
広告費だけで計算した部門と人件費まで含めた部門とでは、同じCACでも値はまったくの別物です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
新規顧客1社の獲得にかかった費用 |
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計算式 |
CAC=(営業費+マーケティング費)÷新規顧客数 |
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使いどころ |
獲得の効率を期ごとに比べ、LTVと並べて投資の判断に使う |
人件費を含めるかどうかを途中で変えると、過去の期と比べた良し悪しの判断が成り立ちません。
広告からの獲得だけを切り出して効率を見たいときは、別の数え方を使います。
ペイドCAC:広告経由の獲得費用を見る
ペイドCACは、広告経由で獲得した顧客に絞って、1社あたりの広告費を測る指標です。
紹介や自然検索からの獲得を混ぜないので、広告そのものの効き目が見えます。
CAC全体では問題がなくても、広告経由だけを取り出すと採算が合わない例は、実務でもよく聞く話です。
・意味:広告経由の新規顧客1社あたりにかかった広告費
・計算式:ペイドCAC=広告費÷広告経由の新規顧客数
・使いどころ:広告に予算を足すか、ほかの獲得手段へ移すかを決める
ペイドCACとCAC全体の差が開くほど、紹介や自然検索のような費用のかからない獲得が成果を大きく支えています。
かけた費用の良し悪しを判断するには、その顧客が契約期間の全体でいくらの粗利をもたらすかも押さえておきましょう。
LTV:1社が生む生涯の粗利を見る
LTV(顧客生涯価値)は、顧客1社が契約を続ける期間に生み出す粗利の合計を見積もった数字です。
売上ではなく粗利で計算するのは、サーバー費やサポートの人件費を引いた残りが回収に使えるお金だからです。
売上で計算したLTVを使うと、回収できているつもりで実は赤字だった、という事態になりかねません。
式に入れるARPAと解約率は、どちらも月次でそろえるのが前提です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
顧客1社が生涯にもたらす粗利 |
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計算式 |
LTV=ARPA×粗利率÷月次解約率 |
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使いどころ |
1社の獲得にいくらまでかけてよいかの上限を決める |
解約率が半分になればLTVは2倍になり、解約を減らす取り組みはそのまま獲得にかけられる予算を広げます。
LTVが出せたら、次に見るべきは、1社の獲得費用であるCACと並べたときに投資が見合っているかです。
LTV/CAC:獲得費用の回収力を見る
1社を獲得するまでにかけた費用は、その会社の粗利で取り戻せていますか?
その問いに1つの数字で答えるのが、LTVをCACで割ったLTV/CACです。
1社の生涯の粗利が獲得費用の何倍あるかを示し、1を下回ると獲得するほど損をする計算になります。
経営会議で毎回のように聞かれる数字なのに、計算の前提をそろえている会社は意外に少数派です。
・意味:LTVがCACの何倍あるか
・計算式:LTV/CAC=LTV÷CAC
・使いどころ:獲得への投資を増やすか抑えるかを判断する
LTVを粗利で出しているか、CACに人件費を含めているかをそろえない限り、倍率そのものが信用できません。
倍率とあわせて、獲得費用を何か月で取り戻せるかという時間の長さも押さえておきましょう。
CAC回収期間:獲得費用を取り戻す月数
CAC回収期間は、1社の獲得にかけた費用を、毎月の粗利で何か月かけて取り戻せるかを表します。
LTV/CACが同じでも、回収まで2年かかる事業と半年で終わる事業とでは、手元の現金の苦しさが違います。
倍率だけを見て獲得を急いだ結果、回収が追いつかず資金繰りに追われるのは、成長中のSaaSによくある失敗です。
回収の速さは、資金繰りの余裕と同じ意味です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
獲得費用を毎月の粗利で取り戻すまでの月数 |
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計算式 |
CAC回収期間=CAC÷(ARPA×粗利率) |
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使いどころ |
獲得をどこまで急いでも資金がもつかを確かめる |
回収期間が短いほど、取り戻したお金を次の獲得へ早く回せるため、同じ資金で伸ばせる速さが変わります。
この計算の精度を左右するのが、式の中に入っている粗利率の出し方です。
粗利率:売上に占める粗利の割合
粗利率は、売上から売上原価を引いた粗利が、売上の何%にあたるかを示す割合です。
式は、粗利率=(売上−売上原価)÷売上×100で表せます。
SaaSの売上原価には、サーバーの利用料や、顧客を支えるサポート担当の人件費が入ります。
原価の範囲が人ごとに違えば、LTVやCAC回収期間も資料ごとに別の値になって当然です。
導入支援を手厚くするほど人件費が原価に積み上がるため、手厚さと粗利率の釣り合いを見る目も欠かせません。
粗利率を上げる手段は値上げだけでなく、サポートの手間を減らす仕組みづくりにもあります。
粗利の次に問われるのが、営業とマーケティングにかけた費用が売上の伸びにどれだけ効いたかです。
マジックナンバー:営業・マーケ費の効き目
マジックナンバーは、営業とマーケティングにかけた費用が、年間の継続売上をどれだけ増やしたかを測る指標です。
費用を使ってから売上に表れるまでの時間差を見込んで、前の四半期の費用で割ります。
広告や採用を増やした直後は数字が悪く見えるため、使った時期と効いた時期をずらして見る必要があります。
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項目 |
内容 |
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意味 |
営業とマーケティングの費用1円あたりで増えたARR |
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計算式 |
マジックナンバー=今四半期のARR増加分÷前四半期の営業費とマーケティング費 |
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使いどころ |
営業とマーケティングへの投資を増やすか止めるかを決める |
値が下がり続けるなら、費用をかける先が今の顧客層からずれているかを疑うべき段階です。
費用の効き目をもう一歩進めて、使った現金そのものと売上の伸びを比べる指標もあります。
バーンマルチプル:売上を1円増やす現金の量
バーンマルチプルは、年間の継続売上を1円増やすために、どれだけの現金を使ったかを示す倍率です。
使った現金は純バーン(入ってきたお金を差し引いた現金の減少分)で表し、純新規ARRで割って出します。
値が低いほど良い指標です。
売上の伸びばかりが報告される会議では、その裏で減っている現金の量が見過ごされます。
・意味:純新規ARRを1円生むのに使った現金の量
・計算式:バーンマルチプル=純バーン÷純新規ARR
・使いどころ:資金調達の前後で、成長の効率が落ちていないかを確かめる
マジックナンバーが費用の効き目を見るのに対し、バーンマルチプルは採用や開発も含む全社の現金の使い方を映す数字です。
成長と現金のどちらかに寄りすぎていないかを1つの数字で見たいときは、成長率と利益率を足し合わせる考え方が使えます。
Rule of 40:成長率と利益率の合計
Rule of 40(40%ルール)は、売上成長率と利益率を足した値で、成長と利益の釣り合いを測る考え方です。
合計が40%以上かどうかが、その名前の由来です。
利益率にはEBITDAマージンを使うのが基本で、FCFマージンを使う流儀もあります。
EBITDAは、営業利益に減価償却費を足した利益を指します。
(参考:収益力改善実務指針|中小企業庁)
FCFは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足した現金の増減です。
(参考:キャッシュフロー経営の基本|J-Net21)
成長を優先すれば赤字が膨らみ、利益を優先すれば伸びが止まるという板挟みに、多くの経営者が悩みます。
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項目 |
内容 |
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意味 |
売上成長率と利益率を足した値 |
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計算式 |
Rule of 40=売上成長率+利益率(EBITDAマージンが基本) |
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使いどころ |
赤字を出してでも成長を急ぐべきかを、投資家と同じ物差しで考える |
どちらの利益率を使ったかを資料に書き添えておかないと、他社や前年との比較が成り立ちません。
会社全体の効率と並べて見たいのが、社員1人あたりが生む売上の大きさです。
1人あたりARR:社員1人が生む年間売上
1人あたりARRは、人を増やした分だけ売上も伸びているかを映します。
採用を急いだ時期に下がりやすく、組織が大きくなっても効率を保てているかの確認に向いた指標です。
社員数を期末の人数で数えるか、期中の平均で数えるかは、先に決めておきましょう。
採用で人が増えた直後は誰もが忙しく、売上が追いつくまでの数か月に効率の低下が隠れがちです。
・意味:社員1人あたりの年間の継続売上
・計算式:1人あたりARR=ARR÷社員数(期末か期中平均かを決める)
・使いどころ:採用のペースが売上の伸びに見合っているかを確かめる
下がり続けているなら、採用より先に、今いる人の時間を奪っている作業を減らすほうが効きます。
人と売上の釣り合いを見たら、最後に手元の現金があと何か月もつかを確かめます。
ランウェイ:資金が尽きるまでの月数
ランウェイ(資金が尽きるまでの月数)は、手元の現金が今のペースであと何か月もつかを表す数字です。
式は、ランウェイ=手元の現金÷毎月の純バーンで求めます。
純バーンには、入ってきたお金を差し引いたうえで1か月に減る現金の量を当てる点に注意が必要です。
売上が伸びている会社ほど、採用や広告に現金を使い、気づいたときには残りの月数が短くなっています。
資金調達の準備には数か月かかるため、資金が尽きかけてから動くのでは遅すぎるのが現実です。
ランウェイは、毎月数え直しましょう。
ランウェイとバーンマルチプルを並べて共有すれば、成長への投資を続けるか守りに入るかを早めに決められます。
ここまでの数字を部門ごとの動きに分けたとき、出発点にあたるのはマーケティングが集めるサイトへの訪問数です。
〈マーケティングのKPI 11選〉
訪問数:サイトに来た人の数を見る
訪問数は、自社のサイトにどれだけの人が来たかを示す、集客の入り口の量です。
数え方には、訪れた人の数で数える方法と、訪問の回数(セッション数)で数える方法があります。
同じ人が3回来たとき、人数なら1、回数なら3と数えるため、どちらを使うかで値はまったく違ってきます。
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項目 |
内容 |
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意味 |
期間中にサイトへ来た人の数、または訪問の回数 |
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計算式 |
訪問数=期間中の訪問者数(人数か回数かを先に決める) |
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使いどころ |
集客の入り口の量が、月ごとに増えているかを見る |
数え方を途中で切り替えると、前年と比べた伸びが本当の伸びなのかが判断できなくなる点に注意が必要です。
訪問の量の次に知りたいのが、その中から何人が問い合わせまで進んだかです。
CVR:訪問から問い合わせへの割合
CVR(コンバージョン率)は、サイトに来た人のうち何%が問い合わせや資料請求まで進んだかを示します。
訪問数が増えても問い合わせが増えないなら、問題は集客ではなくサイトの中身にあります。
広告費を足して訪問を増やす前に、来た人が途中で離れていないかを疑うのが順番です。
・意味:訪問のうち、問い合わせや資料請求に進んだ割合
・計算式:CVR=問い合わせ数÷訪問数×100
・使いどころ:ページの内容や入力フォームの良し悪しを比べる
入力の項目を減らすだけで率が変わることもあり、広告費をかけずに手を打てる指標です。
こうして連絡先を残した人は、次のリード数で数えます。
リード数:獲得した見込み客の数
リード数は、問い合わせや資料請求で連絡先を残した見込み客の数です。
同じ人が2回資料を請求した場合や、競合の社員、学生からの登録は、数える前に除くのが原則です。
対象外を含めたまま報告すると、営業が連絡しても話が進まない相手ばかりが増えます。
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項目 |
内容 |
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意味 |
連絡先を得た見込み客の数(重複と対象外を除く) |
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計算式 |
リード数=期間中に獲得した連絡先の数−重複−対象外 |
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使いどころ |
営業に渡す前の見込み客の量が、目標に足りているかを見る |
除く条件を先に決めておけば、マーケティングと営業のあいだで「数は合っているのに中身が違う」という言い争いが減ります。
量を数えたら、その1件を得るのにいくらかかったかも合わせて見るべきです。
CPL:リード1件あたりの獲得費用
CPL(リード獲得単価)は、見込み客1件を獲得するのにかかったマーケティングの費用です。
CACが契約1社までの費用を見るのに対し、CPLは連絡先を得た時点までの費用を見ます。
CPLだけを下げようとすると、安く集まるが契約に進まないリードが増えるという落とし穴があります。
・意味:リード1件の獲得にかかった費用
・計算式:CPL=マーケティングの費用÷リード数
・使いどころ:広告や展示会など、集客の手段ごとに費用の効率を比べる
CPLは単独で判断せず、その先のMQL化率や受注率と並べて、安いリードが本当に安いのかを確かめるのが基本です。
リードの中から営業に渡してよい相手を選び出すには、次のMQL数を使います。
MQL数:営業に渡せる見込み客の数
MQL(営業に渡せる見込み客)の数は、リードのうち、自社が決めた条件を満たした相手の数です。
条件には、業種や会社の規模のような属性と、料金ページを見たといった行動の両方を使います。
条件を決めないまま数えると、担当者ごとの感覚で選ぶことになり、毎月の数字が比べられません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
業種・規模・行動などの条件を満たしたリードの数 |
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計算式 |
MQL数=条件を満たしたリードの数(条件は先に決める) |
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使いどころ |
営業へ渡す量が、営業の受けられる量に合っているかを見る |
条件は一度決めて終わりにせず、渡したMQLが商談に進んだかを見ながら、四半期ごとに見直すのが基本です。
数がわかったら、集めたリード全体のうち何%がその条件に届いたかも見ておきましょう。
MQL化率:リードがMQLになる割合
MQL化率は、集めたリードのうち何%が営業に渡せる条件を満たしたかを示す、リードの質を表す指標です。
リードの数が増えても、MQL化率が下がっていれば、狙いから外れた相手が増えているにすぎません。
数だけを追う会議では、この質の低下に気づくのが遅れがちです。
・意味:リードのうち、MQLの条件を満たした割合
・計算式:MQL化率=MQL数÷リード数×100
・使いどころ:集客の手段ごとに、集まるリードの質を比べる
率が低い手段は、費用を減らすか、集める相手の条件を見直すかのどちらかを選ぶ判断材料になります。
問い合わせではなく、製品を実際に試してもらう入り口を持つSaaSでは、別の数え方も必要です。
トライアル数:無料お試しに登録した数
トライアル数は、製品の無料お試しに登録した人や会社の数を表します。
数え方は単純で、期間中に無料お試しへ登録した件数をそのまま数えるだけです。
ただし登録の数だけでは、その後に製品を使ったのか、登録したまま放置したのかは見えません。
登録の数が伸びた月に喜んでも、契約が増えなければ、営業とサポートの手間が増えて終わります。
そのため、トライアル数は次に紹介する有料転換率とセットで見る指標として扱うのが筋です。
登録の段階で業種や規模を聞いておくと、どの層の登録が契約まで進むかを後から比べられます。
登録から契約までの進み具合を測るのが、お試しから契約への割合です。
有料転換率:お試しから契約への割合
無料お試しの登録は増えているのに、契約が増えないのはなぜですか?
登録から契約までのどこで止まっているかを測らないまま、登録数だけを追っていることが原因です。
有料転換率は、無料お試しに登録した数のうち、有料の契約に移った割合を示します。
止まった段を探すには、無料登録から契約までの段階ごとにKPIを置き、月の途中で確かめるのが近道です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
無料お試しの登録から有料の契約に移った割合 |
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計算式 |
有料転換率=有料契約に移った数÷トライアル登録数×100 |
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使いどころ |
お試し期間中の案内や支援が、契約につながっているかを見る |
お試し期間の途中に使い方の案内や個別の相談を入れれば、その前後で率がどう変わったかを比べられます。
集客の中でも広告については、かけたお金と生まれた売上の比で費用対効果を表せます。
ROAS:広告費に対する売上の割合
ROAS(広告費用対効果)は、広告にかけた費用に対して、広告経由でどれだけの売上が生まれたかを示す割合です。
SaaSでは、売上を最初の月のMRRで数えるか、1年分の金額で数えるかを先に決めておくのが前提です。
初月のMRRで計算すると、継続して入る売上が抜け落ち、広告の効果を小さく見誤ります。
・意味:広告費1円あたりで生まれた売上の割合
・計算式:ROAS=広告経由の売上÷広告費×100
・使いどころ:広告の出し先ごとに、予算を増やすか減らすかを決める
売上の数え方を年額にそろえておけば、継続課金の事業でも広告の出し先を公平に比べられます。
広告に頼らずに集客できているかを測るときに使うのが、検索から来た人の割合です。
自然検索比率:検索から来た人の割合
自然検索比率は、サイトに来た人のうち、広告ではない検索結果から来た人の割合です。
この比率が高いほど、広告を止めても集客が止まりにくい体質を示します。
広告費の値上がりに振り回される会社ほど、広告以外の入り口を育てる重要さは増す一方です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
全体の訪問のうち、自然検索から来た訪問の割合 |
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計算式 |
自然検索比率=自然検索からの訪問数÷全体の訪問数×100 |
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使いどころ |
広告に頼らない集客の強さを、月ごとに確かめる |
記事やお役立ち資料のように、検索で読まれる中身を増やした月と比率の動きを並べると、取り組みの効果を説明できます。
集めた見込み客との関係を保てているかを、育成のメールが読まれているかで測る方法もあります。
メール開封率:育成メールが読まれた割合
メール開封率は、見込み客に送った育成のメールのうち、何%が開かれたかを示す割合です。
開封の判定は受け取る側のメールの環境に左右されるため、数字がそのまま読まれた割合とは限りません。
開封率だけを頼りに件名を直し続けても問い合わせが増えない理由は、この判定の限界にあると考えるべきです。
・意味:届いたメールのうち、開かれた割合
・計算式:メール開封率=開封数÷届いた通数×100
・使いどころ:件名や送る時間帯を変えた効果を比べる
開封率はクリック率と合わせて見ることで、中身まで読まれたかどうかを判断できます。
マーケティングが温めた見込み客に、次はインサイドセールスが電話やメールで連絡を取ります。
〈インサイドセールスのKPI 9選〉
架電数:1日にかけた電話の件数
架電数は、インサイドセールスの担当者が1日にかけた電話の件数で、活動量を測る最も基本の数字です。
件数だけを競わせると、つながりにくい時間帯にも電話をかけ続け、数は多いのに成果が出ない状態になります。
時間帯ごと、相手の業種や規模ごとに分けて見ることが、つながりやすい組み合わせを見つける第一歩です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
1日にかけた電話の件数 |
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計算式 |
架電数=期間中にかけた電話の件数÷稼働日数 |
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使いどころ |
時間帯別・属性別に分けて、かける時間と相手を選び直す |
量を確保したうえで中身を分析すれば、同じ件数でもつながる相手の数を増やせます。
かけた電話のうち、どれだけが担当者につながったかを示すのが接続率です。
接続率:担当者につながった割合
接続率は、かけた電話のうち、話したい担当者本人につながった割合です。
受付で止められた電話や、留守番電話に切り替わった電話は、つながった数に入れません。
受付止まりを接続に数えると、率は高いのに商談が生まれないという、数字と現場の実感の食い違いが起きます。
・意味:架電のうち、担当者本人につながった割合
・計算式:接続率=担当者につながった件数÷架電数×100
・使いどころ:電話をかける時間帯や、相手の部署の選び方を見直す
担当者の名前まで特定してから電話をかけると、受付を通りやすくなり、この率も上向くのが一般的です。
つながった相手が決める立場の人かどうかまで分けて見ると、商談の質も予測できます。
決裁者接続率:決める人と話せた割合
決裁者接続率は、かけた電話のうち、導入を決める立場の人と話せた割合です。
式は、決裁者接続率=決裁者と話せた件数÷架電数×100で表せます。
分母を架電数ではなく接続数にする流儀もあるため、どちらを使うかを社内で1つに決めておくことが大切です。
担当者とだけ話を進めた商談は、最後の段階で決裁者の反対にあい、振り出しに戻ることがよくあります。また、商談の内容も正しく伝わらないことも考えられます。
早い段階で決める人と話せれば、予算の時期や決め方の手順を聞けるため、商談が止まる場所を前もって減らせます。
この率が低いままなら、電話をかける部署や役職の選び方から見直すのが近道です。
電話の先にある成果として、取れた商談の約束そのものはアポ獲得数で数えます。
アポ獲得数:取れた商談の約束の数
アポ獲得数は、インサイドセールスが取りつけた商談の約束の数です。
フィールドセールスへ渡す量そのものを表すため、多くの会社がインサイドセールスの目標に置いています。
ただしアポの数だけを追うと、受注の見込みが薄い約束まで数に入れてしまう動きが生まれがちです。
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項目 |
内容 |
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意味 |
期間中に取れた商談の約束の数 |
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計算式 |
アポ獲得数=期間中に日時が決まった商談の約束の件数 |
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使いどころ |
フィールドセールスへ渡す量が、目標に足りているかを見る |
アポ数だけで評価せず、その先の受注率まで並べて見れば、数を稼ぐための無理なアポが減ります。
取れた数がわかったら、かけた電話に対して何%がアポになったかも確かめておくべきです。
アポ率:架電からアポになった割合
アポ率は、かけた電話のうち何%が商談の約束につながったかを示す、トークの効き目を映す指標です。
同じ架電数でもアポ率が違えば、取れるアポの数には差が開きます。
率の低い担当者を責める前に、話す順番や相手の選び方を見直すのが先決です。
・意味:架電のうち、アポになった割合
・計算式:アポ率=アポ獲得数÷架電数×100
・使いどころ:トークの内容や話す順番を変えた効果を比べる
率の高い担当者の話し方を書き出して共有すると、チーム全体の率を底上げできます。
電話だけでなく、リード全体から見て商談に進んだ割合を測る指標もあります。
商談化率:リードから商談になった割合
集めたリードのうち、実際に商談まで進んだのは何%か、すぐに答えられますか?
答えられないなら、リードの獲得から商談までのどこで止まっているかも見えていないことになります。
商談化率は、リード数を分母にして、商談になった数の割合を示す指標です。
接触から商談までの進み具合を段ごとに並べると、止まっている場所が数字で特定できます。
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項目 |
内容 |
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意味 |
リードのうち、商談に進んだ割合 |
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計算式 |
商談化率=商談数÷リード数×100 |
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使いどころ |
リードの獲得から商談までのどの段で止まっているかを探す |
分母をリードにするかアポにするかで同じ月でも値が変わるため、報告のたびに分母を書き添えるのが安全です。
商談になった数の中にも、受注まで見込めるものとそうでないものが混ざっています。
有効商談数:受注が見込める商談の数
有効商談数は、商談のうち、受注の見込みがあると判断できるものの数です。
何をもって有効とするかの基準は、会社ごとに違います。
SQL(営業が確認した見込み客)と同じ意味で使う会社もあれば、分けて使う会社もあるのが実態です。
基準があいまいなまま数えると、担当者によって有効の判断がぶれ、数字の比較ができなくなります。
数え方は、自社で決めた基準を満たした商談を期間ごとに足し上げるだけです。
基準は、受注した商談と失注した商談の違いを見ながら、定期的に直します。
商談の総数ではなく有効な商談の数を追えば、受注につながらない約束に営業の時間を使う無駄が減ります。
この数を取れたアポの数で割ったものが、アポの質を測る有効商談化率です。
有効商談化率:アポが有効商談になる割合
有効商談化率は、取れたアポのうち何%が有効商談になったかを示す、アポの質を確かめる指標です。
アポの数より先にこの率を見ると、数を追うあまり質が落ちていないかを早くつかめます。
KPIの起点を有効商談化率に置くと、ターゲットの選び方やトークまで質を重視した形に組み直せます。
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項目 |
内容 |
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意味 |
アポのうち、有効商談になった割合 |
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計算式 |
有効商談化率=有効商談数÷アポ獲得数×100 |
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使いどころ |
アポの量と質のどちらに課題があるかを切り分ける |
アポを取る人と商談を進める人を分けている組織では、この率が両者の受け渡しの質を映す数字です。
アポの質を左右するもう1つの要素が、リードを得てから最初に連絡するまでの速さです。
初回接触までの時間:リード獲得後の反応速度
初回接触までの時間は、リードを獲得してから最初に連絡するまでにかかった時間の平均を表します。
資料を請求した直後は、相手の関心が最も高い時間帯です。
連絡が翌日以降になると、相手はすでに他社の資料も見比べ始めていることがあります。
最初の連絡は、早いほど有利です。
・意味:リード獲得から最初の連絡までにかかった時間の平均
・計算式:初回接触までの時間=(最初の連絡の時刻−リード獲得の時刻)の合計÷リード数
・使いどころ:連絡の担当や順番の決め方が、速さを保てているかを見る
夜間や休日に来たリードの扱いを決めておかないと、平均の時間がその分だけ延び、実態より遅く見えてしまいます。
インサイドセールスが渡した商談を受けて、受注まで進めるのがフィールドセールスの役目です。
〈フィールドセールスのKPI 9選〉
商談数:実際に会って話した件数
商談数は、フィールドセールスが顧客と実際に会って話した件数で、オンラインでの面談も含めて数えます。
アポの数とは違い、日程の変更や当日の取り消しで流れた約束は入りません。
アポは多いのに商談数が少ないなら、約束から当日までのあいだに相手の関心が冷めている合図です。
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項目 |
内容 |
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意味 |
顧客と実際に会って(オンライン含む)話した件数 |
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計算式 |
商談数=期間中に実施した商談の件数 |
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使いどころ |
アポとの差から、約束が流れている度合いを確かめる |
前日の確認の連絡や、事前に送る資料の工夫で、アポと商談数の差は縮められます。
会って話した商談のうち、提案まで進めたかどうかを次の指標で数えます。
提案数:見積もりや提案を出した件数
提案数は、見積もりや提案書を顧客に出した件数です。
商談数と並べると、話はしたのに提案まで進まない商談がどれだけあるかが見えてきます。
初回の商談で相手の課題を聞き切れないと、提案の材料がそろわず、次の約束も取れないのが現実です。
・意味:見積もりや提案書を出した件数
・計算式:提案数=期間中に出した見積もりと提案書の件数
・使いどころ:商談数との差から、提案に進めない理由を探す
商談の前に顧客の情報や想定の課題をそろえておくと、初回の商談から提案につなげやすくなります。
商談と提案が実際に契約まで届いたかを測るのが、次の受注率です。
受注率:商談から受注した割合を見る
受注率は、商談のうち何%が契約まで進んだかを示し、フィールドセールスの最終の成果を映します。
分母を商談数にするか提案数にするかで値が大きく変わるので、分母を必ず書き添えるのが決まりです。
アポの数だけを追っていると、受注率が下がっても原因がアポの質にあるとは気づけません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
商談のうち、受注した割合 |
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計算式 |
受注率=受注数÷商談数×100 |
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使いどころ |
アポの質と商談の進め方のどちらに課題があるかを見る |
アポ数だけでなく受注率まで並べて追えば、インサイドセールスとフィールドセールスが同じゴールを見て動けます。
率と並んで、月に何件を契約できたかという件数そのものも欠かせない数字です。
受注数:月に契約を取れた件数
受注数は、その月に契約を取れた件数で、営業の成果を最もわかりやすく示す数字です。
件数が同じでも契約の金額は1件ごとに違うため、新規MRRと必ず並べて見ます。
目標を件数だけで追うと、小口の契約が増え、売上は伸びないという事態も起こります。
件数と金額は別の数字です。
・意味:期間中に契約を取れた件数
・計算式:受注数=期間中に契約を結んだ件数
・使いどころ:新規MRRと並べ、件数と金額の両方で目標に届いたかを見る
受注数と新規MRRを同じ表に置いておけば、件数が伸びた月の金額の伸びも一目で比べられます。
件数と金額の関係をさらに細かく見るときに使うのが、1件あたりの契約金額です。
平均受注単価:1件あたりの契約金額
平均受注単価は、受注した契約1件あたりの金額の平均です。
ACVが1契約の年額を見るのに対し、平均受注単価は受注金額の合計を件数で割った平均を見る点が違います。
単価が下がっているのに気づかず件数だけを増やしても、売上の目標には届きません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
受注した契約1件あたりの金額の平均 |
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計算式 |
平均受注単価=受注金額の合計÷受注数 |
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使いどころ |
値引きの増え方や、狙う顧客の規模の変化を確かめる |
単価が下がり続けているときは、値引きが増えていないか、小口の顧客に偏っていないかを先に疑うべきです。
単価と並んで、1件の受注にかかる時間の長さも売上の見通しを左右します。
営業サイクル:商談から受注までの日数
営業サイクルは、商談を始めた日から受注した日までにかかった日数の平均です。
式は、営業サイクル=(受注日−商談開始日)の合計÷受注数で求めます。
法人向けのSaaSでは、担当者、部長、役員と決裁の段数が多いほど、この日数が長くなるのが普通です。
日数が延びた月は、決裁の途中で止まっている商談が増えていないかを点検する必要があります。
営業サイクルは、今月の商談がいつ売上になるかを読む手がかりにもなる数字です。
進行中の商談をまとめて金額で見るときは、次のパイプライン金額を使います。
パイプライン金額:進行中の商談の合計金額
パイプライン金額は、まだ受注にも失注にもなっていない進行中の商談の金額を合計したものです。
単純に足し合わせる方法と、商談の確度を掛けてから足す方法があり、どちらで見るかを先に決めます。
確度の判断が担当者によってばらつくと、確度を掛けた金額は信頼できない数字になりがちです。
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項目 |
内容 |
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意味 |
進行中の商談の金額の合計 |
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計算式 |
パイプライン金額=進行中の商談の金額の合計(確度を掛けるかを決める) |
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使いどころ |
来月以降の受注の見込みを、金額で把握する |
確度の段階ごとの定義をそろえておけば、パイプライン金額を会議でそのまま使える数字にできます。
合計の金額を目標と比べると、案件が足りているかを確かめられます。
パイプラインカバレッジ:目標の何倍の案件があるか
今の商談の量で、今期の目標に本当に届きますか?
その不安に答えるのが、パイプライン金額を目標額で割ったパイプラインカバレッジです。
商談の一部は必ず失注するため、目標と同じ額の商談しかなければ、目標に届かない計算です。
・意味:進行中の商談の総額が、目標額の何倍あるか
・計算式:パイプラインカバレッジ=パイプライン金額÷目標額
・使いどころ:期の途中で、新しい商談を増やす必要があるかを判断する
自社の過去の受注率から必要な倍率を逆算しておけば、足りない分を早めにインサイドセールスへ頼めます。
倍率の計算が当てになるかは、営業の予測そのものがどれだけ当たっているかに左右されます。
見込み精度:予測と実績のずれ具合
見込み精度は、月の初めに立てた受注の予測が、実際の受注とどれだけずれたかを示す指標です。
出し方は、実績を予測で割る方法と、予測と実績の差を予測で割る方法の2通りです。
予測が毎月のように外れる会社では、経営会議で営業の数字が信用されにくくなります。
一度失った信用は、簡単には戻りません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
受注の予測と実績のずれ具合 |
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計算式 |
見込み精度=実績÷予測×100(または(予測−実績)÷予測×100) |
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使いどころ |
予測の立て方や確度の判断が、実態に合っているかを確かめる |
どちらの式で出すかを、指標の定義をまとめた書類に書いておくのが、担当が替わっても数字をぶらさない方法です。
受注した顧客を引き継いで、使い続けてもらうための支援を始めるのがカスタマーサクセスです。
〈カスタマーサクセスのKPI 9選〉
オンボーディング完了率:初期設定を終えた割合
オンボーディング(導入初期の立ち上げ支援)の完了率は、新しく契約した顧客のうち、初期設定を終えた割合を示します。
初期設定でつまずいた顧客は、製品の良さを知る前に使わなくなり、解約に近づきます。
何をもって完了とするかを先に決めない限り、完了の判断は担当者ごとにばらばらです。
・意味:新規顧客のうち、初期設定を終えた割合
・計算式:オンボーディング完了率=初期設定を終えた顧客数÷新規顧客数×100
・使いどころ:導入初期のゴールに届かない顧客を、早く見つけて支援する
導入初期のゴールを「主な機能を一度使う」のように具体的に決めると、完了の判断がそろいます。
設定を終えた顧客が、実際に効果を感じるまでの時間も測っておくべきです。
Time to Value:効果を感じるまでの日数
Time to Value(効果を感じるまでの時間)は、契約した日から、顧客が製品の効果を初めて感じた日までの日数です。
計算では、この日数を顧客ごとに出し、その平均を取ります。
何をもって効果を感じたとするかの判定が、この指標の難しいところです。
「最初のレポートを作った日」や「チームの全員がログインした日」など、自社の製品に合った出来事を1つ決めるのが出発点です。
判定の出来事があいまいなままだと、担当者ごとに日数の数え方が変わり、改善したかどうかを誰も説明できなくなります。
この日数が短いほど、顧客は早い段階で製品の価値を実感し、使い続ける理由を持てます。
効果を感じたあとも使い続けているかを映すのが、実際に使っている人の割合です。
アクティブ率:実際に使っている人の割合
アクティブ率は、契約しているアカウントのうち、期間中に実際に製品を使った人の割合です。
契約が続いていても、使っている人が減っていれば、更新の時期に解約される可能性が高まります。
利用の頻度を毎週や毎月の決まった時点で見ることが、使われなくなる兆しを早くつかむ手がかりです。
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項目 |
内容 |
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意味 |
契約アカウントのうち、期間中に使った人の割合 |
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計算式 |
アクティブ率=期間中に使った利用者数÷契約しているアカウント数×100 |
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使いどころ |
使われなくなった顧客を見つけ、解約の前に声をかける |
率が下がった顧客には、使い方の案内や説明会への招待を送るなど、早めに手を打てます。
使っている人の中でも、どの機能まで使われているかで定着の深さが変わります。
機能利用率:主な機能が使われた割合
機能利用率は、実際に使っている人のうち、製品の主な機能を使った人の割合です。
ログインはしていても、主な機能を使っていなければ、製品の価値の一部しか届いていません。
機能の使われ方を決定した時点で見ると、どの機能が定着していないかがわかります。
・意味:アクティブな利用者のうち、主な機能を使った人の割合
・計算式:機能利用率=主な機能を使った利用者数÷アクティブな利用者数×100
・使いどころ:使われていない機能の案内や、活用の提案の順番を決める
使われていない機能が上位プランの目玉なら、その機能の活用支援は、そのままアップセルの下準備です。
ここまでの利用の数字を1つにまとめて、解約しそうな顧客を探す方法もあります。
ヘルススコア:解約リスクを点数で見る
解約しそうな顧客を、担当者の勘ではなく数字で見つける方法はありますか?
その答えになるのがヘルススコア(顧客の健康状態を表す点数)です。
利用の頻度、機能の使われ方、問い合わせの数、契約の状況などを点数にして、1つにまとめます。
決まった計算式はありません。
業種や規模、利用状況、契約状況で顧客を分けたうえで、解約しそうな顧客の条件を先に決めておくのが作り方の順番です。
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項目 |
内容 |
|
意味 |
利用頻度・機能利用・問い合わせ・契約状況などを点数にまとめたもの |
|
計算式 |
ヘルススコア=各項目の点数×配点の合計(項目と配点は自社で決める) |
|
使いどころ |
点数の低い顧客から順に、支援の手を回す |
実際に解約した顧客の点数を振り返って配点を直すと、スコアの当たり方が少しずつ良くなります。
利用の数字とは別に、顧客の気持ちを直接たずねて数える指標もあります。
NPS:人に勧めたい度合いを見る
NPS(顧客推奨度)は、製品を知人や同僚に勧めたいかを、0から10の11段階でたずねて出す指標です。
9か10と答えた人を推奨者、0から6と答えた人を批判者として分けるのが基本の数え方です。
総務省の資料でも、推奨者の割合から批判者の割合を引く計算として紹介されています。
(参考:指定管理者制度の運用状況に関する実態調査 事例集|総務省)
満足度の平均点だけを見ていると、強く勧めてくれる顧客と不満を抱える顧客が混ざり、差が見えません。
・意味:製品を人に勧めたい度合い
・計算式:NPS=推奨者の割合−批判者の割合
・使いどころ:顧客との関係全体が良くなっているかを、四半期ごとに見る
批判者に理由を聞いて開発や支援の改善へ戻せば、点数を上げるだけでなく解約の兆しも拾えるのが、NPSを使う利点です。
関係全体を見るNPSに対し、1回ごとの対応への満足を測るのがCSATです。
CSAT:対応への満足度を点で見る
CSAT(顧客満足度)では、問い合わせへの対応や説明会など、1回ごとのやり取りに顧客が満足したかを測ります。
NPSが製品や会社との関係全体を見るのに対し、CSATの対象は目の前の1回の対応です。
関係全体の点数だけでは、どの対応が不満の原因になったのかまでは突き止められません。
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項目 |
内容 |
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意味 |
1回の対応に満足したと答えた人の割合 |
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計算式 |
CSAT=満足と答えた数÷回答数×100 |
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使いどころ |
問い合わせ対応や説明会の質を、回ごとに比べる |
満足と答えなかった回答を対応の種類ごとに分ければ、改善すべき対応の手順を特定できます。
対応の満足度を左右する要素の1つが、最初の返事までの速さです。
初回応答時間:問い合わせへの返事の速さ
初回応答時間では、顧客から問い合わせを受けてから最初の返事をするまでの時間を、平均して見ます。
困っている顧客にとって、返事を待つ時間はそのまま製品への不満の種です。
最初の返事は解決策でなくてもかまいません。
・意味:問い合わせから最初の返事までにかかった時間の平均
・計算式:初回応答時間=(最初の返事の時刻−問い合わせの時刻)の合計÷問い合わせ数
・使いどころ:問い合わせの受け方や担当の割り振りが、速さを保てているかを見る
一次対応の段階で解約の兆しにつながる内容を整理し、担当者へすぐ渡す流れを決めておくと、守れる顧客が増えます。
顧客を守る数字のあとに残るのが、既存顧客の売上を伸ばす側の指標です。
アップセル率:上位プランへ移った割合
アップセル率は、期首にいた顧客のうち、上位プランへ移った顧客が何%いたかを示します。
拡大MRRが増えた金額を見るのに対し、アップセル率の対象は顧客数の割合です。
金額だけを追っていると、少数の大口の増額に頼った成長になっていても気づけず、その顧客が離れた月に売上が一気に崩れます。
|
項目 |
内容 |
|
意味 |
上位プランへ移った顧客の割合 |
|
計算式 |
アップセル率=上位プランへ移った顧客数÷期首の顧客数×100 |
|
使いどころ |
更新の時期に合わせた上位プランの提案が、どれだけ届いたかを見る |
更新の見込みとアップセルの時期を顧客ごとに設計しておくことが、提案のタイミングを逃さない秘訣です。
ここまで71個の指標を紹介しましたが、事業の段階によって先に追うべき指標は変わります。
BtoB SaaSのKPIを事業の段階別に選ぶ3つの基準
段階①:立ち上げ期は継続率を見る
立ち上げ期に最初に見るべきなのは、獲得の数ではなく、契約した顧客が残っているかを示す継続率です。
顧客が残らないまま獲得を増やすと、底に穴の空いたバケツへ水を注ぐような状態になります。
見る指標を一度に増やすと、どれも追い切れなくなります。
この時期は、次の3つに絞れば十分です。
・GRR:既存顧客の売上が、解約と縮小でどれだけ減ったかを見る
・コホート継続率:どの月に契約した顧客が残りにくいかを見る
・オンボーディング完了率:初期設定でつまずく顧客がいないかを見る
3つとも、売上の数字より早く、製品が顧客に根づいているかどうかを映します。
継続の土台ができたら、次に見るべきは、費用をかけて獲得を増やす段階の効率の指標です。
段階②:拡大期は獲得効率を見る
拡大期は広告や営業の人員に費用をかけて獲得を増やす時期なので、獲得の効率を中心に見ます。
獲得の数だけを追って効率を見ないと、売上が伸びているのに現金が先に尽きる事態が起こります。
伸びと現金は別の話です。
費用を増やす判断の前に、3つの問いに数字で答えられるかを確かめます。
|
見るKPI |
答える問い |
見直す先 |
|
CAC回収期間 |
かけた費用は何か月で戻るか |
価格、粗利率、獲得の手段 |
|
LTV/CAC |
1社から得る粗利が獲得費用を上回るか |
狙う顧客の規模や解約の防ぎ方 |
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マジックナンバー |
増やした営業とマーケティングの費用が売上に変わっているか |
費用を増やす部門と時期 |
3つのうち1つでも悪化しているなら、獲得の量を増やす前に、費用の使い方を見直す合図です。
獲得の効率が安定し、伸びが落ち着いてきた会社では、成長と利益の釣り合いが次の論点になります。
段階③:安定期は利益と成長の両立を見る
伸びが落ち着いた安定期には、成長率と利益率を別々ではなく、足し合わせて見るのが基本です。
売上の伸びが鈍ると、費用を削って利益を出したくなります。
しかし削りすぎれば、翌年の成長の種まで失います。
そこで使うのが、先に紹介したRule of 40とNRRです。
成長率と利益率の合計を毎期そろえて見れば、成長を削らずに利益を出せているかを判断できます。
NRRが100%を超えている会社は、新規の獲得を抑えても既存顧客だけで売上を伸ばせる状態です。
反対にNRRが100%を下回る会社では、獲得の費用を絞ると、既存顧客の目減りを新規で埋めきれなくなります。
段階ごとに選んだKPIを部門をまたいで使うために欠かせないのが、最終目標から枝分かれする1本のツリーです。
BtoB SaaSのKPIツリーを作る3つの手順
手順①:最終目標をARRで決める
KPIツリーの頂点には、会社全体で目指す最終目標として、期末のARRを置きます。
各部門が自分の持ち場の数字だけを追っていると、会議のたびに話が食い違います。
マーケティングは見込み客の数、営業は受注数と、共通の物差しがないまま成果を語るからです。
無料登録から商談化まで段階ごとにKPIを置き、KGIとひもづけておく考え方が、ツリーづくりの出発点です。
①期末のARRの目標を決める
②今のARRとの差を出す
③差を、月ごとに必要な純新規MRRに直す
④決めた数字をKGIとして全部門で共有する
頂点の数字が1つに決まると、各部門のKPIは「その差をどう埋めるか」という同じ問いへの答えになります。
埋めるべき差がわかったら、それを新規と既存のどちらの売上で埋めるかに分けるのが次の手順です。
手順②:新規と既存の売上に分ける
ARRが増える道は、新しい顧客から得る売上と、今いる顧客から得る売上の2つしかありません。
既存の売上はさらに、増える分と減る分に分けて考えます。
3つに分けた先ごとに、つながるKPIと担当する部門が自然に決まるのが、この分け方の利点です。
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分ける先 |
含める売上 |
つながるKPI |
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新規 |
新規MRR |
リード数・商談化率・受注率 |
|
既存の増加 |
拡大MRR |
アップセル率・NRR |
|
既存の減少 |
縮小MRRと解約MRR |
GRR・ヘルススコア |
減少の枝を省いて新規だけを伸ばしても、解約と縮小で減った分だけARRは目標に届きません。
枝分かれさせたKPIのうち、どこで数字が止まっているかを探すのが最後の手順です。
手順③:止まっている段を見つける
ツリーができたら、すべての枝を同時に直そうとせず、数字が止まっている段を1つだけ探します。
接触から商談、商談から受注までの進み具合を見比べれば、どこで流れが細くなっているかがわかります。
直す段を絞り込むほど、限られた人手を一点に集められるのが強みです。
①段ごとの転換率を横に並べる
②前の月や前の期の数字と比べる
③落ち幅が最も大きい段を1つ決める
④その段のKPIにだけ、次の目標を置く
目標を置く段を1つに絞ると、翌月にその打ち手が効いたかどうかを迷わず判断できます。
ツリーの数字を部門をまたいで比べるには、各指標の決まりごとを1つの書類にそろえておく必要があります。
BtoB SaaSのKPI定義書に入れる5つの項目
項目①:指標の正式名称と略し方
定義書の最初の欄は、部門をまたいで1つに決めた指標の正式名称と略し方を書く場所です。
同じ呼び名でも、部門によって指している中身が違うことは珍しくありません。
たとえば同じ「解約率」でも、顧客の数で見る率と売上の金額で見る率では、まったく別の数字です。
|
書く欄 |
書き方の例 |
書かないと起きること |
|
正式名称 |
カスタマーチャーンレート(顧客数で見る解約率) |
似た名前の指標と取り違える |
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略し方 |
社内の資料ではカスタマーチャーンと書く |
資料ごとに書き方が変わり、探しても見つからない |
|
社内での呼び名 |
会議で「解約率」と呼ぶときはこの指標を指す |
部門ごとに別の指標を思い浮かべる |
名前の決め方は地味な作業ですが、ここがそろわないと後の計算式の議論まで食い違います。
名前の次にそろえたいのが、その指標を何で割るかという計算式の中身です。
項目②:計算式と分母に入れる範囲
同じ「商談化率」なのに、部門ごとに数字が違ったことはありませんか?
多くの場合、原因は分母に入れる範囲が部門ごとに違うことにあります。
同じ名前の指標でも、分母が違えば、それはもう別の数字です。
たとえば商談化率の分母をリードにするかアポにするかで、同じ月でも値はまったく違ってきます。
マーケティングがリードを、インサイドセールスがアポを分母に使えば、同じ会議に2つの商談化率が並びます。
定義書には、計算式とあわせて、分母に何を含めて何を除くかを1行で書き添えるのが確実です。
受注率や見込み精度のように、式の取り方が2通りある指標ほど、この1行が効きます。
分母の範囲まで書いておけば、数字が食い違ったときも、どちらの式で出したかをすぐにたどれます。
式と分母の次に決めておくべきなのが、いつからいつまでの数字を集計するかという期間の区切りです。
項目③:集計する期間と締め日
集計の期間と締め日を決めておかないと、同じ指標でも出す人によって値が変わります。
月末で締めるか、契約日ごとに1か月を数えるかで、その月に入る解約や新規の件数が変わるためです。
特に期首の顧客数を何日時点で取るかは、解約率やNRRの分母を直接動かします。
|
決める項目 |
決め方の例 |
ずれると困ること |
|
集計の単位 |
月ごと、四半期ごとのどちらで出すか |
月次と四半期の率を並べて比べてしまう |
|
締め日 |
毎月末日の時点で締める |
月をまたいだ契約が、どちらの月に入るかがぶれる |
|
期首と期末の取り方 |
期首は前月末日、期末は当月末日の数で取る |
解約率やNRRの分母が人によって変わる |
締め日を1つに決めるだけで、月をまたぐ契約の扱いをめぐる確認の手間がなくなります。
期間が決まったら、その数字を誰がどの道具から出すかも書いておくべきです。
項目④:数字を出す担当と道具
定義書には、各指標の数字を出す担当者と、元のデータがある道具も書いておきます。
出す人が決まっていないと、会議の直前に違う数字が持ち寄られ、どれが正しいかの確認から始まります。
決めておきたいのは、次の3つです。
・担当の部門と人:その数字に責任を持つ部門と担当者の名前
・元データのある道具:商談の管理や会計など、数字を取り出す道具の名前
・出す日:毎月何日までに、どこへ数字を置くか
担当と出す日がはっきりすれば、数字の食い違いは会議の前に担当者どうしで解消できます。
出す人と道具の次に決めておきたいのが、定義を変えたときの記録の残し方です。
項目⑤:変えた日と変えた理由
指標の定義は事業に合わせて見直すのが普通ですが、変えた記録がないと過去の数字と比べられなくなります。
たとえば商談化率の分母をリードからアポに変えた月から、率が急に上がったように見えることがあります。
実際には、成果が伸びたのではなく、数え方が変わっただけです。
|
残す項目 |
書き方の例 |
残さないと困ること |
|
変えた日 |
2026年4月1日の集計から適用 |
どの月から数え方が変わったかがわからない |
|
変えた内容 |
分母をリード数からアポ獲得数に変更 |
前後の数字をそのまま比べてしまう |
|
変えた理由 |
部門ごとの分母をそろえるため |
後から同じ議論を繰り返す |
変更の履歴が残っていれば、前年と比べるときも、同じ数え方に直してから比べられます。
定義書がそろったら、その数字を日々の仕事でどう回すかが次の課題です。
BtoB SaaSのKPIを運用する3つのコツ
コツ①:見る頻度を指標ごとに決める
KPIは、動きの速さに合わせて、毎日見るもの、毎週見るもの、毎月見るものに分けると運用が楽になります。
すべての指標を毎日見ようとすると、集計に追われて、数字から次の手を考える時間がなくなります。
日々の活動の数字は日次や週次のレポートで、売上の数字は月次で見るのが基本の分け方です。
・毎日:架電数やアポ獲得数のような活動の量
・毎週:商談化率やパイプライン金額のような進み具合
・毎月:MRR・GRR・NRRのような売上と継続の結果
頻度を分けておけば、毎日の集計は活動の数字だけで済み、月に1回の振り返りに時間をかけられます。
見る間隔の次に工夫したいのが、結果の数字と、その手前で先に動く数字の組み合わせ方です。
コツ②:先行指標と結果指標を組む
結果の数字だけを追っていると、悪化に気づいたときにはすでに手遅れです。
新規MRRや解約MRRは月が締まってから確定する結果指標で、数字が出た時点ではその月の手はもう打てません。
そこで、結果より先に動く先行指標を組み合わせて見ると、月の途中で手を打てます。
KPIの起点を有効商談化率に置く考え方は、その代表例です。
|
結果指標 |
先に動く指標 |
見えること |
|
新規MRR |
有効商談化率 |
来月以降の新規の売上が足りるか |
|
解約MRR |
アクティブ率・ヘルススコア |
解約の連絡が来る前の兆し |
|
拡大MRR |
機能利用率 |
上位プランを提案できる顧客がいるか |
先行指標が動いた時点で手を打てば、結果指標が悪化する前に流れを戻せます。
先行指標の動きを次の行動に変えるには、決まった間隔で集まって数字を確かめる場が必要です。
コツ③:週1回の定例で次の動きを決める
KPIの定例は、数字を報告して終わる場ではなく、その週の動きを1つ決める場です。
数字を読み上げるだけの会議を続けても、翌週の数字は何も変わりません。
報告は事前に共有したレポートで済ませ、会議の時間は止まっている段の話に充てるのが基本です。
進め方は、先週決めた動きの結果を確かめるところから始めます。
次に止まっている段を1つ選び、その週に誰が何をするかを、担当者の名前と期日まで決めます。
決めるのは1つで十分です。
毎週1つずつ手を打てば、1か月で4回、打ち手の効き目を見直せます。
こうした運用を続けていても、KPIの設計そのものでつまずいていませんか?
BtoB SaaSのKPI設計でよくある3つの失敗
失敗①:見る指標を増やしすぎる
一覧の71個を全部追おうとすると、集計の手間ばかりが増え、肝心の打ち手が決まりません。
指標を増やせば安心できる気がしても、現場の担当者が毎週の仕事の中で実際に追える数は、ごく限られています。
段階別に選ぶ基準で紹介したように、まずは事業の段階に合わせて数を絞るのが先です。
|
課題 |
対処法の例 |
確かめ方 |
|
会議で見る数字が多すぎる |
段階に合わせて、全社で見るKPIを数個に絞る |
会議で使わなかった指標が毎月残っていないか |
|
部門ごとに指標が増え続ける |
新しい指標を足すときは、1つ外すと決める |
定義書の指標の数が増え続けていないか |
|
集計に時間を取られる |
毎月見る指標と四半期で見る指標を分ける |
集計にかかる時間が減っているか |
指標を減らしても、外した数字は定義書に残しておけば、必要なときにいつでも追い直せます。
数を絞るときに、後回しにされやすいのが解約の数字です。
失敗②:解約の数字を後回しにする
獲得の数字ばかりに目が向くと、解約の兆しに気づくのが遅れがちです。
SaaSの解約は利用が減ってから連絡が来るまでに間があり、連絡が来た時点ではほとんど止められません。
後回しにしたときに起きることと、その対処法は、3つに整理できます。
・新規の伸びが解約で消えても気づかない:解約MRRを、立ち上げの時期から毎月追う
・解約の連絡が来てから慌てる:アクティブ率やヘルススコアを、先行指標として置く
・どの時期の顧客が離れやすいかわからない:コホート継続率で、契約した月ごとに比べる
解約をKPIとして早くから置くことが、獲得にかけた費用を無駄にしない一番の守りです。
ただし解約の指標を置いていても、GRRとNRRを取り違えると、判断を誤ります。
失敗③:GRRとNRRを取り違える
NRRが100%を超えていれば、解約は心配いらないと考えていませんか?
NRRは拡大分を含むため、大口の増額があれば、解約が増えていても100%を超えることがあります。
解約そのものの増減を映すのは、拡大分を含まないGRRのほうです。
NRRが100%を超えていても、GRRが下がっていれば、解約や縮小は確実に増えています。
見るべきはGRRの向きです。
|
比べる点 |
GRR |
NRR |
|
拡大分を入れるか |
入れない |
入れる |
|
100%を超えるか |
超えない |
超えることがある |
|
何がわかるか |
解約と縮小でどれだけ売上が減ったか |
拡大を含めて既存顧客の売上が増えたか |
2つを同じ表に並べておけば、増額の陰で進む解約を見落とさずに済みます。
部門ごとのKPIを毎月正しく出すために、次に整えたいのが、手作業に頼らずデータを集める道具です。
BtoB SaaSのKPI管理に使う3つの道具
道具①:SFAで商談の数字を集める
SFA(営業支援システム)を使うと、商談の数字を手入力の表に転記せずに集められます。
営業の担当者が日々の商談を記録するだけで、集計は道具の側で済むためです。
2022年版の中小企業白書では、営業の分野でITツールを入れた企業は、効果を実感しやすい傾向が示されています。
(参考:2022年版 中小企業白書 第2節 中小企業におけるデジタル化とデータ利活用|中小企業庁)
SFAから取り出せる主な数字は、次の3つです。
・商談数:記録された商談の件数を、期間ごとに自動で数える
・受注率:商談の結果から、受注した割合を出す
・パイプライン金額:進行中の商談の金額を、確度ごとに合計する
入力の項目と選択肢を定義書と合わせておかないと、道具を入れても数字は人によってばらつきます。
商談の数字がそろったら、次に要るのはマーケティングやカスタマーサクセスの数字と1本につなぐ道具です。
道具②:BIで部門の数字をつなぐ
BI(データを集めて見える形にする道具)を使えば、部門ごとに別の道具にある数字を1つの画面で並べられます。
マーケティング、営業、カスタマーサクセスの数字が別々の道具にあるままでは、KPIツリーは1本につながらないのが実情です。
2024年版の中小企業白書では、顧客データの一元管理に取り組む割合は、DXが進んだ企業ほど高いと示されています。
(参考:2024年版 中小企業白書 第7節 DX|中小企業庁)
|
つなぐデータ |
元の道具 |
見えること |
|
見込み客の数と質 |
マーケティングの管理の道具 |
どの集客の手段が受注まで進むか |
|
商談と受注 |
SFA |
段ごとの転換率と止まっている段 |
|
利用と契約 |
製品の利用記録と請求の仕組み |
解約の兆しと拡大できる顧客 |
数字が1つの画面に並ぶと、集客の手段ごとに、受注後の継続率まで追えるようになります。
ただし最初からすべてを道具でつなぐ必要はなく、表計算から小さく始めるのも1つの手です。
道具③:表計算で小さく始める
KPIの管理は、最初から高い道具を入れなくても、定義書と表計算のシートで始められます。
道具を入れる前に必要なのは、何をどう数えるかという決まりのほうだからです。
定義が決まらないまま高い道具を入れても、入力の項目が定まらず、使われないまま終わることがよくあります。
まずは段階に合わせて選んだ数個の指標を、月ごとに1行ずつ記録するシートから始めます。
手で集める手間が重くなってきたら、それが道具を入れる合図です。
シートで回した経験があれば、道具を選ぶときに、必要な機能と要らない機能を自分たちで見分けられます。
ここからは、BtoB SaaSのKPIについてよく寄せられる質問に答えます。
BtoB SaaSのKPIに関するよくある質問
Q:BtoB SaaSとは何ですか?
BtoB SaaSは、企業向けのソフトウェアを、インターネット経由で月額や年額の料金で提供する事業の形です。
総務省の情報通信白書では、SaaSはアプリケーションの機能をサービスとして提供するものと説明されています。
(参考:平成30年版 情報通信白書 クラウドサービスの概要|総務省)
情報通信白書によると、日本のパブリッククラウドサービス市場は、2023年に3兆1,355億円となる見込みです。
前年比では25.8%増と、高い伸び率が示されています。
(参考:令和6年版 情報通信白書 クラウドサービス|総務省)
BtoB SaaSの特徴は次の3つです。
・買い切りではなく、利用した期間に応じて料金を払う
・自社で機器を持たず、インターネット経由ですぐに使い始められる
・提供する側が改良を続け、利用者は常に新しい版を使える
使い始めやすく市場が伸びている分、競争も激しくなり、限られた費用で成長を続けるためのKPIの設計が欠かせません。
成長と利益の釣り合いを測る考え方としてよく聞かれるのが、40%ルールです。
Q:SaaSにおける40%ルールとは?
40%ルールでは、売上成長率と利益率を足して40%以上なら、成長と利益の釣り合いが取れているとみます。
赤字でも成長率が高ければよく、成長が鈍っても利益が出ていればよいという見方を、1つの数字にまとめた点が特徴です。
計算式は一覧のRule of 40で紹介したとおりで、利益率にはEBITDAマージンを使うのが基本とされます。
現金の動きを重く見る会社では、FCFマージンを使う流儀もあります。
EBITDAは、営業利益に減価償却費を足した利益です。
(参考:収益力改善実務指針|中小企業庁)
FCFは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足した現金の増減を指します。
(参考:キャッシュフロー経営の基本|J-Net21)
どちらの利益率を使ったかを書き添えずに他社と比べると、同じ40%でも中身は別物です。
全体を1つの数字で見る考え方は、見るKPIの数をどう絞るかという最後の質問にもつながります。
Q:KPIはいくつが理想ですか?
KPIの数に決まった正解はなく、事業の段階と部門ごとに、追い切れる数まで絞るのが基本です。
全社で見るKPIと、部門ごとに見るKPIを分けて考えると、数の決め方に迷いません。
段階別に選ぶ基準と合わせると、考え方は表のように整理できます。
|
事業の段階 |
まず見るKPIの数の考え方 |
例 |
|
立ち上げ期 |
継続を確かめる少数の指標に絞る |
GRR・コホート継続率・オンボーディング完了率 |
|
拡大期 |
獲得の効率を見る指標を足す |
CAC回収期間・LTV/CAC・マジックナンバー |
|
安定期 |
成長と利益をまとめて見る指標を加える |
Rule of 40・NRR |
段階が進んでも、前の段階で見ていた指標を外さずに残すことが、数字の土台を崩さない条件です。
自社に合うKPIの絞り方を社内だけで決めきれないときは、外部の目を借りる方法もあります。
BtoB SaaSのKPIでお困りのことがあればスタジアムに無料で聞いてみよう!
KPIを並べてみたものの、会議で数字が食い違い、次の一手が決まらないまま月末を迎えていませんか?
指標を増やしても売上の伸びにつながらず、どこから直せばよいかわからない気持ちはよくわかります。
KPIの数字を動かすのは、結局のところ商談を生み、受注まで進める現場の営業活動です。
ツリーや定義書を整えても、止まっている段を動かす人手と手法がなければ、数字は変わりません。
だからこそ、KPIの設計と現場の営業活動を、外の目で一緒に見直すことが大切です。
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【38社比較】インサイドセールス代行の費用相場・料金を格安に抑える7つのコツ
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AI×インサイドセールスで成果を出す15のポイント・従来の営業がうまくいかない7つの課題
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インサイドセールスとインバウンド営業13の違い・組織の営業力を最適化する7つの手順
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インサイドセールスコンサルティング会社33選・支援領域別の選び方と料金相場を完全比較
【完全版】BtoBファネルとは・定義・5つの違い・3種類・フェーズ別施策9選の徹底ガイド
営業資産とは|BtoB営業組織の6つの無形資産・枯渇兆候5つ・蓄積施策7選の見取り図
潜在層・顕在層をファネル・ピラミッドで読み解く5段階分類・9手法・KPI設計【BtoB完全版】
飲食店で新規顧客を増やす21の施策・来店前/中/後の3フェーズで考える集客ロードマップ
【施策別23選】リードナーチャリング成功事例・5カテゴリの共通成功5ポイントとKPI設計
階層別+職種17選・営業の役職一覧|年収目安・キャリアパス・スキル5分類まで
【7カテゴリ別】リード獲得施策一覧39選|BtoB向け選び方・KPI4指標・成功3ポイント
再委託にあたらないケースとは・契約類型別5つの判断基準・契約書9つの書き方
BtoB営業とは?やり方・特徴17選を比較・BtoCとの違い
BtoB営業の業界ごとの違い13選・業界別の特徴と必要なスキル・向いてる業界の選び方を解説
BtoBとBtoCどっちがいい・15の違いで比較・収益と参入難易度から見る事業の選び方
SDRとBDRの違い13選・アウトバウンドの手法と使い分け・立ち上げ手順を徹底解説
27選法人営業スキル一覧・営業プロセス別の活用法と組織で底上げする方法
SQL・MQLの違い13選|BtoB現場の判定パターン早見表とスコアリング設計5ステップ
再委託と外注の違い13選・基礎知識5つと契約で失敗しない7つの注意点を徹底解説
人手不足で営業ができない5つの原因と対策15選・少人数でも成果を上げる方法
人的リソースの最適化・不足の7つの原因と確保を強化する方法13選・失敗しない進め方
営業力がある人の特徴33選・5つのカテゴリ別に徹底解説・今日から実践できる高め方
【19の方法】営業かけるとは・手法の全体像と選び方・成果を出すための5つのコツ
21選営業体制の構築と強化方法・属人化を脱却し仕組みで成果を出す実践ガイド
【メリット11選・ツール17選】営業の自動化とは・仕組みと選び方をまとめて解説
営業の改善提案ネタ・アイディア27選・小さな改善事例とネタ切れ時の見つけ方を解説
違い17選・法人営業と個人営業どっちがいい?向き不向きと転職での選び方を徹底比較
営業パーソンとは・役割と仕事の種類・活躍する人の特徴役割23選を徹底解説
21選・決裁者アプローチの方法・キーマンの見極め方・商談を成功させる7つのポイント
理由11・最新の方法13選・オンライン営業の新規開拓が難しい時に成果を出すアプローチ
【15の違い】インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの比較・使い分け・手法を解説
7つの計算式?LTVの算出方法・テンプレ・具体例付きで解説
37選アウトバウンド施策をチャネル別に徹底解説・成功のコツや進め方も紹介
17の違い・インバウンド営業とアウトバウンド営業を営業視点で比較・手法や使い分けも解説
【27選】アウトバウンドに強い電話代行会社を提供形態別に比較・選び方や料金相場も解説
31選・商談獲得サービスをタイプ別に徹底比較・料金体系や選び方・導入メリットも解説
例文29選・新規開拓の営業メールの書き方・件名・アポにつながるコツ完全ガイド
テンプレ33選・心に響く営業メールの例文・書き方・返信率を上げるコツを徹底解説
デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの違いと進め方
カスタマーサクセスのプロセスとは・4つのフェーズと組織立ち上げの手順を徹底解説
21の理由・カスタマーサクセスはやめとけ・辛いは本当か検証・向いている人も解説
【15の理由】カスタマーサクセスが楽しいと感じる瞬間・やりがいと向いている人を解説
ABX(アカウントベースドエクスペリエンス)とは・ABMとの違いと導入ステップを解説
11の違い・カスタマーサクセスと営業の違いとは・連携メリットと向いている人を解説
BPO会社一覧45選・大手中小を対応業務と規模で比較/選び方・費用相場も解説
インサイドセールスの課題23選・うまくいかない原因と解決策・外注の選択肢まで解説
37選アウトソーシング最新事例・業種別の成功例と費用相場・会社の選び方を解説
営業代行に適した業種31選・業界別に分類・向き不向き・費用徹底比較
テレアポ代行会社一覧【BtoBに強い27選】費用相場・成果報酬型の選び方・依頼の流れ
SPIN話法とは・メリット15選デメリット5選・シーン別の具体例例文41選を完全ガイド
without思考とは?顧客の課題起点で考える営業ヒアリング・実践法を解説
セールステックとは・17のカテゴリと9つの領域・主要ツールと選び方を徹底解説
【無料DL】営業リストテンプレートの項目具体例23選・エクセルでの作り方・管理のコツ
営業リストの作り方とは・13の手順を準備から運用まで徹底解説・情報収集のコツも紹介
営業アタックリストとは・作り方とメリット15選・営業リストとの違いや運用のコツも解説
営業アタックリストのテンプレート9選・25項目・エクセルでの作り方と運用のコツ
セールストーク例文51選・価格や効果の伝え方を場面別に徹底解説
営業戦術とは・成果を分ける具体例21選と戦略との違い・失敗しない立て方
49選・営業課題ランキング・課題の見つけ方11選・放置しない優先順位のつけ方
課題解決型営業とは・業界別19の実践例・従来営業との違い
場面別51選・営業日報の例文一覧・新規開拓から失注まで使える書き方とコピペ集
シーン別31選・リマインドメールの例文集・やんわり伝わる書き方とタイミング
具体例17選・提案型営業とは・15のメリットとルート営業との違い・すぐ使える提案トーク集
クロスセルの例文25選・アップセルの例文20選・違いと営業での使い方をシーン別に徹底解説
エンタープライズ営業の流れ13の手順・稟議を通す9つの実務・法務と購買の交渉論点
テレアポが取れる人の特徴21選・再現できる5つの時間帯・避けている無駄な作業
テレアポの1日100件は妥当か・13項目で診断・架電数の目安を7手順で算出する
インサイドセールスの架電数を増やす方法19選・伸びない5つの原因と1か月の進め方
17選・オンライン営業で新規開拓が難しい理由・仕組みで改善する11の対策
インサイドセールスの架電数の目安・数打ち型と質重視型で変わる件数の決め方
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カスタマーサクセスBtoBの立ち上げ15の手順・着手期から定着期までの進め方
インサイドセールス内製化のメリット7選・デメリット15選・外注と分ける7つの判断基準
営業代行と派遣の13の違い・活用方法11選・偽装請負を避ける5つのポイント
無形商材の営業代行会社一覧27選・選び方と売りにくさの型別に見る比較ポイント
営業代行の導入事例31選・課題と支援内容・成果・体制人数の増減まで業種別に解説
フィールドセールス外注のメリット13選・会社一覧21選・費用相場と選び方
準委任契約とは・営業代行で使う3種類と契約書の作り方13項目・トラブル対策
システム開発の営業代行会社一覧25選・受託開発の商流別に選ぶ基準と費用相場
商談数を増やす方法17選・目標から必要な人数と費用を逆算する3つの計算式
営業の人件費に含まれる17の費目・4つの計算式・外注費と比べる5つの軸
営業代行の初期費用17項目の内訳・削ってはいけない4項目・回収する5つの手順
スタートアップの営業代行は必要か・判断する13の基準と採用とのコスト比較6項目
休眠顧客の掘り起こし11の手法・7つの手順と5つのメリット・メール文面と架電トーク
大阪に強い営業代行会社一覧29選・選び方と料金体系4種の費用相場・早見表
無形商材とは 有形商材との違い13選・25の業界一覧
新規顧客開拓 成功事例33選・困りごと別に見る打ち手と共通する3つの要素
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