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カスタマーサクセスのQBRとは・資料の型と準備の手順17項目・解約の兆しの見つけ方

カスタマーサクセス(以下、CS)が開くQBRの意味と、資料の型・準備の手順を解説します。

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本記事を読むと分かること

・QBRの意味と定例会議との違い(四半期・成果・役員)
・資料7枚の型と準備の手順(議題・議事録・行動計画)
・解約の兆しの見つけ方と役員に見せる数字(解約率・ROI・KPI)

現場の営業担当者だけでなく、営業責任者必見の内容です。
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カスタマーサクセスのQBRとは?3つの基本

基本①:QBRは四半期ごとの振り返り

「QBR」とは、CSの仕事の中でどんな会議なのか。
QBRはQuarterly Business Reviewの略で、3か月ごとに顧客と成果や目標を確かめる会議です。
四半期ごとに開くため、日々のやり取りでは見えにくい変化を、まとめて振り返れます。
初めて任されたとき、何から話せばよいのか見当がつかず戸惑うのは自然なことです。
話す中身を毎回同じ順に並べ、前回と比べられる形にしておきます。 

・この3か月の成果:導入した仕組みで、先方の業務がどう変わったか
・うまくいかない点:使いこなせていない部分や、先方が抱える不満
・次の3か月の目標と行動:何を目指し、誰がいつまでに何をするか 

並びが固定されていれば、先方も前回との違いを比べながら話を聞けるようになります。
顧客と定期的に会う場は毎月の定例にもあり、両者の役割の違いを知ると使い分けに迷いません。

基本②:月の定例会議との違いを押さえる

月の定例は目の前の困りごとを片づける場で、QBRは3か月の成果を確かめて次の目標を決める場です。
どちらも顧客と会う会議のため、違いがあいまいなまま同じ資料を使い回してしまいがちです。
使い回すと、どちらも中途半端になります。 

比べる点

月の定例会議

QBR

開く間隔

毎月(目安)

3か月に1回(目安)

出る人

先方の現場の担当者

先方の役員や部門長、現場の責任者

話す中身

操作の疑問や目の前の困りごと

3か月の成果と、うまくいかない点

決めること

次の1か月の細かな作業

次の3か月の目標と行動計画

定例をやめてQBRに切り替えるのではなく、2つを組み合わせて使う考え方です。
定例で集めた困りごとと数字を、そのままQBRの材料に回します。
とくに定例の資料をそのまま出すと、役員の前で細かな操作の話が続き、経営の判断に使える話が残りません。
QBRの資料は、3か月分の変化が一目で見える形に組み直すのが基本です。
役割を分けておけば、QBRの限られた時間を細かな操作の質問に取られずに済みます。
2つの会議の違いの中でも、会議の性格を最も大きく変えるのは、出席する顔ぶれです。

基本③:役員層が参加する点が特徴

QBRには先方の役員や部門長が出るため、現場の相談ではなく、経営の判断の場になります。
予算や契約の更新を決める人が、導入の効果を自分の目で確かめられるからです。
ふだん役員と話す機会が少ないCS担当者が、何を話せばよいのか構えてしまうのは無理もありません。
よくあるのは、現場の担当者は満足していても、決裁者が効果を知らないまま更新を見送る場面です。
担当者の満足だけでは、更新は守れません。
役員が見る場だと意識し、現場の感想より、経営に効いた変化から話を始めます。
ただし、役員がそもそも出席しない会社もあり、出席してもらう工夫は後の原因の章で扱う論点です。
役員が出る会議にできれば、更新の判断を現場の担当者だけに任せずに済みます。
役員の時間をもらう会議だからこそ、CSの側も何のために開くのかを先に決めておくべきです。

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カスタマーサクセスがQBRを行う5つの目的

解約防止:不満と不安を早めに拾う

QBRを開く一番の目的は、解約につながる不満や不安を、契約の更新より前に見つけることです。
顧客が使い続ける割合をリテンション率、逆に解約率をチャーン・レートと呼びます。
(参考:中京大学学術情報リポジトリ)
解約の連絡が届いてから初めて不満を知り、もっと早く聞けていればと悔やむのはつらいものです。 

・使いこなせていない不満:操作が難しく、一部の機能しか使えていない
・効果が見えない不安:導入した成果を、社内で説明できる材料がない
・担当者の立場の弱さ:導入を決めた担当者が、社内で孤立しかけている 

どれも、ふだんの問い合わせには出てきません。
3か月ごとに先方の声を聞く場を設け、不満が言葉になる前に拾います。
更新の数か月前に兆しをつかめれば、立て直しの時間を確保できるのが強みです。
ただ、不満を拾うだけでは守りに偏るため、導入の効果を形にして見せる目的も欠かせません。

成果共有:導入の効果を数字で見せる

導入の効果を数字で見せると、先方の担当者が社内で成果を説明しやすくなります。
費用に見合う効果、いわゆるROI(投資に対する効果)を社内で問われるのは、たいていその担当者だからです。
手応えはあっても数字にまとめる時間がなく、感想だけの報告で終わってしまいがちです。 

見せるもの

例

先方に伝わること

減った作業の時間

月に〇時間の入力作業が減った

人手を別の仕事に回せたこと

増えた件数

処理できる件数が〇件増えた

同じ人数でこなせる量が増えたこと

使っている人の数

利用者が〇人から〇人に広がった

社内に定着しつつあること

感想だけでは、予算は守れません。
数字には必ず、いつと比べた増減なのかを添えて示します。
比べる相手がない数字は、役員から見ると多いのか少ないのかを判断できず、効果の証拠としては弱いままです。
感想と数字を並べて見せれば、現場の手応えにも裏づけが付きます。
担当者が自分の言葉で効果を語れるようになると、更新の話も先方の社内で通りやすくなります。
見せた成果をもとに、次の3か月で何を目指すのかを先方と決めることが、3つ目の目的です。

目標合意:次の四半期の目標を決める

次の3か月の目標を先方と一緒に決めると、次のQBRで成果を測る物差しができます。
自社だけで決めた目標には、先方が追いかける理由がありません。
先方が乗り気でないまま、自社の希望を並べただけで目標づくりが終わるのも、現場でたびたび見る光景です。
防ぐ手は、「来期は利用する部署を2つ増やす」のような目標を、先方の役員の言葉で決めてもらうことです。
先方が口にした目標なら、社内での説明も先方自身が引き受けてくれます。
目標の文言は自社が書き込まず、先方に言葉を選んでもらいます。
数字にすれば、次回の答え合わせが楽です。
共通の物差しがあれば、次のQBRで成果を巡って見解が食い違う事態を避けられます。
目標を決めてもらうには、その場に決める権限を持つ人がいることが前提になります。
関係強化:決裁者との接点を持つ
QBRは、ふだん会えない先方の決裁者と、直接話せる数少ない場です。
日々の連絡は現場の担当者とのやり取りに限られるため、決裁者の考えは人づてにしか届きません。
決裁者の顔を知らないまま更新の時期を迎えると、不安ばかりが募ります。
 
・経営の優先順位が聞ける:今期に何を重く見ているかを本人から聞ける
・更新の判断材料を直接渡せる:担当者を通さず、効果を伝えられる
・担当者が替わっても関係が残る:窓口が異動しても、決裁者とのつながりは続く

会議の最後に、決裁者へ次回も出席してほしいと一言添えます。
決裁者の関心を知っておくと、次に何を提案すべきかの見当もつけやすくなります。
その見当をもとに、追加で使える余地を探すことも、QBRを開く大切な目的の1つです。

拡大提案:追加で利用できる余地を探す

成果と課題を話し合う中で、他の部署や上位の機能で使える余地が見えてきます。
LTV(顧客生涯価値)を高めるには、解約を防いで契約期間を延ばすことが前提です。
そのうえで、アップセル(上位のサービスの契約)やクロスセル(関連分野のサービスの契約)で単価を上げます。
(参考:中京大学学術情報リポジトリ)
売り込みと思われるのが怖くて、追加の話を切り出しにくいのは当然です。 

余地の探し方

見る点

提案の例

まだ使っていない部署

同じ悩みを持つ部署が社内にあるか

隣の部署向けの利用説明会

使っていない機能

導入時に話した機能が使われているか

上位の機能のお試し利用

新しく出た課題

話し合いの中で新しい困りごとが出たか

関連する別のサービスの紹介

提案を出すのは、先方が自分の口で課題を話した後に限ります。
ヒアリングで出た課題に答える形で、別の提案につなげます。
先方の課題から出た提案なら、押し売りではなく相談として届きやすいのが利点です。
ここまでの目的を果たすには、それに沿った資料の型と準備の手順が欠かせません。

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カスタマーサクセスのQBR資料の型と準備の手順17項目

準備の手順

手順①:早めに開催の日程を押さえる

役員の予定は先まで埋まりやすいため、開催の1か月以上前を目安に日程を押さえます。
直前に声をかけると決裁者だけが出られず、決めたいことが決まらない会議になりがちです。
日々の対応に追われるうちに、気づけば開催の時期が迫っていたという状況は、誰にでも起こります。 

・候補日を複数出す:先方が社内で調整しやすいよう、3つ前後の候補を示す
・所要時間を伝える:60分など、空けてほしい時間の目安を先に伝える
・役員の出席を頼む:誰に出てほしいのかを、名前を挙げて担当者に伝える 

次回の日程は、QBRの終わりにその場で決めてしまいます。
これなら声かけの遅れは起きません。
日程が早く決まれば、準備の日数を開催日から逆算するのも簡単です。
日程と同時に、当日は誰が出て何を話すのかも、先方と相談して決めておきます。

手順②:参加者と役割を先方と決める

誰が出席し、誰がどの議題を話すのかは、先方の担当者と事前に決めておきます。
自社だけで出席者を決めると、先方の役員を呼べるのかどうかが最後までわかりません。
当日になって想定と違う顔ぶれがそろい、用意した話がずれてしまう事態は避けたいところです。 

決める項目

決め方の例

先方の出席者

「今回は部門長にもご同席いただけますか」と担当者に相談する

自社の出席者

契約の話が出そうなら営業、要望が多ければ開発担当も呼ぶ

それぞれが話す議題

課題は先方の現場責任者、方針は決裁者に話してもらう

話し手が決まれば、準備も分担できます。
出席者が決まったら、議題ごとの話し手を一覧にして担当者と共有します。
先方の役員に直接声をかけるより、担当者から社内で頼んでもらうほうが、担当者の顔を立てられて無難です。
話し手を決める相談も日程の連絡と同じ時期に済ませれば、準備に使える日数を減らさずに済む点も見逃せません。
先方の現場責任者に話す役を任せると、会議が自社の報告会になりにくく、先方も当事者として話し合いに加わります。
話す人が決まったら、次はその話の土台になる利用データ集めの番です。

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手順③:利用データを集めて整理する

毎回数時間かかるQBRの準備は、何から手をつければよいのか。
答えは、資料の土台になる利用データを、開催の2週間前を目安にそろえることです。
データがそろえば、資料に載せる中身は数字の変化から自然に決まります。
資料の見た目から作り始めてしまい、肝心の数字が足りずに前日まで慌てるのは、よくあるつまずきです。 

①3か月分の利用データを出す
②前の四半期の数字と並べる
③大きく変わった点に印を付ける
④変わった理由を、先方に聞く項目にする 

④まで進めると、数字の説明だけでなく、当日に先方へ聞くことまで決まります。

理由がわからない変化は、自社で推測せず、質問として先方に渡します。
推測で語ると、外れたときに信頼を失います。
担当者が替わっても同じ手間で資料がそろうのも、準備の順番を固定する効果です。
集めた数字の裏にある事情は、先方の担当者に直接聞いて確かめておくと安心です。

手順④:先方の担当者に事前に話を聞く

当日の前に先方の担当者と短く話し、役員に伝えたいことと、避けたい話題を聞いておきます。
担当者は、役員の前で自分の立場が悪くならないかを気にしているからです。
役員の前で担当者の不手際に触れてしまい、関係が気まずくなる事態は何としても避けたいところです。 

聞く項目

聞き方の例

役員が気にしていること

「部長が今いちばん気にされている数字は何ですか」

社内で困っていること

「使っていて、社内で困っている点はありますか」

当日は触れないでほしいこと

「当日の場では避けたい話題があれば教えてください」

聞き取りは、短い電話でも十分に役立ちます。
担当者から聞いた役員の関心を、資料の最初に載せる数字に選びます。
担当者は、味方につけておくべき相手です。
聞き取りは資料を作り始める前に済ませるのが目安で、後から聞くと載せる数字の選び直しが避けられません。
担当者の立場を守る準備をしておけば、当日の話し合いもスムーズに深くまで追求できるので先方の本音に近づきます。
聞き取りの結果を資料に反映したら、残る準備は社内での中身の確認です。

手順⑤:社内で資料の中身を確認する

資料ができたら営業や上司にも見せ、当日の発言が社内でずれないようにします。
契約の話や開発の予定は、CSだけで答えると、後から約束の間違いが起きやすいからです。
自分で作った資料を人に見せるのは手間に感じますが、その一手間が当日の自分を守ります。
よくあるのは、CSが「次の版で直ります」と答え、開発の予定と合わずに信頼を落とす場面です。
先方の役員の前で口にしたことは、会社としての約束として受け取られます。
料金と開発の予定に触れる箇所は、営業と開発担当に事前に目を通してもらいます。
確認の期限は、開催の数日前が目安です。
社内で言うことをそろえておけば、当日に答えに詰まっても、持ち帰る判断を迷わずに下せます。
社内の確認が済んだら、当日の流れを先方にも前もって伝えておくと話が早く進みます。

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手順⑥:開催前日に議題を送っておく

前日に議題を送ると、役員が会議の目的をつかんだ状態で席に着いてくれます。
冒頭の議題説明も短く済み、そのぶん話し合いに時間を回せるのも利点です。
役員が資料を初めて見る状態で会議が始まると、説明だけで時間が尽きてしまいます。
60分で開く場合の議題は、たとえば次の形です(時間は一例)。 

・5分|前回の振り返り
・15分|この3か月の成果
・15分|うまくいかない点
・10分|次の3か月の目標
・15分|行動計画と質疑 

送るときは「明日は次の3か月の目標を決めたいと考えています」と、決めたいことを1文添えます。
議題の並びは、資料の並びと同じにするのが基本です。
決めたいことが先に伝わっていれば、役員も判断に必要な情報を持って出席できます。
議題の並びはそのまま資料の目次になり、1枚目の表紙から順に型を決められます。

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資料の型

型①表紙:会議の目的を1行で書く

表紙には会議の目的を1行で書き、役員が最初の1枚で何の会議なのかをつかめるようにします。
社名と日付だけの表紙では、役員は資料を開いても何を判断する場なのかを読み取れず、説明を待つしかありません。
表紙は形式的な1枚と思われがちですが、会議の方向性を決める大事な入口です。 

表紙の欄

記入例

会議名

〇〇株式会社様 第〇四半期 振り返り会議

目的の1行

この3か月の成果を確かめ、次の3か月の目標を決める

日時と出席者

〇月〇日〇時から60分/先方〇名・自社〇名

対象の期間

〇月から〇月までの3か月

目的は、「確かめる」と「決める」の2つの動詞で短くまとめると迷いません。
目的の1行には、会議の終わりに決めたいことを必ず入れます。
目的の1行は、前日に送る議題の案内とも同じ言葉にそろえておくのが理想です。
言葉がそろっていれば、案内で読んだ目的を役員が表紙でもう一度確かめられるからです。
決めたいことが表紙にあれば、話が脇へそれても目的に戻れます。
表紙で会議の方向を示したら、次の1枚で前回の約束がどうなったかを確かめます。

型②振り返り:前回決めた約束を並べる

資料の2枚目には、前回のQBRで決めた約束と、その結果を並べます。
約束の結果から入ると、この3か月で何が進んだのかを先方と同じ目線で確かめられます。
決めたはずのことがいつの間にか立ち消えになっていた、という場面は、どの現場でも起こりがちです。 

・約束:利用する部署を2つに広げる/担当:先方/結果:済み
・約束:操作の説明会を開く/担当:自社/結果:途中
・約束:入力の項目を見直す/担当:両方/結果:未着手

自社が果たせなかった約束も、隠さずにそのまま載せます。
未着手の約束には、止まった理由と次の期限を書き添えます。
都合の悪い結果を自分から出す担当者ほど先方の信頼を得やすいというのは、現場でよく見られる傾向です。
約束の進み具合を確かめたら、その取り組みで生まれた成果を数字で示す欄に移ります。

型③成果:導入前後の変化の欄を置く

成果の欄は、導入前と導入後の数字を横に並べると一目で伝わります。
導入後の数字だけを見せても、役員はそれが良いのか悪いのかを判断できません。

項目

導入前

導入後

作業の時間

月〇時間

月〇時間

処理の件数

月〇件

月〇件

ミスの件数

月〇件

月〇件

いざ資料を作ろうとして、比べるための導入前の数字が手元に無いと気づくのは、よくある失敗です。
導入前の数字は、使い始めてしまうと後から集め直すのが難しい情報です。
契約の時点で、導入前の数字を先方と一緒に記録して残しておきます。
導入前の数字が取れない項目は、無理に推測で埋めず、欄から外しておきます。
取り方を先方のふだんの集計に合わせておけば、先方が自分の記録と照らし合わせられる点も安心材料です。
比べる起点を先に決めておけば、3か月ごとの変化をいつでも同じ物差しで示せます。
成果の数字の裏づけとして、日々の使われ方をグラフで添えると説得力が増します。

型④利用状況:使われ方をグラフで示す

利用状況は、数字を並べた表よりも、グラフで変化を見せたほうが伝わりやすくなります。
役員は細かい数字を読み込む時間が無く、増えたか減ったかの向きを一目で知りたいと考えています。
データはそろっているのに、数字の表を貼るだけで終わる資料は、よく見かける失敗例です。 

・折れ線グラフ:ログインした人数の、月ごとの変化を見せる
・棒グラフ:機能ごとに、どれだけ使われているかを見せる
・帯グラフ:部署ごとに、利用している割合を見せる 

1枚のグラフには、伝えたいことを1つだけ載せます。
グラフの上に、「2月から利用者が減っています」のように読み取ってほしい1文を書きます。
読み方を添えておけば、役員が違う指標に目を取られる心配も無用です。
グラフで利用が減っている箇所が見えたら、それを次の課題の欄で正面から取り上げます。

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型⑤課題:うまくいかない点を出す

うまくいかない点を自社から先に出すと、先方も本音を話しやすくなります。
良い数字だけを並べた資料は、役員から「本当にうまくいっているのか」と疑われ、かえって話が深まりません。
課題を見せると評価が下がるのではと、ためらうのは自然な反応です。 

課題

原因

次の手

一部の部署で使われていない

操作を覚える場が無い

部署ごとに説明会を開く

入力の手間が多い

項目が多すぎる

使わない項目を減らす

先方の担当者が替わった

引き継ぎが不十分

新しい担当者と面談する

課題を出す順番は、先方の業務への影響が大きいものを先にすると、限られた時間で話し合う的が絞れます。
課題を書くときは、原因と次の手まで1行でそろえて載せます。
原因を先方の不手際として書くと担当者の立場を損ねるため、仕組みや手順の側の原因として書くのが基本です。
課題だけを並べると、会議は反省会で終わります。
次の手まで示しておけば、課題の話がそのまま次の3か月の打ち合わせに変わります。
課題への手が見えたら、その先に置く3か月後の目標を数字で決める段階です。

型⑥次の目標:3か月後の目標を置く

次の目標は、3か月後に数字で確かめられる形で書くことが重要です。
「活用を進める」のような言葉だけの目標では、次のQBRで達成したかどうかを判断できません。
目標を立てても、次の会議で振り返れずにそのままになってしまうのは避けたいところです。

・目標:利用する部署を全部署に広げる
・測る数字(KPI):利用している部署の数
・今の値:〇部署
・3か月後:〇部署 

KPI(目標に近づいているかを測る数字)は、先方が社内で使っている言葉で書きます。
目標の文は、先方の担当者に読んでもらい、言い回しを直してもらってから確定します。
先方の言葉で書いた目標なら、そのまま先方の社内報告にも転用できる形です。
目標が定まったら、それに近づくために誰が何をするのかを書いて資料を締めくくります。

型⑦行動計画:誰がいつ何をするか書く

目標に向けた行動は、担当と期限まで書いて資料の最後に置きます。
担当が決まらないまま会議を終えると、次の3か月で誰も動かないまま時間が過ぎてしまいます。 

何を

誰が

いつまでに

利用を広げる部署を決める

先方の現場責任者

〇月〇日

操作の説明会を開く

自社のCS担当

〇月〇日

進み具合を確かめる

先方と自社の両方

毎月の定例会議

先方と自社のどちらか一方だけが動く計画では、もう一方の作業が止まったところで目標に届かなくなります。
担当の欄に部署名だけを書くと、誰が動くのかが先方の社内でもあいまいなままです。
行動の一つひとつに、先方の名前と自社の名前の両方が並ぶようにアクションを分けます。
行動を詰め込みすぎると、3か月の間に手が回らず、どれも中途半端に終わりかねません。
期限を日付で書くのも、次の定例会議で進み具合を確かめるための工夫です。
行動計画までの7枚がそろえば、資料の型は完成し、あとは当日の進め方を整えるだけです。

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当日の進め方

進行①:冒頭で会議の目的を共有する

最初の数分で、今日の目的と、終わりに決めたいことを全員に伝えます。
出席者の頭がそろわないまま始めると、役員が途中で別の話を持ち出しても戻す手がかりがありません。
忙しい役員を前にすると、あいさつもそこそこに資料の説明へ入りたくなるのは、誰しも覚えのある気持ちです。 

・今日の目的:この3か月の成果を確かめること
・終わる時刻:〇時〇分に終えること
・最後に決めたいこと:次の3か月の目標と担当

冒頭では、「本日は、この3か月の成果を確かめ、次の3か月の目標を決めたいと考えています」と切り出します。
終わる時刻は、冒頭で必ず口に出して伝えます。
時刻を約束しておくのは、役員に最後まで席を外さず話し合いへ加わってもらうためです。
目的を共有して場が整ったら、話す時間の多くを先方に渡すことを意識します。

進行②:先方が話す時間を多く取る

自社の報告ばかりの会議にしないためには、どうすればよいのか。
答えは、QBRを自社の発表の場ではなく、先方が話す場として組み立てることです。
目安として、会議の時間の半分以上を先方が話す時間にあてます。
準備に時間をかけたぶん、資料をすべて説明したくなるのは無理もありません。
しかし、会議の後に社内で実行されやすいのは、先方が自分の言葉で話した課題や目標のほうです。
自社が説明した内容は、先方にとって聞いただけの話にとどまりがちです。
成果の説明は短く切り上げ、「この3か月で一番変わった点は何ですか」と問いかけます。
先方の話に、自社の数字を後から添える順番が理想です。
先方が話した内容が多いほど、会議の後に残る約束も先方のものになり、実行に移されやすくなります。
話し合いが終わりに近づいたら、決まったことを全員で確かめる時間を取ります。

進行③:決まったことをその場で読む

会議の終わりには、決まったことを声に出して読み上げ、全員で確かめます。
認識のずれは、会議の後で気づくと、先方とのメールのやり取りを何度も重ねて直すことになるからです。
「そんな話だったかな」と後から食い違いが見つかるのは、先方にとっても気まずい出来事です。 

読み上げる項目

言い方の例

次の目標

「次の3か月は、利用する部署を〇部署に広げることを目標にします」

行動と担当

「説明会は弊社が〇月〇日までに開き、部署の選定は〇〇様にお願いします」

次回の日程

「次回は〇月〇日の〇時からでよろしいでしょうか」

読み上げにかかるのは、数分ほどです。
読み上げを終了時刻ぎりぎりまで延ばすと、役員が次の予定で席を立ち、確かめる相手がいなくなります。
終わる時刻の数分前には話し合いを切り上げ、読み上げに入るのが安全です。
読み上げた後に「違う点があれば、今ここで修正させてください」と一言添えます。
その場で直せば、議事録を送った後のやり直しが減ります。
確かめた内容は、記憶が新しいうちに文書にして先方へ届けるのが次の仕事です。

進行④:数日以内に議事録を送る

議事録は、出席者の記憶が新しいうちに、数日以内に送ります。
時間がたつほど、会議で話した熱が冷め、決まったことが後回しにされるからです。
会議が終わると次の対応に追われ、議事録が1週間以上たっても手つかずになることは珍しくありません。

・日時と出席者
・決まったこと
・行動と担当と期限
・持ち越した話題
・次回の日程

この5つの欄を先に作っておけば、会議中にメモを埋めるだけで議事録が仕上がります。
送るときに、出席できなかった役員にも転送してもらえるよう担当者に頼みます。
議事録が役員まで届けば、決まったことは先方の社内でも正式な約束と同じ重みがあります。
資料にまとめた利用データは、解約の兆しを早めに読み取る材料としても役立ちます。

カスタマーサクセスがQBRで解約の兆しを見つける5つの見方

利用頻度:ログインの減り方を見る

解約の申し出より先に、まず数字に表れるのがログインの減り方です。
ログインの回数が数か月続けて下がっているなら、使われなくなる手前にいると考えます。
解約の連絡を受けてから記録を見返し、半年前から減っていたと気づくのは悔しいものです。

見る数字

兆しの出方

打つ手

ログインする人の数

使う人が月ごとに少しずつ減る

使わなくなった人の部署を担当者に確かめる

ログインの回数

1人あたりの回数が下がり続ける

業務のどの場面で使わなくなったかを聞く

最後にログインした日

長く開かれていない人が増える

操作の案内を個別に送る

1か月だけの増減で判断すると、連休の多い月の落ち込みまで解約の兆しと見誤り、余計な心配を先方にかけます。
同じ数字を毎月同じ日に記録し、3か月の流れで減っているかを見ます。
減り方に気づいたら、先方へ伝える前に、どの部署の誰が使わなくなったかを社内の記録で確かめるのが先です。
定点で記録を続けていれば、QBRの前に慌てて数字を集める必要もありません。
ログインの回数と合わせて、どの機能が使われているかにも目を向けておきます。

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機能活用:使う機能が一部に偏っていく

使う機能が一部に偏っている顧客は、他のツールに乗り換えやすい状態にあります。
基本の機能だけなら、もっと安いツールでも代わりが利くと先方に思われやすいからです。
ログインの数が保たれていると、つい安心してしまいがちです。 

・基本の機能しか使わない:記録や閲覧だけで、集計や自動化の機能が使われていない
・一部の人しか使わない:詳しい1人だけが使い、周りの人は頼んで済ませている
・約束した機能が使われていない:導入時に決め手になった機能が手つかずのまま

3つ目の偏りは、先方が導入を決めた理由そのものが失われている状態で、ほかの2つよりも解約に近い兆しです。
機能ごとの使われ方を月に1度見て、使われていない機能をQBRの議題に入れます。
決め手だった機能が使われていないなら、先方の業務が変わった可能性もあります。
機能の偏りに加えて、先方の顔ぶれが変わったときも見逃せない兆しです。

担当交代:先方の窓口変更に気づく

先方の窓口が替わったときは、解約に近づく大事な兆しとして受け止めます。
新しい担当者は導入の経緯を知らず、前任者が決めたことを見直す立場にあるからです。
引き継ぎの資料に、導入した理由まで書かれていることはまれです。
前任者がどんな課題を解くために使い始めたのかがわからないと、新しい担当者には費用だけが目に入ります。
窓口の交代に気づくのが遅れて怖いのは、次の更新の時期に、知らない間に解約の候補へ挙がっている事態です。
異動のあいさつのメールが届いたら、その週のうちに新しい担当者との面談を申し込みます。
面談で伝え直すのは、導入の理由と成果です。
新しい担当者が導入の理由を自分の言葉で語れるようになれば、見直しの対象から外れやすくなります。
顔ぶれの変化と同じように、問い合わせの増減も先方の様子を映す手がかりです。

問い合わせ:質問の急な減少を見る

問い合わせが急に減るのは、使いこなせたからとは限りません。
使うのをやめたために、質問する必要がなくなっただけのこともあるからです。
問い合わせが減って手が空くと、ついほっとしてしまうのが担当者の本音です。

減り方

考えられる理由

確かめ方

質問がゼロになった

使う場面そのものが無くなった

ログインの回数と並べて見る

特定の部署から来なくなった

その部署だけ使うのをやめた

部署の責任者に使い方を聞く

簡単な質問だけになった

新しい使い方を試していない

使っていない機能を案内する

減った理由がわからないうちは、使いこなせた良い知らせとも、使うのをやめた悪い知らせとも決められません。
問い合わせが前の月の半分を下回ったら、ログインの数と並べて理由を確かめます。
良い知らせと決めつけて様子を見るうちに、使うのをやめた部署が増え、更新の時期まで気づかないのが典型的な失敗です。
半分という線は目安なので、顧客ごとの普段の量に合わせて決めておきます。
問い合わせの減り方と合わせて見ておきたいのが、QBRで決めた目標の進み具合です。

目標未達:約束した成果に届かない

QBRで決めた目標に届かない状態が続くと、更新の時期に効果を厳しく問われます。
先方の担当者が、社内で使い続ける理由を説明できなくなるからです。

・担当者が社内で説明できない:上司に効果を聞かれても、答える材料が無い
・予算の見直しで削られる:効果の見えない費用から順に止められる
・他社のツールと比べられる:同じ料金で何ができるかを他社と並べられる

目標に届かないとき、目標の数字を下げて体裁を整えたくなる気持ちもわかります。
届かない原因を先方と一緒に探し、次の3か月の行動計画に組み込みます。
目標を下げても、次の更新で同じ問いが繰り返されるだけです。
原因を一緒に探す姿勢を見せれば、目標に届かなかった3か月も、先方との信頼を深める期間に変えられます。
兆しを読み取ったら、役員に何をどう見せるかという数字の選び方が次の課題になります。

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カスタマーサクセスのQBRで役員に見せる数字の4つの選び方

選び方①:相手の経営目標に結びつける

役員は、QBRの資料のどこを見て価値を判断しているのか。
答えは、自社のツールの利用の数字ではなく、自分の経営目標が進んだかどうかです。
ログインの数をどれだけ丁寧に説明しても、役員の表情が変わらず、会議の空気が重くなることはよくあります。

相手の経営目標

結びつける数字の例

売上を伸ばしたい

商談の件数、提案にかけられた時間

人手不足を補いたい

自動化で浮いた作業の時間

ミスを減らしたい

手作業の入力の回数、やり直しの件数

先方の経営目標は、資料を作り始める前に確かめておく必要があります。
事前の聞き取りで、担当者に「役員が今年いちばん力を入れていること」を聞いておきます。
経営目標がわからないまま資料を作り、役員の関心から離れた数字ばかりが並ぶのは、ありがちな失敗です。
経営目標から逆算して数字を選べば、役員は自分の言葉で効果を語れるようになります。
結びつける数字が見えてきたら、次はその中から見せる数字を絞り込む作業に入ります。

選び方②:見せる数字を少数に絞り込む

役員に見せる数字は、3つ前後を目安に絞り込みます。
集めたデータをすべて載せたくなりますが、数字が多いほど役員はどれを見ればよいか迷い、肝心の変化を見落とします。
準備に手をかけた数字ほど、削るのが惜しくなるのは自然な心理です。 

・経営目標に近いか:役員が気にしている目標と、直接つながる数字を残す
・前と比べられるか:前の四半期にも同じ数字があり、増減を示せるものを残す
・先方が確かめられるか:先方が自社の記録と照らして、正しいと納得できるものを残す 

外れた数字は参考の欄へ回します。
役員向けの1枚には3つ前後の数字だけを載せ、残りは担当者向けの参考資料に分けます。
削った数字も、担当者が社内で説明するときの裏づけとして使える材料です。
絞り込んだ数字が利用の数のままなら、成果の言葉に言い換える一手間が必要です。

選び方③:利用数を成果の言葉に直す

「ログイン数〇回」のような利用数のままでは、役員にその価値が伝わりません。
利用数はツールを売る側の物差しで、役員が知りたいのは自社の業務がどう良くなったかだからです。
数字を正しく伝えたのに、反応が薄くて戸惑うのは珍しい話ではありません。

利用の数字

成果の言葉に直した例

ログイン数〇回

〇部署の毎日の業務で使われるようになった

自動化した作業の数〇件

月に〇時間の作業が浮いた

登録した情報の件数〇件

〇人の間で、顧客の情報を共有できるようになった

言い換えるときは、時間・お金・人の3つのどれに効いたかを考えると言葉が見つかります。
時間とお金と人のどれにも結びつかない数字は、役員向けの資料から外す候補です。
利用の数字の横に、「つまり何が良くなったのか」を1行で書き添えます。
先方の記録と合わないほど膨らませた言い換えは、資料全体の信頼を落とす原因です。
成果の言葉に直した数字は、担当者がそのまま社内の報告に使えます。
成果の言葉がそろったら、その数字が良いのか悪いのかを示す比べ方を決めます。

選び方④:前の四半期と並べて比べる

1つの数字だけでは、それが良いのか悪いのかを役員は判断できません。
前の四半期の数字と並べてはじめて、この3か月の変化が見えてきます。
数字を毎回違う並びで出してしまい、前回と比べにくい資料になるのは避けたいところです。 

・同じ数字を同じ並びで出す:前回と同じ順番・同じ単位で並べ、見比べやすくする
・増えた理由と減った理由を添える:変化の横に、その理由を短く書く
・前年の同じ時期とも比べる:繁忙期など、季節で増減する数字の見誤りを防ぐ

前の四半期だけと比べると、繁忙期に増えた数字を成果と取り違え、翌期の落ち込みを説明できなくなるおそれがあります。
季節で動きやすい数字は、前の四半期と前年の同じ時期の両方と並べて載せます。
並べ方を毎回そろえておくと、資料作りの手間が回を追うごとに減る点も、そろえる理由の1つです。
見せる数字が決まったら、その数字を誰に見せ、誰に話してもらうかを決める段階に進みます。

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カスタマーサクセスのQBRの参加者と5つの役割分担

役割①:先方の決裁者が方針を決める

QBRに先方の決裁者を呼ぶなら、次の3か月の方針を決める役を担ってもらいます。
決裁者がその場で方針を決めれば、会議で立てた行動計画が先方の社内で止まらずに動き出すからです。
決裁者に報告を聞いてもらうだけの会議では、決めたことが後から担当者の稟議に回されます。
稟議の途中で予算や優先順位の話が持ち上がり、計画が数か月止まってしまうのは、決裁を後回しにした会議の典型です。
決裁者は、説明を聞く人ではありません。
決める人です。
「どの部署から利用を広げるか」のように、決裁者に選んでもらう問いを資料に1つ用意します。
選択肢を2つか3つに絞って示すのが、決裁者にその場で判断してもらうコツです。
方針がその場で決まれば、担当者は社内の調整に時間を取られず、すぐに行動計画へ移れます。
決裁者が方針を決めるには、現場で何が起きているかを知る材料が欠かせません。

役割②:先方の現場責任者が課題を話す

現場の課題は、CSではなく先方の現場責任者の口から話してもらいます。
同じ課題でも、外部のCSが話すより、社内の責任者が話したほうが決裁者は重く受け止めるからです。
現場の課題を一番よく知っているのは自分たちだと、CSが代わりに話したくなる場面もあります。 

話してもらうこと

事前の頼み方

使っていて困ること

「部署で困っている点を、2〜3分でお話しいただけますか」

現場の声

「使っている方の声を、いくつか拾っておいていただけますか」

次に試したいこと

「次の3か月で試したい使い方があれば教えてください」

当日いきなり話を振ると、現場責任者は何を話せばよいか戸惑います。
話してほしいことは、開催の1週間前を目安に、具体的な問いの形で頼んでおきます。
頼む問いは、決裁者の前で話しても現場責任者の立場が悪くならない内容に絞るのがコツです。
現場責任者が課題を話せば、決裁者はそれを自社の問題として受け止めます。
現場の話を引き出し、会議全体を前に進めるのは、担当のCSの役目です。

役割③:担当のCSが会議を進行する

担当のCSは、会議の司会役として時間と議題を守ります。
司会がいないと、役員の関心がある話題に時間が流れ、最後に決めたいことが決まらないまま会議が終わります。
先方の役員を前に話を止めるのは、誰にとっても気が引ける役回りです。 

・議題ごとに時間を区切る:「ここからは課題の話を15分ほどお願いします」と区切りを示す
・話が逸れたら戻す:「その件は別に時間を取らせてください」と引き取り、議題へ戻す
・決まったことを書き留める:会議中に決まったことを、その場で画面に書き出す 

話を戻すときは、話題を否定せず、別の場で扱う約束に変えます。
逸れた話題は「持ち越し」として書き留め、議事録に残すことを伝えます。
書き留める約束が、役員に安心して議題へ戻ってもらう決め手です。
司会役のCSが会議を回す一方で、契約にかかわる話は別の担当に任せます。

役割④:営業が契約の話を受け持つ

料金や更新、追加の契約の話は、CSではなく営業が受け持ちます。
支援役のCSが契約の話を始めると、先方は売り込みの場に来たと身構え、課題を正直に話してくれなくなります。 

受け持つ話

CSとの分け方

更新の条件

CSは利用の成果を示し、更新の条件は営業が話す

追加の契約

CSは課題を聞き取り、提案の中身は営業が説明する

料金の相談

CSはその場で答えず、営業が後日に回答する

役割を分けておけば、CSは顧客の味方としての立場を保てます。
ただし、営業が出席するたびに契約の話をすると、QBRが商談の場に変わってしまうのが難点です。
営業が出席する回は、契約の話をする時間を議題の最後に10分ほどと決めておきます。
CSがその場で値引きや条件に触れると、後から営業の説明と食い違い、先方の不信を招きかねません。
話す時間の区切りは、先方が構えずに前半の振り返りに集中するための安心材料です。
契約の話と同じく、機能の要望もCSだけでは答えにくいテーマです。

役割⑤:開発担当が要望を受け止める

機能の要望が多い顧客のQBRには、開発担当にも出席してもらいます。
要望の背景を開発担当が直接聞けば、CSが伝え直すときに起きる食い違いを防げます。
要望が多い顧客ほど、その場で何らかの答えを返したくなるのが人情です。 

・その場で約束しない:対応の時期や可否は、社内で検討してから伝える
・要望の背景を聞く:どの業務の、どんな場面で困っているかを聞き取る
・検討の結果を後日伝える:採用しない場合も、理由を添えて必ず返す

要望の言葉そのものより、その裏にある業務の困りごとのほうが、開発担当にとって解決の手がかりになります。
聞き取った要望は、背景とあわせて開発担当に渡し、検討の結果を次のQBRで報告します。
結果を返す仕組みが、先方に要望を出した手応えを感じてもらう土台です。
ただし、すべての顧客のQBRにこれだけの人数で臨むのは、担当者の時間を考えると現実的ではありません。

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カスタマーサクセスのQBRで顧客を分ける3つの基準

基準①:契約状況で開催の頻度を変える

すべての顧客に同じ頻度でQBRを開くと、担当者の時間はすぐに足りなくなります。
契約の大きさや更新の時期によって、開く頻度と開き方を変えるのが現実的です。
担当する顧客が多いほど、どこまで手をかけるべきか迷うのは当然です。

契約状況

開催の頻度の例

開き方

契約金額が大きい顧客

3か月ごと

役員にも出席してもらい、対面で開く

標準的な顧客

半年ごと

先方の担当者と、オンラインで開く

契約金額が小さい顧客

更新の前に1回

資料を送り、短い打ち合わせで補う

表の頻度は目安です。
頻度は一度決めて終わりにせず、利用の落ち込みや窓口の交代といった兆しが出た顧客を、上の段へ移す見直しも欠かせません。
更新の時期が近い顧客は、契約の大きさにかかわらず、更新の2〜3か月前に開く回を入れます。
頻度を分ける狙いは、限られた時間を、解約されると影響の大きい顧客へ優先して回すことです。
頻度を決めたら、開くたびに何を話すかも、顧客の使い方に合わせて変えます。

基準②:利用状況で議題の重さを変える

よく使われている顧客には利用を広げる話を、使われていない顧客には立て直しの話を、議題の中心に置きます。
同じ議題を全員に当てはめると、どちらの顧客にも響かない会議になるからです。
利用が伸びている顧客に立て直しの話をしても、先方は「うまくいっているのに」と首をかしげます。
反対に、利用が落ちた顧客に追加の提案をすると、「今の分も使えていないのに」と反発を招きかねません。
困るのは、使われていない顧客ほど、自社としては売上を守るために提案を急ぎたくなる点です。
しかし、利用が落ちた顧客にとっての優先は、今の契約で成果を出すことです。
会議の前に顧客を「拡大」「維持」「立て直し」の3つに分け、それぞれに合う議題を選びます。
利用状況はログインの数や機能の使われ方で測れるため、兆しを見る数字をそのまま分け方に使えるのも利点です。
議題の重さを先方の状態に合わせれば、どの顧客にとっても聞く価値のある会議になります。
立て直しに回った顧客のうち、とくに解約が心配な顧客には、さらに準備を厚くします。

基準③:解約の危険度で準備を厚くする

解約の危険が高い顧客ほど、QBRの準備に時間をかけます。
リスクが高い顧客との会議は、1回の出来で更新するかどうかが左右されることもあるからです。
すべての顧客に同じ手間をかける余裕は、どのCSチームにもありません。

・上司や営業も事前の打ち合わせに入れる:立て直しの案を、社内の複数の目で確かめる
・事前の聞き取りを2回にする:担当者に加えて、現場責任者の声も聞いておく
・立て直しの案を複数用意する:先方が選べるように、2つか3つの案を示す 

危険度は、ログインの減り方や窓口の交代といった兆しがいくつ重なっているかで決めると、担当者ごとの判断がぶれません。
兆しが2つ以上重なった顧客を「危険度が高い顧客」と決め、準備の手順を一段増やします。
対象をはっきり決めておくのは、担当者が替わっても同じ速さで手を打つためです。
ただし、準備を重ねても、QBRそのものがうまくいかないことはあります。

カスタマーサクセスのQBRがうまくいかない5つの原因

原因①:自社の報告ばかりになる

準備したのに、役員の反応が薄いのはなぜか。
多くの場合、資料が自社の機能の紹介や利用の数字で埋まり、役員が自分ごととして受け止められないことが原因です。
丁寧に作った資料ほど、自社の伝えたいことが詰め込まれやすくなります。 

起きること

対処法の例

新しい機能の紹介が長い

紹介は先方の課題に関係する機能だけに絞る

利用の数字だけを並べる

数字の横に、先方の業務がどう良くなったかを書く

先方が質問しないまま終わる

各議題の最後に、先方へ問いを1つ投げかける

当日の話し方は先方に話してもらう工夫で、資料の数字は経営目標に結びつける工夫で直せます。
資料を見直すとき、1枚ごとに「この1枚は先方の何の役に立つか」を書き出してみます。
書き出す作業は、作った本人だけでなく、先方の立場で読める営業や上司にも頼むのが、偏りに気づくコツです。
答えが書けない1枚は、自社の報告に偏っている印です。
報告ばかりの会議を直しても、肝心の決裁者がその場にいなければ何も決まりません。

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原因②:先方の決裁者が出席しない

決裁者が出ないQBRでは、決めたいことが決まらず、次回への持ち越しが続きがちです。
担当者が持ち帰って社内で説明し直す手間も増え、行動計画の動き出しが1か月以上遅れることもあります。
声をかけて断られた後は、こちらから強く頼みにくくなる心理も働きます。 

・出席しない理由①:会議の価値が伝わっていない(報告を聞くだけの会議だと思われている)
・出席しない理由②:日程が直前(役員の予定が先に埋まっている)
・対処①:担当者を通して、「次の3か月の方針を決めていただきたい」と目的を伝えてもらう
・対処②:役員向けに、会議の冒頭15分だけの短い時間枠を用意する

役員の時間を短く区切ると、出席への心理的な負担が軽くなります。
議題の前半に、役員に判断してもらう話をまとめて置きます。
役員が途中で席を外しても、決めることさえ決まっていれば会議の目的は果たせたも同然です。
決裁者がそろっても、事前のデータ集めが間に合わなければ話し合いの中身は薄くなります。

原因③:データの準備が間に合わない

データ集めに時間を取られ、資料の中身を考える時間が残らないのも、QBRがうまくいかない原因の1つです。
数字をそろえるだけで手いっぱいになると、何を話し合うかを詰めないまま当日を迎えます。
開催の前日の夜まで、手作業の集計に追われた経験がある担当者も少なくありません。 

起きること

対処法の例

毎回手で集計している

集計を自動にする仕組みを整える

担当者ごとに数字の出し方が違う

資料のひな形をチームで共通にする

前回の数字が見つからない

顧客ごとに数字の置き場所を1か所に決める

対処の具体的なやり方は、後で紹介する効率化のツールでまとめて扱います。
まずは前回の資料と数字を、顧客ごとに決めた1か所に保存することから始めます。
保存の場所が決まるだけで、前の四半期の数字を探し回る時間が無くなり、比べる手間も最小限です。
準備が間に合っても、決めたことが実行されなければ、次の会議は空回りします。

原因④:決めたことが実行されない

QBRで決めた行動が次のQBRまで放置されると、会議は形だけのものになります。
先方の役員から「前回決めたことはどうなったのか」と問われ、答えに詰まる場面は避けたいところです。

・実行されない理由①:担当と期限が決まっていない(誰がやるのかがあいまいなまま終わる)
・実行されない理由②:途中で誰も確かめない(3か月の間に優先順位が下がる)
・対処①:行動計画に、担当と期限を必ず書く
・対処②:月の定例会議で、進み具合を毎回確かめる 

行動計画の書き方は資料の型で、定例での追い方は後の定例会議とのつなぎ方で詳しく扱います。
実行されない原因は、先方のやる気よりも、確かめる日が無いことのほうです。
行動の一つひとつに、確かめる日を決めて定例の予定に入れます。
確かめる日が、3か月の間に行動が忘れられるのを防ぐ歯止めです。
実行が続いても、会議の中身が毎回同じなら、次第に役員の足は遠のきます。

原因⑤:毎回同じ内容で飽きられる

毎回同じ資料と同じ話をくり返すと、役員の出席が回を追うごとに減ります。
新しく判断することの無い会議に、役員は時間を使わないからです。
はじめは出席していた役員が、2回目は代理を立て、3回目には名前が消えるという流れはよく見られます。
資料の型を決めたのは、準備の手間を減らすためです。
話の中身まで型どおりにする必要はありません。
毎回テーマを1つ決め、その時期の先方の経営課題に合わせて話す時間を設けます。
たとえば年度の始まりなら予算の計画、組織が変わる時期なら新しい部署への広げ方がテーマの候補です。
テーマがあれば、役員にとってその回に出席する理由がはっきりします。
飽きられない会議にするには、QBRを3か月に1度の単発の行事で終わらせず、日々の定例とつなぐことが大切です。

カスタマーサクセスのQBRを定例会議とつなぎ効果を測る4つの方法

方法①:週次報告の数字をそのまま使う

QBRの資料は、週次報告で毎週出している数字をそのまま使えば、集め直す手間がかかりません。
3か月分の週次報告を並べるだけで、利用の変化をたどる流れが自然にできあがります。
QBRのためだけに一から数字を集め直すのは、省ける手間の代表です。

週次報告の数字

QBRでの使い方

利用の数字

週ごとの数字を月ごとにまとめ、利用状況のグラフにする

問い合わせの件数

増えた週と減った週を拾い、兆しの確かめに使う

進めている施策の状況

済んだ施策を、振り返りの欄にそのまま移す

週次報告とQBRで数字の出し方が違うと、どちらが正しいのかを先方に問われます。
週次報告の数字の定義を、QBRの資料と同じものにそろえておきます。
途中で定義を変えたときは、変えた週と理由を週次報告に書き残すのが確実です。
定義をそろえれば、QBRの準備は週次報告を3か月分まとめ直す作業で済みます。
週ごとの数字が積み上がったら、月に1度の定例で目標への進み具合を確かめます。

方法②:月の定例で進み具合を確かめる

月の定例会議では、QBRで決めた目標に向けてどこまで進んだかを確かめ、遅れがあればその場で手を打ちます。
3か月に1度の確認だけでは、遅れに気づいたときには取り戻す時間が残っていないからです。
月の定例が、利用の報告と問い合わせの話だけで終わっている現場は少なくありません。 

・目標の数字の今の値:QBRで決めた目標に対して、今どこにいるか
・遅れている行動:期限を過ぎた行動と、その理由
・次の月にやること:遅れを取り戻すために、次の1か月で動くこと

この3つを毎月の議題の最初に置くと、定例がQBRの続きとして機能します。
月の定例の資料の1枚目に、QBRで決めた目標と今の値を並べて載せます。
毎月目標を目にすることが、先方の担当者に3か月後の到達点を忘れさせない仕掛けです。
目標の進み具合とあわせて、QBRで決めた一つひとつの行動も定例で追いかけます。

方法③:QBRで決めた行動を定例で追う

QBRの行動計画は、月の定例会議の議題に毎回入れて追いかけます。
行動計画は資料の最後の1枚に書かれるため、会議が終わると誰も開かなくなりがちです。

QBRで決めた行動

定例での追い方

済んだ行動

結果を確かめ、次のQBRの振り返りの欄に記録する

遅れている行動

止まっている理由を聞き、期限を引き直す

新しく出た行動

担当と期限を決め、行動計画に書き足す

行動計画は、3か月の間に書き足したり引き直したりして育てる表です。
QBRの日だけ開く表にしておくと、次のQBRの直前に慌てて進み具合を確かめることになり、先方にも余計な手間をかけます。
行動計画の表を先方と共有し、定例のたびに同じ表を画面に映して更新します。
同じ表を毎月更新していれば、次のQBRの振り返りの欄はほぼ埋まった状態です。
行動を積み重ねた先で、QBRが本当に役立ったのかを確かめる物差しが必要です。

方法④:更新率で会議の効果を測る

QBRを開いたことが、解約防止に役立ったかはどう確かめるのか。
最後は、QBRを開いた顧客が契約を更新したかどうか、つまり更新率で測ります。
CSでは本来、顧客の目標の数字を指標にすべきとされています。
ところが実際には、自社のKPIとして解約率(チャーン・レート)や更新率が置かれることが多いのが現状です。
(参考:中京大学学術情報リポジトリ)
会議の満足度だけでは、契約の継続に結びついたかまではわかりません。
QBRを開いた顧客と開いていない顧客に分け、それぞれの更新の結果を並べて比べます。
見えた差は、どの顧客にQBRを開くべきかを社内で説明する材料です。
先方の目標の進み具合も合わせて追えば、更新率では見えない成果も伝えられるのが利点です。
効果を測る仕組みが整ったら、準備そのものの手間を減らすツールにも目を向けます。

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カスタマーサクセスのQBRを効率化する3つのツール

ツール①:顧客管理ツールで情報を集める

顧客管理ツール(顧客の情報や対応の記録をまとめて残す仕組み)に、QBRに使う情報を集めておきます。
担当者のメールやメモに情報が散らばっていると、準備のたびに探す時間がかかるからです。
前回のQBRで何を決めたのか、メールを探し回った経験は誰にでもあります。

集める情報

QBRでの使い道

前回のQBRの決定事項

振り返りの欄に、そのまま約束として並べる

先方の担当者と役員

窓口の交代に気づき、出席を頼む相手を決める

問い合わせの履歴

質問の増減から、利用の様子を読み取る

記録は、会議や問い合わせの直後に残すほど抜けが減ります。
QBRの議事録を送った日に、決まったことを顧客管理ツールの顧客ごとの欄にも書き写します。
情報が1か所にまとまっていれば、担当者が替わっても前回の経緯をたどるのは簡単です。
情報の置き場所が決まったら、資料そのものもチームで同じ形にそろえると準備がさらに軽くなります。

ツール②:資料のひな形を社内で共通にする

資料の型で紹介した7枚を、チームで共通に使うひな形にしておきます。
担当者ごとに資料の形が違うと、作る手間が人によってばらつき、引き継ぎのたびに作り直しが起きがちです。
自分なりに工夫して作った資料を手放すのに、抵抗を覚える担当者もいます。

・7枚の並び:表紙から行動計画までの順番を固定する
・グラフの形:利用状況のグラフの種類と色を決めておく
・記入例:各欄に記入例を残し、初めての人でも埋められるようにする

ひな形は一度作って終わりではありません。
QBRのたびに、先方の反応が良かった書き方をひな形に書き足します。
ひな形を育てる狙いは、新しく入った担当者でも最初から一定の質の資料を作れることです。
ひな形が整ったら、最後に残る手間は、ひな形に流し込む数字の集計です。

ツール③:利用データを自動で集計する

QBRの準備で時間を取られやすいのが、利用データを集めてグラフにする作業です。
自社の管理画面からデータを書き出し、表計算ソフトで集計し直す作業を、毎回手で繰り返している現場は珍しくありません。
集計に半日かかり、資料の仕上げが開催の直前にずれ込む担当者もいます。

自動にする作業

減る手間

ログイン数の集計

顧客ごとに書き出し、合計し直す作業がなくなる

機能ごとの利用の集計

どの機能が使われていないかを、探し回らずに済む

グラフの作成

毎回同じ形の図を、一から作り直さずに済む

最初から全部を自動にしようとすると、仕組みづくりそのものに時間を取られます。
まずは毎回必ず使う数字を3つに絞り、その3つだけを自動で集計される形にします。
集計を機械に任せて浮いた時間は、数字の変化の理由を考えるのに使うのが理想です。
とはいえツールをそろえても、担当する顧客が多いと人の手が足りない場面は残ります。

カスタマーサクセスの定例運営を外部に任せる3つの利点

利点①:資料作りの手間を減らせる

定例やQBRの資料作りを外部に任せると、担当者の手元から毎月の作業が減ります。
資料作りは決まった手順の繰り返しが多く、外に切り出しやすい仕事だからです。
自分で作らないと中身に責任を持てない、と不安に思う担当者がいるのも当然です。

・利用状況の集計を任せられる:毎月の数字の書き出しとグラフ作りを外部が受け持つ
・定例の報告書を任せられる:決まった形の月次の報告書を、外部が下書きする
・QBRの資料の下書きを任せられる:7枚のひな形に数字を流し込む作業を外部に頼む

任せるのは下書きまでとし、先方に何を伝えるかの判断は自社に残すのが基本です。
任せる作業と自社に残す判断を書き出し、受け渡しの流れを決めてから外部に頼みます。
流れを先に決めておけば、外部の手が入っても資料の質がぶれず、担当者は確認と手直しだけで済みます。
資料作りから手が離れて変わるのは、担当者の時間の使い方そのものです。

利点②:担当者が顧客対応に集中できる

外部に任せて空いた時間は、顧客と直接向き合う仕事に回せます。
資料作りに追われ、本当は先方と話したいことが話せていないと感じる担当者は少なくありません。

項目

メリット

ベネフィット

定期の顧客との打ち合わせ

進行や記録の準備を外部が支える

担当者が先方の話を聞くことに専念できる

問い合わせ対応

よくある質問への一次対応を外部が受け持つ

担当者が込み入った相談に時間を割ける

顧客ごとの提案資料作り

顧客に合わせた資料の下書きを外部が作る

担当者が提案の中身を練る時間を持てる

担当者の時間は限られており、その多くを作業に取られると、解約の兆しを見逃す危険も高まります。
使い道を決めずにおくと、空いた時間に別の事務作業がすぐ入り込み、顧客と向き合う時間は増えないままです。
空いた時間の使い道を先に決め、解約の危険が高い顧客との接点に優先して回します。
たとえば、兆しが重なった顧客との面談や事前の聞き取りが、その使い道の候補です。
時間の使い道まで決めておけば、外部に任せた効果が、顧客の継続という形で表に出ます。
一方で、外部の手を借りると対応の質が人によってばらつかないかも気になるところです。

利点③:対応の質を標準化できる

外部と一緒に進め方を作り直すと、担当者ごとのやり方の差が小さくなります。
外部に任せるには、誰が読んでもわかる形に手順を書き出す必要があり、その作業自体が仕組みづくりになるからです。
ベテランの勘に頼った進め方は、言葉にしにくいのが実情です。

・進め方を手順書にする:定例やQBRの準備から当日の進行までを、手順書にまとめる
・担当者が替わっても同じ質で続く:手順書があれば、引き継ぎの後も同じ流れで会議を開ける
・解約の兆しを担当へつなぐ流れができる:数字の変化に気づいたら、誰にどう伝えるかを決めておく

手順書は、一度作って棚にしまうと現場の実態からずれます。
外部からの月次の報告を受けるたびに、手順書の古くなった箇所を直します。
手順書が最新であることが、引き継ぎのたびに進め方を一から教え直さずに済む条件です。
ここまでの内容を踏まえ、最後にQBRについてよく寄せられる疑問に答えます。

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カスタマーサクセスのQBRに関するよくある質問

初回のQBRはいつ開く?

初回のQBRは、導入から3か月前後を一つの目安に開きます。
オンボーディング(使い始めの定着支援)が一段落し、振り返るだけの利用の実績がたまる時期だからです。
導入の直後に開いても、話せる成果がまだ無いと感じる担当者は多くいます。

時期の例

その時期に開く理由

導入から3か月前後

3か月分の利用の変化を、成果として見せられる

使い始めの定着支援が一段落した後

操作の質問が減り、目標の話に時間を使える

先方の窓口や役員が替わった直後

導入の理由を、新しい相手に改めて伝えられる

3か月はあくまで目安で、導入の規模や先方の決算の時期によって前後します。
契約を結んだ時点で、初回のQBRの時期を先方と決め、予定を押さえておきます。
導入から間を空けすぎると、使い始めでつまずいた不満が残り、初回のQBRが苦情を聞くだけの場になる点に注意が必要です。
最初の日程を早めに押さえておけば、役員の予定も確保しやすくなります。
時期が決まったら、次に気になるのは1回の会議にかける時間の長さです。

QBRは1回何分くらい行う?

1回のQBRは、60分前後を目安にすると話し切りやすくなります。
振り返りから次の目標、行動計画までを一度に話すには、30分では足りないことが多いからです。
とはいえ、先方の役員の時間を長く押さえるのは気が引けるのも事実です。

・目安は60分前後:振り返り・目標・行動計画をひと通り話せる長さ
・配分は議題の実物を参考にする:先に紹介した議題の時間配分を土台に調整する
・役員の時間が短いときは前半に寄せる:役員に聞いてほしい成果と目標を、会議の前半に置く

時間の長さよりも、決めたいことを時間内に決め切れるかのほうが大切です。
会議の案内を送る時点で、終わる時刻と、その日に決めたいことを書き添えます。
終わる時刻が先に共有されていれば、役員も途中で抜ける心配をせずに出席できます。
会議の長さを決める際に考えに入れたいのが、顧客の契約の大きさです。

契約金額が小さい顧客にもQBRは必要?

契約金額が小さい顧客にも、成果を振り返り次の目標を決める場は必要です。
契約金額が小さいほど担当者の目が届きにくく、効果が見えないまま更新の時期を迎えて、静かに解約されやすいからです。
ただ、契約金額が小さいすべての顧客に役員を招いた会議を開いていては、担当者の手が回りません。

利用の様子

開き方の例

利用が順調

1枚の振り返りの資料をメールで送り、返事で目標を確かめる

利用が落ちている

30分のオンラインの打ち合わせで、つまずいている点を聞く

同じ業種の顧客が多い

複数の顧客を集めた説明会で、使い方の工夫を紹介する

会議を開くかどうかではなく、振り返りと目標の確認をどの形で届けるかを考えるのが近道です。
契約金額が小さい顧客向けには、7枚のひな形を1枚に縮めた振り返りの資料を用意します。
軽い形でも振り返りを続けていれば、利用が落ちた顧客に早く気づけます。
自社だけで形を決めかねるときは、外の専門家に相談するのも一つの方法です。

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インサイドセールスとテレアポの違い11のポイント・移行する21の手順・成功の基準 徹底解説
31施策・BtoB営業の戦略が上手くはまらない3つの理由・競合に勝つための戦略立案7つの手順と具体例
SaaS営業の質を高める戦略立案7つの手順・13の重要KPIと成果を出す21のアプローチ
IT営業はやめとけ・きついの裏の真実ミスマッチを防ぐ9つの対策・市場価値を高める13のメリット
売上を伸ばすアイデア・営業編35選・マーケ編30選・成果を出す具体的施策完全版
23選 売上を伸ばす方法と売上アップの5原則・利益の質を高める13のコツ・徹底解説
営業代行のデメリットを回避する15の技法・本質的な7つの理由
23の実践例・営業研修おすすめネタ・7つの役職別設計ポイント
24選オンラインセールス代行会社一覧・選び方8つの判断基準・メリット外注費用相場
27選・外壁塗装業界に強い営業代行会社一覧7つの判断基準・料金費用相場
インサイドセールスの質を高めるインバウンド戦略 含めたい7つの要素・作り方・21の手順
AI×インサイドセールスで成果を出す15のポイント・従来の営業がうまくいかない7つの課題
15の特徴・インサイドセールスに向いている人の適性・未経験から成果を出す7つの手順
目的別15・インサイドセールスは将来性高い7つの理由・営業必須スキル完全版
目的別15選インサイドセールス効率化の成功法・7つの必須ツールと導入手順
21の手順 インサイドセールスのやり方・立ち上げ方法・成果を最大化する7つのコツ・完全解説
インサイドセールスとフィールドセールスの7つの違い・営業体制の構築で活かす15のポイント
インサイドセールス代行の外注費用相場・質を高めるための7つの基準・8視点徹底比較
インサイドセールスやめとけの真実?7つの理由とうまくいかない時の3つの対処法・7つの成功手順
インサイドセールスとインバウンド営業13の違い・組織の営業力を最適化する7つの手順
インサイドセールス・トークスクリプト例文集・うまくいかない理由とアポ率を高める21のコツ
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15のメリット/11のデメリットインサイドセールス導入の判断基準と成果を出す5つの手順徹底解説
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デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの違いと進め方 
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インサイドセールスの架電数の目安・数打ち型と質重視型で変わる件数の決め方
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有効商談とは・定義と判断基準・増やすには15の方法・商談化率と商談数の計算式

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