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CRMの構築3つの方法と5つの手順(費用を左右する4つの要素/注意点あり)

「CRMを導入したのに、現場が全然使ってくれない」──そんな声、あなたの組織でも聞こえてきませんか?
せっかくのCRMも、導入形態や構築方法を誤れば、ただの“データの墓場”になってしまいます。
今こそ、自社に本当にフィットするCRM構築の選択肢を知り、営業・マーケ・CSが活用できる体制を整えるべきです。
CRM導入に失敗しないための考え方と実践的な手段を、第一線の現場視点で解説します。
本記事を読むと分かること
- 自社に最適な導入手法がわかる(自社開発・外注・既製品)
- 用途別に選ぶべきツールの導入形態を理解できる(営業支援・マーケ支援・一元管理)
- CRMがもたらす営業・CSチームへの具体的な効果がわかる(名寄せ・対応漏れ防止・連携強化)
現場のB2Bマーケティング担当者だけでなく、マーケティング責任者必見の内容です。
「もっと詳しく教えて欲しい」「これ、うちにも当てはまるかも」と思った方は、ぜひマーケティング支援のプロ集団「スタジアム」に無料で相談してみましょう!
結論:CRM/MA導入の成否は「初期設計」で9割決まる
CRM/MAを入れたのに、現場が使いこなせていない、、、。そんな悩み、ありませんか?
BtoBマーケティングにおける顧客管理では、最初の設計次第で成果が大きく変わります。
たとえば、営業とマーケで「見込み客」の定義がズレていたり、データの入力ルールがバラバラだと、運用が止まります。
大事なのは、導入前に“言葉”と“動き”を揃えておくことです。
- 「データ一元管理のルール設計」:抜け漏れや重複を防げます
- 「共通の顧客分類ロジック」:誰もが迷わず対応できます
スタジアムが行うHubspot導入支援・運用支援では、運用しやすさを最優先に設計を支援しています。
「CRM/MAツール効果最大化の5つの鉄則」をベースに、動ける仕組みを一緒に作っていきます。
- 「全部門(営業・マーケ・システム)で目標を統一」
- 「最小機能から開始」
- 「全部門で同一の顧客分類ルールを適用」
- 「データ一元管理徹底」
- 「CRM/MA専任担当者を最低1名配置」
難しく考えすぎず、まずは最小単位で動かす。
その小さな一歩が、CRMやマーケティング組織全体の運用を効率化します。
CRMの構築でよくある3つの方法
自社開発(スクラッチ開発)
自社開発とは、自分たちの営業現場に合わせてゼロからCRMを設計・構築する方法です。
つまり、既製品では拾いきれない「組織特有の営業フロー」や「文化」まで、細部にわたってシステムに落とし込めるということです。
ただ、営業現場では「メンバーごとに記録の癖が違って入力がバラバラ」だったり、「既存のCRMが訪問後すぐの記録文化に合わない」など、使いづらさが先行する場面もあります。
実は、こうした“ズレ”を埋められるのが、スクラッチ開発の最大の利点です。
例えば、「訪問直後のスマホ入力に対応した軽量画面を追加する」など、現場の声をそのまま形にすることで、入力負荷を軽減し、利用率を高めていくことができます。
フェーズ |
自社開発でのポイント |
導入直後 |
「営業の記録文化に合ったUI」で定着率を高める |
チーム編成変更時 |
「インサイド向け機能」を後付けで柔軟に追加する |
セキュリティ強化時 |
「オンプレ・権限分離」で社内ポリシーを完全順守する |
自社開発のメリットは、「自社の勝ちパターン」を妥協せずにシステムに落とし込める自由度の高さにあります。
仕様変更のリスクやコスト面の重さはありますが、営業活動に“ピタリとハマるCRM”をつくるには有効な選択肢になり得ます。
まずは「何をシステム化したいのか」を具体的に洗い出すことから始めてみてください。
ベンダーへの依頼(受託開発)
ベンダーへの依頼とは、CRMシステムを外部の開発会社に任せて構築してもらう方法のことです。
つまり、自社で構築のノウハウや人材がなくても、専門家の力を借りてプロジェクトを前に進められる手段です。
実際には、「プロに任せて安心」と思っていたのに、納品後に「変更は別料金です」と言われるケースも少なくありません。
実は、“初期設計時の要件の曖昧さ”が原因で、運用フェーズに入ってから「使いづらい」と感じてしまうことが多いです。
例えば、「営業活動に直結するKPIをダッシュボードで見える化したい」と依頼しても、「案件管理だけの簡易画面」で納品されてしまうなどの事例が起きています。
フェーズ |
受託開発でのポイント |
初期設計 |
要件の言語化に時間をかけて詰める |
開発 |
テンプレ活用でコストを抑えつつ、必要部分は個別開発する |
運用開始後 |
修正対応の費用感と対応範囲を事前に確認しておく |
受託開発のメリットは、“納品して終わり”ではなく“運用後にどう付き合うか”まで見据えて、専門知識やリソースの活用、開発コストの最適化等にあります。
より具体的には「担当変更時の引き継ぎ体制」や「仕様書のドキュメント化」が重要になってきます。
CRMを営業の成果に繋げるために、開発フェーズよりも“すり合わせフェーズ”に時間を使うのも大切です。
既製品の導入(SaaSやパッケージ)
既製品のCRM導入とは、「完成された営業管理ツールを契約してすぐに使い始められる状態」のことを指します。
つまり、自社開発やゼロからの設計をせずに、すでに用意された型に合わせて営業活動を管理する方法です。
確かに「早く導入したい」「コストは抑えたい」といった場面では便利ですが、現場の運用とズレることも少なくありません。
実は、便利さと引き換えに「自社にフィットする柔軟性」を犠牲にしてしまうケースもあるんです。
例えば、「商談進捗の項目が自社の工程と違い、現場が使わなくなる」「Webhookの接続ができずSFA連携が止まる」などの声がよく聞かれます。
フェーズ |
既製品導入でのポイント |
導入初期 |
「標準テンプレ」で案件管理を進める |
運用中 |
「現場用マニュアル」を独自に用意する |
既製品導入のメリットは、「既製品の型」に合わせるのではなく、「現場が迷わず使える状態」を自社で作ることにあります。
その一例として、「Slack通知で日報を補助する」「KPI分析だけ別ツールで代替する」といった工夫が効果的です。
「とりあえず入れたけど、誰も使ってない…」とならないように、まずは一番小さなチームで仮導入してみるのもひとつの方法です。
業務に合った形で使いこなせるような導入準備も大切です。
CRMの構築費用相場の全体像まとめ
導入形態 |
想定費用(初期費用) |
月額費用(必要な場合) |
特徴 |
SaaS型(Salesforce, HubSpotなど) |
数万円〜100万円程度 |
数千円〜数十万円/月 |
短期間導入、機能拡張しやすい |
オープンソース型(例:SuiteCRM) |
無料〜50万円 |
基本なし(サーバー運用費別) |
カスタマイズ性高いが運用負担大 |
スクラッチ開発(自社開発) |
300万円〜数千万円 |
なし(保守費用は発生) |
完全オリジナル、業務に最適化可能 |
パッケージ導入+カスタマイズ |
100万円〜500万円以上 |
要相談(保守・運用費あり) |
中規模以上の企業向け、柔軟性高い |
CRMの構築費用を左右する主な4つの要素
1.機能の数と複雑さ
顧客管理、営業管理、問い合わせ履歴、MA(マーケ自動化)などが増えると費用も上がります。
2.連携する外部サービスの数
会計システム、チャット、Webフォーム、SFAなどの連携が必要な場合、開発コストが増加。
3.カスタマイズ範囲
汎用CRMをそのまま使うのか、自社業務に合わせてカスタマイズするかで大きく異なる。
4.導入支援・研修の有無
コンサルティング、要件定義、社内トレーニングまで依頼するかどうかで費用が加算。
CRMのツールを構築導入する場合の5つの導入形態
営業支援ツール
営業支援ツールとは、営業の進捗や活動履歴、顧客とのやり取りを一元で管理できるシステムです。
つまり、毎日の営業活動を「見える化」し、やるべきことを誰でもすぐに把握できる仕組みです。
とはいえ、現場では「入力の手間が多くて後回しになる」「そもそも何を入れればいいか迷う」などの声が出やすいです。
例えば、「商談状況を口頭で報告する」「活動履歴を紙で残す」など、バラバラな運用が続いてしまうことがあります。
具体例
- Salesforce
- eセールスマネージャー
- kintoneなど
これらツールを使えば、「誰がどの案件をどう進めているか」がすぐに分かるようになり、「手戻り」や「抜け漏れ」も防ぎやすくなります。
結果として、「マネージャーが現場の動きをリアルタイムで把握できる」ようになり、早めにサポートを入れることもできるようになります。
まずは簡単に入力できる設計と、使う意味をチームで共有するところから始めてみるのがよさそうです。
マーケティングオートメーションツール
マーケティングオートメーションツールとは、見込み客に対するメール配信やWeb施策を自動で進められるツールです。
つまり、「見込み客がどんな行動をとったか」に応じて、次に届ける内容を自動で判断してくれるツールです。
とはいえ現場では、「設定が細かすぎて途中で手が止まる」「最初の設計に時間がかかる」といった声がよく出ます。
例えば、「資料請求後に段階的なフォローを送る」「特定ページを見た人にだけ案内を送る」などがあります。
具体例
- HubSpot
- Marketo
- SATORIなど
これらのツールを使えば、「営業が声をかける前に温度感を上げる」動きが自然にできるようになります。
結果として、「営業が本当に会うべき相手」を見つけやすくなり、ムダな接触も減らせます。
まずは、よくある顧客行動に合わせて簡単なシナリオを一つ作ってみるところから始めてみるのがよさそうです。
カスタマーサービスツール
カスタマーサービスツールとは、問い合わせ対応を一元で管理できる仕組みです。
つまり、チャット・メール・電話などのやりとりをまとめて見える化する道具です。
とはいえ現場では、「対応の質にばらつきがある」「履歴が共有されていない」といった課題が出やすいです。
例えば、「電話内容をメモで残す」「メール履歴を個人で抱える」など属人化しやすくなります。
具体例
- Zendesk
- Freshdesk
- Re:lationなど
どの顧客に誰が何を対応したかが明確になり、手戻りや対応ミスを防ぎやすくなります。
結果として、顧客対応がスムーズになり、満足度や紹介率が上がることに繋がります。
顧客情報一元管理ツール
顧客情報一元管理ツールとは、名前・会社・商談履歴・問い合わせ内容などを1カ所でまとめて管理できる仕組みです。
つまり、営業・サポート・マーケの誰が見ても「その顧客の全体像」がすぐにつかめるようになります。
ただ現場では、「入力の手間が多い」「ツールがバラバラ」などで更新が止まってしまうことがよくあります。
例えば、「名刺はExcel管理する」「商談履歴は個人メモに残す」などが代表例です。
具体例
- kintone、Sansan、Salesforce Customer 360など
こうしたツールを使えば、「部署をまたいで話がつながる」ようになり、「誰でもすぐに最適な対応」がしやすくなります。
まずは、情報を入れる場所をひとつに決めることから始めてみてください。
マルチチャネルCRMツール
マルチチャネルCRMツールとは、LINEや電話、メールなど、複数の窓口でのやり取りをまとめて管理できる仕組みです。
つまり、お客様がどの方法で連絡してきても、対応履歴を一つに見える化できるツールです。
ただ、「テレアポの内容が社内に共有されていない」「電話の履歴が残っていない」などの声はよくあります。
例えば、「LINEでの質問に個別対応する」「電話応対をメモで残す」など、情報が分散することが起きやすいです。
具体例
- KARTE、Zendesk、LINE公式アカウント連携CRMなど
ツールを使えば、誰がどこで何を話したかが一目で分かり、対応のムラや抜けも減らせます。
結果として、「お客様との信頼関係が深まる」対応につながり、関係性の強化に役立ちます。
まずはよく使うチャネルから順にまとめていくと、無理なく導入しやすくなります。
CRMを構築する7つのメリット
「名寄せ」で顧客データのバラバラ問題を解消できる
顧客データが部署や営業担当ごとにバラバラだと、「この会社、過去に誰か接触してたっけ?」という基本情報さえすぐに出てこないことがあります。
BtoBマーケティングでは、接点履歴や社内の提案内容を正確に把握できないまま動くと、信頼を損ねることもあるんですよね。
では、なぜBtoBマーケティングにおいて「名寄せ」が重要なのでしょうか?
それは、同一企業でも「表記ゆれ」や「部署名違い」で別データとして管理されがちで、結果としてマーケ施策がズレるリスクが高まるからです。
名寄せを徹底すると、次のような効果が得られます。
- 「同一企業の複数データを統一してリスト精度を上げられる」
- 「過去の接点履歴から最適なアプローチ方法を導ける」
CRMの導入時には、単なるデータ統合ではなく、「誰が、いつ、どの提案をしたか」を軸に紐づけておくのがコツです。
そうすることで、営業チーム全体が“情報武装”され、無駄な重複営業や対応ミスを防げるようになります。
「一元管理」で対応漏れ・二重対応がゼロになる
問い合わせやリードが複数のチャネルから飛び込んでくる今、誰がどこまで対応したかが分からず、BtoBマーケティング現場では「え、それ対応済みだったの?」という混乱が起きがちです。
その結果、有望な案件を逃したり、同じ提案を複数人で送ってしまったりすることもありますよね。
では、BtoBマーケティングにおいて、どうすれば対応漏れや二重対応を防げるのでしょうか?
答えは、「一元管理」で顧客対応を“見える化”することにあります。全員が同じデータにアクセスできる状態をつくるだけで、無駄な動きがぐっと減ります。
例えば、
- 「対応履歴をCRMで一元記録して情報のバトンを渡す」
- 「案件の進捗をステージごとに可視化して属人化を防ぐ」
どれだけ優秀な営業でも、属人的な対応に頼りきると抜け漏れは起きます。
仕組みとして一元管理を整えれば、チーム全体が“同じ地図”を見ながら動けるようになるんです。
「自動集計」で日報やレポートの作業がいらなくなる
日報の作成や週次レポート、毎回“手動で”まとめていませんか?
BtoBマーケティングでは数字の把握が命なのに、Excelを開いて転記するだけで30分以上かかってしまう。気づけば、振り返りに使うべき時間を“作業”に奪われてしまいます。
そこで、「自動集計」の仕組みがあると、CRMが案件データや活動履歴をそのまま数値化してくれます。営業とマーケが同じ数字をリアルタイムで見られるようになり、“分析から改善”までが一気に進みます。
例えば、
- 「前週比で提案数が減った」→対策を会議前に考えられる
- 「案件別の成約率」→どこで詰まっているか一目でわかる
BtoBマーケティングの“数字を読む力”、集計ではなく分析に時間を使えるかが分かれ道かもしれません。
「情報共有」で営業とCSのバトンがうまくつながる
営業がクロージングしたあと、CSが手探りでフォローしていませんか?
BtoBマーケティングでは、最初の一手で顧客の温度が大きく変わります。営業とCSの間で「引き継ぎ」が曖昧だと、初期対応でミスが起きたり、期待値がズレたりしてしまう。契約後こそ信頼構築の勝負なのに、バトンが滑っていては意味がありません。
だからこそ、「情報共有」が重要です。CRMを使って、提案時の背景や決裁者のこだわり、導入目的まで記録しておく。CSはそれをもとに、会話のトーンも提案の中身も“営業と地続き”にできます。
例えば、
- 「課題ヒアリングの内容」→CSが初回から“共通言語”で話せる
- 「導入決定の決め手」→期待値とサクセス基準を外さず進められる
BtoBマーケティングにおいて、信頼は“温度の連続性”から生まれるかもしれません。
「分析結果」から次のアクションを迷わず打てる
顧客の反応や商談の進捗を見ながら、次に何を打てばいいか迷う瞬間、ありませんか?
BtoBマーケティングでは、この「判断の速さ」が商談の勝率を分けます。
そこで重要になるのが、CRMで可視化された「分析結果」です。
例えば、「過去に失注した要因」をパターン別に振り返るだけで、同じミスを防ぐヒントになります。
また、「商談の温度感」が週ごとに変化する傾向が見えれば、提案のタイミングも読みやすくなります。
- 「失注理由の傾向分析」→ヒアリングの深さやタイミングを調整
- 「行動と成果の相関」→どの施策が成果に直結していたかが一目でわかる
BtoBマーケティングは、手応えよりも「根拠」で動くほうが成果が安定します。
分析結果があれば、過去に縛られずに、未来の打ち手を“納得感”を持って選べるようになります。
「対応履歴」があれば、引き継ぎが一瞬で終わる
異動や休職で担当が変わるたびに、顧客情報をイチから説明していませんか?
BtoBマーケティングでは、関係性の「温度」を落とさずに引き継ぐことが信用維持のカギです。
そのとき、CRMに残された「対応履歴」があるかないかで、引き継ぎの質は大きく変わります。
例えば、「前回の提案時に保留になった理由」が明確なら、次の一手が自然に見えてきます。
また、「誰が・いつ・何を話したか」が時系列で整理されていれば、顧客も不信感を持ちにくくなります。
- 「前担当の交渉経緯」→背景を理解してから話ができる
- 「顧客の反応履歴」→次回の打ち合わせで不安要素を先回りする
BtoBマーケティングの現場では、情報の断絶が失注につながりやすいです。
だからこそ、対応履歴の一元管理が“引き継ぎ”そのものを不要にする近道になります。
「カスタマージャーニー」を見える化できる
BtoBマーケティングで「見込み顧客がなぜ離脱したのか」、正確に把握できていますか?
属人的な感覚や勘に頼ると、顧客の行動パターンが見えず、改善のヒントがぼやけてしまいます。
CRMを活用すると、カスタマージャーニーの各接点が「行動ログ」として蓄積され、曖昧だった顧客の動きが“地図”のように浮かび上がります。
例えば、資料請求後に商談化せず離脱した顧客を見れば、「詰まった接点」が明確になります。
- 「資料送付後のサンクスメールの文面が弱い」
- 「初回商談のヒアリングが浅い」
こうした“旅の途中の穴”が見えるからこそ、改善は一点集中で済みます。
BtoBマーケティングは、地道な可視化の積み重ねが、次の打ち手の精度を高めていきます。
CRMの構築で気を付けたい5つの注意点
「担当者不在」でツールが放置されるのを防ぐ
「CRMが放置される」とは、主に入力や更新が滞り、情報が古いままになってしまう状態を指します。
つまり、せっかく導入したCRMが活用されず、“形だけのツール”になってしまうということです。
「なぜ、営業メンバーはCRMに入力しなくなるのか?」と感じたことはありませんか?
実は、「担当者不在」「属人化」「運用ルールのあいまいさ」が重なると、ツールはすぐに形骸化してしまう傾向があります。
具体例
・「引継ぎフローがないまま退職してツールが放置される」
・「特定メンバーしかCRMの使い方を知らず属人化する」
・「“入力する項目”の定義が曖昧で記録がバラつく」
このような事態を避けるためには、「誰が不在でも一定の質で使える運用設計」がポイントになります。
担当者が変わっても回るCRM運用の型を、今のうちに作っておくと安心です。
「入力の手間」が現場のストレスにならないようにする
CRMの「入力の手間」とは、営業現場で日々発生する顧客情報の登録・更新作業が、業務負荷として感じられてしまう状態を指します。
つまり、本来“商談に集中したい”気持ちに対して、ツールへの入力が心理的ブレーキになってしまうということです。
「なぜ、営業はCRM入力を後回しにしてしまうのか?」と感じたことはありませんか?
実は、入力項目が多すぎたり、画面が複雑だったりすると、無意識にツールを避けるようになってしまう傾向があります。
営業での具体例
・「訪問メモの記入が10項目以上ある」
・「フェーズ更新が1クリックで完了しない」
・「スマホからの入力がしづらいUIになっている」
このような負担を軽くするには、「最小限で最大の情報が得られる設計」がポイントになります。
現場の声を聞きながら、入力項目を一度見直してみるだけでも、営業の心理的ハードルがぐっと下がります。
「顧客画面の見づらさ」で問い合わせが増えないようにする
「顧客画面の見づらさ」とは、CRMにおいて顧客情報の表示や動線が直感的でなく、営業現場での活用を妨げてしまう状態のことです。
つまり、せっかくデータを蓄積しても、営業が「見たい情報をすぐに見つけられない」と感じると、機会損失や無駄な問い合わせが増えてしまいます。
「営業は、CRMのどこを見れば商談の突破口を掴めるのか?」と悩んだことはありませんか?
実は、多くの営業は“CRMの情報構造”にストレスを感じており、必要な情報を探す時間が商談準備の足かせになっているケースがあります。
具体例
・「顧客ステータスごとの表示項目を整理する」
・「過去対応履歴を時系列で並べて表示する」
・「タグや検索フィルターを細かく設計する」
このように、営業が“直感で理解できる画面設計”にすることで、問い合わせの数を減らし、行動のスピードも上げられます。
まずは一度、現場の営業と一緒に画面を開き、「どこが見づらいか」を率直に聞いてみてください。
小さな改善が、大きな成果につながります。
「全社導入」は段階的に、小さく始めて広げていく
「全社導入」とは、CRMや営業支援ツールなどの仕組みを一斉に全組織へ展開することを指します。
つまり、最初から全メンバーを巻き込もうとすると、現場とのズレや抵抗感が強まり、定着しないリスクが高まります。
「なぜ、CRMを営業全体に広げたいのに、うまく使われないのか?」と感じたことはありませんか?
実は、最初に一部のチームでスモールスタートし、現場の温度感を確かめながら徐々に展開していく方が、結果的に導入スピードも成功確率も上がる傾向があります。
具体例
・「トップ営業2名にまず使ってもらう」
・「1商材・1顧客セグメントから始める」
・「活用例を共有して社内ナレッジにする」
このように、まずは“使ってもらえる現場”で小さく試し、成果とフィードバックをもとに広げていくのがポイントです。
「小さく始めて、大きく育てる」姿勢が、導入定着を促す最も自然なやり方かもしれません。
「サポート窓口」がすぐつながるかも意外と重要
「サポート窓口がすぐにつながる」とは、営業が抱える顧客の課題や不安を、すぐに解消できる体制が整っている状態を指します。
つまり、質問やトラブルが起きた瞬間に、迅速かつ丁寧に対応できる「安心感の設計」が、営業プロセスにも影響してくるということです。
「営業活動にサポート体制なんて関係あるの?」と感じる方もいるかもしれません。
実は、BtoBではこの“対応スピード”が信頼構築と受注確度に直結しているケースが多いです。
具体例
・「導入初月のトラブル」に即日チャットで対応する
・「検討中の技術質問」にその場で専門チームにつなぐ
・「料金の複雑な問い合わせ」に営業が窓口になって橋渡しする
このように、“売ったら終わり”でなく“売ったあとも見てくれている”と感じてもらえる関係性が、継続や紹介にもつながっていきます。
まずは自社の営業資料の中に、「サポートの連絡方法」や「初期対応の流れ」を1枚だけでも入れてみると、受注率が変わってくるかもしれません。
CRMを構築して成果を出す!5つの活用方法
「見込み客のスコア化」で営業の優先度がはっきりする
営業チームが多忙になると、「今、誰にアプローチすべきか?」がぼやけがちです。
とくにBtoBマーケティングでは、熱量の高い見込み客を見逃すと、商談機会はあっという間に失われます。
この“勘頼り”から脱却するために有効なのが、HubSpotなどを活用した「リードスコアリング」です。
例えば、
- 「資料ダウンロード3回以上」→「商談化しやすいサイン」
- 「メール開封率が50%以上」→「情報収集中の可能性大」
このように点数化することで、感覚ではなく“行動データ”に基づいた優先順位がつけられます。
HubSpot導入支援・運用支援を活用すれば、シナリオ作成からスコア設計、通知フローの整備まで一気通貫で対応可能です。
BtoBマーケティングにおいて、「この商談、本当に今やるべきか?」と迷ったことはありませんか?
その答えは、リードの“熱量”をスコアで見える化することで、驚くほど明確になります。
「ステップ配信」で放っておいても関係が深まる
毎回ゼロからメールを作って、なんとなく送って終わり——それではBtoBマーケティングの関係構築は進みません。
忙しい営業現場こそ、「放っておいても反応が返ってくる仕組み」が必要です。
そこで効果を発揮するのが、HubSpotを活用した「ステップ配信」です。
例えば、
- 「資料DLから3日後に送る“よくある質問まとめ”」
- 「セミナー後1週間で届く“導入企業インタビュー記事”」
このように、見込み客の“行動”に合わせて自動で配信を設計すれば、1通1通を人が送らなくても、継続的に興味を育てることができます。
スタジアムのHubSpot運用支援を使えば、顧客のステージや温度感に合わせたシナリオ作成もスムーズに進められます。
BtoBマーケティングで、「せっかく資料請求があったのにフォローが雑になっていませんか?」
ステップ配信なら、忘れず、漏れず、手間なく“関係性の貯金”を増やせます。
「KPIダッシュボード」で毎朝やることが明確にする
BtoBマーケティングの現場では、朝の一手がその日の成果を左右します。
でも、「今日は何から手をつけるべきか…」と迷うこと、ありませんか?
それが積み重なると、気づけば成果に直結しない業務に時間を割いてしまうこともあります。
だからこそ、「KPIダッシュボード」は意思決定の羅針盤になります。
重要なのは、“数字を眺める”のではなく、“次の打ち手”が即座に見えるよう設計すること。
- 「商談化率が落ちている商品」は、リードの属性や初回接触のトーンを見直す合図
- 「MQL到達率の停滞」は、フォームUXかスコアリング条件のチューニングが必要なサイン
このように、指標ごとに“問い”を持ち込むことで、BtoBマーケティングが「受け身」から「攻め」に変わります。
明確な打ち手を持ってスタートする毎朝が、チームの生産性を底上げしていきます。
「顧客リスト抽出」が一瞬で終われば、施策がすぐ打てる
BtoBマーケティングでは、「誰に」「いつ」「何を届けるか」が成果の9割を決めます。
でもその前段階、「顧客リストの抽出」に毎回時間がかかっていませんか?
顧客リストを出すのにExcelでフィルタを何度も切り替えたり、担当者に依頼して戻ってくるのを待っていたら、施策のスピード感は一気に失われます。
リストが即座に出せれば、思いついた施策をその日のうちに試せるようになります。
- 「商談失注後30日以内の企業」へ、再提案メールをすぐ打てる
- 「資料DL後に未接触のリード」へ、即フォロー架電が可能になる
BtoBマーケティングにおいて、“分析”よりも“実行”の遅れが大きな機会損失につながります。
リスト抽出の時間を短縮するだけで、チーム全体の打ち手の回転数が変わってきます。
「やりとりの履歴分析」で売れた理由を再現できる
売れた商談、なぜうまくいったか言語化できていますか?
BtoBマーケティングでは、属人的な対応が売上を左右します。
だからこそ、「やりとりの履歴分析」は再現性ある勝ちパターンの源泉になります。
HubSpotの「コンタクト履歴」や「取引タイムライン」を使えば、誰がどのタイミングで何を送ったかが明確になります。
成功した商談には、必ず“相手が動いた瞬間”があるはずです。
例えば、
- 「一次商談直後に送った“比較表資料”で返信率が上がった」
- 「検討停滞時の“課題整理メール”で動きが出た」
これらは偶然ではなく、分析すれば再現可能な戦略になります。
BtoBマーケティングの勝ち筋は、すでに手元の履歴に眠っています。
まずは、スタジアムが提供するHubSpot運用支援で、履歴の「見える化」から始めてみませんか?
CRMツールを構築する5つの手順
CRMを構築する「目的やKPI」を最初に決めておく
最初にやるべきことは、「なぜCRMを導入するのか?」を言葉にすることからです。
「目的やKPI」は、その後のシステム設計や運用方針のすべての土台になります。
ここでのポイントは、「営業効率化」や「顧客満足度向上」など曖昧な表現ではなく、たとえば「新規商談数を月30件にする」「失注理由の記録率を80%以上にする」など、数字で測れる目標に落とし込むことです。
よくあるのは、ツール先行で導入し、「何を改善したかったのか?」があいまいなまま運用が形骸化してしまうケースです。
具体的には、以下の手順を踏むと整理しやすくなります。
①現状の課題を洗い出す
②課題を解決したい順に並べる
③それぞれに対してKPIを設定する
「このCRMで何を実現したいのか?」を明文化するだけで、次のステップが驚くほどクリアになりますよ。
「現場を知る人」でチームを組み、開発を任せすぎない
CRM構築を成功させるには、「誰が設計に関わるか」が最初の分かれ道になります。
「現場の実務を知っている人」が入っていないと、使われないシステムになりやすいです。
ここでのポイントは、「ITに強い人」よりも「日々の顧客対応や営業フローを肌で知っている人」を企画段階から巻き込むことです。
よくある失敗は、ベンダー任せや情報システム部門だけに判断を委ねてしまい、現場ニーズが反映されないままリリースされてしまうことです。
具体的には、
①営業・カスタマーサクセスの中堅メンバーを数名選出する
②その人たちに「よくある問い合わせ」や「日報・商談管理の工夫」を棚卸してもらう
③設計に反映するまでレビューを重ねる
「実際に使う人が設計にも関わっているか?」を常に問いながら、プロジェクトを進めてみてください。
「顧客対応のモヤモヤ」を一つずつ言語化する
なんとなく感じる「やりにくさ」や「対応のばらつき」は、実はCRM設計のヒントになります。
言語化とは、現場で起きている曖昧な違和感を、具体的な課題やニーズとして整理することです。
このフェーズでのポイントは、「個人のストレス」を「組織の構造的課題」に変換すること。
ありがちなのは、「なんか使いにくい」など抽象的な不満を放置してしまうケース。
それだと、設計者が何をどう改善すればいいか判断できず、形だけのシステムになりがちです。
具体的には、営業やカスタマーサポートの現場にヒアリングし、「対応履歴が追えない」「案件の優先度が分からない」といった“可視化されていない困りごと”を一つひとつ丁寧に書き出します。
Notionやスプレッドシートなどに時系列で記録していくと、後で構造化しやすくなります。
まずは「この問い合わせ、毎回どこでつまずくんだっけ?」という小さな問いから始めてみてください。
「仮導入(PoC)」で一度現場に使ってもらう
導入前の“つもり設計”と、実際に触れた現場の感覚には大きなズレがあることが多いです。
PoC(Proof of Concept)とは、簡易的な形で一度CRMを使ってもらい、実運用でのフィードバックを得る段階です。
ポイントは、「仕様通り動くか」ではなく、「現場で自然に使えるかどうか」を見極めること。
よくあるのは、PoCを「お試し」扱いにしてしまい、本気のフィードバックを得られずに終わるケース。
これでは、後の本導入に必要な改善点が見えないまま進んでしまいます。
具体的には、2〜3チームに限定して「実案件ベース」で数週間CRMを使ってもらい、「手間が減った?」「抜け漏れなくなった?」など“感覚ベースの感想”も一緒に集めます。
操作ログや、実際にやり取りした履歴も確認しながら、どこで詰まったのかを一緒に見ていくのがコツです。
「これ、明日から全社で使うとしたら困るところある?」と、あえて日常の文脈で問いかけてみてください。
「CRM導入後の評価指標」を定めて継続的に改善する体制を作る
評価指標が曖昧なままだと、CRMが「使われているだけ」の状態に陥りやすくなります。
ここでいう評価指標とは、「商談化率」や「初回接触からの平均リードタイム」など、成果に直結する“変化”を測る軸のことです。
ポイントは「入力数」や「ログイン回数」といった“行動”ではなく、「受注単価が上がったか?」「継続率に影響が出ているか?」といった“結果”を追いかけることです。
よくあるのは、現場の肌感や定性的な声だけで改善判断をしてしまうこと。これでは議論が属人的になりがちです。
具体的には、KPIを四半期単位で仮設定し、「ダッシュボード」で可視化→定例MTGでチェック→改善点を1点だけ決めて施策を回す、という3ステップで運用すると機能しやすいです。
CRMは「見える化」だけでなく、「良くする化」まで使い倒してこそ意味があります。まずは小さく回して、定量の“変化”に着目してみてください。
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